グループワークとは、複数の人が協力して共通の目標に向かって取り組む活動のことで、さまざまな種類と役割があります。例えば、職場や学校におけるプロジェクトやワークショップ、研修などです。
グループワークでは、メンバーの意見やスキルを活かし、より高い成果や学びを得ることが可能ですが、メンバー間の意見が対立したり衝突したりするケースもあります。
これらの課題や問題を解決し、グループワークを効果的に進めるためには、ファシリテーターの役割が重要です。
ファシリテーターとは、グループワークのプロセスや方法を提案し、メンバーの参加や協力を促し、目標達成に導く人のことで、グループワークの質や効率を高め、メンバーの満足度やモチベーションを向上させることができます。
そこで今回は、グループワークの種類と役割、ファシリテーターの重要性と効果的な進め方を解説します。これからグループワークを行う方は、ぜひ参考にしてください。
グループワークとは、数人のグループで行う議論や制作などを通して、何かしらの成果物や結論を作り出す活動のことです。
グループワークは、採用試験や研修などで、参加するメンバーのコミュニケーション能力や協調性、主体性などを評価する目的で行われることが多い取り組みです。
グループワークには、プレゼン型、作業型、ゲーム型などの種類があり、それぞれに適したテーマや進め方があります。
グループワークを実施するときは、評価したい項目や基準、必要な資材や人員、参加者の事前情報などを準備しておくことが大切です。
グループワークの実施には、以下のようなメリットがあります。
それぞれ解説します。
グループワークでは、参加者の本来の姿を見ることができます。なぜなら、グループワークでは事前に発言の内容を準備できないため、参加者のポテンシャルや対応力を正当に評価できるからです。
グループワークには同時に複数のメンバーが参加するため、一度に多くの人材を評価することが可能です。
グループワークでは、実際のビジネスの現場に近い状況で行うことが可能なため、企業とメンバーの相互理解を促進できます。これにより、自社が求める人物像や業務内容とのミスマッチを防止できるメリットがあります。
グループワークでは、チームで物事を進めるときのコミュニケーション能力や、自らゴールに向かって動こうとする主体性を評価できます。参加メンバーの発言の内容や頻度、メンバーとのやりとりの仕方などを観察することで、コミュニケーション力や主体性を判断可能です。
グループワークでは、課題解決のためのプロセスを理解しておくことや、論理的に道筋を立てて自分の意見を発表することができます。そこで、参加者の分析力や創造力、論理性や説得力などから、課題解決力や思考力を判断できます。
グループワークでは、メンバー同士の意見を出し合い、一つの目標に向かって協力しあえるチームワークの大切さに気づくことができます。そのため、参加者の協調性やリーダーシップ、フォロワーシップなどから、チームプレイのスキルを判断できるでしょう。また、これらを繰り返すことで、チームプレイのスキルが高まります。
グループワークには、上記のようなメリットだけでなく、いくつかのデメリットもあります。グループワークのデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
それぞれ解説します。
グループワークでは、同時に複数人を評価しなければならないため、個人の能力を細かいところまで把握するのが困難です。また、グループの成果に個人の貢献度を正確に反映させるのも難しいというデメリットがあります。
グループワークでは、多数派の意見に従ってしまい、自分の意見をなかなか発言できないという人もいます。これは、グループ内でのコンフリクトを避けたり、同僚との関係を保ったりするための心理的な防衛機制です。
このような同調圧力は、グループの視点が画一化されてしまい、問題解決の効率や質を低下させる可能性があります。
グループワークでは、自主的な発言を得意とするメンバーがチーム内にいて、リーダーを担う場合、一人で議論を進めてしまう可能性があります。これは、グループの目標達成に貢献するという意図で行われることもありますが、他のメンバーの参加や発言を阻害するケースもあるでしょう。また、リーダーの意見に過度に依存してしまうと、グループの判断力や創造力が低下することもあるため、注意が必要です。
グループワークでは、グループで何かを決定するとき、決定した内容に対して、個人での決定よりも過剰な自信をもちます。これは、グループの合意によって自分の意見が正当化されたと感じたり、グループのメンバーに対する信頼感が高まったりすることで起こるものです。
このような過剰な自信は、グループの判断を誤ったり、リスクを過小評価したりすることにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
グループワークには、主に次の3つの種類があります。
それぞれ解説します。
プレゼン型グループワークとは、グループにテーマを与えて議論させ、導き出した結論をプレゼンしてもらうタイプです。
プレゼン型グループワークでは、参加者のコミュニケーション能力やリーダーシップ能力、論理性や説得力などを評価できます。
作業型グループワークとは、グループに特定の作業をさせて成果物を作成してもらうタイプです。
作業型グループワークでは、参加者の協調性や創造性、技術的なスキルなどを評価できます。
ゲーム型グループワークとは、グループにゲーム性のあるテーマを与えて競わせるタイプです。
ゲーム型グループワークでは、参加者の積極性や協力性、個性などを評価できます。
上記のように、グループワークの特徴はそれぞれのタイプによって異なりますが、グループ内での意見の対立やコンフリクトを避けることではなく、それらをどのように解決して目標に向かって協力するかという点が共通しています。
そこで、グループワークを実施する際は、評価したい項目や基準、必要な資材や人員、参加者の事前情報などを準備しておくことが大切です。
グループワークでは、それぞれのメンバーが役割を担って、効率的に作業を進めることが求められます。
グループワークでよくある役割と評価ポイントは以下のとおりです。
リーダー(ファシリテーター)とは、グループの進行を管理し、話し合いを円滑に進める役割を担う人です。
リーダーは、メンバーの意見をまとめたり、方向性を示したり、発言しにくい人に声をかけたりすることで、グループの協調性やコミュニケーション力を高めることができます。
リーダーの評価ポイントは、グループの雰囲気や進捗を把握し、適切な判断や指示を出せるかどうかです。
書記とは、グループの議論の内容を記録し、発表資料を作成する役割を担う人です。
書記は、議論の要点や結論を明確に伝えることで、グループの理解度や説得力を高めることができます。
書記の評価ポイントは、議論の内容を正確に言語化し、わかりやすくまとめられるかどうかです。
タイムキーパーとは、グループの作業時間を管理し、時間内に課題を完了する役割を担う人です。
タイムキーパーは、グループの進行状況に応じて、時間の配分や残り時間の通知をすることで、グループの段取り力や効率性を高めることができます。
タイムキーパーの評価ポイントは、時間を冷静に見極め、適切なタイミングで声掛けできるかどうかです。
発表者とは、グループの成果物をプレゼンテーションする役割を担う人です。
発表者は、グループの意見や考え方を明確に伝えることで、グループの発想力や論理的思考力を高めることができます。
発表者の評価ポイントは、グループの意見を理解し、完結にわかりやすく話せるかどうかです。
グループワークでは、自分の役割だけでなく、他のメンバーの役割もサポートすることが大切です。グループワークで評価されるのは、個人の能力だけでなく、チームとしての能力です。
そこで、グループワークで高い評価を得るためには、積極的に意見を出し、他のメンバーの意見を尊重し、全体として納得のいく結論を出すことが重要です。
グループワークにおけるファシリテーターとは、参加者の意見やアイデアを引き出し、議論をスムーズに進めるためにサポートするリーダー的な人のことです。
ファシリテーターの重要性と役割は以下のとおりです。
まず、ファシリテーターは、グループワークの目的やゴールを明確にし、参加者に共有することで、議論の方向性や到達点を明確にします。また、参加者の保有情報や立場、関心事などを把握し、発言しやすい雰囲気を作ることで、多様な意見や知識を引き出すことが求められます。
そこで、ファシリテーターには参加者の発言を聞き、理解し、言い換えたり、質問したりすることで、議論の内容を整理し、深めることができるスキルが必要です。
また、ファシリテーターは、議論の進行や時間を管理し、話が脱線したり、論点がずれたりしないようにすることで、議論の効率性や生産性を高める役割をはたします。そして、最終的にファシリテーターが議論の結果や結論をまとめ、参加者の合意を形成することで、議論の成果を確実にするのが目的です。
このように、ファシリテーターはグループワークの成功に欠かせない存在です。
そこで、ファシリテーターには、高いコミュニケーション力や理解力、論理的思考力などのスキルが必要となります。
ファシリテーターに求められるスキルと資質は、以下のようなものがあります。
コミュニケーション力が高いと、参加者の発言を聞き、理解し、言い換えたり、質問したりすることで、議論の内容を整理し、深めることができます。また、参加者の表情や態度などのノンバーバル情報から、感情や関心事を察知し、適切な声掛けをすることができるでしょう。
論理的思考能力が高いと、議論の目的やゴールを明確にし、議論の進行や時間を管理し、話が脱線したり、論点がずれたりしないようにできます。また、多角的な観点から問いを立てることで、議論に新たな視点を加えることができるでしょう。
感情知性とは、自分や他人の感情を理解し、感情をうまく使う能力です。
ファシリテーターは中立的な立場で良質な結果が得られるようにサポートする役割であるため、自身が感情的になったり、また、感情的な状況に振り回されたりしないよう、感情と思考を最適な状態にブレンドして、バランスよく使えるスキルが求められます。
合意形成のスキルのスキルが高いと、より深く議論の結果や結論をまとめ、参加者の合意を形成することができます。そのため、投票制などではなく、検討を深めるような質問をしつつ、参加者の納得感を高めることができるでしょう。
このようなファシリテーターに必要なスキルや資質は、日頃からのトレーニングや練習によって身につけることが可能です。
グループワークでは、ファシリテーターという進行役が、参加者の意見やアイデアを引き出し、議論をスムーズに進めるためにサポートする役割を担います。そのため、グループワークの成功には、ファシリテーターのスキルが大きく影響します。
グループワークを効果的に進めるコツは、以下のようなものがあります。
グループワークには必ず目的やゴールがあります。ファシリテーターは、グループワークのゴールを事前に設定し、参加者に共有することで、議論の方向性や到達点を明確にします。
グループワークでは、メンバー全員が発言し、多様な意見や知識を集めることが重要です。
ファシリテーターは、メンバーの保有情報や立場、関心事などを把握し、発言しやすい雰囲気を作ることで、意見を引き出します。また、質問や相槌、パロットやパラフレージングなどのコミュニケーションの技法を使うことで、意見を深掘りし、理解を助けます。
グループワークでは、話が脱線したり、意見が対立したりすることがあります。そこでファシリテーターは、議論の進行や時間を管理し、話が脱線したり、論点がずれたりしないようにすることで、議論の効率性や生産性を高めます。また、メンバーの感情や関係性に配慮し、場の雰囲気を和らげることで、議論の協調性や建設性を高めます。
グループワークでは、限られた時間内に結論を出すことが求められます。
ファシリテーターは、時間の配分や残り時間の通知をすることで、メンバーの時間意識を高めます。また、議論の結果や結論をまとめ、メンバーの合意を形成することで、議論の成果を確実にします。
このように、グループワークは、仕事や学習で必要なスキルを身につけるための良い機会となります。
グループワークを成功させるためには、メンバーのコミュニケーションや協力が重要です。
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