セールスライティングとは、読者となるユーザーやリードに対して購入を促すためのLP(ランディングページ)やセールスレター、DMなどを書く技術のことです。
このようなセールス文章を書く場合、企業によっては社外のライターや広告代理店などに外注するケースも多く、その費用が気になるところです。
近年はWeb上で商品を販売するケースも多く、セールスレターを書く機会が増えたことで、なんとかセールスライティングを身につけて内製化したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、セールスライティングの書き方や文章の事例を徹底解説します。
セールスライティングは、基本的な原理をマスターすることで「読者の心に刺さる」文章を書くことができるため、ぜひ参考にしてください。
セールスライティングとは、ユーザーに購入を促す「売るため」の文章術です。
セールスライティングのスキルは、売上や業績に直結する重要な文章であるため、その難易度も高くなります。実際に、セールスライティングのスキルの違いによって、企業の業績が数十倍も変わるケースも少なくありません。
ただ、精度の高いセールスライティングをすべて外注すると制作費が非常に高くなるため、セールスライティングを内製化しようと考える企業が増えています。
ただしセールスライティングは、一歩間違えると業績を大きく悪化させる要因となるため、社内のライター選びには注意が必要です。
もしセールスライティングを内製化しようとお考えの際は、文章が上手いかどうかよりも「マーケティング知識が豊富で勤勉なスタッフ」を選びましょう。
なぜなら、セールスライティングは「センスよりもスキル」が優先されるからです。
以下では、セールスライティングとコピーライティングの違いや、セールスライティングのスキルを活かした文章の書き方を紹介します。
セールスライティングと混同されがちな文章術に、コピーライティングがあります。ただ実際には、セールスライティングとコピーライティングは、その目的に大きな違いがあります。
コピーライティングの主な目的は「読者やユーザーに対して、自社の商品やサービスを印象付ける(イメージコピー)」ことです。
一方、セールスライティングの目的は「読者やユーザーに、直接購入や申し込みといった行動を促す(セールスコピー)」ことにあるため、文章自体の構成がより具体的で、顧客の心をくすぐる文章ではなく「心にに刺さる文章」が必要となります。
「イメージコピー」と「セールスコピー」は内容が大きく異なるものの、多くの方が混同しがちな文章です。
以下では、「イメージコピー」と「セールスコピー」の違いについて解説します。
「イメージコピー」とは、企業ブランドや商品・サービスなどの価値や雰囲気を、印象に残りやすいシンプルな言葉で顧客に伝えるキャッチコピーの1つです。
イメージコピーの特徴は、抽象的な短いコピーを使うことで、企業や商品のブランドイメージを高めることを目的とするところにあります。
一般的なテレビCMなどに見るキャッチコピーの多くが「イメージコピー」で、実際にコピーライティングといえばイメージコピーを連想される方が多いのではないでしょうか。
例えば「そうだ 京都、行こう。(JR東海)」のポスターや、テレビCMでお馴染みの「お、ねだん以上。(ニトリ)」や「ココロも満タンに(コスモ石油)」などのように、イメージコピーは世間に企業の持つ商品やサービスなどを認知させるための重要な役割を担っています。
ただし、イメージコピーは広告効果による収益を計測することが難しいため、あくまでも企業の認知度やイメージ向上のために利用されるのがほとんどです。
セールスコピーは、企業の商品やサービス、ブランドの魅力を具体的に伝え、商品購入や会員登録に直接繋げることを目的とするコピーライティングの手法です。
ブランドイメージを構築するためのイメージコピーとは異なり、セールスライティングでは「購入」や「登録」といったコンバージョンに直接結びつけるのが目的となります。
そのためセールスライティングは、テレビショッピングや企業のLP(ランディングページ)、ECサイトなどで活用されます。
セールスコピーの特徴は「提供する商品やサービスによって、顧客が得られるベネフィットをダイレクトに伝えること」が重要です。
わかりやすい事例としては「無料お試しセットを送料無料でお届け(再春館製薬所)」などがあります。
また「今だけ」「限定」「先着」といった限定的な言葉を使うことで、顧客に購入や申し込みを急がせるのも、イメージコピーとは異なった戦略です。
このように、セールスコピーでは「顧客に直接販売すること」や「伝えるべきことはすべて文章で書くこと」また「具体的な商品を販売条件とともに提案すること」が特徴です。
セールスコピーでは、顧客に購入や申し込みを直接促すため、広告の効果を数値で具体的に把握できます。
セールスライティングで売上が上がる理由は、商品やサービスの価値を顧客に伝えることで、顧客に商品やサービスの特徴ではなく「ベネフィット(利益や恩恵)を提供できるから」です。
あなたの提供する商品やサービスの価値を「顧客が価格でしか判断していない」場合は、あなたが価格以外の判断基準をお客に伝えていない可能性があります。
もしあなたが「安さ」をウリにすれば「安さ」に反応する人ばかりが集まり、売上や利益を下げる要因となります。
自分の顧客が「価格のことしか考えていない」と思うなら、広告メッセージが「他社に比べてどれだけ安いか?」や「この価格がどれだけお得か」になっていないか見直すことが必要です。
これは「価格の話をしてはいけない」ということではありません。ただ大事なことは、価格の話をする前に「商品やサービスのベネフィットが顧客に十分伝えられているか」について考察することです。その上で、あなたが提供する商品やサービスのベネフィットが価格に対して割安であることをアピールできていれば問題ないでしょう。
売れるセールスライティングと文章の書き方については『コピーライティング技術大全』で網羅されているため、本書の内容から一部を抜粋しながら紹介します。
▲出典:コピーライティング技術大全
以下では、ユーザーにベネフィットを提供し、売れるコピーを書くための3つの方法を紹介します。
BTRNUTSS(バターナッツ)とは、コピーライティングやセールスレターにとって非常に重要となる見出し(タイトル)づくりに欠かせない8つの要素をチェックするための用語です。
BTRNUTSS(バターナッツ)は、文章の見出しをつくる際に役立ちます。
これまでコピーを作る際の見出しづくりに悩んできた方は多いはず。また、見出しの重要性に気付いていなかった方にも、絶対に確認して欲しい項目です。
ここで紹介するPMMとは「Product Market Matching」のこと。
これを分解して解説すると「Product」=商品やサービスと「Market」=その商品やサービスを届けるマーケット(顧客)のニーズ・ウォンツを「Matching」=マッチングさせることとなります。
いくらセールスレターを書いても、ほとんど反応がない、または売れな。そんな場合は、基本的にPMMがズレているからです。
コピーやセールスレターを書くとき「この言葉を使えば売れる」と思い、いくつもの書籍を買いあさり、Webサイトを血眼になって巡ったところで、このPMMがズレていると売れません。
これまでは「売れる言葉を使えば売れる」といった間違った概念がまかり通っていたコピーライティング技術において「売れるのは言葉ではなく“アイデア”」であることを、コピーライティング技術大全で分かりやすく解説しています。
またコピーライティング技術大全に添付されている「PMMサーチシート」では、売りたいターゲットの絞り込み方やLP、セールスレターの効果的な書き方を、PMMの9要素と23の項目で確認可能です。そしてさらに26項目をセルフチェックできる「PMMセルフチェックシート」も公開しています。
セールスレターを書く際の理想的な構造を示したのが「PASBECONA(パスビーコーナ)」です。
PASBECONAは、Problem(問題)・Affinity(親近感)・Solution(解決)『・Benefit(利得)・Evidence(証拠)・Contents(内容)』・Offer(提案)・Narrow(適合)・Action(行動)の9要素から成り立っています。
このPASBECONAを活用することで、LPに必要となる要素が、漏れなく、そして早く書けるようになります。
PASBECONAは「人を動かす原理原則「」であるため、セールスだけでなく、企画書や提案書、プレゼンにも活用可能です。
※コピーライティング技術大全のさらに詳しい解説は『コピーライティング技術大全を徹底解説|言葉が持つ4つの力で不変の価値を生み出す方法』をご参照ください。
また、さらに詳しい文書の書き方や基礎知識に関しては『コピーライティングのコツ|効果があがる説得力のある文章を書く方法』をご参照ください。
上記で紹介した3つの型は、セールスライティングやコピーライティングを成功させるための重要な原則です。この原則を守り、応用すれば、誰でも顧客の心に刺さるLPやセールスレターを書くことができるでしょう。
『コピーライティング技術大全』に書かれているポイントを押さえて文章書くだけで、セールスライティングの基礎から応用までのスキルを十分に取得できます。
もしLPやセールスレターなどの内製化をお考えの方は、まず本書を手に取り、メルマガなど比較的簡単な文章の執筆からスタートしてみてください。