コミュニケーション研修の具体事例7つと対象者や目的、メリットも解説
コミュニケーションとは、人と人との関係を築くために欠かせないスキルです。コミュニケーションがうまくいけば、仕事の効率や成果はもちろん、チームワークやモチベーションも高まります。
しかし、コミュニケーションがうまくいかなければ、誤解やトラブル、ストレスや不満が生じることもあります。そこで、コミュニケーション研修は、コミュニケーションの基本や応用、改善や発展などを学ぶことで、コミュニケーション能力を高めるための有効な手段の1つです。
そこで今回は、コミュニケーション研修の具体事例7つと、対象者や目的、メリットを詳しく解説します。これからコミュニケーション研修を実施される方はもちろん、興味のある方も、ぜひ参考にしてください。
コミュニケーション研修とは?対象者や課題に応じた目的も解説
コミュニケーション研修とは、社員のコミュニケーション能力を向上させるための研修です。コミュニケーション能力は、社内外の関係者とスムーズに意思疎通できることが求められるビジネスで最も大事な能力の1つと言えるでしょう。
コミュニケーション研修の目的と対象者
コミュニケーション研修の目的は、職場に必要なコミュニケーション能力を身につけることです。職場に必要なコミュニケーション能力には、相手を観察して状況を察する能力、相手を理解する能力、相手の意見に耳を傾ける能力、会話をいい方向にもっていく能力などがあります。
コミュニケーション研修の対象者は、新入社員、中堅社員、管理職など、立場や業種によって異なります。それぞれに必要な能力も異なるため、自社に適した研修内容にすることが大切です。
コミュニケーション研修の効果と具体的な方法
コミュニケーション研修によってもたらされる効果は、離職率・定着率の改善、生産性の向上、コミュニケーション力の飛躍的な成長などがあります。
コミュニケーション研修の具体例としては、コミュニケーションの傾向診断、コミュニケーションマナーの講習、話し方・聴き方の講習・トレーニングなどがあります。
コミュニケーション研修の種類と事例7つ
コミュニケーション研修の種類2つ
コミュニケーション研修には、業務遂行型と関係構築型の2つの種類があります。
業務遂行型は、報連相やロジカルコミュニケーションなど、業務上のコミュニケーションをミスなく行うためのスキルを磨くものです。
一方、関係構築型は、自己理解や他者理解などを促進し、相手との効果的な関係構築を促すものです。
コミュニケーション研修の具体事例7つ
コミュニケーション研修の事例として、以下の7つを解説します。
1.新入社員・若手社員に向けたコミュニケーション研修
新入社員・若手社員に向けたコミュニケーション研修は、ビジネスパーソンとして基礎的なスキルを身につけることを目指す研修です。
ゲームやロールプレイなどを用いて、相手と良い関係性を築く重要性や自分の思い込みに気づくことなどを学びます。
2.中堅社員に向けたコミュニケーション研修
中堅社員に向けたコミュニケーション研修は、上下左右とのコミュニケーションを通じて会社のハブとなる役割認識を深めることを目指す研修です。
上司のタイプを理解したり、現場の意見を吸い上げたり、他部署と折衝したりする方法を学びます。
3.管理職に向けたコミュニケーション研修
管理職に向けたコミュニケーション研修は、部下や部署のマネジメントに必要なコミュニケーションスキルを獲得することを目指す研修です。
部下のモチベーションやパフォーマンスを高めるためのフィードバックやコーチングなどの方法を学びます。
4.経営層に向けたコミュニケーション研修
経営層に向けたコミュニケーション研修は、組織のビジョンや戦略を明確に伝えることを目指す研修です。
組織の方向性や目標を共有し、社員の納得や共感を得るためのプレゼンテーションやストーリーテリングなどの方法を学びます。
5.海外拠点社員のコミュニケーション研修
海外拠点社員のコミュニケーション研修は、異なる文化や価値観を持つ人とのコミュニケーションをスムーズに行うことを目指す研修です。
異文化コミュニケーションの基本や注意点、グローバルコミュニケーションのスキルなどを学びます。
6.全社員に向けたコミュニケーション研修
全社員に向けたコミュニケーション研修は、社内のコミュニケーションの質を向上させることを目指す研修です。
コミュニケーションの基本や心理的安全性、チームビルディングなどを学びます。
7.職種別のコミュニケーション研修
職種別のコミュニケーション研修は、職種に応じたコミュニケーションスキルを獲得することを目指す研修です。
営業職やコールセンターなど、特定の職種に必要なコミュニケーションの方法やポイントを学びます。
コミュニケーション研修のメリットと効果
次に、コミュニケーション研修のメリットと効果について解説します。
コミュニケーション能力の向上
コミュニケーション研修では、相手の視点や状況を理解する能力、相手の意見に耳を傾ける能力、会話をいい方向にもっていく能力などを学びます。
これらの能力は、社内外の関係者とスムーズに意思疎通できることが求められるビジネスで最も大事な能力のひとつです。
コミュニケーション能力を高めることで、自分の意見を伝えられたり、相手のニーズを引き出したり、信頼関係を築いたりできるようになります。
人間関係の改善
コミュニケーション研修をすることで、社員同士の関係性が良くなります。
社員間のコミュニケーションが活発になると、情報共有が活性化されたり、トラブルを迅速に解決できたりします。
また、コミュニケーションが希薄な環境であれば、フィードバックをする側もされる側も緊張感のある状態になりますが、コミュニケーションが十分取れている環境なら、気兼ねなくフィードバックが行えるようになるでしょう。
フィードバックは人材育成に不可欠なため、積極的に行える環境づくりが重要です。
チームワークの強化
コミュニケーション研修では、チームでの課題解決やプロジェクト管理などの実践的な演習を行うことがあります。
これらの演習を通して、チームメンバーの役割や責任、目標や期待値などを明確にし、協力して仕事を進めることができるようになるでしょう。
チームワークが強化されると、業務の効率や品質が向上し、ビジネス成果にも貢献します。
ビジネス成果の向上
コミュニケーション研修を受けると、初対面の顧客と信頼関係を作る能力、相手の状況や意見を引き出すヒアリング力、相手のニーズに合わせた商品・サービスの提案力やプレゼンテーション力などを向上させることができます。
これらの能力は、顧客満足度やリピート率、売上や利益などのビジネス成果に直結するものです。コミュニケーション研修を通して、顧客との関係性を強化し、競争力の高いビジネスを展開できるようになります。
コミュニケーション研修の企画と実施のポイント
以下では、コミュニケーション研修の企画と実施のポイントについて解説します。
課題や目的を明確にする
コミュニケーション研修を実施するには、まず、自社の課題を分析することから入る必要があります。
コミュニケーションに関する問題や課題は、職場の雰囲気や人間関係、業務効率や成果などに影響を与えます。そのため、自社の現状や目指すべき状態を明確にし、コミュニケーション研修で解決したい課題や目的を設定することが重要です。
課題や目的を設定する際には、SMART原則に沿って具体的かつ測定可能なものにすることが大切です。
SMART原則とは、以下の5つの要素を満たす目標設定の方法を指します。
- Specific(具体的):何をどのように達成するのかを明確にする
- Measurable(測定可能):どのようにして達成度を測るのかを定める
- Achievable(達成可能):現実的かつ挑戦的な目標にする
- Relevant(関連性):自社のビジョンや戦略と整合性のある目標にする
- Time-bound(期限付き):いつまでに達成するのかを決める
例えば、コミュニケーション研修の目的として「社員のコミュニケーション能力を向上させる」というのは、あまりにも抽象的で測定しにくいものです。
これをSMART原則に沿って「2024年3月までに、社員のコミュニケーション能力を自己評価で平均4点以上にする」という具体的かつ測定可能な目標にすることで、研修の効果を確認しやすくなります。
研修内容や形式を選択する
課題や目的が明確になったら、次に研修内容や形式を選択します。
研修内容や形式は、研修の対象者や目標に応じて変えるのが一般的です。例えば、新入社員を対象とするなら、相手の発言の意図を理解して良好な関係を築くスキルや、自分の意見をわかりやすく伝達するスキルをトレーニングします。
一方、中堅社員や管理職を対象とするなら、部下を指導してやる気を引き出すスキルや、取引先と折衝するスキルに磨きをかけるのが理想的です。
研修内容や形式を選択する際には、以下の点に注意するとよいでしょう。
理論だけでなく実践も取り入れる
コミュニケーションスキルは、知識だけでは身につきません。実際にコミュニケーションを行う場面を想定した演習やロールプレイなどを取り入れることで、理論を実践に活かせるようにすることが大切です。
フィードバックを行う
研修の効果を高めるためには、フィードバックが欠かせません。研修中には、講師や他の参加者からのフィードバックを受けることで、自分のコミュニケーションの強みや改善点を知ることができます。
また、研修後には、自己評価やアンケートなどを行うことで、研修の効果や満足度を測ることが可能です。
継続的に学ぶ
コミュニケーションスキルは、一度の研修で完璧になるものではありません。研修で学んだことを日常の業務に活かすことが重要です。
そのため、研修後にも定期的に復習やフォローアップを行うことで、研修の定着化を図ることが必要です。
研修効果の測定と定着化を行う
研修を実施しただけでは、研修の効果は確認できません。そこで、研修効果の測定と定着化を行うことで、研修の成果を最大化することができます。
研修効果の測定と定着化を行う際には、以下の点に注意するとよいでしょう。
研修前と研修後で比較する
研修効果を測定するためには、研修前と研修後での変化を比較することが必要です。
研修前には、参加者のコミュニケーション能力や課題を把握するために、自己評価やテストなどを行います。そして、研修後には、研修で学んだことがどの程度身についたかを確認するために、再び自己評価やテストなどを行います。
これらの結果を比較することで、研修の効果を客観的に測ることが可能です。
研修の目標と照らし合わせる
研修効果を測定する際には、研修の目標と照らし合わせることが重要です。
研修の目標は、先述したように、SMART原則に沿って具体的かつ測定可能なものにすることが重要です。そして、研修の目標と照らし合わせることで、研修の効果を定量的に評価することができます。
研修の改善点を見つける
研修効果を測定することで、研修の改善点も見つけることができます。
研修の効果が十分でなかった場合や、参加者の満足度が低かった場合は、研修の内容や形式、期間などを見直す必要があります。
研修の改善点を見つけることで、次回の研修の企画と実施に活かすことができるでしょう。
コミュニケーション研修のまとめ
このように、コミュニケーション研修は、企業の人材にさまざまな効果をもたらす重要な取り組みです。
ただし、対象とする人材の役職やレベル、職種などによって、研修内容が異なります。
そのため、効果的な研修を施すには、より細分化した研修内容を準備する必要があるでしょう。
そこで、もしコミュニケーション研修のやり方や内容に疑問や質問のある方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。
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