文字を読むことに困り感を抱いている
読字障害と言われる方は多く、
文字に対する視線移動に特徴がある
ということが分かっています。
本来、読むべき文字を追っていくはずが、
視線の動きが文字からずれたり、
興味のある文言だけを拾っていったりと、
視線移動には、様々なパターンがありますが、
共通しているのは、
何らかの理由で、
視線の移動が進むべき方向に移動しない
という特徴が原因です。
2018年~2019年に宇都宮大学と
視線移動についての共同研究を行いました。
今回の研究では、視線測定装置を使うことで、
読書時の視線移動を追跡、
フォトリーディングの手法を用いて集中力を促し、
視線移動がどのように変化するかが検証されました。
小中学生にそれぞれの課題本を使用し、
初回は何も指導せずに読ませて、問題に回答させる。
2回目は、読む前に「集中法」を指導。
その結果は、明らかに
集中法を指導した後、大きな進展がありました。
さて、この集中力とは、
いったい、どこからくるのでしょう?
先に述べたように、今回用いた集中法は
フォトリーディング・インストラクターが
フォトリーディングの手法をガイドをし、
本文を読む前に設問5問と選択肢を見せ、
さらに
「自分のペースで読むことの許可」
「指やマウスで読む場所をさすことの許可」
を指導しました。
視線解析をした結果、先に設問を見せることで
ゴールが分かり、設問に関連する部分に視線が集中、
目的を明確にして読むことで、
より集中力が高まっていきました。
設問の難易度が高かったことやテーマへの関心度などで
設問の正解率をみると効果があると断定できないにしろ、
「事前に設問を確認し、読む目的を与える」
「集中して読む」
「自由に読む」
これらの条件を与えることで
読みに困難がある方の特徴である、
視線移動については
明らかな変化が確認されました。
発達障害の一つ、読字障害と言われる
“ 読むことが困難な ”小中学生に
大きな変化をもたらせたのは
「集中法」だったといえるでしょう。
小中学生の感想としても
「落ち着いて読めた」とあり、
フォトリーディングを用いた集中法の活用も
読みに対する困り感の緩和に役立つ
と期待できる結果となりました。
アルマ・クリエイションでは、
お子様がフォトリーディングを体験できる場を
定期的に開催していく予定です。