企業の売上や収益の向上には、自社の営業担当者のスキルアップが欠かせません。その中でも、プレゼンテーション能力は、営業成績に直結する重要な活動となります。しかし、営業活動で最も重要となるプレゼンテーションやクロージングを、営業担当者に丸投げしている企業も少なくありません。
営業プレゼンテーションは、自社の商品やサービスのメリットや強みを、見込み顧客やクライアントに紹介する最も重要なプロセスです。せっかく見込み顧客が多くいるにもかかわらず、プレゼンテーションが苦手なために、なかなか成約に結びつけることができないといった課題を抱えている方も多いことでしょう。
そこで今回は、プレゼンテーションの苦手を克服し、営業スキルを高めるための学習方法を解説します。自社の営業スキルを向上させたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
プレゼンテーションの目的は、営業する相手に購入や契約といった行動を起こさせることです。そのため、自社の情報や商品・サービスに関するメリットを一方的に伝えるだけでは、プレゼンテーションの目的を達成することが難しいと言えるでしょう。
プレゼンテーションを成功させるには、まず相手にある課題や悩みを詳しく調べて分析した上で、最適な解決策を提示する必要があります。
また、プレゼンテーションを効果的に行うプロセスには「理解」「納得」「行動」の3つがあるため、順を追って適切な情報を伝え、相手が理解して納得した上で、最終的に行動を起こしてもらうことが重要です。
そこで、プレゼンテーションを行う際は、相手のニーズに合わせた準備を行い、相手に伝わる説得力のあるプレゼンテーションを行う必要があります。
プレゼンテーションが苦手という営業担当者は多く、逆に「プレゼンが得意」という方の方が少ないのではないでしょうか。
プレゼンテーションが苦手な人の特徴には、次のようなものが挙げられます。
プレゼンテーションが苦手な方の中には、多くの人の前で話す際に緊張したり、プレゼンテーションの前に不安を感じたりする傾向があります。
プレゼンテーションの経験が少ない場合、緊張するのは当たり前です。しかし、何度やっても緊張が取れない場合には、商品やサービスに対する知識不足や準備不足、練習が足りないなどの原因があるかもしれません。
そこで、企業内研修を行い、しっかりとした準備をすることが大切です。
プレゼンテーションの話がまとまらない場合は、目的の設定や資料作成に不備があるケースがほとんどです。しっかりとした提案資料を作成し、トレーニングを積むことで、話が上手くまとまらないといった不安や苦手は解消できます。
また下記で解説する「PASBECONAの法則」を活用することで、質の高いプレゼンテーションと、成約に至る効果的なクロージングができるようになります。
プレゼンテーションで話をまとめるのが苦手という方は「プレゼンテーションで相手に伝わる話し方10のコツと研修ポイントを解説」の記事も、ぜひご参照ください。
プレゼンテーションの目的や目標設定が明確にできていない場合は、話が散漫になり、相手に伝えたいことが伝わらない可能性があります。
プレゼンテーションの目的は、顧客にある問題や課題に対する最適な解決策を提案し、自社の商品やサービスを購入、契約してもらうことです。
そこで、プレゼンテーションで最も伝えたいことや、伝えなければならないことを計画に示した上で、プレゼンテーションの準備を行うようにしましょう。
プレゼンテーションが苦手という方の中には、話す速度が適切でなかったり、単調であったりすることで、重要なポイントが相手に伝わりにくい可能性があります。
そこで、プレゼンテーションを担当する方は、話し方をしっかりと練習することで、苦手を克服できます。
プレゼンテーションでは、話す速度よりも「単調な話し方」に問題があるケースが多いため、しっかりと練習することが大切です。
プレゼンテーションの苦手意識は、しっかりとした準備と練習を行うことで克服できます。
プレゼンテーションが苦手な方は、次のポイントを押さえて対処することが重要です。
まずは、研修の目的を明確に設定することが重要です。プレゼンテーションを行ってはいるものの、なかなか成約に結びつかない場合には、どこかに改善するポイントがあるはずです。製品知識が足りない、クロージングの仕方に問題がある、話し方が悪いなど、原因はさまざまあります。
そこで、普段行っているプレゼンテーションを社内で再現し、課題を見つけることが大切です。その上で、どのようなスキルを身につけたいのか、どのような課題を解決したいのかを具体的に定め、それに向けたトレーニングプログラムを作成しましょう。
プレゼンテーションスキルを高めるためには、実際にプレゼンテーションを行うことが不可欠です。講師をはじめ、製造に関わるスタッフや、インサイドセールススタッフなど、マーケティングに関わる人材を対象にプレゼンテーションをシミュレーションすることで、営業チームだけでは気づかない課題が見つかるかもしれません。
また、プレゼンテーション研修では実践的なトレーニングを行いながら、できるだけリアルな状況に即したプレゼンテーション能力を身につけることが大切です。
プレゼンテーションのトレーニングを実施した後は、フィードバックを行うことが大切です。講師や他の受講者などから、プレゼンテーションの質や改善点について指摘してもらいましょう。
例えば、製造スタッフから自社製品の強調すべき強みを聞いたり、インサイドセールスチームから見込み顧客のニーズを聞き出すことができるかもしれません。
このように、プレゼンテーション研修を行うことで、自己評価だけでは気づけなかった問題点や課題を発見することができ、より効果的な改善につながるでしょう。
プレゼンテーションスキルを高めるためには、テクニックの習得も大切です。具体的なプレゼンテーションの方法や、効果的なスライドの作り方など、実践的なテクニックを学ぶことができます。新たなテクニックやソフトウェアなどを導入する際は、専門家を交え、効率よく行うようにしましょう。
プレゼンテーション研修では、受講者一人ひとりの課題に合わせた対応が必要です。
研修によって明らかとなった課題を改善するのはもちろんのですが、研修前にアンケート調査を行い、受講者が抱える課題や要望に対応することで、より効果的なトレーニングを行うことができるでしょう。
相手に伝わる魅力的なプレゼンテーションは、次のような特徴があります。
それぞれ解説します。
まずは、プレゼンテーションの目的を明確に示すことが重要です。プレゼンテーションの目的は、相手に必要な情報を伝え、アクションを起こさせることにあります。
例えば、相手の悩みや課題を理解した上で、自社の商品やサービスを導入することで解決できるなどのメリットを示し、購入してもらうといった目的を明確にします。
このように、プレゼンテーションの目的を明確にすることで、内容がブレることなく、スムーズでわかりやすいプレゼンテーションを行うことができるでしょう。
プレゼンテーションで相手に伝えたいことは、できるだけシンプルで分かりやすく表現することが重要です。語彙や表現を、聞き手が理解しやすいものに絞るために、わかりにくい専門用語や社内用語を省く必要があります。
近年はITが浸透したことで、わかりにくいカタカナ用語や、英語の頭文字を使った略語が頻繁に使われています。しかし、自分や社内で使っている用語が、必ずしも他社で通用するとは限りません。
そこで、プレゼンテーションで話す場合はできるだけ一般的に使われている言葉を使い、相手に分かりやすい表現を使うようにしましょう。
プレゼンテーションは、あくまでも「相手の知りたい内容」であることが重要です。もし、相手にメリットの少ない内容をプレゼンテーションしても、自らの目標である成約や購入といったゴールに至ることはまずありません。
よくある失敗例として、自社の商品やサービスの詳細を一方的に話してしまい、相手にどのようなメリットがあるかが伝わっていないケースがあります。
顧客にとって必要な商品やサービスは、自社の課題や悩みを解決できるかどうかが重要です。そのため、価格や特典などをいくらアピールしても意味がありません。付加価値を提案する際は、競合他社の製品と比較検討される段階になってからで十分です。
まずは、相手の知りたい情報を整理するところから始めましょう。
プレゼンテーションにストーリー性があることも大切な要素の1つです。ストーリー性のあるプレゼンテーションは、聞き手に共感や感情移入を促し、プレゼンの内容をより深く印象づけることができます。
プレゼンテーションにストーリー性を持たせるためには、提案する内容にたとえ話や理由をわかりやすく織り交ぜることがポイントです。そこでよく使われる手法が「ストーリーテリング」で、物語を使って伝える手法を指します。ビジネスの経験談などを利用することで、自身の主張を相手により明確に伝えることが可能です。
以下では、近年流行りのスチームトースターのプレゼンテーションを例にしてみましょう。
「普通のオーブントースターでパンを焼くと、加熱する際に水分が失われてパサパサしがちです。しかし、スチーム機能があればしっとり感をキープできます」というのが、単なる説明です。
一方「毎朝トーストを食べる際に、同じパンを食べているにも関わらず、美味しく感じる日と美味しく感じない日があることに気づきました。そこで、美味しいと感じた日の特徴を観察したところ、雨の日にトーストが美味しく感じていたことがわかりました。この湿度の高い雨の日の状態を再現できるスチーム機能を付けたことで、毎日しっとりとした美味しくパンが焼けるトースターの開発に成功しました」といった具合に、話にストーリ性を持たせることで、相手にわかりやすくイメージできるプレゼンテーションが可能となります。
ただし、すべての説明にストーリー性を持たせるとプレゼンテーションが長くなりすぎてしまい、かえってわかりにくくなる可能性があります。そこで、相手に最も伝えたい重要な内容にストーリー性を持たせるといった工夫が必要です。その他の内容は「起承転結」や「PREP法」などを活用すると良いでしょう。
プレゼンテーションでは、視覚的な情報を効果的に使うことが重要です。プレゼンテーションで視覚的な情報を効果的に使うためには、スライド画像を積極的に使うのが一般的です。
近年は、パワーポイントなどのソフトを使うことで、比較的簡単に見やすいスライド資料を作成できます。
スライド資料で効果的なプレゼンテーションにするためには、以下の点に注意しましょう。
上記のポイントを押さえることで、相手に伝わるプレゼンができるようになるでしょう。
プレゼンテーションで最も重要となるのが「クロージング」です。クロージングとは、プレゼンテーションをわかりやすくまとめ、クライアントに最終的な契約締結に至るための交渉やアプローチのことを指します。
このクロージングが上手くできなければ、成約に至らないため、以下で解説する法則とテクニックを身につけるのがおすすめです。
プレゼンテーション資料を作成する際に気をつけることは「誰にプレゼンテーションを行うか」を明確にすることです。
プレゼンテーション資料は、クライアントとなる社外の担当者や責任者に見てもらうための資料であるため、自らの提案を採用することで「どのようなメリットを得られるか」や「どのように問題を解決できるか」を伝えなければなりません。
そこでおすすめしたいのが「PASBECONA」の法則に則って資料を作成しプレゼンテーションを行う方法です。
PASBECONAとは、以下の単語の頭文字をとった造語で、それぞれに次のような意味があります。
このように『P・A・S・B・E・C・O・N・A』に沿うことで、わかりやすく、提案力のあるプレゼンテーションを構成できます。
以下では、さらに詳しく事例を挙げながら解説します。
まずは、相手の仕事上にある問題や課題を特定し「痛みや悩み」を明確化します。そして「その痛みや悩みの解消法」を相手に提示しましょう。
ここで明確化する内容は、この件についてリサーチした中から、最も大きな悩みを提示することが重要です。なぜなら提示した最大の問題解決法は、提案書の訴求ポイントとなるため、重要度の低い問題を指摘しても相手の興味を引くことができないからです。
そのため、最も大きな悩みや問題について、ピンポイントで改善方法を指摘することを意識しましょう。
次に、提示した最大の問題点を明確にして、相手の気持ちに寄り添います。
さまざまな資料やグラフを用いてデータの信用性を確保して、相手に同調しながら親近感を持ってもらえるように働きかけることが大切です。
相手の問題や課題をはっきりさせた上で、その問題や課題の解決方法を具体的に提示します。
プレゼンテーションを行う上で、このSolutionが最も相手にアピールできるポイントとなります。
例えば「貴社の課題について、弊社の〇〇を活用することで解決可能です」や「問題を解決できる根拠となる資料として、自社商品の〇〇を実際にご活用いただいて業績がV字回復した△△社のデータがあります」など、自社の商品やサービスがクライアント企業の問題解決に役立つことを積極的にアピールすることが大切です。
Benefitでは、上記にある問題を解決することで、相手にどのような利益やメリットがあるかを提示します。
例えば「◯◯を解決することで、年間で△△%の経費を削減できる可能性があります」など、できるだけ具体的に記すことが大切です。
Evidenceとは、証拠を示すことで、上記の利得に対する根拠を示します。
上記の「◯◯を解決することで、年間△△%の経費を削減できる可能性があります」の根拠となる部分です。
「〇〇のデータをもとに試算したところ、実際に年間△△%の経費を削減できるという結果がでました」など、信頼できるデータを用いるようにしましょう。
Contentsは、具体的に販売する商品やサービスを説明します。上記であらかじめ示した内容を含め、より詳細に紹介しましょう。
Offerでは、具体的な商品やサービスを購入する際の条件を「提案」します。例えば「1年間の無料サポートが利用できます」といった内容が該当します。
具体的な解決策を提案した後は、その解決策を提供できる期間や数量が限定されていることを伝えましょう。
提案した内容に、限定や緊急といった要素を持たせることで、成約の可能性が高い顧客を絞り込みやすくなります。
例えば「この〇〇という商品は、諸事情により供給できる数が限定となります」や、提案する業務に緊急性を持たせたい場合などは「今、この商品の市場が成長時期にある」といった具合に、ライバルが少ない今のうちに参入することで市場の優位性を確保できるといった提案を行います。
もし「自社の商品やサービスに限定性が当てはまらない」場合には、営業マンのサポートやアフターサービスといった付加価値に対して限定性をかけることも可能です。
アクション(行動)では、相手に対して成約する際の具体的な行動施策を提示します。
例えば、オンラインによる商談や、Web上での契約が可能など、できるだけ費用や時間をかけずに契約できるといった内容を具体的に示すことが大切です。
プレゼンテーションの苦手意識は、しっかりとした準備と練習を行うことで克服できます。
効果的なプレゼンテーション研修を行うには、次のポイントを押さえることが重要です。
まずは、研修の目的を明確に設定しましょう。プレゼンテーションで、なかなか成約に結びつかない場合は、どこかに改善するポイントがあるはずです。
改善点には、製品知識が足りない、クロージングの仕方に問題がある、話し方が悪いなどさまざまです。
そこで、プレゼンテーション研修でシミュレーションを行い、課題を見つけることが重要です。その上で、どのようなスキルを身につけたいのか、どのような課題を解決したいのかを具体的に定め、それに向けた研修プログラムを作成しましょう。
プレゼンテーションスキルを高めるためには、実際にプレゼンテーションを繰り返し行うことが不可欠です。
講師をはじめ、製造に関わるスタッフや、インサイドセールススタッフなど、マーケティングに関わる人材を対象にプレゼンテーションのシミュレーションを繰り返すことで、営業チームだけでは気づかない課題が見つかるかもしれません。
また、プレゼンテーション研修では実践的なトレーニングを行いながら、できるだけリアルな状況に即したプレゼンテーション能力を身につけることが大切です。
プレゼンテーションのトレーニングを実施した後は、フィードバックが大切です。フィードバックを行う際は、講師や他の受講者などがプレゼンテーションの質や改善点について指摘を行います。
例えば、製造スタッフから自社製品の強調すべき強みを聞いたり、インサイドセールスチームから見込み顧客のニーズを聞き出すことができるかもしれません。
このように、プレゼンテーション研修を行うことで、自己評価だけでは気づけなかった問題点や課題を発見することができ、より効果的な改善に繋がるでしょう。
プレゼンテーションスキルを高めるためには、資料作成や話し方のテクニックを習得することも大切です。具体的なプレゼンテーションのやり方や、効果的なスライドの作り方など、実践的なテクニックを研修から学ぶことができます。
新たなテクニックやソフトウェアなどを導入する際は、専門家を交え、効率的に行うようにしましょう。
プレゼンテーション研修では、受講者一人ひとりの課題に合わせた対応が必要です。
研修によって明らかとなった課題を改善するのはもちろんのですが、研修前にアンケート調査を行い、受講者が抱える課題や要望に対応することで、より効果的なトレーニングを行うことができるでしょう。
このように、質の高いプレゼンテーションを行うには、プレゼンテーションの苦手を克服するためのスキルアップ研修が欠かせません。質の高いプレゼンテーションを行うことで、営業力がアップし、売上や顧客満足度の向上はもちろん、クレームが減るといったメリットを減らすことも可能です。
もし、プレゼンテーションの組み立て方や、スキルアップ研修に関する疑問や質問がある方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。それぞれの企業に合わせたソリューションを提供いたします。