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マーケティング戦略の立案に有効なフレームワーク12選と戦略ごとの成功事例を解説

マーケティング戦略とは、企業が顧客のニーズに合った商品やサービスを企画・制作・販売するために立てる計画のことで、マーケティング活動における重要な役割を果たします。

マーケティング戦略の立て方についてはいくつかのフレームワークがありますが、フレームワークを効果的に活用して顧客ニーズを的確に把握し、自社の強みを活かしつつ、効果的なマーケティング戦略を立てることが重要です。

マーケティング戦略のフレームワークを活用することで、情報整理や分析、戦略立案などを行い、より効果的なマーケティング戦略の立案や施策の実行が可能となります。

そこで今回は、マーケティング戦略の立案に有効なフレームワーク12選と戦略ごとの成功事例を解説します。企業のマーケティングを担当される方は、ぜひ参考にしてください。

マーケティング戦略のフレームワークとは

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マーケティング戦略のフレームワークとは、マーケティング戦略を構築する上で活用できる「枠組み」のことです。

企業がそれぞれ異なったビジネスを展開する中で、さまざまな課題や項目をいくつかのパターンに落とし込み、その枠組みに納めることで、誰でも比較的容易に整理して結論を導き出せる「公式」として活用されます。

ビジネスを展開する中では、確実に集客や売上を向上させる明確な方法はありません。そこで自社のビジネスに効果的なマーケティング施策を見つけ出したいときに有効となるのが、このフレームワークです。

フレームワークにはいくつもの種類があります。その中から、自社のビジネスシーンや課題に合わせ、適切なフレームワークを選択することが重要です。

マーケティング戦略の立案に有効なフレームワーク12選

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マーケティング戦略の立案に有効なフレームワークには、主に次の12種類があります。

  1. STP分析
  2. SWOT分析
  3. 3C分析
  4. VRIO分析
  5. PEST分析
  6. ファイブ・フォース分析
  7. 4P分析
  8. ポーターの競争戦略
  9. BCGマトリックス
  10. PPM分析
  11. バリューチェーン分析
  12. PDCAサイクル

これらのフレームワークは、社内外の情報を分析し、経営上の課題や機会を把握し、戦略を策定するための指標として用いられています。

以下で、それぞれ詳しく解説します。

STP分析

STP分析とは、マーケティングにおいてよく用いられる分析方法の1つです。

STP分析は、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)という3つの英単語の頭文字から名付けられた言葉で、自社や商品が市場におけるどの位置にあるのかを明確化し、その後のマーケティング戦略を策定するために利用されます。

STP分析の手法は、新規事業を展開していく上で有効なフレームワークとして位置付けられており、自社の強みを発揮できるポジションを探り、競合他社との差別化を狙うことができます。

STP分析では「誰に、何を、どのように売るか」というマーケティングのテーマにおいて、「誰に」と「何を」に関わる視点として重要です。

SWOT分析

SWOT分析とは、経営戦略を立案するために用いられる現状分析手法であり、内部環境と外部環境のプラス面・マイナス面を洗い出すことで、自社の強み、弱み、機会、脅威を明確にすることが目的です。

SWOTとは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字から成る言葉で、内部環境と外部環境における各要素を表しています。

内部環境は自社内を意味し、外部環境とは市場や競合他社など、自社に影響を及ぼす外部要因を指します。

3C分析

3C分析とは、自社や事業が成功するために必要な要因を探り出す分析方法の一つです。

3Cとは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の頭文字をとった言葉であり、それぞれの要素を分析することで、自社の強みや弱み、競合他社との差別化すべきポイントや市場ニーズを把握することができます。

この分析手法は、マーケティング戦略の策定や事業計画の立案に活用されます。また、新規事業の開発や市場調査、顧客ニーズの把握などにも役立ちます。

3C分析の特徴は、外部環境として市場・顧客、競合を分析するだけでなく、自社の内部環境も含めた全体像を捉えることができる点です。

具体的には、自社の資源や能力、製品・サービスの特徴や差別化点、競合他社との比較などを分析することで、事業戦略の策定や改善点の発見につながります。

3C分析は、自社や事業を成功させるための重要な手法の一つであり、幅広い分野で活用されています。

VRIO分析

VRIO分析とは、企業の経営資源を評価するためのフレームワークです。

VRIO分析は、自社の競争優位性を確保するための内部環境を評価するために使用されます。VRIOとは、「Value(経済的な価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」の4つの要素から構成される言葉です。

自社の経営資源について、この4つの要素を客観的に評価することで、自社の競争優位性がどのようなものであるかを判断することができます。

具体的には、自社のビジネスモデルの重要な経営資源が強みになっているのか、また仮に弱みの場合はどうすれば強みに変えられるのかを考えることができます。VRIO分析によって、自社の内部環境の調整や改善が可能です。

PEST分析

PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境の政治、経済、社会、技術の4つの視点から分析するフレームワークです。

この分析手法を用いることで、自社に影響を及ぼす外部環境の変化を把握し、今後の事業戦略やマーケティング戦略を策定するための材料とすることができます。

PEST分析は、主に事業戦略(経営戦略、海外戦略、マーケティング戦略などを含む)を策定する際に使用されます。

PESTとは、Politics(政治的)、Economy(経済的)、Society(社会的)、Technology(技術的)の頭文字をとったものです。

この手法を用いることで、外部環境の変化によるプラス・マイナスの影響を整理し、事業戦略やマーケティング戦略における機会と課題を発見することができます。

PEST分析は、新たに事業を立ち上げる際に、自社の現状を把握するだけでなく、外部環境に関する情報を収集・分析するために役立ちます。

ファイブ・フォース分析

ファイブ・フォース分析とは、競合各社や業界全体の状況と収益構造を明らかにし、その中で自社の利益の上げやすさを分析するフレームワークで、業界の構造を把握するための手法の1つです。

ファイブ・フォース分析では、業界内に存在する5つの力(要素)に着目します。この5つの力とは「既存競争者同士の敵対関係」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」のことを指します。

この5つの要素を分析することで、業界の収益性を高めるための戦略策定が可能です。

具体的には、自社の競争力を高めるための施策や、新規参入者や代替品からの脅威に対する対策などが考えられます。

4P分析

4P分析とは、マーケティング施策を企画・立案する際に用いられる分析手法の1つです。

4P分析は、自社製品・サービスを「Product(自社の製品・サービス)」「Price(価格)」「Place(販売場所・提供方法)」「Promotion(販促活動)」の4つの視点から分析し、その強みやアピールポイントをマーケティング企画に活かすフレームワークです。

4P分析では、自社製品・サービスを分析し、販売戦略につなげることができます。また、4P分析の各項目は独立したものでなく、それぞれに関連性がある状態でなければなりません。

ポーターの競争戦略

ポーターの競争戦略とは、企業が生き残るためのポジショニングや戦い方を提唱する経営戦略論です。この理論は、競合他社に打ち勝ち業界の中で競争優位を築くための枠組みとして、世界中で使用されています。

ポーターの基本戦略は、コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つに分類されます。企業は、自社に合った基本戦略を1つ選び、単独で実行することが基本ですが、状況によっては複数の基本戦略を組み合わせ、同時に行うことも可能です。ポーターの理論で有名なのが、5つの競争要因(ファイブ・フォース分析)と3つの基本戦略です。

ファイブ・フォース分析は、業界の競争環境を分析するためのツールであり、競争要因として、新規参入の脅威、代替品の脅威、顧客の交渉力、供給業者の交渉力、既存競合他社の脅威を考慮します。また、3つの基本戦略は、コストリーダー戦略、差別化戦略、集中戦略の3つで、企業は、これらの戦略を組み合わせることで、競争優位を獲得することができます。

BCGマトリックス

BCGマトリックスとは、ビジネスの成長を促進し、市場シェアを獲得する製品の可能性を分析する戦略的な計画ツールの1つです。

BGCマトリックスでは、製品ラインまたはビジネスユニットのパフォーマンスと位置を分析することで、リソースをどこに割り当てるかを決定するために使用されます。

BCGマトリックスには、市場成長率と相対市場シェアの2つの要素があり、これにより、製品が市場シェアの成長機会を創出するのかどうかを分析することができます。

PPM分析

PPM分析とは、企業が経営資源の投資配分を決定する際に使用される分析手法の1つで、主に市場成長率と市場占有率の2つの軸によって、自社の製品・サービスや事業を4つのポジションに分類することが特徴です。

この分析手法を用いることで、自社製品・サービスや事業の立ち位置を確認し、競合他社との差異を把握することができます。また、経営資源の効率的な投資配分や、長期的な利益を生み出す製品・サービス、事業の見極めにも役立ちます。

PPM分析は、複数の事業を展開している企業が資金を分配する際に、どの事業にどれくらい投入すべきか判断するためにも使用可能です。

以上のように、PPM分析は、市場成長率と市場占有率の2つの視点から、自社製品・サービスや事業を分類することで、経営資源の投資配分や競合他社との差異の把握、長期的な利益を生み出す製品・サービス、事業の見極めに役立つ分析手法です。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、企業のビジネスや事業の価値創造プロセスを分析するフレームワークであり、原材料から商品やサービスが顧客に届くまでの一連の活動を「物の連鎖」「価値の連鎖」として捉えます。

バリューチェーン分析によって、どのような活動でどのような付加価値が生み出されているのかを可視化し、企業の競争優位性を評価することが可能です。

バリューチェーン分析は、企業の主活動と支援活動に分けられます。主活動とは、原材料の調達、製造、出荷、マーケティング・販売、そしてサービス提供に関する活動であり、商品やサービスの開発から販売までのプロセスに関わる活動のことです。一方、支援活動は、主活動を支援するための活動であり、企業内でのインフラストラクチャ、技術開発、人的資源管理、そして調達のプロセスに関わる活動を指します。

バリューチェーン分析を行うことで、企業は、どの部分にコストがかかっているのか、どの部分で付加価値が生み出されているのか、競合他社との差別化点は何かなどを把握し、改善点を見出すことができます。分析のプロセスは、バリューチェーンの洗い出し、コスト分析、強みや弱みの分析、そしてVRIO分析の4つです。

バリューチェーン分析の例としては、納期が短い、バリエーションがある、商品の質が高い、おいしい、精密さ・正確さがある、技術力が高いなどが挙げられます。これらの要素は、企業が顧客に提供する価値を高めるための重要な要素であり、競争力を高めるために改善すべき点を顕在化できます。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という4つのフェーズを繰り返すことで、業務の品質や効率を改善するための手法です。

PDCAサイクルは、継続的な業務の効率化を図ることを目的としており、スピーディな業務改善を進めていくために「PDCAを高速で回す」という表現が使われています。PDCAサイクルを適用することで、業務の生産性や品質向上に役立てることができます。

マーケティング戦略ごとの成功事例

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マーケティング戦略は企業によって異なるため、以下ではそれぞれに違った戦略ごとの成功事例を紹介します。

1つ目は、インテルやコカ・コーラ、スターバックスなどの事例です。これらの企業は、自社の強みを生かした戦略を展開し、消費者に対して魅力的な価値提供を行い、市場シェアを拡大しています。

2つ目は、ECサイト、SNS、Web広告の3つのカテゴリーから成功事例を紹介します。

ECサイトではZOZOTOWN、SNSではハーゲンダッツジャパン株式会社、Web広告ではニトリホールディングスなどが挙げられます。

それぞれの企業では消費者に対して魅力的な価値提供を行い、市場シェアを拡大している点で共通しています。

3つ目は、無印良品のマーケティング戦略です。

無印良品は、シンプルで使いやすいデザインと高品質な商品で知られており、無駄を省いた価格設定が魅力です。無印良品の成功の秘訣はコアなファンの獲得にあるため、商品ラインナップの見直しや店舗の改装など、常に進化し続けることに注力しています。

以上のように、マーケティング戦略の成功事例にはさまざまな企業があり、その成功の秘訣も多岐にわたります。ただ、消費者に対して魅力的な価値提供を行い、市場シェアを拡大することが共通している点であり、それを実現するためには、企業の強みを生かした戦略を展開し、常に進化し続けることが重要であると言えるでしょう。

マーケティング戦略の立案に有効なフレームワーク

このように、マーケティング戦略のフレームワークを活用することで、情報整理や分析、戦略立案などを行い、より効果的なマーケティング戦略の立案や施策の実行が可能となります。

もし、マーケティング戦略やフレームワークに関する質問や疑問があれば、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。それぞれの企業ごとに最適なソリューションをご提供いたします。

 

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