ディベートとは?ビジネスに必要な論理的思考と批判的思考の鍛え方を解説
ディベートとは、ある公的な主題について、賛成派と反対派に分かれて議論することです。ディベートでは、自分の意見を根拠や論理で支えたり、相手の意見に疑問や反論を投げかけたりします。
ビジネスの現場では、さまざまな問題に対して自分の意見を論理的に説明したり、相手の意見に反論したりする能力が求められます。しかし、論理的思考や批判的思考は、学校や社会で十分に教えられているとは言えません。
この点において、ディベートは、自分の考えを整理し、相手の考えを理解し、より良い答えを探すための効果的な学習法と言えるでしょう。
そこで今回は、ディベートとビジネスに必要な論理的思考と批判的思考の鍛え方を解説します。社員教育や自己研鑽に必要なスキルに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
ディベートとは?ディベートの定義と種類
ディベートとは、ある公的な主題について、賛成派と反対派に分かれて議論することです。
ディベートでは、自分の意見を論理的に説明し、相手の意見に反論したり質問したりするため、コミュニケーションスキルや批判的思考力を高める効果があります。
また、ディベートにはさまざまな種類がありますが、主に以下の要素によって分類されるのが一般的です。
ディベートの目的による分類
ディベートの目的は、教育や研修、競技や娯楽、政治や司法などさまざまです。
そして、ディベートの目的によって、ディベートのテーマや形式、評価基準などが変わります。
ディベートの形式による分類
ディベートの形式は、参加者の人数やチーム数、立場や役割、発言時間や順序などによって異なります。
ディベートの形式には、一対一や二対二などの個人戦や団体戦、賛成派と反対派だけでなく中立派も存在する三者間ディベート、議長や質問者などの役割があるパーラメンタリーディベートなどがあります。
ディベートのスタイルによる分類
ディベートのスタイルは、ディベートのテーマや資料、発言内容や方法などによって区別されます。
ディベートのスタイルには、事前にテーマと資料が与えられる準備型ディベートと、当日にテーマが発表される即興型ディベートがあります。
また、発言内容や方法によっては、論理的で客観的なアカデミックディベートと、感情的で主観的なポピュラーディベートに分けることができるでしょう。
以上のように、ディベートは多種多様な活動です。しかし、どんな種類のディベートにも共通することは、自分の意見を明確に伝えることと、相手の意見を尊重することです。
そのため、ディベートを繰り返すことで、自分の考えを深めたり、他者の考えを理解したりする能力を鍛えることができます。
ディベートの効果とメリット
ディベートを行うことで、自分の意見や考えを明確に伝える能力を高めることが可能です。ビジネスでは、ターゲットとなる顧客やリードに対して、自分の商品やサービスの価値やメリットを効果的に伝えることが重要です。
ディベートでは、自分の主張を根拠や論理で裏付けることが求められますが、これは自分の商品やサービスの特徴や利点を具体的に示すことに役立ちます。
また、ディベートは相手の意見や考えを理解し、反論する能力を高めるのにも効果的です。ビジネスでは、競合他社や顧客のニーズや疑問に対して、自分の商品やサービスの優位性や解決策を提示することが重要です。ディベートを繰り返すことで、自分の商品やサービスの差別化や付加価値を示すことに役立つでしょう。
そのほかにも、ディベートは自分の意見や考えを柔軟に変える能力を高めます。近年のビジネスシーンでは、市場や顧客の動向や要望に応じて、自分の商品やサービスの改善や改良を行うことが重要です。ディベートでは、相手の主張に対して自分の主張を修正したり、新たな視点を提供したりすることが求められるため、自分の商品やサービスの革新や進化を促すことに役立つでしょう。
以上のように、ディベートは、ビジネスにおいて有用なスキルや知識を身につけることができる活動の1つです。
ディベートは、自分の意見や考えを表現し、相手の意見や考えに対応し、自分の意見や考えを発展させることができるプロセスであるため、ディベートを通じて得られるビジネスへの効果やメリットは大きいと言えるでしょう。
ビジネスに必要な論理的思考と批判的思考
上記のように、ビジネスでは論理的思考や批判的思考を持つことが重要です。以下では、ビジネスに必要な論理的思考と批判的思考について解説します。
論理的思考とは
ビジネスに必要な論理的思考とは、物事を体系的に捉え、筋道を立てて考える力のことです。
論理的思考を身につけることで、問題や課題を正しく分析し、効果的な解決策や意思決定を行うことができます。また、論理的思考は、相手に自分の考えや主張をわかりやすく伝えるコミュニケーション能力にもつながります。
論理的思考を磨くためには、以下のような方法があります。
- 仕事を「目的・インプット・成果物・関係者・効率」の5つの要素に分解して考える
- 結論から話し、根拠や理由を説明する「CCF(Conclusion Comes First)」の法則を守る
- 物事や情報に対して疑問を投げかけ、客観的な視点で思考する「批判的思考」を行う
- 物事や問題に対して前提に捉われない、新しい価値や方法を思考する「水平思考」を行う
論理的思考は、ビジネスパーソンの基礎力として欠かせないスキルです。日々の業務にディベートを取り入れ、論理的思考を意識することで、自己成長が可能です。
批判的思考とは
ビジネスに必要な批判的思考とは、物事を客観的に評価し、論理的に考える能力のことです。
批判的思考を身につけることで、問題解決や意思決定、リーダーシップなどのビジネススキルが向上します。
批判的思考は、以下のようなステップで行うことができます。
1.情報収集と分析
問題を理解するために必要な情報を収集し、信頼性や妥当性を検証します。
2.仮説の構築
情報をもとに問題の原因や解決策の仮説を立てます。
3.論証と論理的な考察
仮説を検証し、データや事実に基づいた論理的な議論を行います。
4.結論を導き出す
分析結果に基づいて最適な結論を導き出します。
批判的思考を磨くためには、ディベートへの参加が有効です。批判的思考は、ビジネスだけでなく社会や人生においても役立つ思考法です。
ディベートを円滑にするためのルール5つ
ディベートを円滑にするためのルールとして、以下のようなものがあります。
1.ディベートのテーマを決める
ディベートのテーマは、賛成派と反対派に分かれて議論できるものを選びましょう。例えば「日本は核兵器を持つべきである」というテーマは、賛成する理由と反対する理由が両方考えられるため、ディベートに適しています。
2.ディベートの時間を決める
ディベートでは、各パートに制限時間を設けることが重要です。例えば立論は5分、質疑は3分、反駁は4分、最終弁論は2分といった具合です。時間を決めることで、発言者はポイントを明確にし、聞き手は注意力を保つことができます。
3.主張の根拠と理由の示す
ディベートでは、自分の主張には必ず根拠と理由を示す必要があります。根拠は客観的なデータや事実であり、理由はその根拠と主張を結びつける論理です。例えば「日本は核兵器を持つべきである」と主張する場合は「核兵器保有国は他国からの侵略を防げる」という根拠と「日本は他国からの侵略を防ぐ必要がある」という理由を示す必要があります。
4.ディベートの内容と人格を切り離す
ディベートでは、内容と人格を切り離すことが最も重要なポイントです。相手の意見に対して批判や反論をすることは構いませんが、相手の人格や感情に対して攻撃したり侮辱したりすることは絶対に禁止です。例えば「日本は核兵器を持つべきでない」と主張する場合「核兵器保有国は非人道的である」という批判は内容に関するものですが「核兵器保有国を支持する人は愚かである」という攻撃は人格に関するものとなるため注意が必要です。
5.ディベートの記録を取る
ディベートでは、発言や意見の記録を取ることも重要です。ディベート専用のメモ用紙(フローシート)を使って、自分や相手の主張や根拠や理由を書き留めることが重要です。フローシートを書くことで、ディベートの流れやポイントを把握しやすくなります。
以上が、ディベートを円滑にするためのルールです。ディベートはルールに従って行われる討論ゲームであるため、上記のルールを守ることが必須です。
ディベートの進め方5つ
ディベートとは、特定のテーマについて賛成派と反対派に分かれて論理的に意見を述べ合い、どちらが正しいかを第三者が判定する討論ゲームです。
ディベートの進め方は、以下のようになります。
1.テーマを選ぶ
まずは、論争可能なテーマを選びましょう。
2.肯定派と反対派に別れる
肯定派と反対派に分かれて、それぞれの立場から自分たちの主張と根拠を明確に述べます。主張と根拠は、相手に反証の機会を与えるため、立論で提示しなければなりません。立論で提示されなかった新しい主張や根拠は無効となります。
3.質疑応答する
相手の立論に対して、問題点や疑問点を質問し、相手の論理に矛盾がある点を攻撃します。質問された側はそれに応答します。質疑は、一問一答形式で行い、質問する側が時間管理の権利を持ちます。
4.批判と反論を行う
相手の意見に対する批判や相手から受けた批判に対する反論を行います。相手から質疑や尋問を受けたものの答えられなかったものに対しては、このパートで回答します。
5.討論の内容に基づいた結論を出す
最終的に自分たちの論理の正しさを整理して述べ、相手側の論理を否定し、自分たちの論理の優位性を聴衆に訴えます。最終弁論では新しい主張や根拠を出すことは認められず、また単純な立論のリピートにならないようにします。
ビジネスシーンにおけるディベートの活用事例
ディベートは、ビジネスに必要なスキルや知識を身につける効果的な手法の1つです。ビジネスシーンにおけるディベートの活用事例としては、以下のようなものがあります。
新規事業やプロジェクトのメリットやリスクの検証
ディベートは、新規事業やプロジェクトの企画段階で、メリットやリスクを検証するのに役立ちます。
例えば「AIを活用した自動翻訳サービスを開発するべきである」というテーマで、賛成派と反対派に分かれて議論することで、市場ニーズや競合分析、技術的課題などを明らかにすることが可能です。
企業の意思決定の前に複数の選択肢を比較検討する
経営戦略や方針に関する意思決定の前に、ディベートを使って複数の選択肢を比較検討することができます。
例えば「海外進出はアジア市場から始めるべきである」というテーマで、アジア市場の魅力や課題、他の地域との比較などを論じることで、最適な戦略を導き出せるでしょう。
コミュニケーション能力やロジカルシンキング能力を高める
社内研修や勉強会などでディベートを行い、コミュニケーション能力やロジカルシンキング能力を高めることが可能です。
例えば「リモートワークは生産性を向上させる」というテーマでリモートワークのメリットやデメリット、効果的な方法などを議論することで、自分の意見を論理的に伝えるスキルや相手の意見に対応するスキルを身につけることができるでしょう。
ビジネスにディベートを活用する際の注意点
ディベートを行う際は、あくまでもゲームであるという前提を明確にし、参加者が意見を出しやすいようにすることが重要です。ディベートは勝ち負けや論破ではなく、問題解決や学習のための手段であることを忘れないでください。
また、ディベートは自分の立場に固執するのではなく、相手の立場や視点も尊重することです。ディベートは互いに意見を交わすことで、新たな発見や気づきが生まれる可能性があります。相手の意見に対してもオープンマインドで聞くことが大切です。
このように、ディベートは自分の意見や根拠を正確かつ分かりやすく伝えることです。ディベートでは、自分の主張だけでなく、相手の主張に対する反論や批判も行います。その際には、客観的なデータや事実を用いて、論理的かつ説得力のある発言を心がけることが重要です。
ビジネスに役立つディベートのまとめ
このように、会社でディベートを繰り返し行うことは、営業やマーケティングスキルを向上させる上で重要です。
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