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『結果を出すリーダーほどこだわらない』の要約|書籍紹介

著者:山北陽平

▲引用:結果を出すリーダーほどこだわらない

著者略歴

米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。1979年生まれ三重県出身。富士通グループ主力販売会社を経て、株式会社アタックスへ入社。
営業として、東海エリア250人中1位の実績をとりMVPを獲得。その後、営業コンサルタント,マネジメントコンサルタントとして企業のコンサルティングに従事する。現在はNTTドコモ、パナソニックグループ、朝日新聞社、などの大企業から、中小企業まで、多くの企業に「行動分析学」をもとにした行動改革指導を実施している。
その指導は年間200日、1000時間を超えており、指導対象のビジネスパーソンは年に3000人にのぼる。10年間の在籍期間に300社以上のコンサルティングを経験し、様々な業種業態の課題解決手法を持っている。専門の営業とマーケティング以外にも、製造、技術、管理、企画、クリエイト、物流など広範囲の組織変改を実現するコンサルティング『壁マネジメント』を展開。机上の空論ではなく、現場の中で作り出した指導ノウハウは参加者の9割が設定した問題を解決するという圧倒的な成果を出している。業務改善、残業削減、技術伝承、プロジェクト推進、など現場の課題解決を得意としている。

ファシリテーターの感想・おすすめのポイント

変化の激しい時代を生き抜くためには外部環境の変化を見据えた新しい挑戦をしていくこと。

変化に対応するには、過去の成功体験に基づいた「安全安心のフィールド」を超えて、新しい挑戦の習慣化といった、新たな「価値観」をつくる必要がある。

本書では、価値観を変える筆者のメソッド「壁マネジメント」を紹介している。このメソッドは新しい価値観を形成するために、「環境設定」「行動誘導」「成功体験」の3つのプロセスで組み立てられている。

このメソッドを実践することによって、変化に強い組織とそれを率いるリーダをつくることができる。

本書の要点

第1章では変化に対応する力の重要性を解説しています。第2章では科学的根拠に基づいて価値観の形成と人間の行動への影響について説明しています。第3章では価値観を変える第一段階として、「環境設定」「行動誘導」のノウハウを解説しています。

第4章では「成功体験」から新しい価値観を形成する方法を説明しています。第5章では、オリジナルメソッド「壁マネジメント」について解説しています。第6章では、「壁マネジメント」を活用して、変化に強い組織をつくる方法を解説しています。

第7章では、変化に強いチームに求められるリーダーの条件を提示しています。第8章では、具体的な成功事例を紹介しています。

目次

はじめに
第1章 「変化」を恐れるチームは消える
第2章 価値観はどのように作られるのか?
第3章 「環境」を設定して、「行動」を誘導する
第4章 「成功実感」を体験させて、「新しい価値観」を形成する
第5章 新しい価値観を浸透させ、やり切らせるメソッドー壁マネジメント
第6章「壁マネジメント」で変化に強いチームを作る方法
第7章 変化に強いチーム作りに求められるリーダーの条件
おわりに

要約

 

はじめに

ここ数年の外部環境の変化は、今までのやり方・常識が通用しない時代ともいえます。

そんな変化の激しい時代に必要な力は、変化に対応する力です。

変化に対応する力がないと、職種が縮小または消滅する可能性があります。

では、どんな対策を打てば良いのでしょうか。

それは外部環境の変化を見据えた、新しい挑戦です。

そうした、「変化に対応する力」の根幹にあるものとして、人それぞれの価値観があります。

本書では部下やチームメンバーの価値観を変える再現性の高いメソッドを紹介しています。

 

第1章 「変化」を恐れるチームは消える

「変化に対応できる」チームが生き残る

これからの組織は、チーム全体で変化に対応することが求められています。

これまでの「苦手だから、やりたくない」といった個人の価値観による選択は通用しません。もし、そのまま放置すれば衰退の一途をたどることになります。

 

変化できるチームとできないチームのを生む重要キーワード

チームが変化に対応できない理由は、リーダーとチームメンバーが持つ価値観の違いです。

価値観はとても強い力を持っていて、人の行動や意志決定に大きく影響しています。それを理解してコントロールができなければ組織の変化を作り出すことができません。

時代の変化に合わせて、形を変え続けるチームを作るためには、環境に対応して変化できる組織の価値観が必要です。

第2章 価値観はどのように作られるのか?

「価値観」の根底にあるのは「安全安心のフィールド

価値観は後天的に環境に準じて身につくものです。人間の本能は、生存本能に誘導され、心地よいものを求め、不快なものを避ける行動を繰り返します。

そうやって、行動した結果から得た経験が「安全安心のシステム」となるのです。

この、価値観のシステムによって得られる安全安心のことを「安全安心フィールド」と名付けています。

自分を変えられないが、他人は変えられる

価値観のシステムは必ず、他者のかかわりや影響によって変化します。

個人の意志の力はとても強く、思考と行動にブレーキをかけて、一時的には変わっても元に戻ってしまいます。

企業のチームの中では、影響力を持つリーダーの関わり方で、部下を変化させることができます。それを実現する4つのステップについて次章以降で説明していきます。

第3章 「環境」を設定して、「行動」を誘導する

価値観が変化する4つのプロセスとは

①過去の価値観のシステムで守られていた、安全安心のフィールドを破壊する「環境設定」

②新しい安全安心を得るための「行動誘導」

③新しい行動から得られた「成功実感」

④新たな価値観のシステム形成

以上の4つです。

「安全安心」を求めて行動する方向は2パターン

行動は安全安心を求めて発生しますが、大きく分けて2つの方向があります。

過去身に付けた価値観のシステムを選択する方向と②今ある安全安心を保つための方向です。

過去身に付けた価値観のシステムを選択する方向とは、過去の成功体験、価値観で行動する人です。そのような人は、自分の狭い範囲の過去の環境や経験の中だけで、方向性を選択する傾向があります。

今ある安全安心を保つための方向とは、今の状態にとても満足している人です。このような人の特徴は、長い間変化しなくても安全安心が守られた、変化を伴わず仕事上の成果を得たという経験をしてきたことにあります。

正しい方向に行動を誘導するために必要なもの

こちらの望む成果を出すための変化に対応させるには、環境の設定に合わせて行動の誘導が必要となります。そのために、本人の意思と選択で行動できないようにする仕組みと力=権限が求められるのです。

そのために、マネジャーは「責任」と同時に「権限」を持つ必要があります。

第4章 「成功実感」を体験させて、「新しい価値観」を形成する

「変化に対応できない」組織に共通する、評価に対する大きな間違い

多くの組織で間違っているのは、「成果を評価し、行動を評価しない」ということです。たとえ今は成果につながっていないとしても、新しいシステムを形成するために行動していることそのものを評価しなければなりません。それができるのは行動を設定する権限を持つリーダーやマネジャーです。

リーダーに求められる重要スキル

新しい行動と成功体験の繰り返しによって形成されます。相手の環境と行動をコントロールするために、リーダーに必要なことは価値観システムの変化に気づくスキルです。その変化を見極めるポイントは2つあります。

①発言 新しい行動に対する不満な発言がない
②行動 設定した行動の準備が正しくできている

第5章 新しい価値観を浸透させ、やり切らせるメソッドー壁マネジメント

部下の行動変化を発動させる「壁マネジメント」

部下の行動の流れは「成果の出る望ましい行動」と「成果の出ない望ましくない行動」に分岐します。そこで、マネジャーが部下の行動の流れに入り込み、壁をつくり強制的に成果の出る望ましい行動に流れるようにするマネジメント手法が「壁マネジメント」です。この流れを抑える行為を「介入」といいます。

「壁マネジメント」の実践は、マネージャーが設定して実行する「3つのルール」とその状態を管理する「スコアリングシート」の運用で成り立っています。3つのルールとは、

①行動ルール、中間成果、最終成果の設定
②介入ルールの設定
③フィードバックルールの設定

です。

間違った行動ルールの設定と実施は逆効果

壁マネジメントでは、次の手順で検討してから行動ルールを設定します。

 設定の手順

①目的の明確化
②目的の目標化
③ギャップの明確化
④ギャップの分解
⑤問題箇所の特定
⑥要因の深堀と真因の明確化
⑦打ち手の設定

この①〜⑦の手順で設定すると打ち手と目的がつながります。

この手順を怠ると目的につながらない行動を続けることになります。

介入ルール

設定した行動ルールをやり切らせるには、「介入ルール」を設定する必要があります。これは「壁マネジメント」を機能させるために一番重要なルールです。大事なことは、設定した行動ルールに対してもれなく介入することです。そのために、3つの介入があります。

①リマインド介入 行動する前の介入
②アフター介入 行動結果に対する介入
③累積介入 一定期間の行動状態を再度振り返る介入

介入する際に必要な「フィードバックルール」

介入した際に次の行動もルール通りに実施させる方法として、フィードバックがあります。フィードバックでは、望ましい行動を強化し、望ましくない行動を弱化させる働きかけがマネジャーに要求されます。

壁マネジメントのPDCAを回すための重要ツール

最後に、①設定した最終成果、中間成果、行動ルール、②介入ルール、③フィードバックルールといった「3つのルール」の状態を一元管理ができるスコアリングシートがあります。

壁マネジメントでは、必ずスコアリングシートの運用が必要となります。

第6章「壁マネジメント」で変化に強いチームを作る方法

環境を再設定し、結果をもれなく管理

価値観のシステムは目に見えないため、行動ができていないということは、行動しなくてもいい環境下にあると考えます。その場合、スコアリングシートを使って結果をもれなく管理したりマネージャーの管理と指導の方法を変えて、望ましい状態になるまでPDCAを回します。

行動できる環境を設定するための、2つのシンプルな現状把握&解決法

マネジャーは状況を把握して、部下が行動できる環境を設定するために、2つの状態と改善の手順があります。
やろうと思えばできるのにやらない→やらなければならない環境が設定されていない。やろうと思ってもできない→できない理由のある環境を改善する。

これを理解することで、チームと組織の行動を発動させることができます。

いかがでしたか?この本からどのような情報が得られましたでしょうか?

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