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探究学習における社会問題解決への取り組み事例や企業の関わりを紹介

2020年に小学校からスタートした探究学習は、21年から中学校、22年からは高等学校でも取り入れられています。

学校などの教育機関で行われている探究学習では、これまでの暗記を主体とした勉強だけでなく、自ら興味や関心のある社会問題や課題について深く考え、解決するための発展的な学習を目的としています

ただ、これまで探究学習を知らずに育った世代の方にとっては、探究学習で何を学び、どのような力が身につくのかが分からない方も多いことでしょう。

そこで今回は、探究学習における社会問題解決への取り組み事例や、企業との関わりなどを紹介します。

探究学習は、これからの社会を生き抜くために必要な能力を養える重要な学習法です。ぜひ参考にしてください。

 

探究学習とは

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探究学習とは、文部科学省において「問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動のこと」と定義づけされた新しい学習手法です。

わかりやすく言えば『探究学習』とは『問題を解決するための学習』と置き換えることができるでしょう。

これまでの勉強は、すでに答えのある問題について、そのプロセスを探すことを目的としていました。しかし探究学習では、答えの見つかっていない問題に対し、自分なりの解決方法を明らかにしていきます

探究学習とは「答えのない問い」を考えること

探究学習では「何をテーマとして探究するか」が最も重要で、その問いを学校や先生が設定するのではなく、生徒が個々に見つけて探究することに意義があります

そして探究学習がこれまでの学習と違うところは、テーマの中にある問いに対して、明確な「答え(正解)がない」ことです。

しかし「答えがないことをどのように教えれば良いか」という疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

探究学習がスタートするまでの教育は「教えて育む」ことで、1つの決まった正解へ子どもたちを導くために、皆が同じ考えを持つべきという「考えの押し付け教育」が当たり前でした。

そのため、ITの発達などによって社会の変革スピードが上がると、日本はあっという間に世界の先進国の地位から転がり落ちてしまったのです。その原因は「定型的な答えを求める問い」などは、AIが瞬時に解答できる技術が進化したからに他なりません。

だからこそ、これからの社会では「答えのない問い」に対して、個々が自ら「考える能力」が必要となるのです。

探究学習とビジネスの共通点

探究学習の問題や課題解決の基本となる行動は「問題や課題の設定」→「情報収集」→「整理と分析」→「まとめ・表現」という過程を繰り返すことです。

そしてこの行動や考え方は、ビジネスにおけるマーケティングの重要な要素である「PDCAサイクル」と酷似しています。

PDCAサイクルとは「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(評価)」→「Action(改善)」を繰り返すことで、ビジネス上の問題や課題を解決するための基礎的な考え方です。

現代は、成熟した社会と呼ばれながらも世界中で環境破壊や経済格差、国同士の紛争といった問題が噴出しています。このような問題を根本から解決するためには、これからの世界をリードする次世代教育に、探究学習が欠かせません。

この探究学習で身につく「考える能力」については、子どもや若者だけでなく、現役世代の方も身につける必要がある重要な能力の1つといえるでしょう。

 

探究学習の事例

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それでは実際に、日本各地で行われ、大きな成果を上げている探究学習の事例を紹介します。

それぞれに異なる特徴があり、その効果もさまざまです。ぜひ参考にして、社会問題の課題解決や自社のビジネスに活かせるような取り組みを探究してください。

ふたば未来学園高校の事例

ふたば未来学園高校では、未来創造型探究の普及に以前から注力しています。その中でも、理想の未来像を描き、現状との差異を課題として解決に取り組むアプローチとして『フューチャーマッピング』を未来創造探究に適していると評価し、同校の探究教育に活用

2015年頃から『フューチャーマッピング』のツール活用を開始し、2019年度より5期生の120名の生徒の探究学習に3年間活用しながら、キャリア教育や探究プロジェクトの企画立案、進路指導、大学の面接でのプレゼンテーション企画などを行っています。

ふたば未来学園高校の荒先生は『フューチャーマッピング』によって従来の教育の枠を超えた自由な発想や内発的動機に基づいた企画が増えこと、また「10倍目標」などにより生徒自らが設定する目標が高くなり、達成度も高くなったと評価しています。

生徒自身がテーマを設定することで、自らのアクションを可視化しながら行動する生徒が増え、さまざまな表彰を受ける生徒がどんどん生まれています。

※ふたば未来学園高校における『フューチャーマッピング』の活用事例 

 1.メディアコミュニケーションゼミ:生徒が「ふたばメディア」というホームページを企画・制作。地域の貴重な情報を取材し、メディアとして発信し、年間5千円のバナー広告でスポンサーも獲得。

2.ふたば未来高原子力防災班ゼミ「Future Quest ~ふたばの魅力を探究する」では、3.11の伝承と新しい町づくりをテーマに生徒がスポンサーを獲得し、双葉町に120万円の看板を制作するなどに成功。

3.中央大学の高大接続入学試験における入試プレゼンテーション作成で、フューチャーマッピングを活用。想定外の“皆の力を一つにする”といったアイディアを取り入れ、より厚みのあるプレゼンテーションとなり、合格しました。

4.2015年にふたば未来高の「人材育成要件ルーブリック」作成のスタートとして、理想の生徒像教員向けワークショップを成功させています。 他にも多数の事例あり

浜松開誠館高等学校の事例

浜松開誠館高等学校では、探究学習の一環として、SDGsを通じた課題解決学習を実施しています。

学習活動においては、世界的な飢餓の解決に向けた支援をしたいという生徒の思いから、協力してくれそうな企業へ相談したのがきっかけとなっています。

生徒自身が校内にある飲料の自動販売機の是非や活用方法について話し合いを重ねるなかで、企業とも主体的な協議を行うことで「TFT自販機」の設置を実現しました。

また「TFT自販機」のラッピングデザインにも生徒自身で取り組んでいます。TFT自販機には、生徒が選んだ写真とオリジナルのメッセージ「誰ひとり取り残さない未来を目指す」が描かれています。

「TFT自販機」の売上の一部を「特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International」に寄付することにより、開発途上国の子どもたちの学校給食支援という形でSDGsの目標へ貢献しています。

東福岡自彊館中学の事例

東福岡自彊館中学校の探究学習の事例は、SDGsの達成に向け、生徒たちと一緒に具体的なアクションを考える機会を創出するために実施されました。これは東福岡自彊館中学の2年生を対象とした探究学習において、企業に講演してもらった事例です。

企業講演のメリットは、生徒の興味や関心を刺激し、企業の持つ情報をシェアしてもらえるところにあります。

まずは教師や企業の方によるSDGsの理解を深める授業を実施し、その後に「コカ・コーラの事例から学ぶ SDGsの達成に私たちができること」というテーマで企業が講演を実施。

そこでSDGs達成を目指す企業の姿勢や、飲料企業としてコカ・コーラシステムが取り組んでいる内容を生徒たちに紹介しました。

また生徒たちが日々学園で取り組んでいるPETボトルのリサイクルが、廃棄物ゼロ社会の実現に向けて大切な行動であり、SDGs達成につながっていることが伝えられ、生徒たちの理解が深まりました。

 

学校と外部企業の連携ポイント

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探究学習では、小・中学校や高等学校などの教育機関と民間企業が連携し、社会問題や課題解決へ導く方法を考えることが目的となります。

そこで以下では、学校と企業などが連携する際のポイントを7つ紹介します。

  • ・連携先の探し方
  • ・日常的な関わりを持つ
  • ・学校と企業の双方で属人化を避ける
  • ・定期的な打ち合わせの実施
  • ・探究の成果を発表する
  • ・探究のゴールへむけた目的の共有
  • ・双方の役割を明確化する
  •  

それぞれ解説します。

連携先の探し方

連携先を探す際は、まず双方にメリットがあることを前提に選ぶことが大切です。

大手企業の場合であれば社会貢献ができる点においてメリットとなりますが、地元の中小企業などの場合には、ユーザー目線から見た企業の見え方や魅力などの生の声を聞けるチャンスとなります。

一方、連携する教育機関においても、普段の授業では体験することのできない貴重な社会型意見ができる魅力があります。

連携先を探す際は、地元の自治体や商工会などの公共機関を活用するのが、不要なトラブルの回避にもなるためおすすめです。

日常的な関わりを持つ

連携先には、日頃から関わりのある企業や学校などを選ぶのがおすすめです。企業であれば、学校の近くというだけでも、通学の見守りなどで繋がりがあるかもしれません。

また学校から見ても、社会見学などで関わりがある企業もいくつかあるのではないでしょうか。

このように、まずは日常的に関わりのある連携先を、探究学習のパートナーに選ぶことも大切です。

学校と企業の双方で連携業務の属人化を避ける

学校と企業が連携する場合、できるだけ連携業務を行う人が属人化しないように心がけるのも重要です。なぜなら、毎回同じ人が探究学習の先生や担当者となることで、探究の方向性が偏ったり、同じことを繰り返してしまう可能性が高くなるからです。

できるだけ多くの視点を持てるように担当者を定期的に入れ替えながら、これまでに蓄積したノウハウなどを引き継ぐ体制を構築しましょう。

定期的な打ち合わせの実施

探究学習を成功させるために、学校と企業が定期的な打ち合わせの機会を設けることも大切です。双方にとって都合の良い時期が毎年重なるとは限りません。

そこで、常に予定と実際のスケジュールを付き合わせながら、双方に無理のないスケジュールで探究学習を実施しましょう。

探究の成果を発表する

探究学習の成果は、学校内で発表するだけでなく、積極的に地域や自治体、メディアなどに発信しましょう。近年は、SNSなどで校内の実績を発表する学校も少なくありません。

企業だけでなく、学校からも積極的に成果を発表し、連携先とメリットを共有することが探究学習の継続にも役立ちます。

探究のゴールへむけた目的の共有

探究学習では、ゴールへ向けた目的を共有することが重要です。常に生徒と企業が、探究のゴールを意識して課題に取り組み、双方が同じ目的へ向かうようにしましょう。

双方の役割を明確化する

探究の取り組みでは、生徒と企業がしっかりと役割を分担し、協力しあえる関係を構築することが大切です。

そこで、探究学習におけるプロセスを具体化し、課題解決に向けた役割や行動範囲を可視化できる計画を立案しましょう。

 

探究学習の取り組み事例のまとめ

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これまでの企業活動では、地域社会や次世代への貢献度よりも、取引先や取引銀行、株主といったステークホルダーに向けた取り組みがメインとなっていました。

しかしこれからは、企業の規模に関係なく、グローバルに活躍できる人材を創る活動に重きを置くべき時代です。

現代は、労働人口の減少や働き方改革など、企業の存続が危ぶまれるほどに厳しい時代となっています。そんな時代だからこそ、より前向きに、企業規模を問わず産と学が連携しながら地域社会の未来を創り上げていく活動が必要といえるでしょう。

地域の強みを活かす探究学習を目指す

現代は東京や大阪などの都心部に人口が集中し、地方都市でさえ人口減少に悩まされているエリアが少なくありません。

しかし都心部にある産業は、商業や金融業、医療・福祉・教育などのサービス業や、外食産業、情報通信産業などの第三次産業ばかりです。

このような状況を鑑みると、地方でしかできない第一次産業や第二次産業を盛り上げることは十分に可能といえるでしょう。

実際に、政府が進めるUターンやIターン事業の推進により、優秀な人材が地方エリアに分散されつつあります。

ただ前述したように、学校の教員や自治体の職員、地元の政治家などにビジネスのノウハウや知見がないため、思うように探究が進まないのが現状です。

このような現状を踏まえ、アルマ・クリエイション株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 神田昌典、以降アルマ・クリエイション)では、分野横断的な社会変革事業や教育事業に取り組み、次世代への影響力を持つ社会課題解決や、経済的持続性への貢献、デジタル変革推進を実践した変革リーダーを、かねてより表彰する活動を実施しています。

詳しい内容は→「アルマ・クリエイション、次世代へ影響力を持つ社会課題解決を実践した変革リーダーを表彰」をご参照ください。

このように、貴社で新たな取り組みを進めたいとお考えの企業経営者の方は、ぜひアルマ・クリエイションにご相談ください。

 

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