BtoBマーケティングとは、企業間取引において「価値あるビジネスを創造し、取引先の企業に売れ続ける仕組み」を構築することです。
ただ一般的なBtoCマーケティングとは違い、企業の業種や業態によって、それぞれのマーケティング手法が大きく異なります。
実際にBtoB取引を行う企業では
このようなお悩みを抱えている企業経営者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、BtoBマーケティング戦略の流れと施策を整理し、基本事例を紹介します。
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そもそもマーケティングとは「市場におけるニーズへの理解を深め、そのニーズに合った商品やサービスの製作、広報活動を行うこと」を意味します。
そのためマーケティング活動は、業種や業態、取り扱う商品やサービスには関係なく、ビジネスにおいて必要不可欠と言えます。
その中でも、まず最初に行う「マーケティング戦略の立案」においては「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」を決める最も基本的で、最も重要な取り組みを指します。
具体的には、競合他社に対して自社製品の優位性を図りつつ「どのような顧客に」「どのような価値を」「どのように提供するか」を考えます。そして企業の最終目的として、顧客のLTV(顧客生涯価値)の向上を目指します。
マーケティング戦略が重要視される理由は、自社のリソースを最適化することで、収益の最大化を見込めるからです。
経営者の経験値や勘に頼ったビジネス展開を行っているうちは、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネなど)を浪費しているケースも少なくありません。
そこで、これらの経営資源を最大限に有効活用するために、マーケティング戦略の立案が必要となります。
また、マーケティング戦略の立案過程においては、商品やサービス、もしくは自社そのものの立ち位置が明確化できるといったメリットもあります。マーケティング戦略を立てるプロセスにおいては、業界や競合の分析を行います。そこで、自社の強みや目指すべき方向、現在の立ち位置を確認できるでしょう。
それ以外にも、マーケティング戦略は社外のステークホルダー(投資家や銀行などの利害関係者)と対等なコミュニケーションをとるためにも重要です。それは、マーケティングによる市場の分析結果を基に説得力を持った交渉ができるからです。具体的な数値や指標を示すことで、より多くの資金提供や金利の引き下げといった交渉の材料となる可能性があります。
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BtoCの場合、顧客が自社の商品やサービスを購買する目的は、所有・体験・課題解決など複数あるでしょう。しかし、BtoBの場合の購買目的は、課題解決の一点に限られます。
そこで顧客が自社製品を購入する際には、顧客の課題を解決できるロジックが必要です。
このロジックとは、顧客が抱える課題を自社がどのように解決できるかについて、論理的に説明することです。
このロジックを説明する方法として、次のような手法があります。
BtoBマーケティングを強化するには、そのプロセスが重要となります。それは、この順番を間違えると、マーケティング施策を効率よく進めることができないからです。
BtoBマーケティングのプロセスを効率化するためには、以下の順で施策の見直しや改善を図るのが効果的です。
これらの各施策におけるPDCAをしっかりと回すことが大切です。
特にCVRの改善については、認知度を上げるための広告施策を優先する企業が目立ちます。しかし、いくら認知度を上げてもCV(コンバージョン)に結びつかなければ、広告にかけるさまざまなコストが無駄になります。そこで、まずはCVRを高める施策を優先することでCPA(顧客獲得単価)を下げ、費用対効果を最大化しようとするのがこの考え方です。
以下では、BtoBマーケティングプロセスの改善ポイントについて、オンラインとオフライン別に紹介します。
以下では、オンラインとオフラインのリード獲得のための施策と改善ポイントについて紹介します。
BtoBマーケティングにおけるCVRの改善方法としては、次の8つの項目でPDCAを回すことが効果的です。
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オンラインにおける認知度拡大施策には、次のような種類があります。
上記のような手法を使い、認知度の拡大を図りましょう。
次に、オフラインにおけるBtoBマーケティングのリード獲得の手法を紹介します。オフラインのリード獲得方法には、次のような施策があります。
上記のような施策を行い、PDCAサイクルを回します。
上記のオンラインとオフラインのマーケティングで獲得したリードに対しては、次の商談に向けた施策が必要です。以下では、リード獲得から商談に向けた施策を紹介します。
商談が決まっても、1回の商談で成約するケースはほとんどありません。何度かの商談を経て見積もり金額や納期などの調整を行い、双方が合意してから契約となります。
以下では、1回目の商談から成約までの流れと、受注を増やすための施策を紹介します。
商談が終われば、受注の成否に関わらず、必ずフィードバックを行いましょう。受注に成功できた場合には、それを成功事例として営業プロセスに落とし込みます。逆に、受注できなかった場合には、その原因を精査し、次に同じような課題を持つ企業への営業活動に活かさなければなりません。
以下では、受注後にすべき施策を紹介します。
上記のようにBtoBマーケティングでは、それぞれのマーケティングプロセスにおいて、さまざまな施策があります。ただ、これらの施策をすべて実行するのではなく、自社の商品やサービス、事業形態などに合わせて活用することが大切です。
そこで以下では、BtoBマーケティングにおける最も重要なプロセスを、次の8つの施策で解説します。BtoBマーケティングでは、この8つの施策は必ず必要となるため、しっかりと確認しておきましょう。
顧客のニーズを調査する方法には、既存の顧客満足度調査や見込み顧客のニーズ調査で蓄積されたデータを分析し、顧客や見込み顧客が解決したい課題を抽出します。
既存顧客や見込み顧客の解決したい課題に対し、自社の強みを生かした製品やサービスを開発・改善します。新規で製品を開発するケースや、既存の製品をブラッシュアップするケースがありますが、いずれの場合も競合他社の製品よりも優位性を持ったものにする必要があります。
見込み顧客の獲得方法には、すでに紹介したように、展示会やセミナー、Webサイトの活用など、さまざまな手法があります。見込み顧客の獲得の際は、リードの質よりも、どれだけ効率よくアプローチしてリード獲得できるかが大切です。成約率は、リードを獲得してから向上させましょう。そうすることで、結果的に成約数を最大化できます。
リードジェネレーションに関しては「リードナーチャリングの意味や施策の事例|見込み顧客育成の効率化に役立つツールを解説」をご参照ください。
獲得した見込み顧客に対し適切な教育を行い、中長期的に信頼関係を作り上げていくことが「リードナーチャリング」です。リードナーチャリングでは、一方的な情報提供ではなく、見込み顧客が解決したい課題を調査し、その解決策の提案を行うことが重要です。BtoB企業は購買までの検討期間が長いため、中長期的なナーチャリングを行います。
リードナーチャリングに関しては「リードジェネレーションとは?見込み顧客の獲得方法を具体例で解説」をご参照ください。
育成した見込み顧客の中から、確度の高い見込み顧客を抽出して商談します。商談に当たっては、過去の成功事例を参考にしながら、精度の高い提案書で商談を繰り返しながら成約に繋げましょう。
精度の高い提案書(企画書)の書き方は「提案書の書き方|相手に伝わる構成とテンプレート作成の流れを解説」をご参照ください。
何度かの商談を重ねて受注します。BtoBの案件では1回の商談で受注できるケースが少ないため、商談を継続する間は常にフォローを行い、次の商談へと繋げることが大切です。商談は、スケジュール管理がしやすいオンライン商談を積極的に活用しましょう。
営業スキルをアップしたい方は「これだけでいい!たった3つの営業スキルとスキルアップをする方法」をご参照ください。
新規顧客が獲得できたら、その顧客を維持して優良顧客化することが大切です。これによりLTV(顧客生涯価値)を高めることは、企業の利益や売上を最大化するために非常に重要です。優良顧客となってもらうためには、新規で製品を購入するだけでなく、クロスセルやアップセルも展開しましょう。
クロスセルに関しては「クロスセルの意味とメリット、具体的な施策や成功事例を徹底解説」をご参照ください。
アップセルに関しては「アップセルで顧客単価を上げる|クロスセルとの違いや成功事例を解説」をご参照ください。
既存顧客に対して、自社の製品やサービスの満足度をアンケートやインタビューなどで調査し、自社製品が持つ課題を明確にします。そしてPDCAを適切に回して製品をブラッシュアップすることが大切です。
自社製品を購入してからのカスタマーサクセスに関しては「カスタマーサクセスの本質とは?おすすめ本と要約を紹介」をご参照ください。
このような8つのプロセスは、どのような企業にとっても必要となる工程と言えるでしょう。もし自社の事業に関係ないとお考えの方は、重要なポイントを見落としている可能性がありますので、ぜひ一度精査し直すか、アルマクリエイションにご相談ください。
このようにBtoBにおけるマーケティング戦略には、さまざまなプロセスと施策があります。これらの全てが該当する企業は少ないかもしれませんが、どの工程も企業の収益を上げるうえで重要な施策ばかりです。そこで、企業のマーケターや営業担当者の方々だけでなく、全社を上げてマーケティングに取り組むことが大切です。ぜひこの記事を参考に、自社のマーケティング戦略のPDCAを回して効率化してください。