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マーケットインとは?プロダクトアウトとの違いやBtoBの事例を解説

マーケットインとは、顧客や市場ニーズを調査・分析した上で、ユーザーの視点から商品やサービスの開発を行う手法です。近年は、生活様式が多様化したことで市場の細分化が進んだことで、それぞれのユーザーに合わせた商品やサービスを提供することが重要となっています。

一方、企業が自社の製品を独自の視点から開発して、顧客や市場に提供するアプローチをプロダクトアウトと呼びます。この手法では、企業が独自のアイデアや最先端の技術をユーザーにアピールできるため、高いマーケットシェア(市場占有率)を獲得できる可能性があるのが特徴です。

このマーケットインとプロダクトアウトは、企業が新しい商品やサービスを開発し、市場に提供する際の重要な考え方です。

そこで今回は、現在主流となっているマーケットインに着目しながら、プロダクトアウトとの違いや、BtoBビジネスにおける成功事例などを解説します。企業で商品開発やマーケティングに携わる方は、ぜひ参考にしてください。

マーケットインとは?プロダクトアウトとどう違う

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マーケットインとは、企業が新しい商品やサービスを開発する際に、顧客や市場のニーズを把握し、その情報に基づいてユーザーニーズを満たせる製品を市場に提供するという考え方です。そのため、企業はまず、市場調査や顧客のフィードバックなどの情報を収集する必要があります。そして現在のトレンドや顧客ニーズを正確に把握し、マーケティング戦略を立てることが重要です。

マーケットインの特徴は、日々変化する顧客のニーズを理解し、顧客満足度の高い商品やサービスを開発するという視点に立つことです。そのため、顧客が驚くような新しい商品を提供するというよりも、柔軟に顧客ニーズに対応しながら市場競争における優位性を確保することが求められます。

この点において、マーケットインとプロダクトアウトでは、商品やサービスを開発・提供する際の手順が大きく異なります。

そこで以下では、マーケットインとプロダクトアウトの違いについて比較し、解説していきましょう。

プロダクトアウトとは

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一方、プロダクトアウトは、マーケットインとは逆の発想で、企業側の視点から「ユーザーのニーズを満たす、新しい商品やサービスの開発」を行う手法です。そのため、顧客や市場に対して、これまでにない新しい価値を作り出し、提供するのが特徴です。

プロダクトアウトに成功することで、企業はその商品やサービスのリーディングカンパニーとして市場の優位性を確保することができ、高い市場占有率を獲得できる可能性があります。

マーケットインとプロダクトアウトの違い

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それでは次に、マーケットインとプロダクトアウトについて、商品やサービスを開発する際に着目する視点や手順の違いを中心に解説します。

商品やサービスの開発手順の違い

上記のように、マーケットインとプロダクトアウトでは、商品やサービスの開発手順が大きく異なります。そこで以下では、マーケットインとプロダクトアウトの開発アプローチの違いを比較してみましょう。

マーケットインで新しい商品やサービスを開発する際は、次のような手順を踏むのが一般的です。

  1. 顧客ニーズの把握と調査
  2. 新商品のアイデアを出す
  3. 新商品のコンセプトの策定
  4. 新商品の試作
  5. 試作品のテストと評価
  6. 市場への投入
  7. フィードバックと改善の繰り返し

以上がマーケットインによる商品やサービス開発の手順です。この手順を通じて、顧客のニーズを重視し、失敗のリスクを減らしながら短期間での開発を実現することができます。

一方、プロダクトアウトで新しい商品やサービスを開発する際は、以下の手順を踏むのが一般的です。

  1. アイデアの構築
  2. 市場調査と分析
  3. 新商品の要件定義
  4. 新商品の設計と開発
  5. テストと品質管理
  6. 市場への投入
  7. フィードバックと改善の繰り返し

このように、プロダクトアウトによる商品やサービスの開発では、プロダクトマネージャーがアイデア出しからリリースまでの製品タスクを統括し、開発チームと協力しながら商品開発を進めていくのが特徴です。

まず最初に顧客ニーズを調査・分析するマーケットインと比べ、プロダクトアウトでは、先に新商品のアイデアを構築するという点が大きく異なります。

マーケットインのメリットとデメリット

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マーケットインによる新商品の開発では、顧客ニーズを満たす製品を提供することで、効率よく商品開発できることや、売上予測を立てやすいというメリットがあります。

一方で、マーケットインには自社の強みを活かしにくいことや、競合他社とのシェアの奪い合いが激しいこと、斬新なアイデアを盛り込みにくいために大ヒット商品に成長しにくいといったデメリットがあります。

このような理由から、マーケットインで開発した商品やサービスにおいては、価格競争に巻き込まれる可能性があるため、製造コストや流通コストに優位性のある大手企業に大きなビジネスチャンスがあると言えるでしょう。

プロダクトアウトのメリットとデメリット

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プロダクトアウトによる新商品の開発では、企業の独自性の高い商品を作ることが目的となります。これまでにない新しい独創的な商品を開発できれば、競合相手との差別化ができ、爆発的な売上と市場占有率を独占できる可能性があります。

ただし、企業が作りたい商品を作るプロダクトアウトは、大きなリスクがある点に注意が必要です。もし、市場に投入した商品やサービスが顧客や市場のニーズにマッチしなかった場合には、思ったように商品やサービスが売れない可能性があります。このようなミスマッチが生じると、企業が商品開発に投下したコストを回収できず、大きな損失を招くことになりかねません。

マーケットインとプロダクトアウトは結局どちらが良いのか?

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マーケットインとプロダクトアウトの考え方においては、一概にどちらが良いと言い切ることはできません。ユーザーの嗜好が多様化したいま、市場が求める商品やサービスも複雑になっているからです。

そこで生産者は、顧客心理に基づきながら、ユーザーインサイト(潜在的なニーズや意識)を把握することが重要です。

ユーザーインサイトを分析・把握するには、それぞれの市場やターゲットに合わせたマーケティングフレームワークを活用して市場を調査したり、CRMやSFAを活用した既存顧客データを分析するといった方法があります。

プロダクトアウトの成功事例の代表格と言えるApple社のように、ベースとなるiPhoneを市場に投入してから、さらにマーケットインを通じてさまざまなアプリを開発しているのが良い事例と言えるでしょう。

今後益々市場の飽和が進む現代では、マーケットインとプロダクトアウトを融合し、企業の独自性を確立することが重要です。

マーケットインとプロダクトアウトにおけるBtoBマーケティングの成功事例

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マーケットインにおけるBtoBマーケティングの代表的な成功事例として、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のアトラクション開発が挙げられます。

USAでは、開園以来落ち込んでいた集客を改善するために徹底した顧客ニーズの調査と分析を行い、これまでの国内のテーマパークにはない視点から新しいエンターテインメント体験を提供することで来場者数のV字回復に成功しました。

また、身近な例として、マクドナルドの成功戦略も注目すべき点です。世界中に店舗を展開するマクドナルドでは、それぞれの国に合わせたコンセプトにより、異なった商品やサービスを提供することで成功しています。例えば、他国にはない「テリヤキ味」のハンバーガーを日本で開発して市場に投入して成功した事例です。

一方、プロダクトアウトの成功事例としては、先に紹介したApple社のIPhoneをはじめ、SONYのウォークマンや日清食品のカップヌードル、大塚食品のボンカレーなど、発売時に世間を驚かせた商品があります。これらは、企業に大きな利益をもたらし、ブランディングにも成功しているのが特徴です。

新商品の開発を成功に導くインターナルマーケティングの重要性

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インターナルマーケティングとは、組織内で行われるマーケティング活動のことです。この活動は、自社の従業員や関係者に対して、企業のビジョンや価値観、商品やサービスの情報を効果的に伝えるために重要な役割を果たします。

インターナルマーケティングの具体的な内容は、社内のコミュニケーションの改善や、教育・研修プログラムの構築と提供、従業員間の情報共有などです。

インターナルマーケティングを浸透させることで、マーケットインやプロダクトアウトの概念に関係なく、社内の従業員の仕事に対するモチベーションや組織の団結力を高めたり、顧客満足度の向上にも期待できます。

顧客のニーズや市場分析の結果から企業が新しい商品やサービスを創造するためには、まず社内でインターナルマーケティングを充実させることで、自社の強みを最大限に活かせる取り組みを進めることが重要です。

マーケットインとプロダクトアウトのまとめ

このように、マーケットインとプロダクトアウトは、異なった視点から新しい商品開発を行うという明確な違いがあります。ただし、マーケットインとプロダクトアウトのどちらが良いという考え方ではないことを理解することが重要です。

現代の市場は、必要なモノはすでにほとんど出尽くした飽和市場にあります。そこで企業が新しい商品やサービスを開発・投入する際には、顧客ニーズよりもさらに深い「ユーザーインサイト」に着目することが求められます。

そこで、マーケットインとプロダクトアウトを分けるのではなく、両方の考え方を融合し、新しい商品やサービスを投下するための取り組みを社内に構築することが重要です。

そこで、もし新商品やサービスのアイデア構築に課題を抱えている方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。あなたに最適なソリューションを提供いたします。

 

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