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石ケ森久恵さん【後編】

作成者: 石ヶ森久恵|2019/07/09

フォトリーディングを学んだことで、自分が大きく変わり始めた。
そんな体験をしたフォトリーダーは大勢いらっしゃいますが、
石ケ森さんもその 1 人。なんと、フォトリーディングで
英語が一気に上達したというのです。
それはどんな体験だったのか!?忙しい日々の中の、
とっておきのヒーリングタイムのお話と併せ、伺いました。

フォトリーディングで英語が上達した奇跡の1週間

―石ヶ森さんは、どんなきっかけでインストラクターの道に入るようになったんですか?

ああ、それは話せば長いことですね(笑)。私は、前の会社でシステムエンジニアをやっていました。わりと順風満帆にやっていたのですが、気がついたら、365 日 24 時間、コンピューターに使われているという状態になっていた。自分の時間を作るためにコンピューターをやろうと思ったのに、真逆になっているのに気づいたんです。ちょうどそのときに、マインドマップに出会いました。

あるとき、マインドマップの創始者であるトニー・ブザンの来日イベントに行ったんです。そうしたら、トニーさんはマインドマップの素晴らしさを話してくれたのですが、講演の時間が少なくて「実際の書き方は本を読んで」ということで終わってしまったんですよ。で、講演をご一緒した人たちから、「マインドマップの書き方知ってるなら教えて」、と言われてたのが、最初のきっかけです。

半日の講座をやったのですが、そこに来た人たちが、なぜか次々に自分が忘れていた夢を思い出したんですよ。そういえば、私も去年、1 年後の夢をマインドマップに書いたよね、と思って紙を開いてみたら、9 割がかなっていました。この人と会いたい、この人と一緒に仕事がしてみたい、この人の講座に出てみたい。会社を辞める、もかなっていました。これは!と思いましたね。

そうやってひっそりとマインドマップの講座をしていたところ、そこにフォトリーダーの人が次々に来るようになりました。ところが、その人たちが効果的なマインドマップの書き方をご存じなかった。日本でのフォトリーディング事業は神田昌典さんがやっている。トニー・ブザンの『ザ・マインドマップ』を監訳したのも神田さん。ならば、どうして一緒にやらないんだろう、という素朴な疑問がわいてきて、そのタイミングで神田さんに会ったので、どうして一緒にやらないんですか、と聞いたら、「じゃぁ、自分でやってみたら?」と言われて。それで、いまに至るというわけです。

―なるほど。マインドマップから入られて、フォトリーディングはいつごろ学ばれたんですか?

集中講座を受けたのが、2007 年 12 月 30、31 日です。私はそのころ、マインドマップ事業の方で寝ずの仕事をしていました。みんなに「早くフォトリーディングやりなよ」と言われていたのですが、私自身は別の速読法をすでにやっていたんですね。そもそも 2 日間の講座受講時間が取れないまま年末になって、ようやく沢田淳子さんの集中講座を受けたのですが、終わった直後、しまったと思いました。半年前に受けていれば、これまで 1 日 2 時間だった睡眠時間が 4 時間になったのにって(笑)。本当に悔しくて地団駄を踏みました。

―前にやっていた速読とは、何が一番違ったのでしょうか?

前にやっていた速読は、いわゆる目を速く動かす系だったんです。目標は設定するんですけど、内容の理解が正確にできなかった。それに対してフォトリーディングは、まず全体に目を通し、質問を使って引っ張り出すという方法をとっているので、内容が濃く分かるんです。濃く分かっているところが何ヵ所かあったら、それで本の全体像が見えてきます。全体像をつかんでから、自分がほしいところをぐわっと絞りこんでいく行為を繰り返す。それは、脳の生理にもかなっています。

また、いまは必要ではない内容も、一旦脳に入れておくことで、関連する記憶とひもづいて、必要なときに取り出せる。つまみ読みだけではその場限りですが、フォトリーディングなら脳の中で体系化され、のちのち使える知識として組みこめるんです。

―それからは、本を読むときはすべてフォトリーディングで、というふうになり…

いちおう、ね(笑)。というのも、それから 5 月ぐらいまでの間は、やはり忙しくて、フォトリーディングはしているんだけど、活性化する時間がないということが多かったんです。そして、一番切羽詰まったのが 2008 年 5 月。

―具体的ですね(笑)。

5 月末に、リネット・アイリスさんが日本に来ることになっていたんです。リネットさんは、私たちがフォトリーディングのインストラクターになるための講習をしてくださる方。私はそのための準備をしていて、月初に来日するトニー・ブザンさんを迎える準備メンバーからは外れていました。ところが、トニーさんが来日してみたら、アシスタントが同行されていなかった。あれだけのスターの方だから、分刻みのスケジュールが入っているのに、誰もそのサポートをすることができないという状態だったんです。どうする?となったとき、「あ、石ヶ森が空いてる」って言われて。え、私、英語全然ダメですって必死で言いましたが、もう後の祭りでした。

大慌てで辞書を持って、タクシーでホテルにお迎えに向かう 30 分の間ずっと、イージーラーンイングリッシュパラリミナルという CD を聞きながら、辞書をフォトリーディングしました。そして、その日 1 日トニーさんのお付きをして、夜 1 時くらいに家に帰ってから、今度はトニーさんの本を全部ひっくり返してダーッとフォトリーディングして、そのまま突っ伏して寝て、翌日また辞書のフォトリーディングをして、というのを 1 週間やりました。

―そ、それは怒涛の1週間ですね。

ずっとあわあわしてましたけど、必死になって乗り切りました。そして、翌週にリネットさんが来た。迎えに行って、タクシーに乗り、15 分くらい話をしました。もちろん英語です。そうしたらリネットさんが、「ヒサエ、あなたどうしたの?」と言うんです。何が?って思ったら、「英語がすごくうまくなっているよ」って。私は、辞書や資料をフォトリーディングしただけで、いちいち意味も調べていないし、1 回も活性化していないんですよ。すごい、これがフォトリーディングだって思いましたね。それが、フォトリーディングの力を初めて実感した大きな体験でした。

アルマ・クリエイション という会社はこういった未踏の分野にチャレンジする仕事がとても多くて、よく 4 倍速で時間が流れていると言われます。インストラクターになったのも、そういった突然のオファーに直面したとき、諦める前に「でもフォトリーディングがあるからやってみるか」というふうに思えて、それで結果が出た、という体験が何度もあったことが、一番大きいですね。

―フォトリーディングをみんなが使えるようになったら、みんなも違う結果を出せるようになるんじゃないかと。

そうそう。自分だけかなと思っていたんだけど、その後、私が教えたりお話をしたりした方が、実際にどんどん変わってきているんですよね。

―人に教えることは、以前からわりと得意だったんですか?

うーん、いわゆる先生は苦手だった。私は、こうしなくちゃいけないんだ、というタイプの先生は大嫌いなんです。それよりも、これおもしろいと思わない? 一緒にやらない?というスタンスが好き。いま私がやっていることも、教えるというより、新しいものをつくるという作業をみんなと一緒にやっている、という感じです。

ソーシャルリーディングが新しい時代をつくる

―石ヶ森さんは、そうやって多くの受講生が殻を破っていく過程を共有し、新しい講座を企画開発し、ホームスタディ講座の web ライブセミナーも担当し…と本当に忙しく仕事をされているわけですが、リラックスするのはどんなときなんですか?

そうですね、私の場合、必要なときにタイミングを見計らったように癒し系の方が周りに来ることが多いんですよ。私が特に信頼するヒーラーの方が 3 人いらっしゃるんですけど、そのうちの 1 人は、私がマインドマップ講座を始めた初期の受講生の方で、石を使ったヒーリングをする方なんです。有名なジュエリーメーカーでデザインの仕事をしていた方で、私がよく身につけている石のアクセサリーは、その方がデザインしたものなんですよ。

その方は、女の子たちが簡単に自分自身をセルフヒーリングできる石を紹介して、それを使ってアクセサリーを作るワークショップをやっているんです。デザインを彼女がしてくれるので、単に石を並べるよりもすごくきれいに見えるアクセサリーが作れる。こんなのを自分で作れたら、ちょっとうれしくないですか?

―うん、かわいい!

作り終わったあと、それを身に付けてちょっと瞑想しましょう、みたいなことをやって。もう、すごくきれいになる。オーラがふくふくになります(笑)。まぁ、こんなのをいつも持ち歩いているからかばんが重いんですけどね。

―「石ヶ森さんはいつ寝ているのか?」という疑問をあちこちで耳にしますが(笑)、これでエネルギーをチャージしていたんですね。
最後になってしまいましたが、石ヶ森さんがいま力を入れている読書会の活動「READ FOR ACTION」について、教えていただけますか?

はい。これまで読書会というと、読書会の前に本を読んでから集まり、その感想を語り合うというものが主流だったと思います。一方、READ FOR ACTION の読書会では、フォトリーディングの経験を持つ人がリーディング・ファシリテーターとして場を作っているので、グループで読書をする楽しみをよく知っている。例えば、参加者がまだ本を読んでいない状態だったとしても、本の一部を読んで他の人に語ることで、その本の中のエッセンスをうまくつかんで、内容の理解を深めていける。しかも、ほかの参加者が読んで感じたことや学んだことも教えてもらえるから、1 人で読むときの数分の 1 以下の時間で、その本や分野に対する知識が深まる。そして、せっかく知識を手に入れたのならそれを使ってみよう、行動してみよう、というのが READ FOR ACTION の読書会です。

私は、読書が個人の経験ではなく、社会的な経験になったときに、ものすごく大きくことが動くような気がしています。それは、思想活動的なものではない。思想活動になってしまう最大の原因は、自分自身の経験というものをなおざりにしているからだと思います。誰か素晴らしい人がいて、その人の知っていることを伏し拝んでいただく、という姿勢だと、思想になってしまう。そうではなく、1 人 1 人がこれまで経験してきたことと、本の知識が重なりあう。そのときに、新しいスパークが生まれるはずなんです。

聞き手:山下聡子
(2012 年 6 月 飯田橋にて)