企業経営者の方の中には、自社にコンサルタントを入れて事業の改革を行ったり、より戦略的な運営をしていきたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、現実的にコンサルタントを入れるには莫大な費用がかかります。
そこで、自分自身でコンサルできるような知識を身につけたいと考える方も増えています。
ただ、ひとことでコンサルトと言っても、その種類は非常に多く、何から勉強すればよいのかわからない方も多いことでしょう。
一般的なコンサルは、事業の戦略立案や業務プロセスの改善といった、企業の課題に対する解決案を考えたり、アドバイスをするのが仕事です。
これらの知識やスキルを身につけるには、コンサルの経験によるものではなく、物事の考え方や見方を変えることが重要です。
今回は、コンサルが学ぶ本の内容から、コンサルタントが持つ戦略的思考と課題解決力を学ぶための方法と、おすすめ本を紹介します。
自社の経営戦略を自分で変えたいとお考えの経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
コンサルタントの仕事は、クライアント企業からコンサルティングの依頼を受けた採用を精査し、社内からプロジェクトのテーマに合った人材を集め、プロジェクトチームを編成して業務を遂行します。
最近では、提案した課題解決策を企業側に浸透させるために、実行の支援まで手掛けるコンサルタントも多い傾向にあります。
コンサルタントにあたるチームは、基本的にアナリスト、コンサルタント、マネージャーなどによって編成され、それぞれの役割に応じた仕事を分担・協力して行うのが一般的です。
以下で、それぞれの仕事内容を詳しく解説します。
アナリストとは、主に情報収集や分析を行い、資料の作成やミーティングの議事録を作成したり、コンサルタントに同伴してクライアントへのインタビューなども実施したります。
アナリストの重要な役割は、客観的にクライアント企業の市場や現状を分析してコンサルタントやクライアントに報告することです。現場に最も近い役割と言えるため、戦略会議においても積極的な発言が求められる重要なポストの1つです。
コンサルタントの仕事は、実際の現場での作業だけでなく、マネジメント能力も重視されます。
アナリストから上がってきた現状分析の結果を基に、今後の戦略に関する仮説を立てて検証するのが仕事です。
業務の進捗ごとにチームミーティングやマネジャーとのディスカッションを行いながら、立案した仮説の修正と改善を行います。
マネージャーとは、プロジェクトの管理や顧客との折衝、予算の管理が主な仕事です。そのため、プロジェクトの全体に責任を持つ現場のリーダー的な存在となります。
クライアントとのコミュニケーションも、マネージャーが中心となって行い、KPIやKGIの報告など、常にクライアントとの情報交換を行います。
コンサルタントが考える戦略思考とは「クライアントの経営課題に対して、経営環境を経営者の視点から正しくとらえ、優先順位を明確にしつつ課題解決すること」です。
課題解決力はどのビジネスにも必要な思考であるため、この「課題解決力」を経営者の方や社員方が身につければ、中小企業においても高額なコンサルタントを雇わずに施策を実施できます。
そこで以下では、コンサルタントのような「課題解決力を身につける方法」を解説します。
社内の課題を見つけ、解決できる能力を磨くためには、事前に目標を決めて仕事に取り組むことが大切です。その上で目標が達成できたかどうかを、自分で振り返りを行い自己評価を行います。そしてその結果を上長などと共有し、客観的な評価と比較しながら何度も繰り返します。
課題解決力を養うためには、常に問題意識を持つことが重要です。そのためにも、課題解決力を身につけるための習慣づけを行うことが大切となります。
業務に関わる問題を定義し、課題を解消するためには、それぞれの部署で現状の問題を話し合うことが必要です。
例えば、各部署の業務に関わる問題や人間関係など、目に見える業務課題からデリケートな問題までさまざまあるでしょう。
そのために、自分の主観だけで問題を定義するのではなく、社内全体で問題に対する意識を共有することが重要となります。
社内や各部署全体の作業効率をあげるためには、できるだけ業務を遂行する能力の高い社員と情報共有することが重要です。
そのために、課題解決力の高い社員同士でミーティングを実施したり、意見交換できるシステムを社内に構築する方法もおすすめです。
課題解決力が高い社員同士で情報やノウハウを共有することにより、チームとしてまとまりながら高い課題解決力を発揮しやすくなるでしょう。
職場の課題解決に最も重要な能力は、コミュニケーション能力と言っても過言ではありません。
コミュニケーションスキルを磨くことは、職場の人間関係や業務に関わる多くの問題や課題の解消に期待できます。
そこで、まずは管理職や経験豊かな社員を中心に、職場での相談事や話し合いを持てるような環境を構築することをおすすめします。
なんでも気軽に話せる環境を整えることで、スタッフが安心して働けるだけでなく、さまざまな「見えない問題」が見えてくる可能性があります。
そのためにも、まずは職場のトップが見本になることが大切です。そうすることで、部下や若手スタッフが積極的に課題を解決しようとする能力を発揮し、課題解決力をスタッフ全員が身につけられる可能性が高まります。
業務の課題解決には、何度もチャレンジし、失敗から学ぶことも大切です。
課題解決の取り組みに関しては、部下が成長するためにも、安心してトライできる環境整備が求められます。
そこで自社にそのような社風や慣習がない場合は、責任を果たせる管理者とかけあい、課題解決に必要な能力を長期的に育てていく制度の構築が重要となります。
ここで紹介する書籍は「コンサルタントが学ぶ本」ではなく、実践ですぐに使える能力を鍛える本ばかりです。
これからコンサルタントになりたい方ではなく、実業家の方に、コンサル的な能力を補完するための参考書と考えていただければよいと思います。
企業の経営者の方はもちろん、これから経営改革に取り組む管理職やスタートアップ企業の若手経営者にも「ズバリ刺さる」はずです。ぜひ参考にしてください。
▲出典:あなたの会社が90日で儲かる!
この本は、無駄な時間をかけずに売り上げを飛躍的に伸ばしたいマーケターにピッタリの1冊です。
マーケティングの常識であった「お客様主体の営業」から「営業側主体の営業」へ転換する方法や、お客様をどのように生み出し、利益を生み、営業効率を飛躍的に上げるかというエモーショナル・マーケティングの具体的なメカニズムを知ることができます。一度読めば、いつの間にか神田昌典のビジネス観とその魅力に引き込まれるでしょう。
また注目すべきは、ビジネス本には珍しいショッキングピンクの表紙と、最初に目に付く奇抜な前書き「なぜ、あなたはこの本を手にとりましたか?」という言葉。そして、裏表紙には本書による驚くべき成功実績の一覧表がびっしりと書かれています。
この本のつくり自体が、エモーショナル・マーケティングの手法によって構成されています。
発売から今なお増刷を重ねていることが納得できる、読めばわかる1冊です。
▲出典:徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」
ドラッカー氏の「マネジメント」を40年近く研究した著者が、よりわかりやすくリライトしたのが『徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」』です。
ドラッカー氏の『マネジメント』は、名著であはあるものの、少し長く難しい内容となっているため「過去に途中で挫折してしまった」という方にもおすすめしたい1冊です。
「マネジメント」や「トップマネジメント」の理論と実行方法をわかりやすく学びたい方は、ぜひ読んでみてください。
▲出典:USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
この本は第44回ビジネスブックマラソンで大賞を受賞した1冊です。
一時の営業不振からV字回復を遂げたUSJの成功例をもとに、マーケティングの基本的な考え方や重要性、方法について詳しく解説されています。
マーケティングのプロでない方が読んでも分かりやすいよう構成されており、知らぬ間に森岡ワールドに引き込まれる、興味深い内容となっています。
この『短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント』は、著者である石田 淳氏が、アメリカで数十年間研究し、実績を積んだ心理学の「応用行動分析」をベースにして書かれた本です。
本書では、勘や経験に頼った不確定なマネジメントではなく、科学的根拠に基づいたマネジメント法を学ぶことができます。また、実際の業務における具体的な例が豊富に解説されているため、あなたの職場で応用可能なスキルが身につくでしょう。ミドルマネジメント層だけでなく、人事関係の方にもおすすめしたい1冊です。
▲出典:不変のマーケティング
この本は、神田昌典氏が書いたマーケティング本の傑作です。4000社を超える企業の経営者・起業家が貪り読んだ幻の原稿を書籍化したもので、神田氏特有の顧客が思わず反応してしまう仕掛けや言語表現、マーケティングの実例が書かれています。
「緊急性」「限定」「思い切った保証」「明確な指示」「お客様の声」などの「マーケティングの7原則」をはじめ、興味深いトピックやノウハウが満載です。
マーケティングにおいて丁寧に考え、実践することの大切さがわかるおすすめの1冊です。
このように、コンサルタントが身につけている思考については、独学でも十分に学ぶことができます。
ただ間違った分析や現場の指導を行うと、業務が混乱する恐れがあります。そこで業務改革に取り組む際は、自社内でチームを作り、上下関係なく意見交換を行いながら課題解決する施策を立案・実行することが大切です。
上記の本の内容を理解すれば、かなりの戦略思考を身につけることができるはずです。まず1冊を手に取って、読むところから始めてみましょう。
また中小企業の運営でお困りの際は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。