神田昌典(かんだまさのり)は、日本一のマーケターと呼ばれる経営コンサルタントで、その他にも講演家や作家、教育者としての活動も活発に行っています。
神田昌典の経営コンサルタントのスタイルは、主に中小企業などの経営課題の解決やビジネス戦略の策定に関するアドバイスを行うことで、多くの成功者を排出していることで知られています。
神田昌典の名前を世に知らしめることになったきっかけは「ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)」を日本国内に広めたことです。また講演活動や執筆活動も積極的に行っており、神田昌典が提唱するコピーライティングの法則や全脳思考、フォトリーディングなどの手法は、ビジネス界に大きな影響を与えています。
そこで今回は、神田昌典がマーケティング界に与えた影響と、ビジネスを変えた新常識を紹介します。コロナ禍や停滞する国内経済の影響で、ビジネスの成長が思うように進まないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
神田昌典は、これまで日本のマーケティング界に多大な影響を与えてきました。神田昌典が提唱するフューチャーマッピングやダイレクトレスポンスマーケティングなどの手法は、多くの企業や経営者から信頼を得ています。実際にダイレクトレスポンスマーケティングの概念が日本に広まったことをきっかけに、マーケティングの手法が根本から変わりました。
これまで主流となっていたマスマーケティングには莫大なコストがかかるため、大手企業しか参入することが難しく、大企業の一人勝ちの状態だったのです。しかし、ダイレクトレスポンスマーケティングの概念が浸透したことで、商品やサービスの質が高ければ中小零細企業でも十分に市場競争に参入できるようになりました。
21世紀に入り、いわゆるベンチャー企業が急成長したのは、このダイレクトレスポンスマーケティングによる影響が大きいことは間違いないでしょう。
神田昌典の著書やセミナーは、多くのマーケティング担当者や経営者に読まれ、学ばれています。そして、実際に多くの成功者を生み出しているのが、人気の源です。神田昌典が1998年にマーケティング界に登場してから、その名言や成功ストーリーが多くの人々にインスピレーションを与え、その影響は今もなお続いています。
神田昌典が有名になったきっかけは、前述した「ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)」を日本に紹介し、成功者が多く誕生したことにあるでしょう。
20世紀の終わり頃、従来のマスマーケティングからWebマーケティングがこれからの集客の要に変わることをいち早く察知して、中小零細企業でも大手に負けない営業と集客が低コストでできることを実証しました。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは、広告やWebサイト上で顧客に有益な情報を発信し、申し込みや会員登録などの反応があった消費者に対してのみ、直接的に商品を販売していく仕組みです。
ダイレクトレスポンスマーケティングの特徴は、明確なコール・トゥ・アクション(CTA)を設定し、受け手に反応を促すことが挙げられます。また、広告効果を測定しやすく、改善点を見つけやすいのも大きなメリットです。
ダイレクトレスポンスマーケティングを活用することにより、効率的に「消費者の購買行動」を促しながら、コスト削減と売上の増加を狙うことができます。
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)のメリットには、次のようなものがあります。
それぞれ解説します。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、マーケティング工程のすべてのステップで比較的簡単に効果測定ができるため、費用対効果を明確に把握できます。また、効果測定した結果に改善すべき点が見つかれば、すぐに修正することも可能です。
例えばWeb広告の場合は、何種類かのパターンの広告を出して、どの広告がより反応が良いか比較することで効果測定が可能です。そのため、ダイレクトレスポンスマーケティングはマーケティング活動の効果測定がしやすく、PDCAを回しやすいというメリットがあります。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、反応率の高い顧客層をターゲットにするマーケティング手法であるため、ターゲットとする顧客層に訴求しやすいのがメリットです。
従来の飛び込み営業や無作為なテレアポとは異なり、顧客に直接アプローチし、反応があった顧客にのみターゲットを絞って訴求します。そのため、より効率的かつ効果的なマーケティングが可能です。また、効果測定がしやすいこともあり、効果を確認しながら最適なアプローチを見つけることができます。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、莫大な費用がかかるテレビCMや新聞広告などのマスマーケティングとは異なり、インターネット広告やコンテンツマーケティングなど、自社の規模や予算に応じたマーケティングが可能です。
そのため、大きな費用をかけて販促活動ができない中小零細企業でも、効率的なマーケティング活動を無理なくできるのも大きなメリットと言えるでしょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、自社の広告に対して反応があった見込み顧客だけにアプローチするため、最初から購入する見込みの高い顧客リストを作成できます。
そして、それらの顧客とインタラクティブに情報をやりとりできるため、質の高い良好な関係を構築しやすいメリットがあります。
市場競争が激化している現代において、顧客と良好な関係を構築しLTVを高めることができるダイレクトレスポンスマーケティングの施策は、企業の安定と発展に欠かすことのできない重要な要素です。
ダイレクトレスポンスマーケティングには、おもに次の2つのデメリットがあります。
それぞれ解説します。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、まず最初に広告やコンテンツマーケティンングによって、自社の商品やサービスに興味を持った見込み顧客のリストを集めなければなりません。そのため、顧客リストが集まるまでの間は売上も収益も発生しません。
そこで、まず最初に企業がとるべき施策として、当面の運転資金を確保しながら計画的なマーケティングプログラムを立案する必要があります。
もし、すぐに売上が必要な場合には、反応の早いSNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングなどを併用することも検討しましょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、マス広告に多額の資金を投じて商品やサービスの認知獲得を行いません。そのため、ある程度の売上ができたとしても、企業や商品のブランディングには不向きなマーケティング手法です。
もちろん、時間の経過とともにブランド力や認知度の向上には期待ができますが、そもそもブランディングや認知を目的としない手法であることを理解しておきましょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングを日本に紹介したことで、マーケティング界には「before KANDA」と「after KANDA」という言葉が生まれました。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、そもそもアメリカでは100年以上も前から行われている営業手法です。アメリカでダイレクトレスポンスマーケティングが発展した理由は、広大な国土をもつアメリカで効率よく利益を上げるために、顧客を絞り込んだ営業を行うことが必要不可欠だからです。
神田昌典は、このダイレクトレスポンスマーケティングの概念を1998年頃に日本に持ち込み、提唱しました。そしてその後、ダイレクトレスポンスマーケティングは、瞬く間に日本中のマーケターや企業経営者に浸透していったのです。
神田昌典がダイレクトレスポンスマーケティングのメリットを活かした販促活動のやり方を書籍で紹介したり直接アドバイスしたりしたことで、バブル崩壊以降の「失われた20年」と呼ばれた国内経済の暗黒期にもかかわらず、多くの企業が成功と成長を成し遂げました。
そして、この神田昌典がマーケティング界に登場する以前を「before KANDA」と呼び、登場してからを「after KANDA」と位置付けるようになったのです。
マーケティングとコピーライティングは、宣伝広告において密接な関係があります。
マーケティングは商品やサービスの市場調査や販売促進、広告の計画を含む総合的な施策を指し、コピーライティングは、商品やサービスを魅力的に伝える文章を作成する技術のことを指します。
広告を作る際は、マーケティングに基づいた情報を基にしたコピーライティングによって魅力的な文章を作成し、消費者の心をつかんで購買意欲を高めることが重要です。
コピーライティングとは「顧客の心理を理解し、文章や言葉で顧客に行動させること」であり、良いコピーは「顧客の気持ちを動かし、ワクワクドキドキさせて行動せざるを得なくさせる」ことができます。
このように、顧客を言葉でマーケティングする数々の法則を生み出したのが、神田昌典です。以下で、その代表的な法則を紹介します。
BTRNUTSS(バターナッツ)とは、コピーライティングやセールスレターにとって非常に重要となる見出し(タイトル)づくりに欠かせない8つの要素をチェックするための用語です。
見出しをつくる際に必要なBenefit(有益性)・Trust(信頼性)・Rush(緊急性)・Number(数字)・Unique(独自性)・Trendy(話題性)・Surprise(意外性)・Story(物語性)の8要素の頭文字を繋げたもので、コピーライティング技術大全では「BTRNUTSS」見出しチェッカーが公開されています。
これまでコピーを作る際の見出しづくりに悩んできた方は多いはず。また、見出しの重要性に気付いていなかった方にも、絶対に確認して欲しい項目です。
PMMとは「Product Market Matching(プロダクト・マーケット・マッチング)」の略語です。
これを分解して解説すると「Product」=商品やサービスと「Market」=その商品やサービスを届けるマーケット(顧客)のニーズ・ウォンツを「Matching」=マッチングさせることとなります。
いくらセールスレターを書いても、ほとんど反応がない、または売れな。そんな場合は、基本的にPMMがズレているからです。
コピーやセールスレターを書くとき「この言葉を使えば売れる」と思い、いくつもの書籍を買いあさり、Webサイトを血眼になって巡ったところで、このPMMがズレていると売れません。
これまでは、売れる言葉を使えば売れるといった間違った概念がまかり通っていたコピーライティング技術において、売れるのは言葉ではなく“アイデア”であることを、後で紹介する神田昌典の著書『コピーライティング技術大全』で分かりやすく解説しています。
またコピーライティング技術大全に添付されている「PMMサーチシート」では、売りたいターゲットの絞り込み方やLP、セールスレターの効果的な書き方を、PMMの9要素と23の項目で確認可能で、さらに26項目をセルフチェックできる「PMMセルフチェックシート」も公開しています。
プロのライターを志す方は、ぜひご活用ください。
セールスレターを書く際の理想的な構造を示したのが「PASBECONA(パスビーコーナ)」です。
PASBECONAは、Problem(問題)・Affinity(親近感)・Solution(解決)『・Benefit(利得)・Evidence(証拠)・Contents(内容)』・Offer(提案)・Narrow(適合)・Action(行動)の9要素から成り立っています。
このPASBECONAを活用することで、LPに必要となる要素が、漏れなく、そして早く書けるようになります。
PASBECONAは「人を動かす原理原則」であるため、セールスだけでなく、企画書や提案書、プレゼンにも活用可能です。
※コピーライティングについての詳しい解説は『コピーライティングの成功事例とは?言葉を使ったマーケティングの手法を徹底解説!』をご参照ください。
それでは最後に、神田昌典のマーケティングを学ぶ「最初に読むべき本」を5冊紹介します。この5冊はぜひ目を通してください。これまでのビジネスやマーケティングの概念がきっと変わるはずです。
▲出典:新装版・非常識な成功法則
著者:神田 昌典
出版社 : フォレスト出版
発売日 : 2011/10/28
一般的なビジネスの成功本は「幸せはお金で買えない」「謙虚であれ」「出会いを大切に」といった「常識的」な言葉を「成功法則」として紹介しています。
しかし、これから仕事の実力をつけ、成長していこうとするビジネスパーソンにとっては、これらが本当に役に立つ成功法則かといえば疑問です。
お金を考えずに、謙虚に無理な交渉を受け入れ、出会いを大切にしてやりたくない仕事ばかり引き受けて「本当に成功するか?」といえば、答えは「NO」となるはず。
本書の著者である神田昌典氏は、これから「成功者がさらに成長するため」に必要なことが、ここで書かれている「非常識な成功法則」にあることを解説しています。
本書では、神田昌典氏本人が、外務省から米国家電メーカーの日本代表を経て、経営コンサルタントとして成功を収めた「目標の作り方」「潜在意識の活用方法」「セルフイメージを高める方法」が、誰でもすぐできるのに実行している人の少ない成功メカニズムであることを、わかりやすく解説しています。
そしてこれらを解説した上で、さらに成功できるテクニックとして、速読術の「フォトリーディング」などの情報獲得術、相手から「売ってください」と頼まれる殿様営業術などを紹介しています。
この本には、お金に管理されることなく「お金を管理する原則」や、将来に向けた決断を下す方法など、成功を収める上での心構えから、あまり触れられることのない「成功のダークサイド」な部分にまで言及されていています。
そのため、本質を読み間違えると、本当に「非常識な」一冊かもしれません。しかし、本気で営業成績を上げたい方や収入をアップさせたい方、独立や起業を目指している方に、ぜひ読んでいただきたい最初の1冊です。
▲出典:あなたの会社が90日で儲かる!
この本は、無駄な時間をかけずに売り上げを飛躍的に伸ばしたい営業マンにピッタリの1冊です。
これまで、マーケティングの常識は「お客様主体の営業」でした。しかしこの本では、本来の営業にあるべき「営業側主体の営業」への転換方法や、お客様をどのように生み出し、利益を生み、営業効率を飛躍的に上げるかというエモーショナル・マーケティングの具体的なメカニズムが書かれているため、この最強の技術を習得可能です。
一度読めば、いつの間にか神田昌典のビジネス観とその魅力に引き込まれるでしょう。
また注目すべきは、ビジネス本には珍しいショッキングピンクの表紙と、最初に目に付く奇抜な前書き「なぜ、あなたはこの本を手にとりましたか?」という言葉。そして、裏表紙には本書による驚くべき成功実績の一覧表がびっしりと書かれています。
この本のつくり自体が「エモーショナル・マーケティング」の手法によって構成されており、営業に応用可能な仕組みがわかるはず。発売から今なお増刷を重ねていることが納得できる、読めばわかる1冊です。
本書は「3. あなたの会社が90日で儲かる!」の続編で、あなたの〜を読めば、必ず読みたくなる本です。
このように、営業だけでなく、ビジネスの本質をわかりやすい例で紹介する内容となっています。そのため、今営業職に従事していながら「今後は独立して起業したい!」とお考えの方に特におすすめしたい1冊です。
▲出典:口コミ伝染病〜お客がお客を連れてくる実践プログラム〜
この本では、口コミ5つの間違った常識とお客がしゃべりたくなる7つの引き金、口コミの伝染プロセス、鍵となる6つの設定条件、口コミを伝染させ売り上げもアップする5つのステッププログラムをわかりやすく解説しています。
「口コミ」をキーワードに、お客の話題になる会社づくり、営業販売戦略づくりをし、口コミを味方につけようという考えは、一般的にBtoCのみで有効と考えられるスタイルをBtoBでも活かすことができます。
本書は一部を会話形式で構成しているため、マーケティングの知識がない人でも読みやすく、非常に理解しやすい内容となっています。
ただし、実際のフィールドセールスのシーンでは役に立つ内容ばかりです。「口コミなんて関係ない業種」とお考えの営業マンも、絶対に一読の価値ある1冊です。
▲出典:コピーライティング技術大全
本書は、日本のマーケティング・コピーライティングを牽引してきた両名の集大成と呼ぶに相応しい書籍です。
コピーライティング技術大全は、コピーライティングを学びたい方の「教科書」であり、また経験者にとっては「実践マニュアル」として活用できるのが特徴です。
この本に書かれた内容を理解し、実践することで、コピーライティングの初心者からすでにコピーライターとして活動している経験者の方も、訴求力の高い=売れるコピーを書けるようになるでしょう。
本書でコピーライティングを学ぶ際は、以下の①~③の手順を踏むことが重要です。
ここで注意したいのが、②の工程を飛ばそうとする人が多いこと。①で基本を理解し、②の段階で初めて実践です。
最初から売れるコピーを書くのは難しいため、まずはできるだけ多くのコピーやセールスレター、LPなどを書き、どのような反応が得られたかをチェックしながらリライトを繰り返していきましょう。
そうすることで、確実にコピーライティングの技術が向上していくはず。②の工程を軽視せず、着実に実践して下さい。
神田昌典がマーケティング界にもたらした新しい概念により、多くの成功者が生まれました。このマーケティングの概念と理論は、バブル崩壊以降のデフレ社会において、大手が絶対に強いという構図を壊すきっかけの1つと言っても過言ではないでしょう。
もしあなたが、まだ神田昌典を詳しく知らない場合は、まず上記の書籍を読むことから始めてください。忙しければ、下記の毎日配信される無料のメルマガとYouTubeを視聴するだけでも構いません。
そして、どうしても目標をクリアできないといった課題をお持ちであれば、アルマ・クリエイションにいつでもご相談ください。あなたにに合わせた、最適なソリューションを提供いたします。