『これからの生き方と働き方』の要約|書籍紹介
タイトル:これからの生き方と働き方
著者:チャールズ・ハンディ
▲引用:これからの生き方と働き方
著者略歴
チャールズ・ハンディ(Charles Handy)は、イギリスのピーター・ドラッカーと称される、欧州を代表する経営哲学者。世界の経営思想家ランキング「Thinkers 50」のLifetime Achievement Award(生涯功労賞)を受賞。オックスフォード大学を卒業後、シェル石油のマーケティング部門や人事部門でエグゼクティブとして従事した後に、アングロアメリカンにおいてエコノミストに就任。その後、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローンスクール・オブ・マネジメントの客員研究員となり、1967年にはロンドン・ビジネス・スクールにMITのスローンプログラムを自らの指揮のもとで導入、同スクールで教鞭を執った。1972年にはロンドン・ビジネス・スクールの教授に、1974年には学部長に就任後、1977年にはウィンザー城の聖ジョージ館で館長に就任。その後は研究者として、行動科学の企業経営への適用、経営の変革や組織構造、生涯学習の理論と実践を主要テーマとした。ロイヤル・ソサイエティ・オブ・アーツの元会長であり、1994年には最優秀ビジネスコラムニストに選出。著書は多数。ロンドン在住。
ファシリテーターの感想・おすすめのポイント
お金は生きるための手段であって、目的ではない。そのバランスを取り戻すためにできることがなにかあるはず。
生き方を本当の意味で変えてくれるのは、愛や友情、他者への責任、何かしらの信念であってお金ではないと感じ、結局のところ重要なのは、たとえ人生の意味がなにか簡単にわからなくても、意味があると信じることだと感じ取っている
自分と自分の心のほうを、規律にかかれていることよりも少しばかり優先して信用すれば、本当に大事なことを自分の手でコントロールできるようになるかもしれない。
とはいうものの、経済や科学が提示する偽りの確かさに混乱しているのだから、われわれには道標となる何かが必要です。
資本主義がまっとうなものとなり、その道具である企業や労働が、あらゆるところでもっと明白に万人に益をもたらすことは可能なのか?
生み出された富を、一部の幸福な人ではなくすべての人のために使うことはできるのか?
教育を賢い子供だけでなく、すべての子供に人生の出発点を与えるものに改革することはできるのか?
人は、自分の面倒を見ながら他者のことも思いやれるのか?
まっとうな社会にはどんなルールが必要で、それは誰が決めるべきなのか?
期間と個人の両方に、時代に即した哲学が必要とされている。とりわけ企業にそれが必要です。
この現代では、個人もコミュニティも結局は、自由と義務の妥協点を見つけて交わることになる。私はアイルランド人で、他者がいなければ生きていけないが、私の人生は私を起点にしている。このように自分を起点として自らを探求することを、私は「正当な利己性」と呼ぶ。矛盾するようだが、自分のことは他者とのかかわりを通したときにいちばんよくわかる。
正当に利己的になるとは、自分の能力を最大限に活用する責任を自ら受け入れ、最終的に自分だけの話にとどまらない大きな目的を見いだすことを意味する。これは快楽主義のパラドクスであり、人は自分を超えるなにかに目を向けているときにもっとも充実感を覚えるのだ。
人はみな心の奥底では、自分の話にとどまらないもっと大きな目的を探したがっている。これが本書のテーマとなる。なぜ探したがっているかというと、その目的が夢にも思わなかったような高みに自分を引き上げてくれるからだ。
自由と選択は、ものを持つ自由だけでなく、あるべき自分になる自由をより多くの人々に与えることに活用すればいい。それはどんな法律でも実現できない。
人は、精神を開放しないことには本当の自分になれない。人はみな、そうなることに飢えていると私は考える。正当な利己性が世間に広まって、称賛されるようになるのを待ちわびているのではないか。
目次
日本語版の発行にあたって ー日本の読書の皆様へ
はじめに ー人生とはいったい何なのか?進歩とは何なのか?
Part1 資本主義のゆがみを見つめる
第1章 資本主義における市場の限界
- 2種類の飢えがある
- お金が抱える問題
- 市場が抱える問題
- 競争に関する問題
第2章 効果の追求が結果的に非効率を招く
- 効率追求が内包する欠陥
- 効率には3つの種類がある
- 効率追求の後始末は社会に押し付けられる
- 一部の人に有利に傾斜する社会
- 効率の追求は社会に格差をもたらすのか
- 希望は自分で仕事をDIY経済
- 効率化の先にある珍道具があふれる世界
- 優先すべきは「効率化」よりも「効果的」なもの
- 社会全体のためには効率だけが答えではない
第3章 資本主義のあり方を見直す
- ごまかしを正す
- ダボスマンの世界
- どんな創造活動にも欠かせない前提条件
- 「バカだな。要は経済なんだよ」
- 資本主義のあるべき姿
- われわれが抱える真の問題
PART2 自分の人生を見つめる
第4章 個体が主体となった時代の人と企業のあり方
- かつてのキャリアのあり方
- これからのキャリアのあり方
- これからの家族のあり方
- これからの職場のあり方
- これからの時代の責任とモラル
- 超国家企業とはどの国にも義務を負わない
- 遺伝子決定論の理屈
- 遺伝子決定論者の危険性
- 自分の可能性を認識する能力
- 宗教という選択肢がもたらす思考停止
第5章 誰もがもつべき正当な利己性
- 自分以外の誰かのために
- 人は理想の自分に飢えている
- あるべき自分の姿を表すもの(白い石)
- 自分のあるべき姿を見極める難しさ
- 責任がなければ自尊感情は生まれない
- 人生の充足に至る3つの階段
- 正当な利己性に求められる理論
第6章 生きる意味を見いだす
- 生きる理由を自覚するための4つの要素
- 人生という旅の活力となる夢を持つ(要素1)
- 自分にとっての「十分」を知る(要素2)
- 崇高なものの味わいを経験する(要素3)
- ある種の永遠になることを目指す(要素4)
第7章 他者の必要性を理解する
- 他者との関係における2つの伝統的な考え方
- 正当な利己性を他者と共有する
- 他者と暮らす ー愛情を育む
- 他者とともに働く ー信頼を築く
- 他者とつながる ー規範を尊重する
PART3 これからのまっとうな社会に向けて
第8章 よりよい資本主義を探求する
- 正当に利己的な企業とは
- 企業が自らを正当化できる唯一の目的
- 企業に求められる究極の目的に対する自覚
- 優れた組織に備わっているE因子
- これからの雇用に求められる契約形態
- 市民としての企業の役割
- 企業の考え方を明文化する必要性
- 国家を超越した巨大企業が担うべき役割
第9章 市民で構成されるこれからの企業
- 企業における市民としての権利
- 市民で構成される企業に求められること
- 連邦制による企業統治のあり方
- いかなる人も信頼によってまとめる
- 信頼に必要な7つの基本原則
- 4つの事例から学ぶ信頼関係の形
- 市民としての企業に不可欠な4つのP
第10章 これからの正当な教育
- 「開かれた問題」のための本当の教育
- 優秀な成績を収めるために日宇町な7つの資質
- 人生に役立つ学校づくりに向けた7つの提言
おわりにー2097年の世界
- 希望は未来にこそある
- これからの起業家の責務
- 永遠なるもの
本書の要点
日本語版の発行にあたって ー日本の読書の皆様へー
はじめに ー人生とはいったい何なのか?進歩とは何なのか?
Part1 資本主義のゆがみを見つめる
- 第1章 資本主義における市場の限界
- 第2章 効果の追求が結果的に非効率を招く
- 第3章 資本主義のあり方を見直す
PART2 自分の人生を見つめる
- 第4章 個体が主体となった時代の人と企業のあり方
- 第5章 誰もがもつべき正当な利己性
- 第6章 生きる意味を見いだす
- 第7章 他者の必要性を理解する
- PART3 これからのまっとうな社会に向けて
- 第8章 よりよい資本主義を探求する
- 第9章 市民で構成されるこれからの企業
- 第10章 これからの正当な教育
要約
- 「何のために働くのか?」
- 「会社はどのような存在であるべきなのか?」
- 「そもそも私たちはどのような生き方を選択すべきなのか?」
といった大切な問いを自ら考えるとき。
資本主義はあくまで手段であり、何を目的にするのかは私たち自身が決めるべきである
私たち一人ひとりが、自分の夢の現実や生きる意味を探究することが大切。「人生の意味を位置づけ直す」自分のやりたいことを明確にして、それをたいせつにして生きること。
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