社内研修は、社員のスキルアップやモチベーション向上に欠かせないものです。しかし、研修の内容や方法によっては、逆に社員のやる気を削いだり、時間の無駄になったりすることもあります。
そこで、社内研修を成功させるためには、まず研修の目的やテーマを明確にして、次に、研修の内容や方法を工夫することが必要です。また、社内研修は、単に知識やスキルを伝えるだけではなく、参加者の意識や行動を変えることが目的であるため、研修の前後にフォローアップを行うことも重要です。
これらの進め方を実践することで、より効果的な社内研修を実現できるでしょう。
そこで今回は、社内研修の効果的な進め方のポイントを研修目的やテーマごとに徹底解説します。これから社内研修を行う方はもちろん、自社研修の改善をお考えの方も、ぜひ参考にしてください。
社内研修とは、社内の人材が講師役を担って、業務に必要なスキルや知識を従業員に教える取り組みです。
社内研修の必要性や重要性は、企業の事業内容や理念を従業員に浸透させることができることや、現場で役立つスキルを効率的に身につけることができること、人材育成への意識を全社的に向上させることができることにあります。
社内研修には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
自社に特化した育成プログラムが組めること
部門間で従業員が交流できる機会が増えること
社外研修よりもコストを削減しやすいこと
研修後のサポートがしやすいこと
マネジメント層の育成力を鍛えられること
ノウハウや知識が限定されやすいこと
講師ごとのレベルに差が出やすいこと
担当者に業務負荷がかかりやすいこと
上記のようなメリットやデメリットを踏まえ、できるだけ効果の高い研修を行うことが重要です。
以下では、社内研修の種類と特徴について解説します。社内研修には、次のような種類があります。
Off-JTは、仕事の現場を離れて、講義やグループワークなどの研修を行う方法です。
仕事の体系的な知識やノウハウを習得できるメリットがありますが、実践との乖離や繰り返しの必要性があるデメリットもあります。
コンプライアンスやロジカルシンキングなどのテーマ別研修に適しています。
OJTは、実際の業務を通して仕事の知識やスキルを習得するための研修方法です。
実践的なスキルや知識を身につけられるメリットがありますが、指導者のレベルや効果に差が出やすいデメリットもあります。
新入社員や職種別研修に適しています。
OJDは、OJTの一種で、業務に関連したプロジェクトや課題に取り組むことで、自己開発を促す研修方法です。
自主性や創造性を高められるメリットがありますが、成果の評価や管理が難しいデメリットもあります。
リーダーや管理職などの階層別研修に適しています。
e-ラーニングは、インターネットを活用した研修で、スマホやパソコンなどのデバイスを使って研修を受ける方法です。
いつでもどこでも研修に参加できるメリットがありますが、受講者のモチベーションや継続性が低いデメリットもあります。
録画やオンライン会議ツールを使って、さまざまな研修形式に対応できます。
次に、社内研修の基本的な進め方について解説します。社内研修は、次のプロセスで行うのが効果的です。
それぞれ解説します。
社内研修を行う目的や必要性を明確にし、研修対象者の現状や課題を分析します。
課題の洗い出しでは、社内の組織課題や人事戦略、従業員のニーズやフィードバックなどを参考にしましょう。
研修の到達目標や評価指標を定めます。
ゴールの設定は、SMART原則(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)に沿って、具体的で測定可能なゴールを設定すると効果的です。
研修の内容や方法、時間配分、教材などを決めます。
研修プログラムの設計では、研修の種類(Off-JT, OJT, OJD, e-ラーニングなど)やテーマ(階層別、職種別、テーマ別など)に応じて、最適なプログラムを作成しましょう。
研修を担当する講師を選びます。社内の人材や外部の専門家など、研修の内容や目的に合った講師を探します。
講師の選定では、講師の能力や経験、コミュニケーションスキルなどを考慮することが重要です。
研修の実施に必要な準備をします。
研修の日程や場所、参加者や講師の調整、研修資料や教材の作成や配布、研修の周知や案内などを行います。
研修の効果測定や改善策の検討をします。
研修後のフォローアップでは、研修後に参加者や講師にアンケートやフィードバックを集め、研修の成果や課題を分析することが重要です。また、研修の内容や方法の改善点や、研修で学んだことを実践するためのサポートなども考えましょう。
社内研修の目的は、社員の能力やスキルを向上させるとともに、組織のビジョンや方針に沿った行動や判断ができるようにすることです。そのため、社員の階層に応じて、必要なテーマや内容を選択することが重要です。
一般的に、社内研修の階層別のテーマと内容の決め方は以下のようになります。
新入社員向けの研修では、会社の基本的な理解やビジネスマナー、ロジカルシンキングなどの基礎的なスキルを身につけることが目的です。
具体的なテーマや内容の例は以下の通りです。
会社の沿革や組織構成、事業内容、ビジョンやミッション、企業文化などを学びます。会社の目指す方向や価値観を理解し、自分の役割や責任を認識します。
ビジネスシーンで必要なマナーやエチケット、コミュニケーションの基本を学びます。電話やメールの対応、名刺の交換、挨拶や自己紹介、会議やプレゼンテーションなどの場面別のマナーを習得します。
論理的に考える力や問題解決力を養います。ロジックツリーやフレームワーク、仮説思考などのツールや手法を使って、課題の分析や解決策の提案を行います。
中堅社員向けの研修では、自分の業務や部署の成果を高めるためのスキルや、チームやプロジェクトのリーダーとして必要なスキルを身につけることが目的です。
具体的なテーマや内容の例は以下の通りです。
チームやプロジェクトのメンバーを率いる力や、目標や方針を示す力を養います。リーダーシップのスタイルやタイプ、リーダーとしての役割や責任、リーダーとしてのコミュニケーションやフィードバックなどを学びます。
自分の業務や部署の成果を高めるためのスキルを養います。業務の計画や管理、品質やコストや納期のコントロール、効率や効果の改善などを学びます。
他者との関係や協働を円滑にするためのスキルを養います。聞く力や話す力、伝える力や理解する力、説得力や共感力などを学びます。
管理職向けの研修では、組織や部門の戦略や方針を立案し、実行するためのスキルや、部下や後輩の人材育成やマネジメントを行うためのスキルを身につけることが目的です。
具体的なテーマや内容の例は以下の通りです。
組織や部門のビジネス環境や競争力を分析し、長期的な目標や方針を策定する力を養います。SWOT分析やPEST分析、バランススコアカードなどのツールや手法を使って、戦略の立案や実行を行います。
組織や部門の業績や成果を最大化するためのマネジメントを行います。組織の構造や文化、プロセスやシステム、リソースやリスクなどを管理します。
部下や後輩の能力やスキルを向上させるための育成を行います。コーチングやメンタリング、キャリアパスや評価制度、教育や研修などを実施します。
社内研修にかかる主なコストには、以下のようなものがあります。
社内の人材を講師として活用する場合は、その人の業務時間や給与などのコストが発生します。一方、外部の講師を招く場合は、その講師の講演料や交通費などのコストが発生します。
教材費用とは、研修に必要なテキストやワークシート、動画や音声などの教材の作成や購入にかかるコストです。
会場費用とは、研修を実施する場所のレンタル料や設備費、飲食費などのコストです。
受験者費用とは、研修に参加する受講者の業務時間や給与、交通費などのコストです。
上記のようなコストを抑えるためには、以下のような方法があります。
オンライン研修とは、インターネットを通じて研修を行う方法です。
オンライン研修を利用することで、会場費用や交通費などのコストを削減できます。また、時間や場所を選ばずに受講できるので、受講者の負担も軽減可能です。
外部研修とは、社外の研修機関や専門家に研修を依頼する方法です。
外部研修を利用することで、講師や教材の準備にかかるコストや時間を節約できます。また、専門的な知識やスキルを学ぶことも可能です。
研修のパッケージ化とは、研修の目的や内容、方法などを一定の形式にまとめて、再利用や改良がしやすくすることです。一方、研修の共有化とは、研修のパッケージを他の部署や社員と共有して、研修の効率化や効果の拡大を図ることです。
これらの方法を取ることで、研修のノウハウや資産を蓄積できます。
研修助成金とは、研修を実施する企業に対して、国や自治体などが支給する補助金のことです。
研修助成金を利用することで、研修にかかる費用の一部を補填できます。ただし、研修助成金には、対象となる研修や受講者、申請方法などの条件がありますので、事前に確認しておく必要があります。
このように、社内研修を行う際は、自社の従業員や課題に合わせた研修テーマと内容を精査し、効果的な手順で行うことが重要です。また、対象となる人数や内容によっては、外部研修を活用するのもおすすめです。
社内研修を行う際には、研修コストだけではなく、自社リソースへの負担も考慮する必要があります。そこで、社内研修と外部研修を効果的に取り入れて、自社に最適な研修を実施するようにしましょう。
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