リーディング・ファシリテーターの山崎ジョー吉です。
8月のお盆休みなど、長期休暇があると
キャリア相談が増える傾向があります。
今までは上司との人間関係が原因による
転職相談が大半でした。
ところが、最近は上司からの相談が増えています。
働き方改革による残業削減のしわ寄せなど、
チームを牽引する上司がストレスを抱えてしまっては、
組織全体のパフォーマンスの低下に繋がりかねません。
そんな悩める上司のストレス解消の
ヒントを得たくて手にしたのがこの本です。
「頑張れ」と応援すれば、
歯を食いしばってクリアしてくれた部下が、
今では、「つべこべ言わずにやれ!」
というと「パワハラだ!」と返される時代。
1万人以上のビジネスマンのストレスと向き合ってきた
産業医である著者が教える、
職場でのストレスを解消するために
必要なコミュニケーションのコツや、
「使えない部下を抱えている」と嘆く上司が
部下のやる気を引き出すためのヒントを
この本から得ることができます。
同じ職場で同じ仕事をしているのに、
ストレス症状を起こす人と起こさない人がいます。
その違いは、ストレスの「原因」と
ストレスの「症状」との間にある
ストレスへの「反応」です。
免疫力のようなものでしょうか。
ストレスがかかっても、個人の認識や心がけ次第で、
単なる反応で終わる場合もあれば、
ストレスに感じ症状を引き起こしてしまう場合があります。
ストレスとして反応することを「反応性ストレス」といい、
3つのタイプがあります。
・頑張るストレス
・我慢のストレス
・ガス欠ストレス
いずれも心の免疫力のようなものが
高いうちは良いのですが、
ある程度蓄積されると、
ある日、反応性ストレスに変化してしまいます。
自分だけで溜め込まず、同僚や友人、家族など、
周囲のサポーターに相談するようにしましょう。
メンタルヘルス不調者を出さない上司に共通しているのが、
相手をケアする言葉「ちょっといいですか?」への対応です。
これには以下の3つの種類があります。
頑張りすぎていてストレスが心配な部下に、
声をかけるときの最初の台詞です。
モチベーションが下がっていると感じていた部下から
「ちょっといいですか?」と声をかけられるケース。
そういう時は焦らずに堂々と対応することが大切です。
上司が部下に声をかける時や、
なかなか聞く耳を持ってくれない上司に相談をするときなど、
相手に行動の変化を期待する時の言葉です。
いずれの「ちょっといいですか?」も、
コミュニケーションの中身よりも
コミュニケーションの後に残った感情が重要です。
「 話して良かった」「相談してよかった」
などと思えるかが重要になります。
「怒る」は相手がいなくてもできますが、
「叱る」は相手がいないとできません。
部下を叱る時に守ってほしいのが
「し・か・り・ぐ・せ」
し→ 身体的接触は絶対禁止
か→過去は責めずに、隔離し二人で
り→理論的に
ぐ→具体的に
せ→性格を責めない
「怒る」と「叱る」の違いを理解しつつ、
相手を承認する気持ちを忘れないことが大切です。
この本は「教科書」なので、
直ぐにでも実践できることが
たくさん書いてありますので、
どこからでも良いのではじめてみてください。
「口は1つだけど耳は2つ」。
話すことの2倍「聴く」ことが大切です。
明らかに無理をしている人
明らかに無理をさせている上司
部下との接し方がわからない上司
パワハラが怖くて強く指示ができず困っている上司
メンタルヘルス不調者を出してしまった上司
働く全ての人に読んでもらいたい本です。
ファシリテータープロフィール
金沢市、高岡市で定期的に
読書会を開催している
「ひらめき読書会」
働き方の未来研究所