大学でのアクティブラーニングとは?学習スタイルからスキル・実践例まで徹底解説
大学でのアクティブラーニングに興味を持っている方は多いはずです。
しかし、実際にどんな学習スタイルがあるのか、どんなスキルが身につくのかが分からず、どう取り組んでいけばよいのか悩んでいる方も少なくありません。
実際、アクティブラーニングをうまく活用するためには、その本質を理解し、正しい方法で学びを進める必要があります。
本記事では、大学でのアクティブラーニングの基本的な考え方から、実際にどのような学習スタイルがあり、どんなスキルが身につくのかを詳しく解説していきます。
大学でのアクティブラーニングが自分にどんな影響を与えるのかを知ることで、学びに興味がわくでしょう。
大学でのアクティブラーニングは、どんな学びなのかと疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
大学でのアクティブラーニングの基本
近年、大学教育の現場では「アクティブラーニング」が注目を集めています。
ここでは、アクティブラーニングの基本的な概念や、その導入が進む背景を詳しく解説します。
アクティブ・ラーニングの定義
アクティブラーニングとは、学生が主体的に参加し、能動的に学ぶ教育方法です。
現代の大学教育では、単に知識を習得するだけではなく、主体的な学びを通じて実践力を身につけることが重要視されています。
例えば、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ手法や、学生同士が教え合い、学び合う協同学習などが含まれます。
つまり、アクティブラーニングは、学生が能動的に授業に参加し、より深い学びを実現する教育方法と言えるでしょう。
参照:文部科学省「アクティブ・ラーニングに関する議論」
従来の講義形式との違い
アクティブラーニングは、従来の講義形式とは大きく異なる特徴を持っています。
従来の大学の講義では、教員が教壇から学生に向けて知識を説明し、学生はそれを聴いてノートを取るスタイルが一般的でした。
しかし、この形式だけでは実践的な力を育むことが難しい課題がありました。
従来の講義とアクティブラーニングの主な違いをまとめると、以下のとおりです。
アクティブラーニング |
講義形式 |
|
|
アクティブラーニングは学生の主体性と協働性を重視した、より実践的な学びを実現する教育方法です。
アクティブラーニングの導入が進む背景
大学教育でのアクティブラーニングの導入は、社会や教育を取り巻く環境の変化を背景に進んでいます。
近年の社会では、単なる知識の習得だけではなく、実践的な課題解決能力や他者との協働力が求められています。
また、学生の学習意欲を高め、より効果的な教育を実現する必要性も高まっています。
現代の大学教育で、アクティブラーニングが重視される背景には、次の3つの要因が挙げられます。
- 実践的な課題解決力の必要性
- 主体的な学びによる理解度の向上
- 社会と連携した実践的な教育の強化
このような背景から、アクティブラーニングは現代の大学教育に必要不可欠な教育方法として位置づけられています。
アクティブラーニングの学習スタイル
アクティブラーニングの学習スタイルには、さまざまなスタイルがあります。
ここでは、以下の3つの学習スタイルを解説します。
- グループディスカッション・ディベート形式
- チーム型プロジェクト学習(PBL)
- フィールドワーク・実地調査学習
それぞれの内容を確認していきましょう。
グループディスカッション・ディベート形式
グループディスカッションとディベートは、学生同士が意見を交わしながら学びを深める代表的な学習スタイルです。
さまざまな視点から物事を考え、意見を交換することで、新たな気づきや深い理解が得られます。
また、自分の考えを論理的に説明する力も養われるでしょう。
実際の授業では、次のような形式で行われます。
- 特定のテーマについて少人数のグループで議論
- 賛成派と反対派に分かれての討論
- グループでの結論をクラス全体で共有
このような対話型の学習を通じて、コミュニケーション力と論理的思考力が育まれます。
チーム型プロジェクト学習(PBL)
PBL(Project Based Learning)は、チームで特定の課題に取り組み、解決策を導き出す実践的な学習方法です。
実社会で直面する問題は、一つの正解があるわけではありません。
PBLでは、チームで協力しながら最適な解決策を見出すプロセスを学びます。
授業での実践例には、以下のようなものが挙げられます。
- 地域の課題解決プロジェクト
- 企業から提示された課題への取り組み
- 学内の問題改善案の立案
実践的な課題解決を通じて、チームワーク力とプロジェクトマネジメント力を育成できます。
フィールドワーク・実地調査学習
フィールドワークは、実際の現場に出向いて調査や体験を行う学習方法です。
教室での学びだけでは得られない、現場での気づきや発見が得られます。
実地での調査や体験を通じて、より実践的な理解が深まるでしょう。
活動内容には、以下のようなものが挙げられます。
- 企業での実地研修
- 地域でのインタビュー調査
- 現地でのデータ収集
現場での体験を通じて、実践的な調査力と問題発見力を育成します。
アクティブラーニングで身につくスキル
アクティブラーニングでは、以下のようなスキルが身につきます。
- コミュニケーション能力
- 課題発見・解決力
- プレゼンテーション力
それぞれ詳しく説明します。
コミュニケーション能力
アクティブラーニングで身につくスキルの一つが、実践的なコミュニケーション能力です。
アクティブラーニングの特徴は、グループでの対話や議論を通じて学びを深めていく点にあります。
グループディスカッションでは、次のようなスキルが養われます。
- 自分の意見を分かりやすく伝える力
- 他者の意見を正確に理解する力
- 建設的な議論を進める力
このようにアクティブラーニングで培われたコミュニケーション能力は、就職活動や社会人生活で必要とされるスキルです。
特に、チームでの協働が重視される現代のビジネス環境では、その価値はますます高まっています。
課題発見・解決力
アクティブラーニングは、実践的な課題発見・解決力を育てられる効果的な学習方法です。
従来の講義形式では知識を得るだけでしたが、アクティブラーニングでは実際の問題に向き合い、その解決策を考え抜く機会が多く設けられています。
例えば、企業から提示された実際のビジネス課題に取り組む場合、以下のようなステップで学びを進めます。
- 問題の発見と分析
- 解決策の立案
- チームでの検討
- 実行プランの作成
このような実践的な経験を通じて身につく課題発見・解決力は、社会で直面する様々な問題に対応できる応用力となります。
プレゼンテーション力
プレゼンテーション力とは、自分の考えや提案を相手に分かりやすく伝え、共感や理解を得る力です。
アクティブラーニングでは、プレゼンテーションに必要なスキルを効果的に磨くことが可能です。
アクティブラーニングでは、自分たちの考えや研究成果を他者に向けて発表する機会が豊富に用意されているため、その過程で効果的な情報発信の方法を学んでいけます。
聴衆からの質問やフィードバックを受けることで、より説得力のあるプレゼンテーションへと改善を重ねられるでしょう。
具体的には、以下のようなプロセスでプレゼンテーション力を磨いていけます。
- テーマ設定から資料作成
- 発表時間の配分
- 質疑応答への対応
こうした経験の積み重ねによって培われるプレゼンテーション力は、単なる発表テクニックにとどまりません。
情報を整理し、相手に応じて的確に伝える力は、就職活動はもとより、社会人として幅広い場面で活きる実践的なスキルとして評価されるでしょう。
アクティブラーニングの実践例
ここでは、アクティブラーニングを実践している大学の事例を3つ紹介します。
大阪成蹊大学|「学生が主役」の授業を実施
大阪成蹊大学では、全ての授業でアクティブラーニングを取り入れ、学生主体の学びを実現しています。
従来の大学の授業では、先生の一方向的な話を学生が聞くだけの学び方が一般的でした。
しかし現代社会では、そうした従来型の学びだけではなく、学生が能動的・協働的に学ぶことが求められています。
そこで大阪成蹊大学では、学生自身がリサーチや議論を重ね、課題解決に取り組む実践型の学修を全学で展開しています。
大阪成蹊大学のアクティブラーニングをまとめると、以下のとおりです。
導入範囲 |
全授業で実施 |
学習方法 |
リサーチ・討論・課題解決型 |
育成目標 |
実践力・主体性の向上 |
このように全ての授業に取り入れられたアクティブラーニングを通じて、学生たちは知識の習得だけではなく、社会で求められる実践的な力を身につけています。
講義形式の授業であっても、学生が主体的に考え、発言する機会を設けることで、より深い学びを得られるでしょう。
参照:大阪成蹊大学「大阪成蹊大学のアクティブラーニング」
広島大学|学生の主体性を育む能動的学修
広島大学では、学生の主体性を育む「能動的学修」を全学的に導入し、地域創生に貢献できる人材を育成しています。
この取り組みは、教室内外での学びを組み合わせ、学生が自ら課題を発見し解決策を模索する力を養えるでしょう。
現代社会では、知識だけではなく、実践的な課題解決力や自律的な学びが求められています。
広島大学の「能動的学修」では、学生が積極的に学び、地域社会や現場での体験を通じて学びを深めることができるため、学生の主体性が育まれます。
広島大学の「能動的学修」の特徴をまとめると、以下のとおりです。
導入範囲 |
教室内外での学びを組み合わせた能動的学修 |
学習方法 |
行動型学修(フィールドワーク、インターンシップなどの教室外での学び) 参加型学修(ディスカッション、グループワークなど教室内での学び) |
育成目標 |
課題探究型地域創生人材の育成 |
広島大学の能動的学修では、教室内外での多様な学びを通じて、学生の主体性を引き出し、地域社会への貢献を目指した課題解決力を育てています。
この取り組みを通じて、学生は社会で必要とされるスキルや実践力を身につけ、将来にわたって学び続ける力を養っていけるでしょう。
参照:広島大学「アクティブ・ラーニングを活用した授業」
芝浦工業大学|「教」・「職」・「学」協働の教育・学修改革
芝浦工業大学では、急速に変化する社会に対応できる人材の育成を目指し、アクティブラーニングを全学的に導入しています。
学生が主体的に考え、課題解決に取り組む力を養うため、4年間を通じてアクティブラーニング科目を配置し、さらに学外での学びも積極的にサポートしているのが特徴です。
現代社会はグローバル化や情報化社会、少子高齢化などにより予測困難な時代を迎えています。
こうした環境において、学生に求められるのは、単なる知識の習得にとどまらず、主体的に問題を発見し解決する力です。
しかし、日本の学生は授業時間以外に学びの時間を十分に取れていない現状もあります。
芝浦工業大学は、こうした課題を解決するため、アクティブラーニングを導入し、学生が積極的に学び、自己成長できる環境を提供しています。
芝浦工業大学のアクティブラーニングに関する特徴をまとめると、以下のとおりです。
導入範囲 |
4年間のカリキュラム全体でアクティブラーニングを導入 |
学習方法 |
PBL(課題解決型学修) 大人数の講義での双方向授業(クリッカー使用) |
育成目標 |
主体的に課題を発見し解決できる力を養い、グローバルで活躍できる理工学人材を育成 |
芝浦工業大学の取り組みは、学生に「主体性」を持たせ、社会で必要とされるスキルを養うことに重点を置いています。
アクティブラーニングを通じて、学生は単に知識を得るのではなく、自ら課題に挑戦し、成長を実感できるようになります。
このような学びのスタイルは、未来の社会で活躍するために必要不可欠な能力を育成してくれるでしょう。
参照:芝浦工業大学「大学教育再生加速プログラム」
まとめ
今回の記事では、大学でのアクティブラーニングに関して、基本的な概念や学習スタイル、身につくスキル、そして実際の実践例を詳しく解説しました。
アクティブラーニングは、学生が主体的に学び、協働しながら実践的な課題解決力を養う教育方法です。
グループディスカッションやプロジェクト型学習(PBL)、フィールドワークなど、さまざまな学習スタイルがあります。
これらを通じてコミュニケーション力や課題発見力、プレゼンテーション力を身につけられるでしょう。
大学でのアクティブラーニングは、単なる知識習得にとどまらず、社会で求められる実践的なスキルを育む手段となっています。
アクティブラーニングを取り入れた大学教育は、より深い学びを提供し、将来の社会で活躍するために必要な力を育てています。
自身の学び方を見つけ、積極的に参加し、より実践的なスキルを身につけていきましょう。
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