社内研修は、自分のスキルや知識を向上させるだけでなく、上司や同僚とのコミュニケーションや協力を深める機会でもあります。
しかし、研修の成果を上司に伝えるためには、レポートの書き方が重要です。どんなに研修で学んだことがあっても、レポートが分かりにくかったり、内容が薄かったり、感想だけになっていたりすると、上司に評価されません。
そうならないためには、レポートに入れるべき項目や、読みやすくて説得力のあるレポートになる文章構成のテンプレートの作成が必要です。
そこで今回は、社内研修レポートの書き方と、上司に評価されるテンプレート作成の流れを詳しく解説します。これから社内研修を受ける方は、ぜひ参考にしてください。
社内研修レポートとは、ご自分が受けた研修の内容や感想、今後の業務への活用方法などをまとめた報告書のことです。
社内研修のレポートを書く目的や必要性には、次のようなものが挙げられます。
研修レポートを書く際には、以下のポイントに注意が必要です。
まずは、上記の内容をしっかりと理解することが重要です。
研修レポートとは、研修を受けた後に自分が学んだことや感想をまとめた報告書のことです。
研修レポートを書く目的は、研修で得た知識やスキルを定着させるとともに、上司や人事に研修の効果や成果を伝えることです。
研修レポートを書く際には、以下の基本項目と書き方に注意しましょう。
研修内容は、研修の目的や概要、研修で学んだことの要点を箇条書きや表などで分かりやすく整理することが重要です。
研修の感想は、研修で得た学びや気づき、今後の業務への活用方法などを具体的に詳しく書きましょう。
また、研修の感想を書く際は、自分の意見や考えを述べるときに「私は~と思った」「私にとって~は重要だと感じた」など、主語を明確にすることが大切です。
さらに、研修の感想として、感謝や反省などの感情を表現する場合には「~に感謝した」「~を反省した」など、動詞を使って具体的にすることも忘れないようにしましょう。
研修の感想では、研修で学んだことを裏付けるデータや事実があれば、それを参照します。また、研修レポートは、基本的にA4用紙1枚で書くのが一般的ですが、文字サイズや行間、余白などは、指定があればそれに従いましょう。
研修レポートを仕上げる際は、誤字・脱字・文法・表記などに気をつけて、清書します。
新人研修のレポートとは、新入社員が研修を受けた後に自分が学んだことや感想をまとめた報告書のことです。新人研修のレポートを書く目的は、研修で得た知識やスキルを定着させるとともに、上司や人事に研修の効果や成果を伝えることです。
新人研修のレポートを書く際には、以下の基本項目と書き方に注意しましょう。
以下は、ビジネスマナー研修を受けた新入社員が書いたレポートの一部です。
研修の内容と感想を具体的に書いています。
[Title]
ビジネスマナー研修レポート
[Lead]
・報告書作成日
2024年4月7日
・受講者氏名
山田太郎
[Contents]
・研修名
ビジネスマナー研修
・研修期間
2024年4月6日
・研修内容
1.印象管理(身だしなみ、挨拶、表情、立ち居振舞い、言葉遣い(尊敬語、謙譲語、丁寧語など))
2.実務マナー(名刺交換、電話応対、メール応対、訪問・来客・席次、オンライン会議のマナー)
・研修の感想
社会人としてのマナーとして、印象管理と実務マナーについて学びました。
はじめに「なぜビジネスマナーがあるのか」について学んだおかげで、その後の実践演習を納得感を持って行うことができました。
内容の中で、言葉遣いに関してはグループのメンバーから尊敬語の使い分けができていないという指摘を受け、自分でもまだ不十分に感じられます。
今回学んだことを繰り返し反復して実践し、意識しなくても自然に振る舞えるようにしていきます。
リーダー・管理職研修のレポートは、研修を実施した側と受講した側の両方が作成することがあります。それぞれの目的や書き方には違いがありますので、注意が必要です。
研修を実施した側が作成するレポートは、研修実施報告書と呼ばれ、研修の効果測定や改善点の把握のために作成します。研修の目的や目標、内容、結果、問題点や改善点などを記載しましょう。
研修を受講した側が作成するレポートは、研修受講報告書と呼ばれ、研修の内容の理解や振り返りのために作成します。研修の目的や要点、達成度、学んだ内容の活用方法、感想や意見などを記載します。
レポートを作成する際のポイントには、以下のようなものが挙げられるでしょう。
レポートのテンプレートや例文は、以下のようになります。
報告日:2024年2月10日
部署:人事部
氏名:山田一郎
研修テーマ:リーダー・管理職研修
研修の目的:リーダー・管理職として必要なスキルや知識を習得し、部下の育成や組織のマネジメントに活かす
研修の目標:以下の3つの領域において、自己評価で4点以上を目指す
・組織マネジメント(目標設定、計画策定、進捗管理、評価・フィードバックなど)
・人材育成(コーチング、メンタリング、キャリア支援など)
・コミュニケーション(部下や同僚、上司との関係構築、情報共有、説得力など)
研修内容:以下の4つのモジュールで構成される
・リーダー・管理職の役割と自己分析
・組織マネジメントの基礎と実践
・人材育成の基礎と実践
・コミュニケーションの基礎と実践
結果:以下の表の通り、自己評価で目標を達成した
|領域|研修前|研修後|
|---|---|---|
|組織マネジメント|3|5|
|人材育成|3|4|
|コミュニケーション|4|5|
改善点:以下の点が問題となった
・研修期間が短く、各モジュールの内容が浅くなった
・研修参加者のレベルにばらつきがあり、一部の受講者がついていけなかった
・研修中のグループワークやロールプレイが少なく、実践的な学習が不足した
報告日:2024年2月11日
部署:営業部
氏名:佐藤花子
研修テーマ:リーダー・管理職研修
研修の目的:リーダー・管理職として必要なスキルや知識を習得し、部下の育成や組織のマネジメントに活かす
研修の要点:以下の4つのモジュールで構成される
・リーダー・管理職の役割と自己分析
・組織マネジメントの基礎と実践
・人材育成の基礎と実践
・コミュニケーションの基礎と実践
研修での達成度:以下の表の通り、自己評価で目標を達成した
|領域|研修前|研修後|
|---|---|---|
|組織マネジメント|2|4|
|人材育成|3|4|
|コミュニケーション|3|4|
学んだ内容を今後どう活かすか:以下のように活かしたいと考えている
・組織マネジメントでは、部下の目標設定や評価に関わるようになったので、研修で学んだSMART法やフィードバックの方法を実践する
・人材育成では、部下のスキルアップやキャリア支援を行うようになったので、研修で学んだコーチングやメンタリングの手法を用いる
・コミュニケーションでは、部下や同僚、上司との関係をより良くするために、研修で学んだアサーションやアクティブリスニングのスキルを活用する
研修の感想:研修を通して、リーダー・管理職としての役割や責任を再認識し、自分の強みや弱みを客観的に見つめ直すことができました。また、実際に役立つスキルやツールを多く学ぶことができ、自信を持って業務に取り組めるようになりました。研修担当者や講師の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
意見:研修は全体的に充実していましたが、一部のモジュールでは時間が足りなく感じました。特に、人材育成のモジュールでは、コーチングやメンタリングの実践例やケーススタディについて、もう少し掘り下げたいと感じました。
海外研修のレポートは、短期間で集中して能力を高めるという目的のもと、海外で受けた研修の内容や学び、感想などをまとめたものです。
海外研修のレポートを書く際のポイントは、以下のようになります。
レポートのテンプレートや例文は、以下の通りです。
報告日:2024年2月12日
部署:営業部
氏名:鈴木一郎
研修テーマ:英語コミュニケーション研修
研修の目的:海外の顧客とのビジネス交渉に必要な英語コミュニケーションスキルを習得する
研修の要点:以下の3つのモジュールで構成される
・英語プレゼンテーションの基礎と実践
・英語ネゴシエーションの基礎と実践
・英語ビジネスマナーの基礎と実践
研修での達成度:以下の表の通り、自己評価で目標を達成した
|領域|研修前|研修後|
|---|---|---|
|英語プレゼンテーション|2|4|
|英語ネゴシエーション|3|4|
|英語ビジネスマナー|3|5|
学んだ内容を今後どう活かすか:以下のように活かしたいと考えている
・英語プレゼンテーションでは、研修で学んだ構成や表現を使って、自社の商品やサービスを効果的に紹介する
・英語ネゴシエーションでは、研修で学んだ質問や反論のテクニックを用いて、顧客のニーズや要望に応える
・英語ビジネスマナーでは、研修で学んだ挨拶や名刺交換、メールや電話の対応などを実践して、相手に好印象を与える
研修の感想:研修を通して、英語コミュニケーションに自信がつきました。特に、英語ネゴシエーションのモジュールでは、実際に海外の講師とロールプレイを行い、緊張感のある場面を体験できました。また、英語ビジネスマナーのモジュールでは、異文化に対する理解が深まりました。研修担当者や講師の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
意見:研修は非常に有意義でしたが、研修期間がもう少し長ければ、もっと多くのことを学べたと思います。また、研修中に他の受講者との交流がもっとできれば、より楽しく学べたと思います。
次に、研修レポートを書く際のコツと注意点について解説します。
研修を受けることで何を達成したいのか、何を学ぶべきなのかを理解しておくと、研修の内容に集中できます。
また、研修の要点を押さえておくと、レポートの構成や文章がスムーズに書けます。
研修で学んだことは、具体的な事例やデータ、図表などを用いて書き、抽象的な言葉や感情的な表現は避けましょう。また、自分の言葉で書くことが重要です。
研修資料や講師の言葉をそのままコピーするのはNGです。
研修で感じたことや意見は、学んだこととは別に書きましょう。
感想は、研修の内容に対する評価や反省、感謝などを書きます。一方、意見は、研修の改善点や提案、今後の活用方法などを書きます。
感想や意見は、根拠や理由を添えて書くと説得力が増すため、効果的です。
研修の目的は、研修を実施した側や受講した側の両方が共有しているはずです。その目的に沿って、研修の内容や学び、感想などを書くようにします。
目的と関係のない内容や余計な情報は書かないように注意しましょう。
研修レポートは、自分以外の人にも読まれる可能性があります。そのため、読み手にとってわかりやすい文書で書くことが大切です。
文書の構成は、序論・本論・結論の三部構成にすると分かりやすくなります。また、文章は、簡潔で明瞭にして、長い文や難しい言葉は使わないようにしましょう。
最後に、誤字や脱字、文法や用語の間違いなどがないか、しっかりと確認することが大切です。
研修の内容や効果を伝える際には、数字などを用いて具体的に書きましょう。数字は、研修の時間や参加者数、学習成果や評価などを示すのに便利です。
数字を書くときは、単位や出典を明記しましょう。また、数字だけでなく、図表やグラフなどを使って視覚的に表現すると、より分かりやすくなります。
研修レポートの提出方法と期限については、研修を実施した側や受講した側の方針によって異なります。
一般的には、研修レポートは以下のような方法で提出されます。
それぞれ解説します。
メールで提出する場合は、研修レポートを添付ファイルとして送ります。その際、メールの件名や本文には、研修のテーマや日程、自分の氏名や部署などを明記しましょう。
また、添付ファイルのファイル名も分かりやすくすることが重要です。例えば「リーダー・管理職研修_山田太郎_人事部.pdf」などです。
オンラインのシステムにアップロードする場合は、研修担当者が指定したサイトやアプリにアクセスし、研修レポートを送信します。
その際、必要な項目やフォーマットに従って入力しましょう。例えば「研修テーマ」「研修日程」「氏名」「部署」「研修レポートのファイル」などです。
紙媒体で提出する場合は、研修レポートを印刷し、研修担当者や上司に手渡します。
その際、研修レポートの表紙には、研修のテーマや日程、自分の氏名や部署などを記載します。また、研修レポートのページ数やバインダーの使用などにも注意しましょう。
研修レポートの提出期限は、研修を実施した側や受講した側が決めます。
研修の効果を測定するためには、研修終了後すぐに提出することが望ましいですが、研修の内容や形式によっては、研修後に一定期間の実践や振り返りを行うことが求められる場合もあります。その場合は、研修担当者が指定した期限までに提出しましょう。
研修レポートの提出方法と期限については、研修担当者から事前に説明や指示があるはずです。もし、不明な点があれば、研修担当者に確認しましょう。
研修レポートは、研修の成果を示す重要な文書です。提出方法や期限を守って、研修で学んだことをしっかりと報告することが大切です。
参加した研修の成果を上司に伝えるためには、レポートの書き方が重要です。せっかく参加した研修で、どれだけ多くの学びがあっても、レポートの書き方が分かりにくかったり、内容が薄かったり、感想だけになっていたりすると、上司に評価されないでしょう。
そこで、今回解説した研修レポートの書き方を参考にして、社内で評価されるレポートを作成してください。
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