著者:大前研一
▲引用:新装版企業参謀戦略的思考とは何か
著者略歴
1943年福岡県生まれ。早稲田大学理工学部、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院で博士号を取得。日立製作所を経て、72年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長等を歴任。98年株式会社ビジネス・ブレークスルー創業。ビジネス・ブレークスルー大学学長、ボンド大学経営学部教授等を兼務する。経営コンサルタントとして各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。著書に、ロングセラーの「企業参謀」はじめ、「日本の論点」「稼ぐ力」など、多数。
経営コンサルタントの大前研一氏が30歳のときに書いた発想の原点企業経営を事例に、ツールを使い戦略のプロセスと考え方を伝えている書籍。今後起業を目指す人はもちろん、自身の事業運営に行き詰まった際に読むべき名著のひとつです。
本書には分析や論理的思考を助けるための道具(手法)を紹介していますが、大前さんが、意図したものは道具の使い方そのものではなく、道具を使うところのプロセスと、プロセスの奥にある、ものの考え方 としています。
第1章 戦略的思考入門
戦略的思考とは
第2章 企業における戦略的思考
第3章 戦略的思考方法の国政への応用
第4章 戦略的思考を阻害するもの
第5章 戦略的思考グループの形成
II部 戦略的経営計画の実際
まえがき
第1章 戦略的に考えるということ
第2章 ”低成長”とはなにか
第3章 戦略的思考に基づいた企業戦略
第4章 戦略的計画の確信
ものの本質を考えて分解する 過程と人間の頭脳を用いて、非線形に組み立てをする部分からなります。
ものの本質を考えて分解するとはパッケージの中身を見抜くことです。
ここでは理髪店の事例が紹介されています。
私が小さい頃は、理髪店は300円であったと思う。それがいつのまにか500円になり、700円になり、ついには1000円を突破して、最近では1400円になってしまった
物価インフレの傾向と比べれば、平均的上昇率なのかもしれないが、私には疑問が残る。
当時の日本理髪店は価格:1400円、所要時間:50分ぐらい。
その中身は「髪を切り揃える、髭剃り、洗髪、髪を整える、肩たたき」と、50分うち7割が、家でもできる髭剃りや洗髪に費やされていた。
これをアメリカと比較してみると
価格:3ドル、所要時間:20分
中身:切り揃える、掃除機で細かい毛を吸い取るだけ。
日本の丁寧さは、安価であれば歓迎したが、人件費が高くなってくると、中身を吟味したくなる。このようにパッケージの中身を見抜いていくのです。
そして、企業では、組織における問題というパッケージを見抜く必要があります。そうして、分解したもの、それぞれの意味合いを自分に有利になるように組み立て直して攻撃に転じる。
世の中の事象は、必ずしも線形ではない要素をつなぎ合わせていくときに最も頼りになるのは非線形型的 思考道具である人間の頭脳 なのです。
設問の仕方を、解決策思考的に行うことです。
例えば、残業が慢性化しているという問題に対し『残業を減らすにはどうすればいいか?』を議論したところで、解決できるでしょうか?
では、 設問を変えて『当社は、社員一人ひとりに与えている仕事量に対して、十分に対応ができているのか?』これならどうでしょう?
YES なら、社員の働き方に問題があり、NOなら、人を増やすしか解決策はなくなります
設問の仕方を変えるだけで、問題は解決するのです。
問題の絞り方を、現象追随的に行うことです。質問が的を得ているためには、問題そのものが、正しく把握されている必要があります。
そして、よく用いられている方法としては、次のような抽象化プロセスがあります。
・どんな方法でも良いから原因を集める
・箇条書きにする
・同類項をグルーピングする
・共通している問題を見つけてアプローチする
1度抽象化し、アプローチを決めたら、今度は具現化に向かって、実行計画書をまとめていきます。
問題を抽象化しただけでは解決してくれません。アプローチを導きだし、それを実行して初めて解決するのです。
常に本質に迫るための方法論では、分析が、物の本質に近づくための道具であり、分析は論理的でなければならないと言っています。
そこで、論理的分析の方法として、イッシュツリー、プロフィットツリーという2つのツールを紹介しています。
イッシュツリーは、まず大きな問題(イッシュー)を提示し、これを、 相互に重複することのない二つ以上のサブ・イッシューに分割していく方法です。
プロフィットツリーは、ビジネスの根本である利益に関するツリーです。
製品の利益というものは、売価、コスト、販売量という、わずか3つの変数で決まってしまいます。
問題解決の採否の、第一の尺度は、財務情報によってもたらさなければなりません。
なぜなら、企業の本質的目的は、生存と成長にありそして、企業の原動力は利益であるからです。
そう考えると、財務会計だけではなく、情報を経営に活かしやすい管理会計を取り入れていくべきではないかと、提唱しています。
経営戦略のための会計学は、組織の持つ効率に焦点を置いていて詳細は経理の専門書に譲るとしながらも、この第1章では
という、3つの収益性の指標を説明しています。
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