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『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』の要約|書籍紹介

作成者: 水落康稀|2022.12.4

タイトル:マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

著者:ピーター・F・ドラッカー

 

▲引用:マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

著者略歴

1909年、オーストリア・ウィーン生まれ。フランクフルト大学卒業後、経済記者、論説委員をつとめる。1933年ナチス・ドイツの不興を買うことを承知の論文を発表して、ロンドンへ移住。マーチャントバンクでアナリストをつとめた後、37年渡米。ニューヨーク大学教授などを経て、71年、ロサンゼルス近郊のクレアモント大学院大学教授に就任、以降この地で執筆と教育、コンサルティング活動を続けた。

ファシズムの起源を分析して、イギリスの後の宰相ウィンストン・チャーチルの絶賛をうけた処女作『「経済人」の終わり』、GMのマネジメントを研究した『企業とは何か』をはじめ、40冊近い膨大な著作群は、「ドラッカー山脈」とも呼ばれる。

ドラッカー教授の専門領域は、政治、行政、経済、経営、歴史、哲学、心理、文学、美術、教育、自己実現など多方面にわたっており、さまざまな分野に多大な影響を及ぼした。

東西冷戦の終結、高齢化社会の到来、知識社会への転換といった社会の根源的な変化をいち早く示した現代社会最高の哲人であるとともに、マネジメントの体系を確立し、「分権化」「自己目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」などマネジメントスキルのほとんどを生み出したマネジメントの父である。

GEのジャック・ウェルチ、P&Gのアラン・ラフリーなど、ドラッカー教授を師と仰ぐ世界的経営者は多い。『エクセレント・カンパニー』のトム・ピータース、『ビジョナリー・カンパニー』のジム・コリンズといった著名な著述家たちも、ドラッカー教授の薫陶を受けている。

親日家としても知られる。1934年、ロンドンの街角で雨宿りに偶然入った画廊で目にした日本画の虜となり、室町水墨画などのコレクションを有する。

2005年、あと8日で96歳の誕生日を迎えるという日に永眠。「20世紀の知的巨人」「マネジメントの父」など、ドラッカー教授を称する言葉はたくさんあるが、本人は自らを社会生態学者と規定した。

生涯を通じた最大の関心事は「社会的存在としての人間の自由と平等」であり、そのために社会、組織、企業はどうあるべきか、一人ひとりの人間は何をなすべきかを問い続けた。その思想は、モダン(近代合理主義)を超えて、21世紀を支配するポストモダンの旗手といえるでしょう。

 

ファシリテーターの感想・おすすめのポイント

ドラッカーが自らのマネジメント論を体系化した大著『マネジメント―課題、責任、実践』のエッセンスを、初心者向けに一冊にまとめた本格的入門書。本書は、マネジメントの仕事とは実践であり、成果を出すことであると明確に規定する。そして、そのためにマネジメントが果たすべき使命と役割、取り組むべき仕事、さらには中長期的に考えるべき戦略について、具体的に解説する。組織で働く人に、新しい目的意識と勇気を与える書。

 

目次

日本の読者へ

まえがきーなぜ組織が必要なのか

序 ー 新たな挑戦

 

Part1 マネジメントの使命

1 マネジメントの役割

 

第1章 企業の成果

2 企業とは何か

3 事業とは何か

4 事業の目標

5 戦略計画

 

第2章 公的機関の成果

6 多元社会の到来

7 公的機関不振の原因

8 公的機関成功の条件

 

第3章 仕事と人間

9 新しい現実

10 仕事と労働

11 仕事の生産性

12 人と労働のマネジメント

13 責任と保障

14 「人は最大の資産である」

 

第4章 社会的責任

15 マネジメントと社会

16 社会的影響と社会の問題

17 社会的責任の限界

18 企業と政府

19 プロフェッショナルの論理 ー 知りながら害をなすな

 

Part2 マネジメントの方法

20 マネジメントの必要性

 

第5章 マネジャー

21 マネジャーとは何か

22 マネジャーの仕事

23 マネジメント開発

24 自己管理による目標設定

25 ミドルマネジメント

26 組織の精神

 

第6章 マネジメントの技能

27 意思決定

28 コミュニケーション

29 管理

30 経営科学

 

第7章 マネジメントの組織

31 新しいニーズ

32 組織の基本単位

33 組織の条件

34 五つの組織構造

35 組織構造についての結論



Part3 マネジメントの戦略

36 ドイツ銀行物語

 

第8章 トップマネジメント

37 トップマネジメントの役割

38 トップマネジメントの構造

39 取締役会

 

第9章 マネジメントの戦略

40 規模のマネジメント

41 多角化のマネジメント

42 グローバル化のマネジメント

43 成長のマネジメント

44 イノベーション

45 マネジメントの正当性

 

結論

 

付章 マネジメントのパラダイムが変わった

 

編訳社あとがき

 

本書の要点

社会においてリーダー的な階層にあるということは、本来の機能を果たすだけでは済まないということである。

自律的なマネジメント、すなわち自らの組織に奉仕することによって、社会と地域に奉仕するというマネジメントの権限が認知されるには、組織なるものの本質に基礎を置く正当性が必要とされる。

そのような正当性の根拠はひとつしかない。

すなわち、人の強みを生産的なものにすることである。

これが組織の目的である。

組織の基礎となる原理は、

「個人の強みは社会のためになる」である。

これがマネジメントの正当性の根拠である。

そして、 マネジメントの権限の基礎となりうる理念的原理である。

 

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