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『ライフシフト』の要約|書籍紹介

作成者: 水落康稀|2022.11.17

タイトル:ライフシフト

著者:リンダ・グラットン、 アンドリュー・スコット

 

▲引用:ライフシフト

 

著者略歴

リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

アンドリュースコット
アンドリュースコットは、ロンドンビジネススクールの経済学教授であり、経済政策研究センターのリサーチフェローです。以前はオールソウルズ、オックスフォード大学、ハーバード大学、ロンドンスクールオブエコノミクスで職務に就いたことがある。彼は王立経済学会の経済ジャーナルの編集長、および2009年から2013年まで英国の金融サービス庁の非常勤取締役を務めていました。彼は、さまざまな政府や政府部門への政策顧問を務めてきました。現在、英国予算責任局の諮問委員会、内閣府名誉委員会(科学および技術)、長寿フォーラムの共同創設者、英国政府の長寿理事会および日本に関するWEF評議会のメンバー、ならびにスタンフォード大学長寿センターのコンサルティング学者。



ファシリテーターの感想・おすすめのポイント

寿命100年時代、あなたはどう生きますか? 新しい人生戦略を提示した『LIFE SHIFT』。誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。目前に迫る長寿社会を楽しむバイブルとなる一冊です。



目次

日本語版への序文

序 章 100年ライフ

第1章 長い生涯――長寿という贈り物

第2章 過去の資金計画――教育・仕事・引退モデルの崩壊

第3章 雇用の未来――機械化・AI後の働き方

第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの

第5章 新しいシナリオ――可能性を広げる

第6章 新しいステージ――選択肢の多様化

第7章 新しいお金の考え方――必要な資金をどう得るか

第8章 新しい時間の使い方――自分のリ・クリエーションへ

第9章 未来の人間関係――私生活はこう変わる

終 章 変革への課題

 

本書の要点

日本語版への序文

 

 幸せな国、日本

  日本では、長寿化の負の側面が話題にされがちだ。

  この変化を恩恵ではなく、厄災とみなす論調が目立つ。

  本書では、長寿化の恩恵に目を向け、どうすれば、個人や家族、企業、社会全体の得る恩恵を最も大きくできるかを中心に論じたい。

  20世紀に、日本の社会と経済は大きな変貌を遂げた。長寿化は、21世紀に同様の大きな変化を日本にもたらすだろう。

  この先、多くの変化が日本人を待っている。

 

序 章 100年ライフ

 私たちはいま途方もない変化のただなかにいるが、それに対して準備ができている人はほとんどいない。

 その変化は、正しく理解した人には大きな恩恵をもたらす反面、目を背けて準備を怠った人には不幸の種になる。

 グローバル化の進展とテクノロジーの進化がそうだったように、それは私たちの生き方と働き方を様変わりさせるだろう。

 その大きな変化とは、長寿化の進行である。

 私たちの人生は、これまでになく長くなる。私たちは、人生のさまざまな決定の基準にしているロールモデル(生き方のお手本となる人物)より長い人生を送り、社会の習慣や制度が前提にしているより長く生きるようになるのだ。

 あなたは、その変化に向けて準備し、適切に対処しなくてはならない。

 本書は、その手助けをするために書いた本だ。

 

第1章 長い生涯――長寿という贈り物

 

  

  平均寿命は今後も延びる

   過去200年のほとんどの期間、平均寿命は右肩上がりで延びてきた。

   100年前の人が100歳まで生きる確率はごくわずかだった。

   いま8歳の子どもが100歳まで生きる確率はかなり高い。

 

  不健康な期間は短くなっている

   平均寿命が延びても、人生自体が素晴らしくなければ朗報とは言えない。

   人々が単に長く生きるだけでなく、健康に長く生きるようになると予測する研究者が増えている

 

 

第2章 過去の資金計画――教育・仕事・引退モデルの崩壊

  3ステージ型仕事人生にお別れを

   本書の分析によれば、長く生きる時代には、ほとんどの人はこれまでよりもかなり長い年数を働かなくてはなくなる。

   人生が長くなれば、働く年数を増やさないかぎり、十分な老後資金を確保することがきわめて難しいからだ。

   ありがたくない、というより気が滅入る未来図に思えるだろう。

   しかし、そう感じるのは、未来を過去の延長で考え、3ステージの生き方に沿って長い勤労生活を送るものと決めつけているからだ。

   本書は、3ステージの人生を前提にした働き方を葬り去り、新しい人生の設計を提案することを目的にしている。

   それにより、長寿が大きな恩恵となり、人々が活力と創造性と楽しみのある人生を遅れるようにしたい。

 

第3章 雇用の未来――機械化・AI後の働き方

  雇用なき未来がやって来る?

   新しいテクノロジーが登場すれば、古い職種が消滅し、たいていは新しい仕事や役割が生まれる。

   

  人間にしかできないこと

   現時点では、ある種のスキルと能力は人間固有のものであり、ロボットや人工知能による複製ないし代替が(いまのところは)できないという見方が一般的だ。

   デーヴィット・オーターらは、人間固有の能力を二種類挙げている。

   一つは、複雑な問題解決に関わる能力だ。

   ここでは、専門知識、帰納的推論の能力、コミュニケーションスキルが必要とされる。

   もう一種類の人間固有の能力は、対人関係と状況適応の能力だ。

   こちらは、主に体を使う仕事で必要とされる場合が多い。

 

第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの

  無形資産の価値とは

   値段をつけにくく、売買するのが難しいからといって、無形の資産に価値がないわけではない。

  

  100年ライフに備えるためには、二種類の資産のバランスを取ることが欠かせない。

 

  さまざまな無形の資産

   1 一つ目は生産性資産。

     人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のことだ。

       2 二つ目は活力資産。

     大ざっぱに言うと、肉体的・精神的な健康のことだ。

     健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係などが該当する。

   3 最後は変身資産。

     100年ライフを生きる人たちは、その過程で大きな変化を経験し、多くの変身を遂げることになる。

     そのために必要な資産が変身資産だ。

    

 

第5章 新しいシナリオ――可能性を広げる

 人生が長くなれば、非常に多くの胸躍る可能性が生まれてくる。

 

 そういう時代には、3ステージの人生を長く引き伸ばすだけでは、よい人生を送れない。

 昔ながらの3ステージの人生では、人生の計画と自己内省はほとんど必要とされなかった。

 それは、確実性と予測可能性がある人生だったからだ。

 しかし、人生が長くなれば、不確実性が拡大する。

 予測できないことが多いため、未来に向けて自分が歩む道としてまっすぐの一本道を描くことはできない。

 未来に向けて適切な行動を取ろうと思うためには、「ありうる自己像」について考えることが有効な手立てになりうる。

 あなたがみずからの未来のために描くシナリオは、あなた自身のニーズや希望や願望を軸に描かれるべきだ。

 

第6章 新しいステージ――選択肢の多様化

 若々しさ

    マルチステージの人生が普通になり、人生でさまざまな活動を経験する順序が多様化すれば、「エイジ」と「ステージ」がかならずしもイコールでなくなる。

  本書で論じるエクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカーのステージは、あらゆる世代の人が実践できる。

 

 エクスプローラー

  エクスプローラーは、周囲の世界を探査し、そこになにがあり、その世界がどのように動いているか、そして自分がなにをすることを好み、何が得意かを発見していく。

 

 インディペンデント・プロデューサー

    インディペンデント・プロデューサーとは、ひとことで言えば、職を探す人ではなく、自分の職を生み出す人だ。

 

 ポートフォリオ・ワーカー

  異なる種類の活動を同時におこなうのがポートフォリオ・ワーカーのステージだ。

  この人生のステージでは、必然的にいくつもの動機に突き動かされて生きることになる。

 

第7章 新しいお金の考え方――必要な資金をどう得るか

  どれくらい生活資金が必要か?

   本書では、目安として最終所得の50%相当の生活資金を確保するものとした。

   50%が控えめな数字であることも忘れてはならない。

   最新の研究で1万6000人の引退者を対象に実際の数字を調べたところ、およそ3分の1が100%以上、およそ4分の1が75〜100%の間、さらにおよそ4分の1が50〜75%の間の生活資金を確保していた。

   検討すべきなのは、未来の老後資金と未来の消費行動だけではない。

   現在の消費行動も無視できない要素だ。

   高い消費レベルが身に染み付いている人ほど、引退後に消費レベルを落とすのが難しい。

 

第8章 新しい時間の使い方――自分のリ・クリエーションへ

   100年ライフの時間配分

    労働時間を減らし、休暇を増やす

     長寿化により勤労人生が長くなる人生を考えるとき、多くの人は、1日8時間働いて週2休む日々をイメージしているかもしれない。

     しかし、そうした時間配分を見直すべき時期に来ていると、著者たちは考えている。

   時間の構成に関する多様性が増す

    3ステージの人生に変わり、マルチステージの人生が標準になれば、人生で経験するステージの多様性が増すことは間違いない。

    それにともない、時間の配分方法に関するニーズも多様化する。

 

第9章 未来の人間関係――私生活はこう変わる

  家庭

   結婚

    100年ライフの多くのものごとと同様、重要なのは主体的に選択することだ。

    そして、どのような選択がどのような結果をもたらすかを理解する必要がある。

    パートナーと長期にわたって深く関わり続けることを決断し、その決断を貫くことも不可欠だ。

    そこで交渉することが重要になる。

   子ども

    女性が何歳でも妊娠できる時代は訪れないだろうが、マルチステージの人生の一般化と社会制度の変化により、子づくりに関する選択肢がいまより広がる可能性が高い。

    おそらく、これまでより高い年齢で少数の子どもをつくる人が多くなる。

 

終 章 変革への課題

  自己意識

   100年ライフでは、私たちは多くのことを成し遂げられる。

   真の意味で自分の旅にするためには、どうすべきなのか?

   問いへの答えは、その人がどのような選択をし、どのような価値観で生きているかによって決まる面もある。

   一人ひとりの選択と価値観が人生の出来事やステージや移行の順序を決め、それが自己意識、つまりアイデンティティを築いていくのだ。

 

    アイデンティティ

     3ステージの人生では、一本線のように連結性と継続性のあるアイデンティティを保つことは比較的容易だったが、マルチステージの人生ではそれが難しくなる。

     「私は何者か?」「私はどのように生きるべきか?」という問いに答えられるのは結局のところ本人しかいない。

     人生が長くなれば、これらの問いは無視できないものになる。

 

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ライフシフト

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