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『アクセル』の要約|書籍紹介

タイトル:アクセルーデジタル時代の営業 最強の教科書

著者:マーク・ロベルジュ

▲引用:アクセル

著者略歴

2007年から2013年にかけて、マーケティング・オートメーション(MA)分野の代表的な企業であるハブスポット社のワールドワイドセールス&サービス部門の上席副社長を務め、顧客ベースで1から12,000以上、スタッフを1から数百人にまで拡大した。
マサチューセッツ工科大学(MIT)Sloan School of Managementの経営学修士(MBA)とリーハイ大学の工学学位を取得。
ウォールストリートジャーナル、フォーブス誌、ボストングローブ、ハーバードビジネスレビューなどに取り上げられている。現在、ハーバード・ビジネス・スクールの上級講師。

 

ファシリテーターの感想・おすすめのポイント

デジタル時代において、予測可能な増収を実現していく営業組織を築くことであり、その方法論を極めて具体的に記したのが、本書『アクセル』です。

人工知能の時代にあって、顧客獲得を自動化するシステムは、営業人員を減らすことになると思いきや、現実はその真逆でした。

デジタルを使いこなす有能な営業スタッフを増やせば増やすほど、確実に売り上げは上げられるようになっています。

デジタル時代における「売れる営業組織の方程式」は、意外にも、ひと中心の、アナログ的なものだったのです。

真に顧客に関心を抱き、社員を育てられる組織への変化を加速させることが、世界最高峰のエンジニア頭脳が生み出した方程式『アクセル』のもたらす結果なのです。

本書はデジタル時代の営業の教科書として長く読み継がれることでしょう。

 

目次

監訳者前書き――世界最高峰の理系頭脳で、進化する営業 神田昌典

前書き ニール・ラッカム

謝辞

序文

第1部 営業採用方式――いつも同じように成功している営業スタッフを採用する

 第1章 成功している営業スタッフの特徴を明らかにする

世界レベルの営業採用は営業の成功の鍵である

 第2章 優秀な営業スタッフにおける5つの特性と面接方法

 第3章 トップセールスを見つける

社内に人材紹介会社を設ける

LinkedInを通じて優秀で消極的な営業候補者を見つける

あなたのチームを通じて、優秀で消極的な候補者を見つける:社内への紹介依頼

身近な人材プールを知る

 第4章 初めて採用すべき理想的な営業スタッフ

第2部 営業育成方式

――すべての営業スタッフを同じ方法で研修する

 第5章 予測可能な営業研修プログラムをつくる

営業手法における3つの構成要素を解く:

 バイヤージャーニー、営業プロセス、リードを絞り込む指標

営業手法を中心とした研修・カリキュラムを作る

営業育成方式を予測可能にする

営業プロセスを繰り返し適用する

 第6章 顧客が信頼する営業スタッフをつくる

営業スタッフに見込み客の日常業務を体験させる

営業スタッフがソーシャルメディアを使って

 リードと一緒に個人ブランドを構築できるようにする

第3部 営業マネジメント方式

――営業スタッフに同じ営業プロセスを踏ませる

 第7章 指標主導の営業コーチング

コーチングの文化の導入を、組織ぐるみで取り組み

営業スタッフと一緒にコーチング計画を立てる

営業主導のスキル診断とコーチング計画の例

「玉ねぎの皮を置く(徐々に核心に迫る)」

コーチングの成功を評価する

 第8章 営業報酬制度とコンテストによるモチベーション

新しい歩合制度を評価するための基準

営業チームを報酬制度の設計に関与させる

昇格階層:昇進と給与調整から主観を排除する

チームのモチベーション向上に営業コンテストを利用する

これまで実施した中で最高のコンテスト

 第9章 営業リーダーを育成する――「内部で昇格」する文化の利点

リーダーシップを考慮する上での前提条件

クラスルームから実社会へ

新人営業マネージャーが陥る深い穴

第4部 見込み案件創出方法

――営業スタッフに毎月、同じ質と量のリードを与える

 第10章 従来の見込み案件創出方式を覆す――顧客に「あなた」を見つけさせる

あなたの会社をグーグル検索の1位にするには?

これは一夜では起こらない

コンテンツ作成プロセスを搬出する

ソーシャルメディアへの参加による、補完コンテンツ作成

ロングテール理論

 第11章 インバウンド・マーケティングを収益化する

リードの関心を売上に変えるマーケティングの役割

最もよくある間違い:すべてのリードを営業に渡してはいけない

リードスコアリングの罠を逃れる

バイヤーマトリックスを用いて、リードを営業に渡すタイミングを決める

細かいセグメンテーションを通じてバイヤーマトリックスのエキスパートに

興味を力に変えるときの営業の役割

型にはまったセールストークをやめる

コンテクスト(背景/状況)に沿って誘導する

下から入って上を責める(下の人間に電話した後で、上の人間に電話する)

リード開拓の優先順位は、アルファベット順ではなく、エンゲージメントの程度による

インバウンド営業とアウトバウンド営業の専門部隊を作る

 第12章 営業とマーケティングを提携させる――スマーケティングのSLA

マーケティングのサービスレベルアグリーメント(SLA)

営業のサービスレベルアグリーメント(SLA)

第5部 テクノロジーと実験

 第13章 より効率的に、より速く売るためのテクノロジー

テクノロジーによってリードソーシングを促進する

テクノロジーによってリートの開拓を促進する

テクノロジーによってリードの購買行動を促進する

テクノロジーによる報告書の自動化

 第14章 成功する営業実験を実施する

実験すべきアイデアを生み出す

実験実施の成功事例

 第15章 ハブスポット社で最も成功した営業実験

ハブスポット社付加価値再販業者(VAR)プログラム

GPCT

 第16章 結論:ここからどこへ向かうのか?

監訳者あとがき――

「売れる営業組織のモデル化」こそ、日本の営業組織が進むべき道

株式会社リブ・コンサルティング常務取締役 権田和志

 

本書の要点

第1章 成功している営業スタッフの特徴を明らかにする

世界レベルの営業採用は営業の成功の鍵である

理想的な営業採用方式は、企業によって異なるが、その方式を設計するプロセスを同じである

ステップ1 理想的な営業の特徴を定める

ステップ2 それぞれの項目について評価方法を定める

ステップ3 理想的な営業の特徴との比較を通じて、候補者を評価する

ステップ4 営業採用方式を確立し、そのモデルを反復適用する

第2章 優秀な営業スタッフにおける5つの特性と面接方法

売り上げと最も大きく関連する特性は5つある

1コーチング応用力

コーチングを受け入れ、学び、応用する能力

2好奇心

効果的な質問とヒアリングによって、お客様のニーズを理解する能力

3成功体験

過去に優れた業績や目覚ましい成功を収めた経歴があること

4知性

複雑な概念を瞬時に理解し、わかりやすく説明する能力

5勤労意欲

膨大なエネルギーと日々の活動量を使って、企業の目標を積極的に追求する力

第3章 トップセールスを見つける

優秀な営業スタッフは仕事を探す必要がない

こういった消極的な候補者に対する採用戦略が必要

社内に人材紹介会社を設ける

人材紹介会社と社内に採用チームの 特徴を厳選して社内に人材紹介会社をつくった

消極的な営業スタッフを見つけるための、予測可能で測定可能なプロセスができた

LinkedInを通じて優秀で消極的な営業候補者を見つける

ステップ1 LinkedInの検索機能を利用して、最適な候補者リストを得る

ステップにLinkedInの候補者プロフィールをもとに、検索結果を絞り込む

ステップ3事前に選別した候補者と連絡を取る

第4章 初めて採用すべき理想的な営業スタッフ

顧客の傾向を知り、対象顧客に繰り返しアプローチし、価値ある提案を繰り返し提示し、プロダクト・マーケット・フィットに向かって進んでいく革新的な能力が必要

第2部 営業育成方式――すべての営業スタッフを同じ方法で研修する

第5章 予測可能な営業研修プログラムをつくる

営業手法における3つの構成要素を解く:バイヤージャーニー、営業プロセス、リードを絞り込む指標

バイヤージャーニー

お客様が商品を購入するときに辿るステップの全体像を表す

営業戦略の設計プロセスはバイヤージャーニーから始める

営業プロセス

営業プロセスとリードを絞り込む指標を紹介するセッションを設ける。

そこから営業プロセスの各段階を詳しく掘り下げるために、個別の講座を実施する

リードを絞り込むための指標

リードのニーズに答えられるか、提案を望んでいるかを知る糧になる

営業育成方式を予測可能にする

科学的な方法で繰り返し適用可能な営業育成方式が必要

研修プロセスに試験と数回の検定制度を設ける

第6章 顧客が信頼する営業スタッフをつくる

営業スタッフに見込み客の日常業務を体験させる

営業スタッフがお客様の日常業務をよく理解することができれば、お客様に共感できるようになる

営業スタッフがソーシャルメディアを使ってリードと一緒に個人ブランドを構築できるようにする

ソーシャルメディアは、どんな営業スタッフでも、潜在顧客から信頼されるチャンス

営業スタッフはリードの開拓に費やす時間を、ソーシャルメディアにも費やすべき

1.リードはTwitterでフォローしている人を見つける

2.あなたのリードが参加するLinkedInのグループを見つけよう

3.あなたのリードが読んでいるブログを見つける

第3部 営業マネジメント方式――営業スタッフに同じ営業プロセスを踏ませる

第7章 指標主導の営業コーチング

営業の生産性を上げる最も効果的な手段は、営業マネージャーのコーチング時間を最大にすること

最良の営業部長とは、各営業スタッフのパフォーマンスが「最大限」に効果を生む「1つ」の特徴を見極め、その特徴を中心にしたコーチング計画が立てられる人

営業スタッフと一緒にコーチング計画を立てる

営業マネージャーは主要な指標を使って面談を進めるべき

そして、指標を一通り査定した後に最も重要な質問

「一緒に検討してきた定量的な観察と指標を考えて、今月、取り組むべきスキルはなんですか。そして、そのスキルについて私が手助けできる一番良い方法はなんですか

このように、営業スタッフの意見を重視し、営業マネージャーは計画を調整すべきである。

第8章 営業報酬制度とコンテストによるモチベーション

報酬制度は最も強力な道具

制度1:ハンティング制度(新規顧客の評価基準)

新しい顧客の獲得を重視

制度2:カスタマーサクセス制度(顧客成功の評価基準)

顧客に優れた期待値を設定する

制度3:カスタマーコミットメント制度(顧客責任の評価基準)

顧客離れを止める

新しい歩合制度を評価するための基準

シンプル

どのような結果は報酬に直結するか明確にする

目標との一貫性

営業の報酬制度を目標と適切に一致させる

迅速

優れた行動 (または劣った)とその金銭的な結果を迅速に結びつける

チームのモチベーション向上に営業コンテストを利用する

営業コンテスト企画として極めて効果的だった6つの項目

1.コンテストを通じてチームの大多数に期待される短期間の行動変化を流す

2.チーム単位のコンテストにする

3.チーム単位の上にする

4.毎晩、コンテストの順位を更新して発表する

5.適切な期間を選ぶ

6.コンテストに熱狂させない

第9章 営業リーダーを育成する――「内部で昇格」する文化の利点

チームの営業スタッフを訓練し、昇格させることで、内部から営業管理層を創出する

マネージャーに必要なスキル

・コーチング。

・ネガティブなフィードバックの伝達。

・チームの動機付け。

・コンフリクトマネジメント(対立をマネジメントする能力)。

求めていたのはマネジメントスキルだけでなくリーダーシップ

クラスルームから実社会へ

マネージャーに昇格するためには、どれくらいのコーチング時間が必要かを理解し、効率よく指導しなければならない

営業スタッフを採用し、育成し、まずマネジメントするという実務経験

第4部 見込み案件創出方法――営業スタッフに毎月、同じ質と量のリードを与える

第10章 従来の見込み案件創出方式を覆す――顧客に「あなた」を見つけさせる

現在のお客様はGoogleやソーシャルメディアによって社会的な権限を持っている

顧客は営業スタッフと直接面会したり、広告を読んだり、展示会に訪問しなくても良い。

こういった伝達経路を「インバウンド・マーケティング」と呼んでいる。

あなたの会社をグーグル検索の1位にするには?

インバウンド・リンクとソーシャルメディアのフォロワーを惹きつける2つの簡単な行動

1.良質なコンテンツ(ブログ、電子書籍、ウェビナー=ウェブ会議など)を頻繁に作成する

2.対象とするリードが既に意見交換をしているソーシャルメディアの話し合いに参加する

ブログ作成、良質なコンテンツ作成、そしてGoogle検索のアクセスを促進する

コンテンツ作成プロセスを案出する

コンテンツ作成プロセスの重要資源

「ジャーナリスト」(執筆者)

将来の案件創出の鍵

「思想リーダーシップ委員会」

ジャーナリストに対して継続的に業界知識の情報を提供する

コンテンツを継続的に作成するために2つの機能を1つにまとめる

ロングテール理論

コンテンツ制作プロセスで対象とするテーマを選ぶとき

「ヘッド」ではなく「ロングテール」に注力

第11章 インバウンド・マーケティングを収益化する

最もよくある間違い:すべてのリードを営業に渡してはいけない

インバウンド発掘のリード全員が、ビジネスに適しているとは限らない

マーケティングチームの誰かが簡単にリードを選別し、優良候補を営業に渡す

第5部 テクノロジーと実験

第13章 より効率的に、より速く売るためのテクノロジー

最新の営業テクノロジーによって、次の2つのことが可能になる

1.より速く売る

営業スタッフの事務作業とありふれた日課を排除することにより営業プロセスを促進する

2.より効率的に売る

顧客のコンテクストを把握し、営業スタッフがどこにいてもそれを閲覧できるようにして顧客により良い購買経験を提供する。

第14章 成功する営業実験を実施する

優れたチームは継続的改善を基本理念に掲げている

実験する文化を育てる事は、継続的改善の文化を促進する

アクセルの鍵となる要素は、実験の文化を育てること

実験すべきアイデアを生み出す

経営幹部のチームの仕事はイノベーションへの情熱を養うこと

実践した技法は社内の「ハッカソン」(技術とアイディアを競う開発イベント)

第16章 結論:ここからどこへ向かうのか?

本書には三層からなる留意点がある。

1番上の層

測定可能で予測可能な方法で営業チームを作ることを中心とした有用な戦術をいくつか提示

その下の層

あなたを奮い立たせ、当たり前のことにチャレンジし、売り上げを最大化できること

最後の層私は

「営業を根本的に変える、新たな営業理念の基礎を築くこと」に貢献する

 

要約

「測定可能で予測可能な増収」が著者マーク・ロベルジュの解決すべき使命だった。

営業マネジメントに関する従来の考えをくつがえすために、定量的な指標や営業プロセスに基づいて営業を科学した。

アクセル(売れる営業組織の方程式)の4要素

1.いつも同じように成功している営業スタッフを採用する(営業採用方式)

2.すべての営業スタッフを同じ方法で研修する(営業育成方式)

3.営業スタッフに同じ営業プロセスを踏ませる(営業マネジメント方式)

4.営業スタッフに毎月同じ、質と量のリードを与える(見込み案件創出方式)

これら4要素を実行すれば「測定可能で予測可能な増収」という使命を果たすことができる。

 

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アクセル

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