タイトル:指導力 才能を伸ばす「伝え方」「接し方」
著者:仁志敏久
著者略歴
仁志敏久(にし・としひさ)
1971年生まれ、茨城県出身。常総学院高では夏の甲子園に3年連続で出場。卒業後は早稲田大、日本生命へと進み、96年に読売ジャイアンツに入団。強打の内野手として活躍し、1年目で新人王を獲得。その後ゴールデングラブ賞4回、日本シリーズ最優秀選手など数々のタイトルに輝いた。2007年に横浜ベイスターズに移籍したのち、10年にアメリカ独立リーグへ移籍するも、同年ケガにより引退。14年より侍ジャパンU-12監督を務め、「第5回WBSC U―12ワールドカップ」で過去最高成績の準優勝に導く。21年より横浜DeNAベイスターズファーム監督に就任。
ファシリテーターの感想・おすすめのポイント
スポーツにおいて、勝利はそれまでのどんな困難をもかき消してくれる何物にも代えが たい最大の目的、目標です。しかし、その勝利を欲しいがために、選手がアンフェアな手段を選んだり、過剰なトレーニングを続けて自分自身を追い込んだり、負傷、故障を抱え て我慢した結果、取り返しのつかないことになっては、本末転倒ですーー
スポーツに限らず、職場や家庭においても指導のあり方が問われている。こちらの思いや意図を正確に目の前の相手に伝えるには、「人間力」に頼らず、しっかりとした理論に基づく知識が不可欠である。モチベーションが上がる声掛けとは? チームが一つになる環境作りとは? 2019年「WBSC U-12ワールドカップ」において、侍ジャパン監督としてU-12(12歳以下)を準優勝に導き、現在、横浜DeNAベイスターズ2軍監督を務める著者による「指導者のための教科書」といえる一冊です。
第1章 自立を促す― 侍ジャパンU-12準優勝の軌跡
第2章 覚悟を決める ― 知っておきたい心構えと基本姿勢
第3章 行動を変える―「間違った指導」を避ける方法
第4章 思いを伝える ― 100人100通りのコミュニケーション
第5章 心をまとめる ― 仁志流・強いチームの作り方
第6章 意志を貫く―どんな指導者になりたいか?
Introduction 指導とは何か
はじめに
「指導者の目」が正しい行動を導く
侍ジャパンの経験から学んだこと
会社や過程でも見られる「指導の課題」
第1章 自立を促す--侍ジャパンU-12準優勝の軌跡
1 成長の「瞬間」を逃さない
2 まず「目的」を示す
3 自立を促す
4 上達する人は「目標」が明確
5 選手のために死寝るか?--親になる覚悟
6 他人の子どもを叱る勇気
7 「経験させたくないこと」を決めておく
8 「どんな終わり方をするのか」イメージする
9 「挫折」を経験させる
10 批判も称賛も半分だけ聞く
11 チームに興味をもたせる
12 だらしない生活を送らせない
13 育ってきた環境は人それぞれ--思い込みの怖さ
14 食事に連れて行く意味
15 指導の経験を次に生かす
16 挨拶、お礼は大事
17 「周りの意見を聞かせる」ことで視野が広がる
18 家族じゃないから、教えられること
19 考えるを伸ばす--木内幸男監督の教え
20 「なぜ?」を考えさせる前に、自分が考える
Column いま、テレビゲームをやらせるべきか
第2章 覚悟を決める--知っておきたい心構えと基本姿勢
1 よく観察する
2 「俺の責任」発言に注意
3 「いいチーム」には信頼感がある
4 「なぜそうするか」を丁寧に説明する
5 「いまの時代」を理解して接する
6 「次世代のトップ」を育成するつもりで
7 つねに学ぶ姿勢を忘れない
8 個性と悪癖は紙一重
9 情熱を注いでいるか
10 見返りを求めない
11 「奉仕の押し売り」になっていないか
12 「自分もああなりたい」と思われるように
第3章 行動を変える--「間違った指導」を避ける方法
1 「俺はプロだから」を信用しない
2 「プロに向けた指導」と「一般に向けた指導」を区別する
3 丁寧かつ親切に教える
4 教える前に自分がやる
5 指示待ち人間にしない
6 ベストなタイミングで「考えさせる」
7 きつい練習は「一方的な満足」
8 「楽しむ」の意味を説明できるか
9 日本人こそ「Have fun!」の精神を
10 終わったときに「楽しかった」と言えれば合格
第4章 思いを伝える--100人100通りのコミュニケーション
1 自分の型を「押しつけない」
2 「決めつけ」が選手の個性を奪う
3 怒鳴りつけたくなったら、深呼吸をする
4 成長会談を見極めて言葉をかける
5 会話を通して「異変」に気づく
6 「一生に一度はある」と思ってリスクに備える
7 要素を分類して、話す
8 「聞く姿勢」によって成果は変わる
9 「たかだか○○」の姿勢では上達しない
10 伝えたい内容を「ひと言」にまとめる
11 相手がリラックスして話せるように「聞く」
12 「感じ」というクッションをつけて指導する
13 「たとえば」を多様する
14 「理解できないもの」は説明しない
15 ユーモアを交えて話す
16 科学的アプローチの前に「目的、目標」
17 「答え」は自分がもっている
18 「三つのポイント」を意識して観察する
19 会話も「リズム、バランス、タイミング」が大事
Column 「俺たちの時代」はガラクタ
第5章 心をまとめる--仁志流・強いチームの作り方
1 なぜ「10分前集合」なのか
2 「少しくらいいいだろう」がチームの輪を乱す
3 「いつも見ているよ」という気持ちで接する
4 キャプテン中心のチームを作る
5 「ナンバー2」次第でチームは変わる
6 意思がブレないリーダーを選び、育てる
7 準備とは、「考えさせておくこと」
8 「メンバーの迷い」は、指導者に責任あり
9 心配事は事前に伝えておく
10 できないことをできないままにしない
11 勝敗によってミーティングの進行を変える
12 話は随時「更新」する
13 話を聞く側の「環境」を整える
14 ストーリーを描き、ビジョンを伝える
終章 意思を貫く--どんな指導者になりたいか?
1 大人の振る舞いには責任が伴う
2 あなたの指導がつながっていく
3 指導者が成長するということ
4 アスリートより重要な役目
5 指導には「使命感」がある
主な経歴
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