多くの企業で新入社員が入社する際には、まず最初に新人研修などの教育指導を行います。
教育内容は、社会人としてのマナーや自覚、コンプライアンスなどについての定型的な教育を行った後で、それぞれの業務に関する教育をやり直すのが一般的です。
そのため、せっかく入社した新人が戦力として活躍するまでに、何ヶ月もの期間を要するケースがあります。
このような非効率的な研修を毎年繰り返してしまう原因は、新人教育の実施自体が目的となり、効率の良い教育ができる体制が構築されていないからです。
そこで今回は、新人教育を成功させるコツや、効果的なやり方と失敗事例を徹底解説します。これから新人教育を行う方はもちろん、研修のやり方を改善したい方も、ぜひ参考にしてください。
企業における新人教育とは、主に新卒や中途採用した新入社員に対して行う、仕事を教えるための研修を指すのが一般的です。
ただほとんどの場合は、新卒の新入社員に対しての教育を意味し「まず社会人とは…」といった、業務に直接結びつかない研修に時間をかけているケースが目立ちます。
しかし新人教育本来の目的は「早く業務を覚えて戦力となり、仕事の現場で活躍してもらうこと」です。ただ同じ新人でも、社会人としてのマインドセットや仕事に関する知識やスキルに差があるため、ここの新入社員の特徴やスキルに合わせた新人教育を行うことが重要となります。
とくに日本の企業では、新入社員を一括りにして、それぞれの新入社員レベルに関係なく同じ教育カリキュラムを実施するのが一般的です。そのため多くの企業では、定型的で非効率な新人教育が毎年繰り返し行われており、結果として業務効率を下げる要因の1つとなっています。
そこで新人研修を行う際は、以下で解説する新人教育を成功させる5つのコツを参考にして、即戦力となる人材を育成することが大切です。
次に、新人教育を成功させるための5つのコツについて解説します。
それぞれ解説します。
新人教育を行う際は、まず目的を明確にします。なぜなら、定型的で非効率な新人研修を行うことで、貴重な社内リソースを浪費してしまう可能性があるからです。
ただ新入社員が、何の教育もしないまま、いきなり即戦力となるケースはほとんどありません。そこで新人教育を行う目的を明確にして、必要な教育を効率的に行うことが重要となります。
新人教育のプロセスにおいて、何を教え、いつまでに習得させるのかを明確にして、社内全体で共有しましょう。
新入社員とはいえ、中途人材と新卒社員では、仕事の経験値やスキルも全く異なります。そのため、新入社員を大量に採用する大企業を除き、新入社員を一括りにして定型的な新人教育を行うことは非効率と言えるでしょう。
企業理念やコンプライアンスに対する考えなどは、実際の業務を教えながら教育する方が、新入社員も理解しやすくなります。そこで中小規模の会社では、新入社員に対して全体研修を行うのではなく、実際に配属する各部署単位で研修を行うのがおすすめです。
なぜなら、企業の各部署における業務内容が大きく異なるため、それぞれの現場で研修を実施する方が効率的だからです。
現代の企業に必要な人材は、各業務におけるスペシャリストです。そこで、効果的な新人教育を施して、即戦力の育成を目指しましょう。
各部署で実践的な教育を行うには、自社業務に精通した教育担当者を選ばなければなりません。
教育担当者は、担当する部署の業務経験が豊富で、さまざまなケースに対応できる知識やスキルが求められます。そのため、本来は該当部署の責任者である部長が教育担当を担うのが理想的です。
しかし、部長クラスの人材が新人教育にかかりきりになることで、業務の遂行に支障が出てしまう可能性があります。
そこで教育担当を選ぶ際は、業務に詳しいことはもちろん、教える技術にも長けている信頼度の高い人材を登用しましょう。業績だけで教育担当者を選んでしまうと、教育のやり方が一方的になり、新入社員の個性を潰してしまう可能性があります。
そこで教育担当者を選ぶ際は、コミュニケーション能力や組織をまとめる能力の高い人材を選ぶことが大切です。
新人教育では、教育を行う過程でこまめにフィードバックを行い、PDCAを繰り返すことが重要となります。なぜなら、新人教育の過程においては、仕事のやり方の間違いや小さなミスを早期に発見して修正する必要があるからです。
一般的な業務と同じように、新人教においてもKGIとKPIを策定し、いつまでにどの程度の知識やスキルを身につけるべきかを明確にしましょう。そうすることで、教育を受ける新入社員が仕事を覚えやすくなり、モチベーションも高まります。
新人教育を行う際は、ゴールとなるKGIも明確にしましょう。新人教育におけるKGIとは「ここまでできれば研修を終了する」といった指標で、業務に必要となる知識やスキルの習得度合いを指標化することで明確化できます。
例えば1人で営業ができるようになるためには、自社の企業理念や商品・サービスについての知識が必要です。またそれ以外にも、顧客情報の管理やアプローチの仕方、企画書や見積書の作り方、契約やクロージング方法などさまざまな工程があります。これらをすべて指標化してKPIを定め、1つずつクリアしながら評価とフィードバックを繰り返し、KGIへと導きます。
上記のような「新人教育のコツ」を理解できたら、実際に効率的な新人教育を実践します。
効率的な新人教育のやり方は、次の5つのステップを踏むことが重要です。
それぞれ解説します。
新人教育の実践にあたりまず大切なことは、教える側と教えられる側が教育の目的を共有し、実際の仕事をイメージしながら行うことです。
新人教育の目的が、自社企業にとってどのように貢献し、新入社員のどのようなキャリアに繋がるかを明確にします。その上で、実際の業務内容や仕事で求めるべき結果、新入社員のメリットを解説して、部署全体で共有しましょう。
しっかりとした教育の目的や目標を定めることで、効率よく研修が進み、新入社員のやる気も向上するはずです。
逆に目標を共有せず、型にはめた研修を行ってしまうと「研修のための研修」となり、時間と経費の無駄遣いで終わってしまうでしょう。
人材教育の手法にはいくつかの種類がありますが、新人教育においては、社内で先輩などの指導を受けながら職場で業務を学ぶOJT(On the Job Training)が基本です。
そこで仕事内容の理解度や、実際の業務を遂行するにあたっての進捗確認や改善方法を共有する必要があります。
新入社員と言えど、これまでに経験したことや、仕事に対する知識やスキルは千差万別です。そこで、新入社員が教育プラン通りに業務を遂行できているか、業務内容をしっかりと理解しているかを常に確認しなければなりません。そして業務の進捗度合いが十分でない場合には、どのような改善方法を実施するかを、部署全体で共有しておきましょう。
教育方針が定まれば、実際に業務を任せてみましょう。ただ、いきなり全ての業務を任せるのは会社にも新入社員にも重荷となるため、まずは最初の目標(KPI)となる業務に限定するのが良いでしょう。
営業プロセスであれば、自社商品への理解の深さの確認、挨拶メールや電話の仕方など、初歩的なところから確認します。そして次に営業する際のマナーや身だしなみといった具合に、自社の営業プロセスに添いながら確認し、フィードバックを繰り返します。
新人教育の過程で仕事を任せるときは、教育係がしっかりとサポートしながら経過を見守りましょう。もしミスや間違いが起きた場合でも、会社やクライアントに損害がでないよう、未然に防ぐことが教育係の仕事です。
もし何度も同じ失敗を繰り返したり、業務の内容を理解できないといった場合には、そもそも業務とのミスマッチが起きている可能性があります。ミスマッチが起きた場合には、配属部署の変更など、当該部署だけではなく全社における対応が必要です。
新人教育の過程を全て終了したら、これまでの結果を評価してフィードバックを行います。この場合の評価とは、仕事の良し悪しを定型的に判断するのではなく、良かった点と改善すべき点をしっかりと確認することが大切です。
良かった点については、どこがどう良かったのかを説明し、悪かった点に関しては、どのような改善を行えば良いかを明確にします。
フィードバックを行う際は、悪かったところや苦手な業務を改善するために、社内で結果を出している社員を参考にしてアドバイスを行うと良いでしょう。また教育係が上手く教えられない業務に対しては、その業務を得意とする社員にサポートしてもらうのも良い方法です。
それでは次に、新人教育の失敗事例を紹介します。具体的な失敗は、次のような事例です。
ベテラン社員が新人教育を行う際に失敗しがちな事例が多いため、しっかりと確認してください。
ベテラン社員が日常的に使う業界用語は、新人社員に理解できない言葉であるケースが少なくありません。特に専門用語や略語は慣れるまでに時間がかかるでしょう。
新人研修の目的は、新人を早く現場に慣れさせて戦力になってもらうことです。そこで、専門用語などが必要な職種であれば、研修の中でしっかりと解説しておきましょう。
コミュニケーションが取りにくい職場環境は、新人の心理的安全性が保たれないだけでなく、業績も上がりにくくなる原因となります。新人が質問をしやすい環境を整え、教える側と教えられる側が、しっかりと意思疎通できる職場を目指しましょう。
新人研修を行う際は、研修の目的を明確にして、新人が仕事のどの工程を学んでいるかを理解させることが大切です。研修の最終的な目的は、あくまで仕事をスムーズに覚えて実践することにあります。そのため、何のために行っているかが明確でない研修は意味がありません。
新人研修を行う際は、必ず教育担当者が寄り添い、仕事を丸投げすることのないようにフォローしましょう。そもそも新人教育を放棄して損をするのはその部署全体で、最終的には会社全体の業績に影響します。もしそのような教育担当者を選んで問題が生じた場合は、会社が責任を負うことを忘れてはなりません。
新人が仕事をして上手くできなかった場合、その責任は教育係の教え方に問題があると考えましょう。最初から仕事を完璧にできる新人はいないのが当たり前です。そのような社員を否定するよりも、どうすれば上手くできるかを考えることが大切です。
人材不足が社会問題となる中、貴重な人材をしっかりと育てることは、企業の持続と発展に欠かせない重要課題です。また、理由なく社員や仕事を否定することは、パワハラとなる可能性があることも理解しておきましょう。
このように新人教育を行う際は、教育する側とされる側の双方が、その目的や内容を理解することが重要です。また新入社員教育によって早く戦力となってもらうためには、研修の内容だけでなく、教育環境を整えることも大切です。
新人教育を成功させるためには、ぜひ上記を参考に、学習効率の良い研修を実施しましょう。
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