成功循環モデルとは?組織を成功に導くグッドサイクルを徹底解説
企業などの組織をリードする方の中には、成功を成し遂げるために何をすべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
成功する組織には、共通の特徴があります。それは、成功循環モデルを構築していることです。
成功循環モデルとは、組織の目標に沿った行動が、結果として組織のパフォーマンスを向上させ、さらにそのパフォーマンスが行動にフィードバックされるという好循環のことです。成功循環モデルを作ることで、組織は自己成長し、競争力を高めることができます。
しかし、成功循環モデルを作るには、どのような要素が必要で、どのようにして実践すれば良いかわからないという方もおられるでしょう。
そこで今回は、成功循環モデルで組織を成功に導くグッドサイクルについて、徹底解説します。組織のマネジメントをしている方は、ぜひ参考にしてください。
成功循環モデルとは?より良い組織を生み出すための基本的な考え方
成功循環モデルとは、組織が継続的に成果を上げるために必要な要素とプロセスを明らかにしたものです。
成功循環モデルには、「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」の4つの質があります。
これらの4つの質は、グッドサイクル(好循環)とバッドサイクル(悪循環)の2つの種類に分けられます。
グッドサイクルとは?その仕組みを解説
グッドサイクルは、周囲の人とのコミュニケーションを高める「関係の質」を起点に始まります。
「関係の質」を高めると、目的意識を持ち自主的に考えられるようになるため「思考の質」が高まります。
さらに「思考の質」が高まると、主体性を持ち自発的に動くようになり「行動の質」が高まります。
また「行動の質」が高まると、成果につながり「結果の質」が高まります。
「結果の質」が高まると、さらに「関係の質」が高まる…という、ポジティブな循環が生まれ、続いていくのです。
バッドサイクルの仕組み
一方、バッドサイクルは、結果を追い求め、目先の業績を向上させようとするところから始まります。しかし、このようなやり方には無理があるため、強制力や指示命令の行使、やらされ感の高まりによって「関係の質」が低下します。
このようにして「関係の質」の低下は、「思考の質」と「行動の質」の低下につながるのです。その結果、組織のメンバーが自発的・積極的な行動をしなくなるため、成果が上がらず「結果の質」の低下、職場のさまざまな問題の発生というマイナスの循環にはまり込んでしまい、マイナスの循環が続いていきます。
このように、成功循環モデルは、より良い組織を生み出すためには、関係の質を高めてグッドサイクルを回していくことが重要であるという基本的な考え方です。
成功循環モデルの「4つの質」とは?好循環と悪循環に与える影響も解説
成功循環モデルの「4つの質」とは、組織が継続的に成果を上げるために必要な要素とプロセスを表したものです。
成功循環モデルの「4つの質」
それぞれの質について、以下でわかりやすく解説します。
関係の質
「関係の質」とは、組織のメンバー同士の信頼や協力、コミュニケーションのレベルのことです。
関係の質が高いと、メンバーはお互いに尊重し、助け合い、フィードバックを受け入れやすくなります。
思考の質
「思考の質」とは、組織のメンバーの目的意識や自主性、創造性、問題解決能力のレベルのことです。
思考の質が高いと、メンバーは自分の役割や目標を明確にし、自分で考えて行動できるようになります。
行動の質
「行動の質」とは、組織のメンバーの主体性や自発性、責任感、実行力のレベルのことです。
行動の質が高いと、メンバーは自分の仕事に情熱を持ち、積極的に動き、成果を出せるようになります。
結果の質
「結果の質」とは、組織が達成する業績や成果、顧客満足度、社会的貢献度のレベルのことです。
結果の質が高いと、組織は競争力を持ち、持続的に成長していきます。
「4つの質」が好循環と悪循環に与える影響
上記の4つの質は、相互に影響し合い、グッドサイクル(好循環)かバッドサイクル(悪循環)かを決めます。
グッドサイクルでは、関係の質が高まることで、思考の質、行動の質、結果の質が高まり、さらに関係の質が高まります。
一方、バッドサイクルでは、結果の質が低下することで、関係の質、思考の質、行動の質が低下し、さらに結果の質が低下します。
成功循環モデルは、より良い組織を生み出すために、関係の質を高めてグッドサイクルを回していくことが重要であるという基本的な考え方です。
グッドサイクルを回すために必要なこと
組織における「グッドサイクル」は、組織が継続的に成長し、成果を出し続けるためのプロセスです。
そこで、グッドサイクルを回すためには、以下の4つの要素の質を高めることが必要です。
関係の質を高める
関係の質が高い状態とは、メンバー同士の相互理解や信頼関係を深め、オープンなコミュニケーションを取ることができる状態を指します。関係の質を高めるコミュニケーションのコツとしては、心理的安全性を確保することが重要です。
心理的安全性とは、メンバーがチーム内で自由に発言や提案ができる、失敗や批判を恐れない、自分らしく振る舞えるという環境のことです。心理的安全性を高めるためには、挨拶や世間話などの気軽なコミュニケーションを増やしたり、感謝や励ましの言葉を伝えたり、相手の仕事の状況や気持ちに寄り添ったりすることが効果的です。
思考の質を高める
思考の質が高い状態とは、メンバーが自分の頭で考え、アイデアや意見を出し合い、問題解決に向けて協力することができる状態を指します。
思考の質を高めるための問題解決のステップとしては、以下のようなものがあります。
- ・問題を明確に定義する
- ・問題の原因を分析する
- ・解決策を考える
- ・解決策を実行する
- ・解決策の効果を評価する
行動の質を高める
行動の質が高い状態とは、メンバーが積極的に効果的な行動をとり、新しいことに挑戦し、学び続けることができる状態のことを指します。
行動の質を高めるための目標設定とフィードバックの方法としては、以下のようなものがあります。
目標設定は、SMARTという基準に沿って、具体的で達成可能な目標を設定するのが効果的です。SMARTとは、Specific(明確な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限のある)の頭文字をとったものです。
フィードバックでは、目標に対する進捗や成果を定期的に確認し、評価や改善のための意見を伝えます。フィードバックは、ポジティブなことやネガティブなことの両方をバランスよく伝えることが大切です。また、フィードバックを受ける側も、受け入れる姿勢や改善する意欲を持つことが必要です。
結果の質を高める
結果の質が高い状態とは、メンバーが目標を達成し、高い成果や業績を得ることができる状態を指します。
結果の質を高めるための評価と改善のポイントとしては、以下のようなものがあります。
評価とは、目標と実際の結果を比較し、達成度や効果を測定することです。
評価には、定量的な指標や定性的な感想など、さまざまな観点から行うことが望まれます。
評価の目的は、自分やチームの成長や貢献を認めることや、次の目標に向けてのモチベーションを高めることです。
改善とは、評価の結果をもとに問題点や改善点を洗い出し、具体的な対策を立てることです。
改善には、自分やチームの強みや弱みを客観的に分析することや、ベストプラクティスや新しい方法を取り入れるのが有効です。改善の目的は、自分やチームのパフォーマンスを向上させることや、新たな目標に挑戦することなどがあります。
以上が、グッドサイクルを回すために必要なこととその方法です。
グッドサイクルは、関係の質から始まり、思考の質、行動の質、結果の質と順番に高まっていきます。そして、結果の質が高まることで、関係の質がさらに高まり、好循環が続いていきます。
このサイクルを回すことで、組織は継続的に成長し、成果を出し続けることができるようになるでしょう。
バッドサイクルを回避するために気をつけるべきこと
バッドサイクルとは、組織が停滞や衰退に陥るためのプロセスです。
バッドサイクルを回避するためには、以下の4つの要素の質を低下させないことが必要です。
関係の質の低下を防ぐ
関係の質が低下した状態とは、メンバー同士の相互理解や信頼関係がなく、コミュニケーションが取れない状態です。
関係の質を低下させる要因としては、以下のようなものがあります。
- ・結果だけを追求し、目先の業績を上げようとすること
- ・押しつけや命令、対立などのコミュニケーションスタイルをとること
- ・挨拶や世間話などの気軽なコミュニケーションを減らすこと
- ・感謝や励ましの言葉を伝えないこと
- ・相手の仕事の状況や気持ちに寄り添わないこと
関係の質を低下させないための対策としては、以下のようなものがあります。
- ・結果だけでなく、プロセスや人間性も評価すること
- ・質問や提案、協力などのコミュニケーションスタイルをとること
- ・挨拶や世間話などの気軽なコミュニケーションを増やすこと
- ・感謝や励ましの言葉を伝えること
- ・相手の仕事の状況や気持ちに寄り添うこと
思考の質の低下を防ぐ
思考の質が低下した状態とは、メンバーが自分の頭で考えず、アイデアや意見を出さず、問題解決に向けて協力しないことができない状態です。
思考の質を低下させる要因としては、以下のようなものがあります。
- ・心理的安全性がなく、発言や提案ができない環境であること
- ・問題の明確化や原因分析をせず、解決策を考えないこと
- ・解決策を実行や評価せず、改善しないこと
思考の質を低下させないための対策としては、以下のようなものがあります。
- ・心理的安全性を高め、発言や提案ができる環境を作ること
- ・問題を明確に定義し、原因を分析すること
- ・解決策を考え、実行や評価すること
- ・必要に応じて改善すること
行動の質の低下を防ぐ
行動の質が低下した状態とは、メンバーが消極的に効果的でない行動をとり、新しいことに挑戦しないことができない状態です。
行動の質を低下させる要因としては、以下のようなものがあります。
- ・目標が明確でなく、達成可能でないこと
- ・フィードバックがなく、評価や改善のための意見がないこと
- ・失敗や批判を恐れ、自分から動かないこと
行動の質を低下させないための対策としては、以下のようなものがあります。
- ・SMARTという基準に沿って、具体的で達成可能な目標を設定すること
- ・フィードバックを定期的に行い、評価や改善のための意見を伝えること
- ・失敗や批判を恐れず、自分から動くこと
結果の質の低下を防ぐ
結果の質が低下した状態とは、メンバーが目標を達成できず、低い成果や業績を得ることができない状態です。
結果の質を低下させる要因としては、以下のようなものがあります。
- ・目標と実際の結果を比較せず、達成度や効果を測定しないこと
- ・評価に定量的な指標や定性的な感想など、様々な観点から行わないこと
- ・評価の目的が、自分やチームの成長や貢献を認めるものや、次の目標に向けてのモチベーションを高めるようなものでないこと
- ・評価の結果をもとに、問題点や改善点を洗い出さず、具体的な対策を立てないこと
結果の質を低下させないための対策としては、以下のようなものがあります。
- ・目標と実際の結果を比較し、達成度や効果を測定すること
- ・評価に定量的な指標や定性的な感想など、様々な観点から行うこと
- ・評価の目的が自分やチームの成長や貢献を認めるものや、次の目標に向けてのモチベーションを高めるものであること
- ・評価の結果をもとに、問題点や改善点を洗い出し、具体的な対策を立てること
以上が、バッドサイクルを回避するために気をつけるべきこととその方法です。
バッドサイクルは、結果の質から始まり、関係の質、思考の質、行動の質と順番に低下していきます。そして、行動の質が低下することで、結果の質がさらに低下し、悪循環が続いていきます。
このサイクルを回避することで、組織は停滞や衰退を免れ、成長に向かうことができるようになるでしょう。
成功循環モデルのまとめ
上記のように、組織を成功に導くためには、成功循環モデルを活用し、それぞれのプロセスを確認することが重要です。