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セールスイネーブルメントで営業を最適化|取り組み事例や活用方法を解説

営業は、どのようなビジネスにおいても必要不可欠な活動です。ただ、ひとことで営業と言っても、その手法にはさまざまな種類があります。

そこで、自社の業績を向上させたい、また安定した営業活動を実施したいと考えている営業担当者も多いことでしょう。

今回ご紹介する「セールスイネーブルメント」とは「営業を最適化する仕組み」のことを指します。このセールスイネーブルメントを行うことで、営業活動で継続的な成果を挙げることが可能です。

企業の営業担当の方はもちろん、マーケターなどの営業に関わる業務の遂行に携わる方も、ぜひ参考にしてください。

 

セールスイネーブルメントとは?

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セールスイネーブルメントとは、営業活動によって継続的な成果を挙げることを目的に、営業組織を強化・改善する取り組みのことです。

営業と言えば、一般的に顧客に電話をかけてアポ取りを行ったり、または顧客先を訪問して商品やサービスの提案を行ったりするフィールドセールスを始め、インターネットを活用し、メールなどのツールを利用するインサイドセールスを思い浮かべる方も多いことでしょう。

しかし広義の営業には、営業スタッフへの教育や研修、営業ツールの開発・運用、営業プロセスの設計・管理といった、マーケティング要素を含む様々な活動があります。

 

セールスイネーブルメントが必要とされる背景

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セールスイネーブルメントという概念は、2010年代の始め頃に登場し、その後は急速に注目されるようになりました。その理由には様々な要因が考えられますが、1つはWebマーケティングやMAが普及したことにより、マーケティング部門が獲得するリードの質と量が格段に増加していることにあります。

現在ではマーケティングツールの精度の向上や自動化が進み、マーケティング部門が日々良質なリードを数多く獲得しているのにも関わらず、営業部門の力不足によってせっかく獲得したリードが成約に至らないといった状況が顕著となっています。そこで、営業組織の強化と向上が重要と判断されているのが現状です。

欧米などの企業をみてみると、実際に60%以上もの企業や組織がセールスイネーブルメントを実践するための専門人材や体制、プログラムなどを整備しています。そしてこのような風潮は、近い将来、日本にも浸透すると考えられています。

 

セールスイネーブルメントの具体的な取り組み

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ここでは、セールスイネーブルメントで具体的に行う取り組みについて紹介します。そもそもセールスイネーブルメントとは「営業組織の強化・改善」を行うための全ての取り組みを指す言葉です。そのため、企業の営業目的に合致するあらゆる活動がセールスイネーブルメントの取り組みとして定義できます。

例えば、営業スタッフのスキル向上を目的として行う研修や教育はもちろん、営業に使用する会社案内や製品のカタログ、Webサイトのコンテンツ制作などの営業ツール開発などもセールスイネーブルメントです。また、営業活動の前段階で実施されるリード獲得のためのマーケティング活動やナーチャリングなども広義のセールスイネーブルメントに含まれます。

セールスイネーブルメントで重要なことは、このような活動を「別々の独立した組織の活動」ではなく「営業組織の強化と改善」につながる一連の活動として統合し、全体を最適化していくことが主要なコンセプトとなります。

セールスイネーブルメントの事例

セールスイネーブルメントでは、営業ツールの拡充や教育・研修、営業プロセスの整備などの取り組みを通じ、属人的な個人の能力に依存しやすい営業活動を排除し、組織としての営業力を強化できます。このような営業ツールの開発や教育・研修、営業プロセスの整備などは、もともと異なる部署がそれぞれで分散して担当してきました。しかしセールスイネーブルメントでは、これらを統合的に管理し、さらに最適化することで、より高い成果を狙うことが可能となります。

この過程で重要視されるのが、施策を実施した後の成果を数値に表して客観的に評価し、PDCAを回しながら継続的な改善に取り組むという姿勢です。このように、営業のPDCAのサイクルを繰り返すことで、組織全体の知見や営業力を高めていくことができるでしょう。

そこで、セールスイネーブルメントに取り組む際は、このような活動を統括する専門の部署を設けるのも効果的と言われています。ただ、企業の規模や経営状況によっては、関連部署からそれぞれの担当責任者を集め、タスクフォース的な組織として運用する方法でも十分な成果を上げられる可能性があります。そのため優秀なマーケターが在籍する企業では、セールスイネーブルメントを積極的に行い導入することで、売上の向上が期待できます。

 

セールスイネーブルメントツールで具体的にできること

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セールスイネーブルメントとともに、セールステック(SalesTech)という概念があります。このセールステックは、ITなどの力を活用しながら営業活動を効率化し、成果の向上を狙う考え方です。セールステックでは、SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)、MA(Marketing Automation)などのツールを活用し、営業活動の可視化や効率化、営業担当社同士の縦横の連携を強化する組織が増えています。

もちろん、セールスイネーブルメントでも、このようなツールの活用が重要視されています。

2022年6月現在では、セールスイネーブルメントを専門で行うツールが、まだ一般的に広く流通していると言えません。しかし、様々なセールステックを相互に組み合わせることで、セールスイネーブルメントの取り組みを効果的に進めることも可能です。

 

セールスイネーブルメントの取り組み事例

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以下では、セールスイネーブルメントの具体的な取り組み事例を紹介します。

セールスコンテンツの充実と共有

セールスイネーブルメントでは、デジタルコンテンツの作成や更新を支援し、作成したコンテンツの管理にツールを活用することにより、セールス・コンテンツを効率よく管理できます。

企画書や提案書などの営業資料は、基本的にそれぞれの営業担当者が各自で作成し、使用するケースがほとんどです。しかし、コンテンツ開発や成果測定、改善などの活動を組織的に行い、営業担当者全員で共有することにより、営業活動の効率化と効果の向上に期待できます。

教育やトレーニングプラン

営業担当者の教育は、基本的にOJT(職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し知識や技術などを身に付けさせる教育方法)に頼りがちです。そして、OJTの成果は、現場を統括する上司の力量に依存することがほとんどです。

そこで、営業現場で得られるノウハウや知識を幅広く収集し、収集したノウハウをもとに教育やトレーニングプランを立案することにより、営業担当者の育成を効果的に実施することが可能です。

SFAやCRM、MAツールとの連携

SFAやCRMツールは、顧客管理の効率化を進める近年の営業の現場において、必要不可欠なツールと言っても過言ではありません。

SFAを使うことで案件の進捗度合いを可視化できるとともに、営業担当者同士の密な連携も可能となります。またCRMを使えば、見込み顧客や既存顧客との折衝履歴を管理できます。さらにMAでは、見込み顧客の成熟度を可視化して把握できます。

これまでは、CRMやMAツールをマーケティング部門が運用し、SFAについては営業部門で運用されるのが一般的でした。しかしセールスイネーブルメントでは、これらの取り組みを統括し、リードジェネレーションから契約までを全体を一つの流れとして管理・最適化できます。

 

セールスイネーブルメントのまとめ

これまでさまざまな部署で縦割りに行われてきたマーケティング施策や顧客管理において、総合的に統括し、横断的な取り組みを行うセールスイネーブルメントは、企業の営業活動を効率化して成果を上げる施策として非常に有効な手段と言えるでしょう。

まだセールスイネーブルメントの取り組みを行っていない企業では、優秀なスタッフを集結し、ぜひ新しい取り組みとして運用してください。

 

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