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カスタマーサクセスの本質とは?おすすめ本と要約を紹介

作成者: 水落康稀|2023.2.4

マーケティング用語として頻繁に使われてきた「CS」という略語は、これまで一般的に「カスタマーサポート」と解釈されてきました。

しかし近年では、サブスクリプションなどのビジネスモデルが台頭してきたことにより、同じ「CS」という言葉が「カスタマーサクセス」として活用されることが増えています。

カスタマーサクセスという概念は、自社の商品やサービスを使い、顧客が期待する成果や成功を手に入れるためのサポートを行うことです。このカスタマーサクセスを達成するために、企業は自社の商品やサービスを購入、または利用してくれる顧客を成功に導く活動を行います。

ただしカスタマーサクセスは、まだ国内のビジネスに深く浸透している概念とは言えません。実際に、一般的な営業活動やカスタマーサポートと混同されているケースも散見されます。

そこで今回は、カスタマーサクセスの本質を詳しく解説しながら、カスタマーサクセスのおすすめ本と要約を紹介します。

企業の経営者の方はもちろん、企業のマーケティングに関わるマーケッターや営業担当者の方も、ぜひ参考にしてください。

 

カスタマーサクセスの意味

カスタマーサクセスとは、企業が顧客(カスタマー)を成功(サクセス)に導くための手助けをする、比較的新しい営業の概念です。

「顧客の成功」とは、顧客が自社の商品やサービスを利用することで、期待した成果や成功を手に入れて満足している状態を指します。

これまでの営業では「売れるまで」を重視した活動でしたが、カスタマーサクセスにおける営業活動は「売れてから」を重視する点において、大きな違いが見られます。

この「売れてから」の営業活動を重視する背景には、次に説明する「サブスクリプション型」のビジネスモデルの急速な拡大が影響しています。

 

カスタマーサクセスが注目され始めた背景

カスタマーサクセスが注目され始めたのは「サブスクリプション(一定期間定額でサービスやコンテンツを利用するサービス)型」のビジネスモデルが、急速に市場を拡大しているからです。

サブスクリプション型のビジネスモデルには、SaaSを中心としたBtoBの企業や、音楽配信や映画配信、電子書籍配信などを対象としたBtoCの企業があります。

このようなサブスクリプション型のビジネスでは、顧客が期待するサービスを提供し続けなければ、途中で解約される恐れがあります。それはインターネットが普及した現代のビジネスにおいて、顧客が商品やサービスを選ぶ際の選択肢が増えたことで、他社の商品やサービスに容易に乗り換えることが可能となったからです。

このような状況で自社の商品やサービスを継続して使い続けてもらうためには、顧客が求めるサービスを深く理解し、顧客のサポートを続けて成功してもらうことが必要不可欠となりました。しかも、現代では大量生産大量消費の時代が終わり、消費者となる人口が減少し続けている状況です。

そこで企業がカスタマーサクセスによって「顧客の成功」を支援し、チャーン(解約)を未然に防ぐことにより、LTV(顧客生涯価値=企業が1人の顧客から生涯にわたって得られる利益)を最大化させることが重要となっています。

この現実が、日本国内でカスタマーサクセスを重視するようになった、大きな要因と言えるでしょう。

 

カスタマーサクセスを学べる|おすすめ本5選

このように、今後ますます市場が拡大することが予想されるカスタマーサクセスですが、一般的なマーケティグ手法に比べると、まだまだ黎明期と言えます。

そのため、カスタマーサクセスを紹介する書籍もそれほど多くないのが現状です。

そこで以下では「カスタマーサクセスを学ぶならこの本」という、カスタマーサクセスの施策に必須の書籍を紹介します。

1. カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

▲出典:カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

  • 著者:ニック・メータ (著) ダン・スタインマン (著) リンカーン・マーフィー (著) バーチャレクス・コンサルティング (翻訳)
  • 出版社:英治出版
  • 出版年月日:2018/6/6
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  • カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則の概要と要約

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まず最初に「カスタマーサクセスの青本」と呼ばれている書籍の紹介です。

この本は、カスタマーサクセスを学ぶ際には必ず読むべき1冊。それは、この本が「カスタマーサクセス」という概念を日本に定着させたと言われているからです。

“カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則”が出版された2018年は、カスタマーサクセス元年と呼ばれています。

本書では、カスタマーサクセスの基礎知識だけでなく、具体的に何をすべきかといった具体的な内容も解説されています。比較的難しい内容も「10の原則」としてわかりやすく解説しているため、カスタマーサクセスを初めて学ぶ方にも読みやすい内容です。

顧客との関係構築や、カスタマーサクセスの具体的な施策まで詳細に解説されており、初心者から、中上級者まで対応可能です。

ITサービスにおけるSaaSビジネスやサブスクリプションビジネス。モノを所有する時代から利用する時代へ移り変わる価値感の変化など、最新のビジネス環境に対応し、企業が新たに備えるべき準備と施策を明確に提示しています。

カスタマーサクセスの教科書的な一冊として、おすすめします。

2. カスタマーサクセスとは何か―日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」

カスタマーサクセスとは何か―日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」の概要と要約

続いて紹介する書籍は「カスタマーサクセスの赤本」です。こちらの本も、カスタマーサクセスを学ぶ際には必ず読むべき本と言えるでしょう。

先に紹介した「カスタマーサクセスの青本」は、カスタマーサクセスの概念が生まれたアメリカで書かれた本であるのに対して、こちらは日本で書かれた本です。そのため、カスタマーサクセスの施策などが、どちらかいうと日本企業向けの内容となっています。

実際に日本企業でのカスタマーサクセスの成功事例なども紹介されており、さまざまな企業や業種の参考となる事例も豊富に紹介されています。

カスタマーサクセスとは何か、まず最初にやるべきこと、そして具体的な施策へと落とし込んだ内容は、すぐに実際のビジネスに応用可能です。

上記の2冊は、カスタマーサクセスを勉強する上で必ず読んでおきたい書籍です。

3. 稼ぐ言葉の法則

▲出典:稼ぐ言葉の法則

  • 著者:神田 昌典 (著) 
  • 出版社:ダイアモンド社
  • 出版年月日:2016/2/13
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稼ぐ言葉の法則と売れる公式41の概要と要約

こちらの書籍は、2016年に日本一のマーケッターである神田昌典氏が出した書籍です。2018年が「カスタマーサクセス元年」と呼ばれているため、神田氏がずいぶん早くから「カスタマーサクセス」に着目していたことがわかります。

この本では「カスタマーサポートはよく聞かれる言葉であるが、もはや“サポート”では十分ではない。これからは“カスタマーサクセス”を徹底していかなければならない」とはっきり書かれています。

これは「お客様の成功を実現する」というレベルにまで、ビジネスが進化しなければならないことを明示しており、実際に当時のアメリカでは「カスタマーサポート部」の代わりに「カスタマーサクセス部」をつくる会社が増えている頃でした。

この本で、神田氏は「顧客のサポートからサクセスへ移行する流れは完全に根づき、日本もそうなるのは時間の問題だ」と述べています。まだカスタマーサクセスの黎明期に書かれている書籍だけに、カスタマーサクセスの具体的な成り立ちや概念を理解しやすい内容となっています。まだ未読の方には必読の1冊です。

4. おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

▲出典:おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

  • 著者:マシュー・ディクソン (著) ニック・トーマン (著) リック・デリシ (著) 神田 昌典 (監修) リブ・コンサルティング (監修) 安藤 貴子 (翻訳)
  • 出版社:実業之日本社
  • 出版年月日:2018/7/5
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おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係の概要と要約

この書籍は「ウォール・ストリート・ジャーナル」のベストセラーである「チャレンジャー・カスタマー」の著者による1冊です。日本のトップマーケッターの神田昌典氏が監修しており、読みやすい内容となっています。

この本の概要は、9万7千人ものお客さまに顧客サービスの対応経験についての統計的な調査を行い、その客観的なデータから本当に行うべき顧客サービスを解説しています。

その具体的なヒントは…「顧客に努力をさせない」こと。顧客と長く付き合っていくために必要なサービスやサポートのあり方が明確になる、目から鱗の画期的な一冊です。

5.成功しなきゃ、おかしい

▲出典:成功しなきゃ、おかしい

  • 著者:ジェイソン・レムキン (著) アーロン・ロス (著) 齋藤 慎子  (翻訳) 神田 昌典 (監修)
  • 出版社:実業之日本社
  • 出版年月日:2020/2/21
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成功しなきゃ、おかしいの概要と要約

この本は、SaaSビジネスのセールス、マーケティング、マネジメントのバイブル的な書籍です。

SaaSビジネスを拡大するためにはどうあるべきかや、拡大するために必要なセールスやマーケティングの考え方、人員、マネジメントの考え方などを、具体的な数字や事例で紹介しています。

また、SaaSビジネスの拡大には、プロダクトだけでは成り立たないことを明示し、いかにソリューションとしての価値提供が必要かも説いています。

また、そのために必要なセールス、マーケティング、カスタマーサクセスを軸としたビジネスをあらゆる角度で考察しています。

そもそも本書で紹介されている「予測できる売上(今日の顧客データの動きを眺めれば、数ヶ月後の売上を高い精度で予測できる事業モデルのこと)」とは、著者アーロン・ロス氏が提唱した概念で、現代のビジネスにタイムリーに当てはまります。

日本でも、ようやくデジタル変革に真剣に取り組みはじめた企業が増えはじめ、インサイドセールスやカスタマーサクセスといった言葉が頻繁に聞かれるようになりました。

この本を読むことで、新しい概念のもと、新しいビジネスリーダーとして活躍できるでしょう。そんな気概のある方におすすめしたい1冊です。

 

カスタマーサクセス「おすすめ本」のまとめ

今回ご紹介させていただいた書籍は、カスタマーサクセスを学ぶための専門書的な本だけでなく、広くマーケティングを学べる本もあります。それは、カスタマーサクセスをマスターしただけで、すべてのビジネスモデルに対応できるわけではないからです。

とくに日本のビジネスシーンでは、アメリカのビジネスパーソンと比較して、専門職のスキルのみで活躍できる場が少ないという特徴があります。だからこそ、より広くセールスやマーケティングまでを網羅した本も合わせておすすめさせていただきました。

そこでまず最初に読む方には『稼ぐ言葉の法則』がおすすめです。カスタマーサクセスという概念が広まる前に書かれたこの本は、カスタマーサクセスの概念からマーケティングの基本までを完全網羅した1冊となっています。この本を読んでから、次の本へ読み進めることで、カスタマーサクセスをより深く理解できるでしょう。

 

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