グループワーク研修とは、複数の人がチームを組んで共通の課題に挑戦する研修のことです。グループワーク研修では、コミュニケーションや協調性、問題解決能力などのスキルを身につけることができます。
しかし、グループワーク研修には、難点や課題もあります。例えば、参加者のモチベーションや関心の低下、研修の内容や目的の理解不足、研修の楽しさや意義の感じられなさなどです。これらの難点や課題を克服し、グループワーク研修の効果を高めるためには、ゲーム要素を取り入れた手法が有効です。ゲーム要素とは、ゲームのように楽しくやりがいのある体験を提供する要素のことです。
そこで今回は、グループワーク研修の効果を高めるゲーム要素の重要性とメリット、具体的な事例を解説します。グループワーク研修を実施しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
グループワーク研修のゲーム要素とは、研修の中でゲームを活用することで、参加者のコミュニケーションや協力、問題解決などのスキルを向上させることを目的とした要素です。
ゲームを楽しみながら学ぶことができるため、研修のモチベーションや効果を高めることができます。
ゲームの種類や内容は、研修の目的やテーマによって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
それぞれ解説します。
この種類のゲームは、参加者の論理的思考や情報分析、推理能力を鍛えるのに効果的です。また、チームで協力して謎を解くことで、コミュニケーションや協調性を向上させることにも役立つでしょう。
例えば、謎解き脱出ゲームは、物語の主人公になって制限時間内に脱出するというゲームです。与えられた資料やヒントをもとに、チームで謎を解いていきます。
謎解き脱出ゲームは、会議室などの室内でできるので、手軽に実施できます。
この種類のゲームは、参加者の体力や運動能力を試すとともに、チームで戦略を立てて勝利を目指すことで、リーダーシップや戦略的思考を学ぶのに効果的です。また、チームで一体感や連帯感を感じることで、チームビルディングにも良い影響を与えます。
例えば、チャンバラ合戦は、スポンジの刀で相手の腕についたボールを切り落とすというゲームです。チームで作戦会議を行い、合戦を通して実践し、振り返りを行うことで、PDCAサイクルを回すことができます。
この種類のゲームは、参加者の創造性や発想力、問題解決能力を高めるのに効果的です。また、チームでアイデアを出し合い、実現するための方法を考えることで、コミュニケーション力や、仲間と協力する能力を養えます。
例えば、マシュマロチャレンジは、乾燥パスタやテープなどの備品を使って、自立可能なできるだけ高いタワーをつくり、頂上にマシュマロを置くというゲームです。制限時間内に最も高いタワーを作ったチームが勝利です。マシュマロチャレンジは、手軽に用意できる備品でできるので、簡単に実施できます。
この種類のゲームは、参加者の表現力やプレゼンテーション力、説得力を養うのに効果的です。また、チームで意見を交わし、共通のテーマに沿って発表することで、コミュニケーションや理解も深まるでしょう。
例えば、ビブリオバトルは、参加者がそれぞれおすすめの本を紹介し、最も読みたくなった本を投票するというゲームです。本の内容や魅力を伝えるために、工夫や工夫が必要です。ビブリオバトルは、オンラインでも実施できるので、リモートワークの研修にも適しています。
これらのゲームは、チームで協調しながら目標を達成することが求められるため、チームビルディングやリーダーシップなどの能力を養うことができます。また、ゲームの結果や過程を振り返ることで、自分や他者の強みや改善点を見つけることも可能です。
このように、グループワーク研修のゲーム要素は、研修の効果を最大化するための有効な手段と言えるでしょう。
以下では、グループワーク研修にゲーム要素を取り入れる際のメリットとデメリットを解説します。メリットとデメリットを理解して、より効果的な研修を実践しましょう。
ゲームには、参加者の興味やモチベーションを高める効果があります。研修の内容に関心を持ち、積極的に参加することで、学習効果が高まります。
ゲームでは、チームで協調しながら目標を達成することが求められるため、コミュニケーションや協力のスキルを向上させることができます。また、ゲームを通じて他者の考え方や価値観を知ることで、相互理解や信頼関係も深まります。
ゲームでは、実際の仕事や社会に近い状況を再現できます。ゲームで得た知識やスキルを実践で活かすことで、能力やスキルの習得が期待できるでしょう。また、ゲームで失敗を経験することで、問題解決や改善の能力を養うことも可能です。
ゲームを研修に取り入れるには、ゲームの内容やルール、道具や資料などの準備が必要です。また、ゲームの進行や管理、参加者のサポートや評価などの運営も工夫が必要です。
研修の時間やコストを増やさないためにも、まずは自社のリソースを考えて、ゲームの種類ややり方を選びましょう。
ゲームを研修に取り入れる場合、ゲームの目的や効果を明確にすることが重要です。
ゲームの目的や効果が不明確だと、参加者がゲームに興味を持たなかったり、ゲームの結果や過程を振り返らなかったりする可能性があります。
また、研修の成果を正確に測定するためにも、まずはゲームの目的と最終的なゴール(効果)を明確にしましょう。
ゲームを研修に取り入れる場合、ゲームの難易度や適性を参加者に合わせることが重要です。
ゲームの難易度や適性が参加者に合わないと、参加者がゲームに挑戦感や達成感を感じなかったり、ゲームにストレスや不満を感じたりする可能性があります。
そこで、まずは参加者のレベルや目的を明確にすることが重要です。
グループワーク研修にゲーム要素を取り入れる際は、次の3つのプロセスを踏むと良いでしょう。
それぞれ解説します。
グループワーク研修にゲーム要素を取り入れる際は、まず目的と効果を明確にしましょう。ゲーム要素を取り入れる目的や効果には、次のようなものがあります。
次に、ゲームの種類や内容を選びましょう。ゲームは、研修の目的や評価したい能力に合わせて、以下のようなカテゴリーに分けられます。
アイスブレイク型のゲームは、研修の最初に行うことで参加者の緊張をほぐし、仲間意識や信頼感を築くことができるゲームです。例えば、グッドオアニュースやペーパータワーなどがあります。
コミュニケーション型のゲームは、参加者同士の意見交換や情報共有を促すことで、コミュニケーション能力や協調性を高めることができるゲームです。例えば、十人十色ゲームや図形伝達ゲームなどがあります。
学習型のゲームは、参加者に業務に関連するスキルや知識を学ばせることで、業務成果や品質の向上につながるゲームです。例えば、NASAゲームやマナーストーリーなどがあります。
チームビルディング型のゲームは、参加者にチームで協力して課題を解決させることで、チームワークやリーダーシップを育むことができるゲームです。例えば、謎解き脱出ゲームやチャンバラ合戦などがあります。
最後に、ゲームのルールや手順を事前に明確に説明し、参加者に理解してもらいましょう。必要に応じて、模範解答や事例を示すのも効果的です。
また、ゲームの進行や時間管理に注意し、適切なフィードバックや指導を行うことも重要です。参加者の状況や反応に応じて、ゲームの難易度やペースを調整するようにしましょう。
ゲーム型のグループワーク研修の事例としては、以下のようなものがあります。
ワールドリーダーズとは、SDGsに特化したゲームで、企業経営を疑似体験できます。環境や社会問題などを考慮しながら、最終的に多くの資金を稼いだチームが勝利です。SDGsの社内浸透や戦略的思考を学ぶことができます。
謎解き脱出ゲームとは、決められた時間・空間内で与えられた謎を解き、物語のクリアを目指すゲームです。参加者自身が主人公となって物語が進むため、没入感の高い体験が楽しめます。
謎を解いていくことで、メンバー同士で協力し合ったり役割分担をしたりなど、チームビルディング効果に期待ができます。
コンビニ経営ゲームとは、チームごとにコンビニを経営している設定でコンビニチェーンを育てていくゲームです。他チームの出店状況を見ながら自社が出店するエリアを決めていき、優勢を目指します。
コンビニ経営を擬似体験することで、ビジネスに必要な戦略的思考や経営視点が養われます。
ナンバーワン・ベーカリーとは、パン屋を経営するゲームで、チームでパンのレシピを考えて販売します。お客さんのニーズや嗜好を分析しながら、最も売れるパンを作ることが目標です。
パン屋の経営を擬似体験することで、マーケティングや商品開発などのスキルを学ぶことができます。
人狼ゲームとは、参加者の中に人狼(人間の姿をした狼)と村人が紛れ込んでいるという設定で、人狼を見つけ出すゲームです。人狼は村人になりすまして、村人は人狼を推理して投票します。
人狼ゲームでは、コミュニケーションや論理的思考のスキルを学ぶことができます。
上記のように、ゲーム型グループワーク研修は、参加者の協調性やコミュニケーション能力、思考力などを見極めることができる研修方法です。しかし、ゲームだけで終わらせずに、振り返りやフィードバックを行うことが重要です。
ゲーム型グループワーク研修を評価する際は、以下のような手順で行います。
また、これらの方法を組み合わせることで、参加者の学びや成長を評価することも可能です。
ゲーム型グループワーク研修の効果を高めるためには、ゲームの内容や難易度を参加者のレベルやニーズに合わせて調整する必要があります。
このように、グループワーク研修にゲーム要素を取り入れることで、講師が一方的に指導やアドバイスを行う研修とは異なった能力やスキルを学ばせることができます。
ただし、一般的な研修とは手法や目的が異なるため、研修の目的と内容をしっかりと決めた上で実施することが重要です。
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