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社内図書館の仕組みとルールの決め方|運用の仕方や企業のメリットも解説

社内図書館というと、本を借りて読むだけの場所と思われがちですが、実はそれだけではありません。

社内図書館は、社員の知識やスキルの向上、コミュニケーションの活性化、企業文化の醸成など、さまざまなメリットをもたらすことができる重要な場所です。そのため、近年は、先進的な多くの企業が社内図書館を充実させています。

しかし、社内図書館を運用するのに、どのような仕組みやルールが必要かがわからないという方も多いのではないでしょうか。また、社内図書館の効果を最大限に引き出すには、どのような工夫が必要なのかも知っておくことが重要です。

そこで今回は、社内図書館の仕組みとルールの決め方や、効果的な運用の仕方、企業のメリットなども徹底解説します。これから社内図書館を始めたいと考えている方や、すでに運用している方も、ぜひ参考にしてください。

社内図書館とは?社内図書館の目的やメリット

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社内図書館とは、企業が本棚と書籍・スペースを用意して、社員ならいつでもそこにある書籍を自由にレンタルできる制度のことです。

社内図書館を導入する目的は、主に以下のようなものがあります。

社員の能力向上に役立つ

読書によって得た知識は、テレビやインターネットで得た知識より深まるという効果があると言われています。そのため、社内図書館に置かれる書籍の種類は、業務に関する専門書をはじめ、業務に関する資格取得のための勉強用の書籍や自己啓発本、話題の新刊などさまざまです。

社員のモチベーション向上に役立つ

仕事で行き詰まった時や気持ちを切り替えたい時に、読みたい本を集中して読むことで気分がリセットされ、モチベーションを下げずに働くことができます。

また、先輩社員や上司が役に立った本を紹介してもらい読むことで、課題や問題の解決方法のヒントが見つかれば、仕事に取り組む意欲が高まるでしょう。

社員のコミュニケーション活性化に繋がる

部署がいくつもあるような会社では、他の部署とのコミュニケーションがなかなか取れないものです。しかし、社内図書館を導入して椅子やテーブルを設置すれば、さまざまな部署の社員同士が集まり、新たな交流が生まれます。

そこで、各部署の誰もが行きやすい場所へ図書館を設置するのが効果的です。また、社内図書館には業務に関する専門書や業界誌の他に、世間で話題になっている業務とは関係のない分野の本を置くと、社員が新しい分野を開拓できる可能性もあるでしょう。

社内図書館を設置するために必要な仕組みとやり方

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以下では、社内図書館の設置を進めるための仕組みについて解説します。

本の選定方法

社内図書館に置く本は、業務に関する専門書や自己啓発本、資格勉強用の書籍など、社員の自己研鑽や知識の習得に役立つものを中心に選ぶのが基本です。

また、話題の新刊や漫画など、社員の興味やリフレッシュにつながるものも用意すると良いでしょう。

本の選定には、社員からのリクエストや推薦を参考にしたり、図書委員会やブックディレクターなどを設けたりするのがおすすめです。

本棚などの備品の設置方法

社内図書館には、本棚やテーブル、椅子などの備品を設置しましょう。

本棚は、本のジャンルやテーマごとに分類して整理し、見やすく並べます。また、テーブルや椅子は、社員が本を読んだり、本について話したりできるスペースとして用意するのがおすすめです。

本棚や備品の配置は、オフィスの空きスペースやカフェスペースなどを利用する方法や、オフィスの一角や専用の部屋を用意することもあります。

貸出ルールの決め方

社内図書館の本は、できるだけ社員が自由に借りたり、返却できたりするように配慮しましょう。貸出ルールとしては、貸出期間や貸出可能冊数などを設定して、貸出簿や管理番号で貸出状況を記録します。

貸出簿は、本棚に置いたり、社内チャットで報告したりするのがおすすめです。

管理方法の選択

社内図書館の本は、適切に管理する必要があります。管理方法としては、紙媒体やアプリなどを利用しましょう。

紙媒体を使う場合は、本にバーコードやラベルを貼って、貸出簿や台帳に記入します。一方、アプリを使う場合は、本の情報を登録して貸出や返却をスマホやPCで管理します。

アプリを使うと、貸出作業が簡単になり、貸出状況をリアルタイムに把握できるのがメリットです。

社内図書館のルールの決め方

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社内図書館の利用に関するルールの決め方については、以下のような項目で設定するのがおすすめです。

貸出期間

社内図書館の本は、一度に2週間まで貸し出すのが一般的です。貸出期間が過ぎた場合は、速やかに返却するように促しましょう。

また、貸出期間を延長したい場合は、貸出簿やアプリで申請してもらいます。貸出期間の延長は、他の社員からの予約がない場合に限り、1回まで可能とするのがおすすめです。

貸出冊数

社内図書館の本は、一度に3冊まで貸し出すのがおすすめです。貸出冊数を超えた場合は、返却するか、他の社員に譲ってもらうように促します。

また、貸出冊数を増やしたい場合は、図書委員会やブックディレクターに相談してもらいましょう。貸出冊数の増加は、本の種類や目的に応じて個別に判断します。

返却方法

社内図書館の本は、貸出簿やアプリで返却を記録した後、本棚に戻してもらいましょう。

本棚には、本のジャンルやテーマごとに分類された区画を設けます。返却する本は、区画に合わせて整然と並べるのが基本です。

返却する本の場所が見当たらない場合は、図書委員会やブックディレクターに連絡してもらいます。

遅延や紛失への対処

社内図書館の本は、貸出期間や冊数を守って利用してもらいます。なお、遅延や紛失が発生した場合は、以下のように対処しましょう。

返却に遅延した場合

遅延した本は、できるだけ早く返却してもらいます。遅延の理由や期間に応じて、図書委員会やブックディレクターから注意や指導を行います。

なお、遅延が頻繁に発生する場合は、当該社員への社内図書館の利用を制限することを検討しましょう。

本を紛失した場合

紛失した本は、同じ本を購入して返却してもらいます。また、紛失の理由や状況に応じて、図書委員会やブックディレクターから謝罪や賠償を求められるように規定を設けることも重要です。

紛失が故意や重大な過失による場合は、当該社員の社内図書館の利用を禁止することも検討しましょう。

社内図書館の運用の仕方

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ここでは、社内図書館の運用を円滑にするための工夫やツールについて解説します。

貸出簿

貸出簿は、社内図書館の本の貸出や返却を記録するためのツールです。貸出簿は最も一般的な管理方法で、紙媒体の形式で作成するのが一般的です。

貸出簿には、本のタイトルや著者、貸出者の名前や部署、貸出日や返却日などの情報を記入します。貸出簿を使うことで、本の貸出状況を把握しやすくなり、遅延や紛失の防止にも役立ちます。

アプリ

アプリとは、社内図書館の本の管理や貸出を行うための専用アプリのことです。アプリは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスで利用できます。

アプリには、本の情報を登録して、貸出や返却を操作できる機能があります。アプリを使うことで、貸出作業が簡単になり、貸出状況をリアルタイムに把握できるのがメリットです。また、アプリの種類や機能によっては、本の感想やレビューを投稿したり、他の社員と本について話したりできる機能もあります。

社内報

社内報は、社内図書館の本の紹介やおすすめを行うためのツールです。社内報は、紙媒体や電子媒体などの形式で発行できます。

社内報には、社内図書館にある本の内容や特徴、読んだ感想や評価などの情報を掲載しましょう。社内報を使うことで、社員に本の魅力や価値を伝えることができます。また、社員からの本のリクエストや推薦を募ったり、本に関するコラムやインタビューを掲載したりすることも可能です。

社内図書館の効果測定の仕方

社内図書館の効果測定の仕方は、以下のようなステップに分けられます。

1.目的と目標を設定する

社内図書館の導入や運営には、さまざまな目的があるでしょう。例えば、社員の自己研鑽や知識共有、コミュニケーション促進、出社率向上、ブランディングなどです。

それらの目的を明確にし、それに沿った具体的で測定可能な目標を設定します。例えば、貸出冊数や利用者数、満足度や成果物の数などです。

2.データを収集する

目標に対応したデータを収集する方法を決めます。例えば、貸出簿やアプリを使って貸出状況を記録したり、アンケートやインタビューを実施して利用者の意見や感想を聞いたり、社員の業務成果や評価を調べたりする方法です。

データの収集は定期的に行い、できるだけ正確で客観的なものにするのがポイントです。

3.データを分析する 

収集したデータを分析し、目標に対する達成度や効果の有無を判断します。例えば、貸出冊数や利用者数が目標を上回っているか、満足度や成果物の数が向上しているか、目的と関連する指標が改善しているかなどです。

データの分析には、統計的な手法や視覚的な表現を用いるとわかりやすくなります。

4.フィードバックを行う 

分析した結果を報告し、フィードバックを行います。報告は、社内図書館の関係者や利用者、経営層などに対して行い、効果や課題を伝えましょう。

一方、フィードバックは、社内図書館の改善や改革のために行い、次の計画や行動に反映させます。例えば、書籍のラインナップや貸出ルールの見直し、利用促進の施策や評価方法の改善などです。

社内図書館の改善方法

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社内図書館の改善方法には、以下のような例が考えられます。

書籍のラインナップを見直す 

貸出状況やアンケートの結果から、社員のニーズや嗜好に合わない書籍や、古くて需要の低い書籍があることがわかります。そして、これらの書籍は社内図書館のスペースや予算をとるものの、効果的に活用されているとはいえません。

そこで、これらの書籍を整理し、社員の関心やトレンドに沿った書籍や、業務に役立つ書籍を新たに購入しましょう。また、社員からのリクエストや推薦を受け付ける仕組みを設けることで、社員の参加意識や満足度を高めることもできます。

貸出ルールを見直す 

貸出簿やアプリの記録から、社内図書館の貸出ルールが守られていないことがわかります。例えば、貸出期間の超過や返却の遅延、紛失や破損などです。

これらの問題は、社内図書館の運営を妨げ、他の利用者の不満や不利益を招きます。

そこで、貸出ルールを見直し、遵守を提案しましょう。例えば、貸出期間や冊数の制限を厳格にする、返却期限のリマインダーを送る、違反者に対するペナルティを設ける、貸出履歴や評価を公開するなどです。

利用促進の施策を実施する 

アンケートやインタビューの結果から、社内図書館の存在や魅力に気づいていない社員や、利用する機会や時間がない社員が多いことがわかります。これらの社員は、社内図書館の効果を享受できていません。

そこで、利用促進の施策を提案しましょう。例えば、社内図書館のPRや紹介を強化する、読書会やブックレビューなどのイベントを開催する、読書時間や読書休暇などの制度を設けるなどです。

社内図書館の成功事例

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株式会社ユニクロ有明本部の「READING ROOM」

「READING ROOM」は、ファッション・アート・カルチャー・ビジネスなど、国内外で出版された約3000冊の書籍や雑誌が揃う社内図書館です。

「READING ROOM」には、ブックディレクターが常駐し、社員のニーズやトレンドに応じて、週に一度おすすめの書籍や雑誌を更新しています。

また、社内の複数箇所に異なるコンセプトの小規模ブックコーナーも展開して、社員の自己研鑽や知識の習得、コミュニケーション促進、ブランディングなどの効果を促進しています。

株式会社CARTA HOLDINGS渋谷オフィスの「OASIS」

「OASIS」は、デジタルマーケティング支援などを行うグループ企業20社以上を束ねる、企業の社内カフェ併設のライブラリースペースです。

「OASIS」には、技術書からビジネス書、漫画まで幅広い書籍を揃えています。

また「OASIS」では、セレンディピティ(偶然の出会いや思いがけない発見)を生み出す場所として、気分に合わせて好きな場所で働けるようにすることで、社員のモチベーションや生産性の向上や、コミュニケーション、アイデアの創出などの効果を促進しています。

LINE株式会社の「LINE Library」

「LINE Library」とは、会社の一部を除く各オフィスに設置された、社内カフェ併設のライブラリースペースです。

「LINE Library」は、社内のリーダーが影響を受けた本やおすすめの本で構成され、推薦者がPOPに推薦の理由や仕事においてどのようなヒントが得られるかを紹介しています。

「LINE Library」では、2カ月に一度の頻度で書籍が更新される仕組みのため、最新のトレンドや情報を手軽に入手できるのも魅力です。

また、読書中に重要と感じた一文に直接マーカーで線を引いたり、メモを書き込んだりしてもよく、次に読んだ人と知識をシェアするきっかけとなっています。

この社内図書館により、社員の自己研鑽や知識の習得、コミュニケーション、アイデアの創出などの効果を促進しています。

社内図書館の仕組みとルールまとめ

このように、社内図書館を設置することで、社員も企業もさまざまなメリットを得ることが可能です。

ただし、安定的かつ公平な社内図書館の運営には、仕組みとルール作りが欠かせません。

そこで、もし社内図書館に関する疑問や質問がある場合には、いつでもお気軽にアルマ・クリエイションにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

 

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