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エンゲージメントを高めるための5つの方法とは?企業事例やメリットまで解説

従業員のエンゲージメントの低さに悩んでいませんか?

生産性の低下や離職率の上昇、企業イメージの悪化など、エンゲージメントの低下は企業に大きな影響を及ぼします。

しかし、適切な方法でエンゲージメントを高めることで、これらの問題を解決できるでしょう。

本記事では、エンゲージメントの概要から、高めるメリット、成功企業の事例まで詳しく解説しています。

さらに、あなたの会社でも実践できる5つの具体的な方法も紹介します。

従業員のエンゲージメントを高めるための施策を探している方は、ぜひ参考にしてください。

エンゲージメントとは何か?

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エンゲージメントとは、「約束・関与・熱意」といった意味を持つ英単語「Engagement」がビジネスシーンで用いられる言葉です。

具体的には、従業員が会社に対して抱く「愛着心」「愛社精神」「思い入れの強さ」などを指します。

従業員が会社に対して高いエンゲージメントを持っている状態とは、「この会社で働けて良かった」「この会社に貢献したい」などの気持ちを持ち、主体的に仕事に取り組んでいる状態です。

一方、エンゲージメントが低い状態とは、「この会社で働くことに意味があるのだろうか」「早く転職したい」などの気持ちを持ち、仕事への意欲が低下している状態です。

エンゲージメントは、企業にとって重要な要素であり、積極的に向上に取り組む必要があります。

従業員一人ひとりが「この会社で働いて良かった」と感じられるような職場環境をつくることで、企業は持続的な成長を遂げられるでしょう。

エンゲージメントとモチベーションの違い

モチベーションとは、何か行動を起こすための動機や欲求を指します。

例えば、「昇給したい」「スキルアップしたい」「認められたい」といった、個人の目標や欲求に基づいて行動を起こす原動力がモチベーションです。

一方、エンゲージメントは、単なるモチベーションを超え、組織や仕事への深い関わりや所属意識を示す指標として位置付けられます。

組織の一員として貢献したい、目標達成のために力を尽くしたいなどの気持ちが強く、主体的な行動が特徴です。

モチベーションは内発的なものと外発的なものに分けられます。

内発的モチベーションは、自分自身の興味や関心に基づいて行動を起こすものであり、持続性が高いのが特徴です。

一方、外発的モチベーションは、報酬や評価など、外部からの刺激によって行動を起こすものであり、一時的なものであることが多いです。

エンゲージメントは、内発的モチベーションと密接に関係しています。

組織や仕事に意味や価値を見出すことができると、自発的に、主体的に貢献しようという気持ちが生まれ、エンゲージメントが高まります。

モチベーションは個人の問題であるのに対し、エンゲージメントは組織と個人の双方にとって重要な課題です。

エンゲージメントを高めることで、従業員の生産性や創造性の向上、離職率の低下など、組織全体に好影響をもたらすことが期待できます。

エンゲージメントを調査する方法は?

エンゲージメントを調査する方法はいくつかありますが、代表的なものは以下の2種類です。

項目

パルスサーベイ

センサスサーベイ

特徴

  • 5~15問程度の短いアンケートを、週1回~月1回程度の短いスパンで繰り返し実施
  • 脈拍のように、リアルタイムな状況を把握
  • 50~150問程度の設問を含むアンケートを、半年~1年に1回程度実施
  • 潜在的な問題まで把握できる包括的な調査

メリット

  • リアルタイムな状況把握が可能
  • 回答の負担が少ない
  • 調査・集計・分析がスピーディ
  • 習慣化しやすい
  • 1回あたりの費用が比較的安い
  • 包括的かつ多面的な調査が可能
  • 詳細な状況把握が可能
  • 頻度が低く、担当者の負担が少ない
  • 対策検討や実行に十分な時間をとれる
  • 年次・半年間隔で比較ができる

デメリット

  • 分析に時間がかかる
  • 課題が多く、施策の実施までに時間がかかりやすい
  • 回答率が低くなりやすい
  • 集計担当の負担が大きい
  • 1回あたりの費用が比較的高い
  • 回答者の負担増加
  • 分析にかかる時間とコストの増加

どちらの調査方法を選ぶべきかは、調査目的や組織の規模によって異なります。

リアルタイムな状況把握や、細かな変化の把握を目的とする場合はパルスサーベイ、詳細な分析や課題の多角的な把握を目的とする場合は、センサスサーベイが適しています。

また、組織規模が大きい場合は、センサスサーベイの方が全体像を把握しやすいでしょう。

重要なのは、調査目的を明確に定め、それに合った調査方法の選択です。

必要に応じて、パルスサーベイとセンサスサーベイを組み合わせるのも有効です。

エンゲージメントを高めるメリット

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エンゲージメントを高めるメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 生産性の向上
  • 離職率の低下
  • 企業イメージの向上
  •  

それぞれ詳しく見ていきましょう。

生産性の向上

従業員のエンゲージメントが高まると、企業の生産性が飛躍的に向上します。

エンゲージメントの高い従業員は、自分の仕事に誇りを持ち、より集中して業務に取り組むようになるからです。

また、仕事の質も向上するでしょう。

細部まで注意を払い、ミスを減らすことで、やり直しの時間が削減されます。

エンゲージメントの高い従業員は、業務改善にも積極的です。

非効率な作業プロセスを見直し、より効率的な方法を提案するでしょう。

離職率の低下

従業員エンゲージメントを高めることで、離職率は低下しやすくなります。

エンゲージメントの高い従業員は、自社に対する理解と信頼が深まり、長期的なキャリアを描くようになるからです。

これにより、優秀な人材の流出を防ぐことができます。

離職率の低下は、企業にとって以下のような利点があります。

  • 優秀な人材の流出を防ぐ
  • 採用にかかる時間と費用を削減できる
  • 新入社員の教育・研修コストが抑えられる
  •  

安定した職場環境は、残った従業員のモチベーションにも好影響を与え、組織全体の生産性が向上し、企業の持続的な成長を支える基盤となるでしょう。

企業イメージの向上

従業員エンゲージメントを高めることは、企業イメージの向上に貢献します。

エンゲージメントが高い従業員は、自社の商品やサービスに誇りを持ち、積極的に顧客にアピールしてくれます。

また、SNSなどで自社の良いところを発信したり、友人や知人に紹介したりするなど、企業の広報活動にも貢献してくれるでしょう。

さらに、エンゲージメントが高い従業員は、顧客対応でも丁寧で親切な接客を心がけ、顧客満足度の向上にもつながります。

エンゲージメントが高い企業の事例

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エンゲージメントを高めることに成功した企業の事例を3社紹介します。

Google

Googleは、世界で最も働きやすい企業として知られています。

高いエンゲージメントを実現している要因の一つが、「社員同士の交流を促進するオフィス設計」と「グーグリー文化」です。

交流を促すオフィス設計

Googleのオフィスは、「偶然の出会い」を促すような設計が特徴です。

各フロアには、飲食できる簡易キッチンが数か所ずつ用意されており、それぞれに異なる種類のお菓子や飲み物が用意されています。

社員は、必要なものを求めてキッチンへ行くことで、自然と他部署の社員と顔を合わせ、交流する機会が増えるため、部署を超えたコミュニケーションを促進し、対話と相互理解を深める効果があります。

雑談やちょっとした情報交換から、新しいアイデアが生まれたり、社内の風通しが良くなったりするなど、エンゲージメント向上に貢献していると言えるでしょう。

独自の企業文化「グーグリー」

Googleは、「グーグリー」と呼ばれる独自の企業文化を大切にしています。

Googleはフラットな組織体制を築いており、役職に関係なく、誰でも自由に意見を述べることが可能です。

オープンな風土は、社員のエンゲージメントを高め、主体的に仕事に取り組む姿勢につながっていると考えられます。

スターバックス

カフェ事業で世界的な知名度を誇るスターバックスコーヒージャパン株式会社は、従業員エンゲージメントの高さでも代表的な企業として挙げられます。

同社では、従業員一人ひとりが自発的に考え、行動することを強く推奨しており、そのユニークな社風は多くの人の関心を集めています。

その最大の特徴は、「ミッション&バリュー」に基づいた、従業員一人ひとりがオーナーシップを持って働く環境です。

「ミッション&バリューズ」

スターバックスには、サービスに関する詳細なマニュアルが存在せず、コーヒーの淹れ方にも基本的な手順以外は定められていません。

接客方法も、従業員がそれぞれ自由に工夫することが求められています。

「Learner-driven」な働き方

スターバックスでは、「Learner-driven(学習者主体)」の考え方を重視しています。

店長やスーパーバイザーは、従業員に対して指示を出すのではなく、質問を投げかけることで、自ら考え行動するような指導方法がスターバックスの特徴です。

店長や時間帯責任者は、従業員に対して指示を与えるのではなく、「いまの接客はなぜうまくいったと思いますか?」「これから磨きたいのはどんな力ですか?」などと問いかけることで、主体的な思考と成長を促します。

小松製作所

小松製作所は、従業員エンゲージメント向上に成功した企業の好例です。

同社は、全世界の社員で共有すべき価値観を「コマツウェイ」として明文化し、社員への浸透を図っています。

取り組みの特徴は、階層別の教育研修です。

海外現地法人の経営層候補者から新入社員、中堅社員まで、各階層に合わせたコマツウェイ研修を実施しています。

さらに、国内外のグループ企業を含めた定期的なエンゲージメントサーベイの実施により、継続的な改善を図っています。

エンゲージメントを高める5つの方法

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エンゲージメントを高めるための方法には、以下の5つの方法が挙げられます。

  • 経営理念やビジョンの共有
  • オープンなコミュニケーションを促進する
  • 報酬と福利厚生の充実
  • 従業員のウェルビーイングをサポート
  • ライフワークバランス
  •  

それぞれ詳しく説明します。

経営理念やビジョンの共有

経営理念やビジョンは、企業が何のために存在し、何を成し遂げようとしているのかを明確にしたものです。

経営理念やビジョンを社員と共有すれば、社員は自身の仕事が会社の目標達成にどのように貢献しているのかを理解できます。

また、会社の方向性と自身の価値観が一致していると感じることで、仕事への意欲やモチベーションが高まります。

経営理念やビジョンを共有するための方法はさまざまです。

例えば、経営者や役員による講演会、研修プログラム、社内報やイントラネットでの情報発信などが考えられます。

オープンなコミュニケーションを促進

エンゲージメントを高めるためには、従業員とオープンなコミュニケーションを図ることが不可欠です。

経営者や管理者は、従業員の意見やアイデアに耳を傾け、積極的に対話する機会を設けることが重要です。

具体的には、以下のような施策が挙げられます。

  • 1on1ミーティング
  • 社内アンケート
  • アイデア箱
  • 社内SNS
  • 定期的なミーティングを開催
  •  

オープンなコミュニケーションは、従業員エンゲージメントを高めるだけではなく、イノベーションの創出や業績向上にもつながります。

自社の状況に合わせて、さまざまな方法を組み合わせて、オープンなコミュニケーションを促進していきましょう。

報酬と福利厚生の充実

従業員のエンゲージメントを高めるためには、報酬と福利厚生制度の充実が欠かせません。 

単に給与を上げるだけではなく、従業員のニーズに合わせた多様な制度の整備は、企業への帰属意識にもつながります。

具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

  • 業績や貢献度に応じた給与体系
  • 賞与やインセンティブ制度
  • 育児・介護休暇制度
  • スキルアップ支援制度
  •  

報酬や福利厚生制度は、定期的に見直しを行い、時代の変化や従業員のニーズに合わせて改善していくことが重要です。

上記以外にも、エンゲージメントを高める方法はたくさんあります。 

企業は、自社の状況に合わせて、さまざまな施策を組み合わせることで、従業員のエンゲージメントを高めるための努力をし続ける必要があります。

従業員のウェルビーイングをサポート

従業員のウェルビーイングをサポートすることは、エンゲージメントを高める重要な方法の一つです。

ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態を指します。

企業が従業員のウェルビーイングに配慮すれば、従業員の満足度と生産性が向上し、結果としてエンゲージメントが高まります。

サポート方法の具体例は、以下のとおりです。

  • 健康管理プログラムの導入
  • 定期的な健康診断や運動促進キャンペーン
  • ストレス管理セミナーやカウンセリングサービス
  • フレックスタイム制や在宅勤務制度の導入
  • 有給休暇の取得促進
  • 快適なオフィス空間の創出
  • 休憩スペースの充実
  •  

他にも、社内コミュニケーションの活性化も、ウェルビーイングサポートの一環です。

定期的な社内イベントやチームビルディング活動を通じて、従業員同士の関係性を深め、互いにサポートし合える職場文化を構築します。

自社の課題に合わせて、少しずつでも取り入れていくことが大切です。

ライフワークバランス

仕事とプライベートの両立を図るライフワークバランスは、従業員のエンゲージメントを高める重要な要素の一つに挙げられます。

ワークライフバランスが整っていない状態では、長時間労働によるストレスや疲労蓄積、私生活への影響などが生じ、仕事への集中力やモチベーションの低下を招きます。

一方、ワークライフバランスが充実していると、心身ともに健康で活き活きとした状態を保てるため、仕事への意欲や創造性も向上します。

ワークライフバランスを実現するためには、制度や環境面の整備に加え、従業員一人ひとりの意識改革も必要です。

企業は、柔軟な勤務制度や休暇制度の導入、テレワーク制度の活用、長時間労働の抑制など、さまざまな施策を講じることで、従業員のワークライフバランスを支援できます。

まとめ

エンゲージメントとは、従業員が仕事に深く関与し、組織の一員として貢献しようとする意欲と熱意のことを指します。

これは、単なるモチベーションとは異なり、仕事を通して成長したい、貢献したいという強い思いを含むものです。

エンゲージメントを高めることは、企業にとって多くのメリットをもたらします。

エンゲージメントは、企業にとって重要な経営指標の一つです。

従業員のエンゲージメントを高めることで、組織全体の活力を高め、業績向上につなげられます。

今回紹介した方法を参考に、ぜひ自社に合った取り組みを進めてみてください。

そこでもし、従業員エンゲージメントに関する疑問や質問のある方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

 

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