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ビジネスコーチングに必要な技術|傾聴・質問・承認と成功の3原則を解説

現代のビジネスでは、IT化やDXの推進による環境の変化が激化しており、ビジネスコーチングを取り入れる企業が増加しています。ビジネスコーチングとは、職場の部下や後輩を指導・育成する現場のマネージャーやOJT担当者がコーチとなり、部下の可能性とやる気を引き出し、自発的に目標達成できるようにサポートするコミュニケーションです。

一般的なビジネスコンサルタントによる講座とは異なり、ビジネスコーチングでは、職場で個人と伴走しながら支援を行うのが特徴です。そのためビジネスコーチには、幅広い知識や技術とともに、行動力が必要となります。

そこで今回は、ビジネスコーチングに必要な技術について、ビジネスコーチングの3原則や傾聴・質問・承認の意味ややり方を解説します。職場にビジネスコーチングを取り入れたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ビジネスコーチングとは?

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ビジネスコーチングとは、経営者やビジネスパーソンに対して、目標達成や能力の向上を支援する仕事です。ビジネスコーチは、個人やチームと協力して、自己意識や自己理解を高め、自己成長を促進する手法を提供します。

ビジネスコーチングの目的は、受講者が自身の目標を明確にし、それらの目標に向けて行動できるようにすることです。コーチは、受講者と協力してビジョンの設定を行い、戦略の策定や課題の克服、新しいスキルの開発など、幅広く支援します。

ビジネスコーチングでは、コーチと受講者が対話を通じて問いかけやフィードバックを行います。その中で、受講者が自身の考えや感情を整理し、目標達成に向けた行動計画を策定することが重要です。また、コーチは受講者の進捗状況を常に観察し、必要に応じて調整や修正を行うのが特徴です。

具体的なビジネスコーチングの内容は、受講者やコーチの目標、ニーズ、業界の要件などによって異なります。例えば、経営者がリーダーシップスキルの向上を求める場合は、コーチが対話を通じてリーダーシップ能力の開発サポートを実施します。また、経営者がビジネスプランを策定する際には、コーチがビジネス戦略の構築やリソースを最適化するためのアドバイスの提供が主な仕事となるでしょう。

このように、ビジネスコーチングは受講者の自己意識と能力の向上に焦点を当て、パフォーマンスの向上や目標の達成をサポートします。これにより、受講者が自身の視点や能力を客観的に評価し、新たな思考能力や行動の選択肢を見つけることができるようになるでしょう。

ビジネスコーチングに必要な技術「傾聴・質問・承認」とは?

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ビジネスコーチングにおける「傾聴・質問・承認」は、コーチと受講者との対話やコミュニケーションにおける重要なスキルです。以下で詳しく解説します。

傾聴(Active Listening)

傾聴は、受講者の話に注意深く耳を傾け、全体的な理解を深めるためのスキルです。コーチは傾聴を通じて、言葉の意味だけでなく、受講者の感情や裏にある意図を読み取ることが重要です。

傾聴の目的は、受講者が自身の思考や感情を整理し、その奥にある本質に気づき確認することにあります。

以下では、傾聴に必要な主なコーチングスキルを紹介します。

1.傾聴(アクティブリスニング)

傾聴をわかりやすく言うと、受講者の話に集中して注意深く聞くことです。

コーチは、言葉の裏にある感情や意図を読み取るために、言葉だけではなく態度や表情なども注意深く観察する必要があります。

コーチと受講者の両方が積極的な姿勢で取り組むことが大切です。

2.受講生を受け入れる態度

コーチには、受講者の話を全面的に受け入れる態度を持つことが重要です。

一方的な判断や偏見を持たず、受講者が自由に意見や感情を表現できることが大切です。これにより、受講者が自らの考えや感情を探求し、思考を深めることができるでしょう。

3.適切な質問

コーチは、質問を通じて受講者の思考を引き出します。

コーチが適切な質問をすることで、受講者が自身の考えや目標についてより深く考え、新たな視点や本質的な課題を得ることができるようになります。

4.要約とフィードバックの実施

傾聴では、コーチが受講者の話を要約し、内容を確認します。また、フィードバックを提供して、受講者の気づきや成果を強調することも大切です。

これにより、受講者が自身の言葉やアイデアを明確化し、より理解を深めることができるでしょう。

5.共感する

コーチが傾聴をする中で、受講者の感情や経験に共感することで、受講者との信頼関係を構築します。

共感は、受講者が自身の感情や課題に対するオープンな対話を引き出し、より良い洞察と解決策を見つけるサポートを可能にします。

コーチの中には、受講者を否定し「自分(コーチ)の考えを教える」ことが仕事と考える方もいますが、それはコーチ本来の仕事ではありません。

コーチとは、あくまでも受講者をサポートすることが本筋であることを理舞しましょう。

このように、傾聴は受講者の思考や感情を尊重して内省し、自身の成長と目標達成に向けて行動するための重要な要素です。コーチはこれらの傾聴スキルを駆使して、受講者をサポートし、受講者自身のパフォーマンスやビジネス目標を達成するため思考と自信を促進することが大切です。

質問(Questioning)

質問は、傾聴した上で受講者の思考を促進し、新たな視点や洞察を引き出すためのスキルです。

適切な質問を使うことで、受講者が自身の目標や価値観、課題について深く考え、自己の成長や目標達成に向けた行動計画を策定できます。

以下では、質問に必要な主なコーチングスキルを紹介します。

1.オープンエンデッド(またはオープンエンド)クエスチョン

 オープンエンデッドクエスチョンとは、受講者にさまざまな回答の幅を与える質問手法です。コーチが受講者に具体的な答えを求めず、自由な考えを発案し、思考力を深められるようにします。

例えば「目標達成に向けてどのようなアクションを検討していますか?」や「成功を定義する上で最も重要な要素は何だと思いますか?」といった質問により受講者の考えを深めるだけでなく、コーチ自身も受講者の考える方向性を見出すことができるでしょう。

2.反射質問

反射質問とは、受講者の発言や思考に対して、その内容を反映する形で質問する技法です。これによって、受講者は自身の発言に対する本質的な振り返りと、深い考察ができます。

例えば、受講者が「私はこのプロジェクトのリーダーになるべきですか?」と言った場合、コーチは「あなたにとってリーダーになることは何を意味しますか?」と反射質問を用いて掘り下げることができます。受講者が何をどのように考え、どのようにしたいのかを深く探ったり、本質を掴むために有効な手法です。

3.強化質問

強化質問とは、受講者の強みや成功体験に焦点を当てる質問技法です。

これによって、受講者が自己肯定感や自信を高めることができます。

例えば「過去の成功体験から、あなた(受講者)のどのような能力や資質が成果に寄与したと感じますか?」や「自身の強みを活かすために、どのような状況や活動を選びますか?」といった、成功体験に基づく経験を聞き出します。これにより、受講者が自らの強みを再発見して整理し、さらに自分の仕事で活かせるようになるでしょう。

4.思考転換質問

指向転換質問とは、受講者の視点や思考の方向性を変えるための質問です。

これによって、受講者が固定観念やさまざまな制約から解放され、新たな解決策や選択肢を見つけやすくなります。

例えば「もし失敗のリスクがないとしたら、あなたは何を試してみたいですか?」や「もし時間や予算に制約がなかったら、あなたのアイデアはどう変わりますか?」といった内容で、受講者の可能性や思考力を深く判断するきっかけができるでしょう。

上記のような質問スキルは、受講者の思考を深め、洞察を得るために使用されるコーチングスキルの一例です。ビジネスコーチは、適切なタイミングと状況に応じて、これらの質問スキルを駆使して受講者をサポートし、自己の成長と目標達成に向けた探求を促すことが重要です。

承認(Acknowledgment)

承認は、受講者の思考や感情を受け入れ、尊重するスキルです。コーチは、受講者が自由に話すことができる安全な空間を提供し、受講者の意見や感情に対して偏見を持たずに受け止めることが重要です。

これにより、受講者は自己の内省や成長に向けた探求を進めることができるでしょう。

以下では、承認に必要な主なコーチングスキルを紹介します。

1.無条件の受容

コーチは、受講者の発言や感情に対して、無条件で受け入れる姿勢を持つことが大切です。

受講者が自身の考えや感情を自由に表現し、遠慮することなく話せる環境を提供することで、受講者の本質的な考え方や方向性を掴むことができるでしょう。

2.共感と表現

コーチは、受講者の状況や感情に対して共感し、理解したことを表現することが大切です。

ここで言う共感とは、受講者との共通点や感情の共有を意味し、受講者がコーチに理解されていることを感じているかが重要です。

共感を得ていると感じることで初めて受講者が自分の考えを素直に話せるようになるため、コーチングにおける共感と表現は重要なスキルの1つと言えるでしょう。

3.比較しない平等な態度

コーチという仕事においては、受講者に対して評価や批判的な意見を持たず、客観的で中立的な態度を保つことが重要です。それは、受講者が自己を開放し、自由に考えや感情を表現できるようにするためです。

そこで、コーチは誰にでも平等な態度で接し、比較や評価をしないように注意しなければなりません。

4.フィードバックの提供

コーチは受講者に対して適切なフィードバックを提供しますが、それは承認とは異なります。

フィードバックとは、成長と学びを促進するためのものであり、受講者のパフォーマンスや行動に対して具体的で建設的なアドバイスを与えることが必要です。

そこでフィードバックでは、受講者の考えを否定せず、客観的で理解しやすい内容で内省を促せる内容を提案しましょう。

このように、ビジネスコーチングにおける承認は、受講者が安心して自己を表現し、内省や成長を進めるために重要なスキルです。コーチが受講者を尊重し、肯定的な関係を築くことによって、受講者の自己肯定感や自信を高め、目標達成を促します。

「ビジネスコーチングの3原則」が成功のポイント

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ビジネスコーチングの3原則とは、双方向(インタラクティブ)・個別対応(テーラーメイド)・現在進行形(オン・ゴーイング)の3つから成ります。

ビジネスコーチングにおいては、この3つの原則を基にした取り組みを行うことが成功のポイントです。

以下で、それぞれの内容を解説します。

1.双方向(インタラクティブ)

ビジネスコーチングは、基本的に個々のビジネスパーソンにアプローチしながら、潜在的な問題や課題を含めた対応を行います。

そのため、一般的な研修にあるような、定型的な指導を行うことはありません。

コーチの役割は、個々のビジネスパーソンからヒアリングを行い、双方向に質問や疑問をぶつけながら解決策を導くことにあります。

2.個別対応(テーラーメイド)

ビジネスコーチングでは、受講者それぞれの個性に合わせたアプローチが必要です。そのため、定型的な研修や講座のようなアプローチを行わないのが特徴です。

そこでビジネスコーチングには、受講者に個別対応しながら関係性を深めることができる資質と努力が求められます。

3.現在進行形(オン・ゴーイング)

ビジネスコーチングは、受講者の問題や課題を解決するための「過程にアプローチする」のが特徴です。そのためKGIやKPIを設定し、それぞれのプロセスにおける支援を行います。

ビジネスコーチは、受講者の問題や課題を顕在化して解決策をともに考え、施策の実行にも並走します。そのため、常に「現在進行形」で業務を遂行するのが大きな特徴といえるでしょう。

ビジネスコーチング技術のまとめ

このように、ビジネスコーチングとは個々のビジネスパーソンの問題や課題を明確にし、解決に向けた施策を自走できるようにサポートすることです。

ビジネスコーチングを行うことで、定型的な作業効率を向上させるだけではなく、個人や組織全体で潜在的な問題や課題を顕在化し、解決できるスキルを身につけることができるでしょう。そのため、社内でビジネスコーチを育成する取り組みも進んでいます。

そこでもし、ビジネスコーチングに関する質問や疑問があれば、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。それぞれの企業ごとに最適なソリューションをご提供いたします。

 

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