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ロジカルシンキングとは?主な手法や鍛え方までわかりやすく解説

作成者: 水落康稀|2024.10.1

「会議で自分のアイデアがなかなか通らない」

「複雑なプロジェクトの問題に直面して、どう解決策を見つければいいのかわからない」

そんな悩みを抱えていませんか?

そんなときに役立つのが「ロジカルシンキング」です。

ロジカルシンキングは、問題を論理的に分析し、構造化して解決策を導き出すための思考法です。

具体的には、情報を「結論」と「根拠」に分け、論理的なつながりを明確にし、複雑な問題も効率よく解決する力を養います。

本記事では、ロジカルシンキングの基本概念から、実際のビジネスや日常生活で役立つ主要な手法、さらに鍛え方までをわかりやすく解説します。

論理的な思考力を身につけ、問題解決力を一段と向上させるための具体的な方法を学ぶための参考にしてください。

この記事を通じて、ロジカルシンキングの基本を理解し、日常やビジネスでの問題解決に役立つ具体的な手法を身につけられるでしょう。

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングは、物事を論理的に分析し理解する思考法です。

具体的には、情報を「結論」と「根拠」に分類し、その論理的なつながりを明確にします。

日本語では「論理的思考法」とも呼ばれ、ビジネスシーンで重宝されるスキルです。

ロジカルシンキングの主な特徴は、以下のとおりです。

  • 複雑な問題を構造化して捉える
  • 客観的な事実に基づいて判断する
  • 論理的な順序で考えを組み立てる

 

ロジカルシンキングは、問題解決や意思決定の場面で特に効果を発揮します。

また、自分の考えを他者に分かりやすく伝えるコミュニケーションツールとしても効果的です。

クリティカルシンキングとの違い

クリティカルシンキングは、物事を批判的に分析し評価する思考法です。

情報や主張の信頼性、妥当性を慎重に検討し、多角的な視点から問題を捉えます。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングの主な違いは、以下のとおりです。

特徴

クリティカルシンキング

ロジカルシンキング

主な目的

情報や主張の批判的分析と評価

論理的な結論の導出

焦点

前提の妥当性や情報の信頼性

与えられた前提からの論理展開

情報の扱い

情報源の信頼性を重視

与えられた情報を前提として扱う

適した場面

複雑な問題の分析、意思決定

論理的な説明、問題解決

両思考法は相互補完的な関係にあり、状況に応じて使い分けることで、より効果的な問題解決や意思決定が可能になります。

クリティカルシンキングで前提を吟味し、ロジカルシンキングで論理的に結論を導く組み合わせも有効です。

ラテラルシンキングとの違い

ラテラルシンキングは、水平方向に思考を広げる発想法です。

固定観念にとらわれず、新しい視点や独創的なアイデアを生み出すことを目的としています。

ラテラルシンキングとロジカルシンキングの主な違いは、以下のとおりです。

特徴

ラテラルシンキング

ロジカルシンキング

思考の方向性

水平的(横への広がり)

垂直的(深掘り)

目的

新しいアイデアの創出

論理的な結論の導出

正解の数

複数の可能性を探る

一つの最適解を求める

適した場面

ブレインストーミング、創造的問題解決

分析、意思決定、プロジェクト管理

ビジネスシーンでは、問題の性質に応じて両方の思考法を使い分けることが効果的です。

例えば、新製品開発にはラテラル、プロジェクト管理にはロジカルのように、状況に合わせて適切な思考法を選択すれば、より良い成果を生み出せるでしょう。

ロジカルシンキングの主要な3つの手法

ロジカルシンキングを深く理解するためには、基本となる思考手法を知る必要があります。

ここでは、以下の3つの手法を紹介します。

  • 帰納法
  • 演繹法
  • 弁証法

 

それぞれの手法の特徴と実践方法を詳しく見ていきましょう。

帰納法|実例から結論を導く方法

帰納法は、複数の具体的な事例や観察から一般的な結論を導き出す論理的思考法です。

帰納法は、個別の事実から共通点や傾向を見出し、広く適用できる法則や原理を推論します。

帰納法の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

  • 具体から抽象への思考プロセス
  • 多数の事例を基に結論を導く
  • 確率的な推論を含む

 

具体例で考えてみましょう。

あるスーパーマーケットで、過去3か月間の売上データを分析したところ、以下のような結果が得られました。

  • 雨の日は傘の売上が30%増加
  • 気温が30度を超える日はアイスクリームの売上が2倍に
  • 連休前は惣菜の売上が20%上昇

個別の事実から「天候や季節、行事に応じて商品の需要が変動する」という結論を導き出せます。

ただし、帰納法で導き出された結論は必ずしも絶対的ではありません。

データの期間や対象店舗によって結果が変わる可能性があるため、常に批判的な視点を持つことも忘れないようにしましょう。

演繹法|一般論から具体的な結論を引き出す技法

演繹法は、一般的な原則や法則から具体的な結論を導き出す論理的思考法です。

演繹法は、大前提と小前提を組み合わせて結論を導く三段論法としても知られています。

演繹法の基本的な考え方は、以下のとおりです。

  • 大前提:普遍的な事実やルール
  • 小前提:特定の状況や観察事項
  • 結論:大前提と小前提から導かれる具体的な結論

 

具体的事例を用いて考えてみましょう。

大前提:すべての哺乳類は体温調節機能を持つ

小前提:イルカは哺乳類である

結論:よって、イルカは体温調節機能を持つ

演繹法は、既知の事実や規則から論理的に結論を導くため、ビジネスでの問題解決に広く活用されています。

ただし、前提が正しくない場合、結論も誤りになる可能性があるため、前提の妥当性を常に確認する必要があります。

弁証法|正反対の視点から統合的解決策を見出す方法

弁証法は、相反する2つの視点を統合して新しい解決策を見出す思考法です。

弁証法は、テーゼ(正)、アンチテーゼ(反)、ジンテーゼ(合)の3段階で構成されます。

  • テーゼ:最初の主張や提案
  • アンチテーゼ:テーゼに対する反論や異なる視点
  • ジンテーゼ:両者を統合した新たな解決策

 

弁証法を具体例で考えてみましょう。

テーゼ:コスト削減のため、社員旅行を中止する

アンチテーゼ:社員のモチベーション低下を招く

ジンテーゼ:低予算で実施可能な社内イベントを企画する

弁証法は、複雑な問題に対して多角的な視点を持ち、創造的な解決策を導き出すのに役立ちます。

ビジネスシーンでは、チーム内の意見対立を解消し、より良い意思決定を行う際に活用できるでしょう。

ロジカルシンキングを鍛える方法

ロジカルシンキングは単なる知識ではなく、実践によって磨かれるスキルです。

手法を知るだけではなく、日常生活や仕事に取り入れることで、論理的思考力を身につけられます。

ここでは、ロジカルシンキングを鍛える方法を紹介します。

初心者でも取り組めるトレーニング法

ロジカルシンキングに馴染みのない方でも、取り組みやすいトレーニング法としては以下のような方法を紹介します。

簡単に始められる練習方法

ロジカルシンキングを鍛える簡単な練習方法には、以下の3つの方法が挙げられます。

日記の活用

毎日の出来事を論理的に整理して書き出す

事実と感想を明確に分け、因果関係を意識しながら記述

ニュース分析

ニュース記事を読み、主張とその根拠を明確に区別

記事の論理構成を図式化してみるのも効果的

身近な問題の構造化

日常の小さな問題を、原因と結果の関係で整理

失敗の要因を洗い出し、階層的に整理するのも効果的

これらは特別な道具や準備が不要で、日常生活の中ですぐに始められます。

それぞれの練習を継続的に行うことで、論理的思考のスキルを徐々に向上させられるでしょう。

大切なのは、日々の生活の中で意識的に取り組むことです。

日常生活での活用例

ロジカルシンキングは日常生活のさまざまな場面で活用できます。

身近な例を通じて、論理的思考の実践を練習してみましょう。

買い物の際の商品選択は、ロジカルシンキングを活用しやすい場面の一つです。

複数の商品を比較する際、価格や品質、必要性などの要素を整理し、最適な選択をします。

例えば、新しい電化製品を購入する場合、以下のような思考プロセスが考えられます。

  1. 必要な機能を明確にリストアップする
  2. 予算範囲を設定する
  3. 各商品の機能と価格を比較する
  4. 長期的な使用を考慮し、耐久性や保証内容を確認する
  5. 総合的に評価し、最適な選択をする

普段は、無意識に行っている上記の思考を意識的に行うことでロジカルシンキングは鍛えられます。

ろじかるシンキングが身につけば、衝動買いを避け、より合理的な購買決定ができるでしょう。

同様に、旅行計画の立案や家事の効率化など、他の日常場面にも応用可能です。

日々の小さな決定から、ロジカルシンキングを実践していくことが、スキル向上の近道となるでしょう。

ロジカルシンキングをゲームで練習

ロジカルシンキングを楽しく効果的に鍛えるゲームをいくつか紹介します。

ゲーム名

ゲーム説明

数独

9×9のマス目に1〜9の数字を入れるパズル

ナンバーリンク

同じ数字を線で結ぶパズル

20の質問ゲーム

Yes/No質問で対象を当てるゲーム

ロジックパズル

与えられた条件から正解を導くパズル

上記のゲームは、それぞれ異なる側面のロジカルシンキングを鍛えます。

定期的に取り組めば、総合的な論理的思考力を向上させることができるでしょう。

自分の興味や目的に合わせて、適切なゲームを選んでみてください。

4つのフレームワークの活用

ロジカルシンキングのコツは、さまざまなフレームワークを上手に使いこなすことです。

ここでは、役立つ4つのフレームワークを紹介します。

  • MECE(ミーシー)
  • So What/Why So
  • ピラミッドストラクチャー
  • ロジックツリー

 

それぞれのフレームワークをマスターすれば、論理的な思考がよりスムーズに、そして効果的に進められるようになるでしょう。

MECE(ミーシー)|完全性と排他性の原則

MECE(ミーシー)は、情報整理の方法の一つです。

Mutually Exclusive(相互排他的)とCollectively Exhaustive(全体網羅的)の頭文字を取った言葉で「モレなくダブりなく」と訳されます。

情報を整理し、分析する際に役立つ考え方です。

MECEの原則に従うことで、分析や問題解決の際に「ヌケモレなくダブリなく」情報を整理できます。

MECEの排他性(Mutually Exclusive)は、各要素が重複せずに独立している状態を指します。

例えば、プロジェクトのリスク評価を行う際、リスクを次のように分類します。

  • 技術的リスク(技術的な問題やトラブル)
  • 市場リスク(市場の変動や需要の変化)
  • 財務リスク(資金不足や予算オーバー)

 

また、完全性(Collectively Exhaustive)は、必要な要素や視点をすべて含むことを指します。

例えば、新商品の市場投入を考える際、以下の要素をすべて列挙するようにします。

  • 市場調査(消費者のニーズや市場の動向を調べる)
  • 競合分析(競合他社の製品や戦略を分析する)
  • コスト計算(製品開発や販売にかかる費用を見積もる)
  • リスク評価(予想されるリスクや障害を評価する)

 

MECEを意識すれば、分析の抜け漏れを防ぎ、重複による時間のロスを避けられます。

ビジネスシーンでは、問題の原因分析や戦略立案など、幅広い場面でMECEを活用できるでしょう。

So What/Why So|深掘りによる問題解決

So What/Why So法は、問題の本質を掘り下げるための効果的な手法です。

「So What?(それでどうなる?)」と「Why So?(なぜそうなる?)」の2つの質問を繰り返し使用します。

具体例で考えてみましょう。

具体例:新商品の売上が伸びない場合

  1. Why So?→なぜ売上が伸びないのか→顧客からの問い合わせが少ない
  2. So What?→問い合わせが少ないとどうなるか→商品の認知度が低いことが分かる
  3. Why So?→なぜ認知度が低いのか→広告宣伝が不十分
  4. So What?→広告宣伝が不十分だとどうなるか→ターゲット顧客への訴求ができていない

質問を重ねることで、表面的な「売上不振」から「広告戦略の見直し」という本質的な解決策にたどり着けます。

So What/Why Soを活用すれば、より効果的な問題解決が可能になるでしょう。

ピラミッドストラクチャー|結論と根拠の論理的整理

ピラミッドストラクチャーは、結論と根拠を論理的に整理するフレームワークです。

ピラミッドストラクチャーは、頂点に結論を置き、その下に根拠を階層的に配置します。

このフレームワークを使用すれば、論理の流れが明確になり、説得力が向上します。

具体例を用いて考えてみましょう。

新商品開発の提案

  • 頂点:「新商品Aの開発を提案します」
  • 第2層:市場ニーズが高い、技術的優位性がある、既存生産ラインで製造可能
  • 第3層:各理由を裏付けるデータや分析結果

ピラミッドストラクチャーを活用できれば、複雑な情報を整理し、聴衆に分かりやすく伝えられます。

ビジネスプレゼンテーションや報告書作成時にも効果的なツールとなるでしょう。

ロジックツリー|問題解決のための要素分解

ロジックツリーは、問題や課題を細かく分解して解決策を見つけるためのフレームワークです。

問題をツリー状に展開し、それぞれの要素を順序立てて分析します。

まず、主な問題を明確にし、それを構成する要素に分けます。

ロジックツリーの手法を活用すれば、問題の根本原因や解決策が見えやすくなるでしょう。

例えば、売上低下の問題を扱う場合、ロジックツリーを使って「販売戦略」「市場ニーズ」「競争状況」などの要素に分解し、それぞれをさらに掘り下げます。

問題を分解し深堀すれば、より具体的な対策を講じやすくなります。

ロジックツリーの過程をまとめると、以下のとおりです。

問題の全体像を把握

主な問題を中心にツリー状に要素を分解

要素ごとに分析

各要素をさらに詳細に分解し、具体的な原因を特定

解決策の明確化

分解した要素に基づき、実行可能な解決策を検討

ロジックツリーを活用すれば、複雑な問題も体系的に解決できるようになるでしょう。

ロジカルシンキングを実践する際の注意点

ロジカルシンキングを活用すれば、問題解決や意思決定がスムーズになると期待されますが、実践する際には注意が必要です。

主な注意点には、以下のようなものが挙げられます。

前提の変化に注意

論理的な結論は、前提条件によって大きく変わる

前提が正確かどうかを常に確認する

裏付けとなるデータの多様性を意識

データや事実が新たに得られると、結論も変わる

初期のデータだけで結論を急がず、情報をアップデートし続けることが求められる

複数の視点で検討

ロジカルシンキングは、視点によって異なる結論が導かれる

自分の視点に固執せず、さまざまな視点を取り入れる

ロジカルシンキングを有効に活用するためには、注意点を意識しながら実践していくことが大切です。

正確な前提の設定と、多角的な視点からのアプローチが、より効果的な問題解決につながります。

ロジカルシンキングのまとめ

ロジカルシンキングは、問題を解決したり、適切な意思決定をしたりするために役立つ考え方です。

情報を論理的に整理し、構造化して結論を導く力を養うことで、複雑な課題にも効果的に対応できます。

本記事では、ロジカルシンキングの基本概念や主要な手法、鍛え方を詳しく解説しました。

実践する際には、前提条件の変化やデータの多様性に注意し、複数の視点で検討するように注意してください。

ロジカルシンキングを意識的に活用し、日々の生活やビジネスシーンでの意思決定に役立てることで、問題解決力を一段と向上させられるでしょう。

もし、ロジカルシンキングに関する疑問や質問のある方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

 

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