ブログ ブログ

ブログ

Blog
Home / Blog / フォトリーディングの手法を用いた「ミカン集中法」が様々な学習障害を改善
シェア Tweet
2020/04/27

フォトリーディングの手法を用いた「ミカン集中法」が様々な学習障害を改善

活動報告
フォトリーディング公式サイト管理者

「マーケティング」と「教育」事業を展開している
アルマ・クリエイション株式会社
(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:神田昌典)は、
筑波大学附属視覚特別支援学校、
宇都宮大学教職大学院と共同で、
文字を読むことが困難な読字障害をはじめ、
様々な学習障害をもつ児童を対象に
「フォトリーディング」における
集中手法「ミカン集中法」を用い、
読書状況がどのように変化するか
実証研究を実施いたしました。

今回、その調査結果を発表いたします。

読字障害とは?

読字障害と言われる方は多く存在し、
文字に対する視線移動に特徴がある
ということが研究されています。

本来、読むべき文字を追っていくはずが、
視線の動きが文字からずれたり、
興味ある文言だけを拾っていったりと
様々なパターンがあります。
共通していることは
何らかの理由で視線の移動が進むべき方向に移動しない
という特徴です。

フォトリーディングにおける集中手法「ミカン集中法」とは

読書に最適な状態は、
いま行っている目の前のことに
完全に没頭している状態で、
心理学では「フロー状態」とも
呼ばれています。
この状態を作ることが
「ミカン集中法」です。

イメージ図の様に、後頭部の上の方に意識を集中し、
アーチの要のポイントのような状態をつくります。
そして、ポイントの力が、残りのポイントに掛かり
その位置を保ちながらアーチを支えている状態にします。

注意のひとつを 1 点に固定することで
残りの注意力を読書に集中させることができるのです。

【調査概要について】

調査実施日
第 1 回 2019 年 8 月 25 日
第 2 回 2019 年 3 月 6 日
第 3 回 2019 年 7 月 8 日

調査場所
第 1 回 宇都宮大学
第 2 回 日本キリスト宣教団 峰町キリスト教会
第 3 回 日本キリスト宣教団 峰町キリスト教会

調査参加者
第 1 回 15 名
第 2 回   5 名
第 3 回   7 名

Before:学習障害をもつ子どもたちの視線移動について

この度の実証研究では、
9 歳〜15 歳までのさまざまな
学習障害の症状が見られる子どもたち
総勢 25 名を対象に、
視覚測定装置を活用し読書時の
視線移動を追跡しました。
その結果、学習障害を持つ子どもたちの
視線移動について
下記のような特徴がわかりました。

読みの前半は視線の乱れが多い
・不要な視線が多発している
・視線の揺れがあり後半になると領域外への視線移動が発生している

After:フォトリーディング「ミカン集中法」を指導後の視線移動について

つづいて、同じ子どもたちに対して
「フォトリーディング」指導経験者が、
「ミカン集中法」を指導。
さらに「自分のペースで読むことの許可」
「指やマウスで読む場所をさすことの許可」)
を実践してもらい、読書をすることで
視線移動がどのように変化するかを
検証しました。 その結果、
下記のような変化をみることができました。

ページ移動し解答を確認
・不要な部分への移動が少ない
・視線は必要な部分を探す飛ばし読みの視線が発生している
・目的を明確にして読むことで、より高い集中が実現していると想定できる。半面、設問と関連が低い部分を飛ばし読みしている視線もあった。

検証まとめ

「事前に設問を確認し,読む目的を与える」
「集中してから読む」「自由に読む」
これらの条件を与えることで
読書時の視線が異なる例を
確認することができました。

アンケートでは「落ち着いて読めた」とあり
目的に対する理解度が
向上していると思われます。
今後は、被験者を増やし
これらの傾向の調査を継続予定です。

利用する書籍の選択では興味のバラつきを
考慮する必要があることも分かりました。
さらに前後の設問の難易度を同等とし
理解度の比較を充実させていきたいと考えています。

〜論文概要〜

集中前後における児童の読書時の視線の考察第4報
〜フォトリーディング手法を使用した読書状況 〜
https://www.ieice.org/ken/paper/20190906m1PA/

フォトリーディングとは

フォトリーディングは、
開発者ポール・R・シーリィ博士が
神経言語プログラミング(NLP)、
加速学習の原則に基づいて開発した
世界共通プログラムによって習得できます。

論文発表者

宇都宮大学教職大学院 原田浩司


プロフィール
宇都宮大学大学院教育学研究科 准教授
1977年 同志社大学商学部 卒業
1980年 宇都宮大学教育学部 卒業
宇都宮大学教育学部卒業後、教職に就く。
校長を務めた鹿沼市立みなみ小学校は、
特別支援教育を中核とした学校改革で、
全国的に注目を集めた。2015年より現職。
学生指導のかたわら、全国各地で
講演や教育アドバイスを行う。

アルマ・クリエイション株式会社 木村祥子

ソニー株式会社の勤務を経て、
2010 年、米国NLP 協会認定NLPトレーナーとなる。
その後、2011 年に神田昌典氏が主宰するRead for Action に
リーディング・ファシリテーターとして参加。

アルマ・クリエイションでは、
お子様がフォトリーディングを体験できる場を
定期的に開催していく予定です。