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リベラルアーツは一般教養と違う?知識ではなく知恵を養う学習方法を解説

一般教養とは、社会人として必要な基本的な知識や技能のことです。例えば、国語や算数、歴史や地理、英語やコンピュータなどです。一般教養は、学校や職場で教えられることが多く、知識の習得や試験の合格に重点が置かれます。しかし、一般教養だけでは、現代社会の複雑な問題に対応することは難しいと言えるでしょう。

そこで必要となるのが、リベラルアーツです。リベラルアーツとは、一般教養とは異なり、知識ではなく知恵を養う学習方法のことです。リベラルアーツでは、人文学や社会科学、自然科学や芸術などの幅広い分野を総合的に学び、自分で考える力や表現する力、問題解決する力や創造する力を身に付けます。

近年は、日本を含む世界各国でリベラルアーツ教育が注目されています。なぜなら、リベラルアーツは、グローバル化やデジタル化の進む社会で必要とされる、柔軟な思考力やコミュニケーション力、倫理力や創造力などの能力を育てられるからです。

そこで今回は、リベラルアーツと一般教養の違いや、知識ではなく知恵を養う学習方法を解説します。リベラルアーツに興味のある方はもちろん、ビジネスで成果を上げたいとお考えの方も、ぜひ参考にしてください。

リベラルアーツとは?

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リベラルアーツとは、古代ギリシャに起源を持つ、人間を自由にするための教養教育のことです。リベラルとは「自由な」、アーツとは「技術や技芸」を意味します。

リベラルアーツは、職業的・技術的な教育とは異なり、哲学や音楽、文学や歴史、数学や科学など、さまざまな分野の知識や教養を学ぶことで、自分の考えや価値観を相対化し、多角的に物事を捉える力を養うことが目的です。

リベラルアーツの起源は、古代ギリシャの市民社会にあります。当時、奴隷や女性などの社会的地位の低い人々は、生産活動に従事することが求められました。しかし、男性の自由市民は、政治や芸術、哲学などに参加することができました。このような自由市民に対して、技術的・職業的な教育ではなく、人間としての自由や幸福を追求するための教育が行われたのが、リベラルアーツの始まりです。

リベラルアーツは、古代ローマに受け継がれ、言語系の3学(文法・修辞学・論理学)と数学系の4学(算術・幾何・天文・音楽)の自由7科(セブンリベラルアーツ)として定義されました。この自由7科は、中世のヨーロッパでもキリスト教の教育に取り入れられ、知的エリートの養成に用いられました。しかし、ルネサンスや宗教改革、産業革命などの社会的変動により、リベラルアーツの内容や意義が変化していきます。

そしてリベラルアーツは、近代になっても、ヨーロッパやアメリカの大学教育において重要な役割を果たしました。特にアメリカでは、リベラルアーツカレッジと呼ばれる、リベラルアーツ教育に特化した大学が多く存在し、国民統合や民主主義の基盤としてリベラルアーツが重視されたのです。また、日本においても戦後の大学改革により、アメリカのリベラルアーツ教育の影響を受けた一般教養教育が導入されるに至りました。

リベラルアーツの現代的意義は、グローバル化や社会の多様化、テクノロジーの発展などに対応するための学問として認識されています。

リベラルアーツは、自分の専門分野だけでなく、他の分野にも関心を持ち、幅広い知識を習得することで、物事を多角的に捉える能力や、異なる文化や価値観を理解する能力が高まります。これらの能力は、グローバル社会において必要なものです。

また、リベラルアーツは、知識だけでなく、思考力や判断力、コミュニケーション力、創造力などのスキルを養います。これらのスキルは、AIやロボットに代替されない人間力として、21世紀のビジネスにおいて重要なものです。

さらに、リベラルアーツは、自分の人生に関わるさまざまなテーマについて学び、自分の価値観や人生観を深めることができます。これにより、自分の人生に対する満足度や幸福感が高まると考えられます。

一般教養とは?

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一般教養とは、広く人間として共通に持つべき教養のことです。一般教養は、古代ギリシャに起源を持ち、ヨーロッパにおける伝統的な概念として発展してきました。

一般教養は、時代によってさまざまな形を取りましたが、人間の普遍的で全体的な完成を目指す点では一貫しています。

一般教養の目的は、特定の職業や専門の枠を超えて、広く人間として、また社会人として必要な知識や技能を身につけることです。

一般教養は、生活に直接役立つものではなく、むしろ精神を深め豊かにすることや人生を意義深くすることを目的としています。しかし、一般教養は、科学技術の発展や知識の専門化により、現代社会において新たな展開を求められています。

一般教養の内容は、歴史や哲学、文学や美術、音楽や科学など、さまざまな分野の知識や教養を学ぶことです。一般教養は、大学の一般教育として定着し、日本の大学でも一般教育が行われてきました。しかし、近年は、専門教育と一般教育の区別を廃止する傾向があります。

このように、一般教養はすべての人に共通して必要とされる教養であるため、大学の専門教科以外の基礎教養としても重要な役割を果たしています 。

リベラルアーツと一般教養の違いを解説

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以下では、リベラルアーツと一般教養の違いについて、下記の項目ごとに詳しく解説します。リベラルアーツと一般教養の違いは、次の3つの観点の違いです。

  1. 知識と知恵の違い
  2. 学ぶ分野と方法の違い
  3. 育む能力と効果の違い

それぞれ解説します。

知識と知恵の違い

知識とは、事実や理論などの客観的な情報を指します。知識は、学ぶことで得られるものです。知識は、ある分野に関する詳細な内容を理解することに役立ちます。

知恵とは、知識を活用して、判断や行動をする能力を指します。

知恵は、経験や思考などによって培われるものです。一方、知恵は、さまざまな分野に関する概念や原則を把握することに役立ちます。

リベラルアーツと一般教養の違いは、知識と知恵の関係にも表れます。

リベラルアーツは、知識をスキル化することで、知恵を高めることを目指すのが特徴です。一方、一般教養は、知識や情報を獲得することで、知識の基盤を築くのが目的です。

学ぶ分野と方法の違い

リベラルアーツを学ぶ分野は、自由七科に基づいた人文科学、社会科学、自然科学などの幅広い分野です。リベラルアーツを学ぶ方法は、論理的思考や批判的思考、コミュニケーション能力などの基礎的なスキルを身につけることです。また、リベラルアーツは、知識をスキル化することを目指しています。

一般教養を学ぶ分野は、専門分野に入る前に必要な基本的な知識を含む分野です。一般教養を学ぶ方法は、知識や情報を記憶や理解することです。また、一般教養は、知識や情報を獲得することを目指しています。

リベラルアーツと一般教養の違いは、学ぶ分野と方法にも表れます。

リベラルアーツは、幅広い分野の知識を学ぶことで、多角的な視点や柔軟な思考を養うことを目指すのが特徴です。一方、一般教養は、基本的な分野の知識を学ぶことで、専門を学ぶための前提や社会人としての常識を身につけることを目指しています。

育む能力と効果の違い

一般教養とは、社会人として必要な基本的な知識や情報を習得することを目的とした教育です。一般教養を学ぶことで、専門分野に入る前の準備や、社会でのコミュニケーションや判断力を高めることができます。一般教養は、大学の前半の2年間などに受けることが多く、さまざまな分野の教養科目を履修します。

リベラルアーツとは、幅広い知識を身につけるだけでなく、それを活かして問題解決や創造的な思考を行うことを目的とした教育です。リベラルアーツを学ぶことで、明確な答えがない課題に対応したり、自分の考えを論理的に伝えたり、他者の視点を理解したりする能力を育てることができます。リベラルアーツは、古代ギリシャの自由人の教育に由来し、文法学、論理学、修辞学、算術、幾何学、音楽、天文学の7科目を基礎としています。

上記のように、一般教養とリベラルアーツの違いは、知識の習得と知識の活用の違いと言えるでしょう。一般教養は、知識を増やすことが主な目標ですが、リベラルアーツは、知識をスキル化することが主な目標です。

一般教養は、社会での基本的な能力を身につけることが目的ですが、リベラルアーツは、社会での変化に対応することが最終的なゴールです。

リベラルアーツを学ぶ方法を解説

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社会人がリベラルアーツを学ぶ方法としては、以下のようなものがあります。

大学やオンライン講座などでリベラルアーツ教育を受ける

リベラルアーツ教育では、専門的な知識や技能ではなく、幅広い分野の基礎的な知識や思考法を学びます。

実際に、早稲田大学や国際基督教大学などは、リベラルアーツ教育を重視しています。

書物や作品を読んで、自分なりに分析や批評を行う

自分の興味や関心に沿って、さまざまなジャンルやテーマの書物や作品を読み、その内容や方法、思想や発想から、リベラルアーツを学ぶことができます。

実務や人や世界から学ぶ

自分の仕事や生活や趣味などを通して、さまざまな経験や知見を得ることができます。

例えば、海外旅行やボランティア活動や異文化交流などは、リベラルアーツの視点を広げることに役立つでしょう。

リベラルアーツ学習で知恵を養う方法

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リベラルアーツ学習で知恵を養う方法としては、以下の3つが挙げられます。

問題を「正しく」認識する力を養う

問題を「正しく」認識する力を養うとは、物事の本質や事実を正確に把握し、自分の思い込みや偏見にとらわれないようにすることです。

例えば、自分の専門分野に関する知識を深めたり、他の分野の知識にも触れたりすることで、幅広い視野を持つことができます。

コミュニケーション能力を養う

コミュニケーション能力を養うとは、自分の考えを論理的に伝えたり、他者の考えを傾聴したりすることです。

例えば、論理学や修辞学などの分野を学んだり、ディベートやプレゼンテーションなどの実践を行ったりすることで、説得力や表現力を高めることができます。

知識・情報をツールとして使いこなす力を養う

知識・情報をツールとして使いこなす力を養うとは、知識や情報をただ覚えるだけでなく、それを活かして問題解決や創造的な思考を行うことです。

例えば、歴史や哲学や芸術などの分野に触れたり、自分の興味や関心に沿って書物や作品を読んだりすることで、異なる視点や発想を学ぶことができるでしょう。

リベラルアーツで身につく社会人に必要な能力を解説

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リベラルアーツで身につく社会人に必要な能力としては、以下のようなものがあります。

コミュニケーション能力

自分の考えを論理的に伝えたり、他者の考えを傾聴したりすることで、円滑な人間関係や協働を築くことができます。

判断力

物事の本質や事実を正確に把握し、自分の思い込みや偏見にとらわれないようにすることで、適切な選択や行動をすることができます。

柔軟性

物事を多角的に捉えて、異なる視点や発想を持つことで、変化や不確実性に対応することができます。

創造性

知識や情報をただ覚えるだけでなく、それを活かして問題解決やイノベーションを行うことで、新しい価値やサービスを生み出すことができます。

上記は、リベラルアーツで身につく社会人に必要な能力の一例です。

リベラルアーツは、自由で多様な学びであり、自分の目的や環境に応じて、さまざまな方法で学ぶことができます。

リベラルアーツで身につく能力は、自分自身の成長や社会への貢献につながるでしょう。

リベラルアーツと一般教養の違いのまとめ

このように、リベラルアーツと一般教養には、目的や最終的に目指すゴールに大きな違いがあります。一般教養が「知識」を増やすことを重視するのに対して、リベラルアーツでは、知識だけでなく「知恵やスキル」に昇華させることを目的としている点に注目です。

リベラルアーツは、日々の生活はもとより、ビジネスにも役立つ重要な学びであることがわかります。

そこで、もしリベラルアーツに関する疑問や質問のある方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

 

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