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スモールビジネスの概念と成功事例|起業するメリットや始め方を解説

終身雇用や年功序列といった従来の「日本的経営」形態が崩れた現代では、これまで安定していると言われた会社員でも、将来に不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。

このような時代において、ご自身の得意分野で活躍しようと考え「スモールビジネス」を始めようとする方もおられます。

スモールビジネスとは、少ない人手と少ない資本でスタートするビジネスを指す概念であり、明確な規定はありません。また、特定の業種や業態を指すものでもないため、個人事業から法人を立ち上げてスタートすることも可能です。

経済状況が右肩上がりの時代ではない現代でも、スモールビジネスで成功するビジネスマンは少なくありません。ただし、すべての起業家が成功しているわけではなく、多くが失敗していることも直視しなければならない現実です。

そこで今回は、スモールビジネスの概念と成功事例を紹介し、起業するメリットや始め方についても詳しく解説します。これからスモールビジネスを開業しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

スモールビジネスとは?スモールビジネスの概念

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スモールビジネスとは、一般的に「少ない人手」や「少ない資本」でありながら、高品質のサービスを提供する、個人事業主やフリーランス、小規模事業者などが行う規模が小さいビジネスを指します。

「人生100年時代」と言われるようになった現代では、定年退職の延長が進まず、定年後の雇用機会が少なくなっています。このような時代において、定年退職のない個人で事業を起業することは、時代に合った選択肢といえるでしょう。

スモールビジネスは規模が小さいため、事業に柔軟性があり、大企業に比べて比較的迅速な対応が可能です。また、自分でビジネスを経営することで、自分のアイデアを形にできるというやりがいや、自由度が高いというメリットがあります。一方、資金調達の難しさや、経営者の負担が大きいことがデメリットと言えるでしょう。

このようにスモールビジネスは、規模が小さいものの、柔軟性が高く、自由度の高いビジネスの1つです。

スモールビジネスの成功事例

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スモールビジネスで成功した事例を紹介します。

1.ITコンサルタント

現代は、どの業界でもIT化やDXを進める企業が増えています。

ただし、IT関係の知識や経験が豊富な人材が少ないため、中小企業をはじめとする多くの企業では、手探り状態でITを導入している状態です。そのため、コンサルタントが活躍する場はブルーオーシャン状態と言えるでしょう。

もし企業でITやDXに関連する業務を行っている方は、市場調査を行い、ニーズがどの程度あるかを確認した上でチャレンジすれば、成功する可能性は十分あるかもしれません。

2.飲食物の販売

飲食物の販売とは、飲食店経営ではなく、お弁当の移動販売や通販、自宅を活用したテイクアウトなどのスモールビジネスのことを指します。

コロナ禍が終息に向かい始めたとは言え、飲食店の経営に大きなリスクがあることは、ここ数年で十分に知ることができたのではないでしょうか。そこで、自宅や小さなシェアキッチンなどを利用して、移動販売や通販、テイクアウト専門で飲食物を販売するビジネスで成功を目指すのもリスクの少ないビジネス手法の1つです。

このような方法であれば、自己資金が少なくて済みますし、イニシャルコストやランニングコストもそれほどかかりません。大きく成功しにくいビジネスではありますが、成功して事業を拡大することも可能です。ただし、開業する際は保健所や税務署などへの届け出をしっかりと行うようにしましょう。

上記の他にも多数の成功事例はありますが、共通している点として、開業費用と運営費用などのコストが低いことがあります。実際に事業を運営すると、会社員時代にはわからなかった「とんでもない費用がかかる」ことがわかるはずです。

そこでスモールビジネスを始める際は、ミニマムで開業・運営できるビジネスを選ぶようにしましょう。

スモールビジネスで起業するメリット

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スモールビジネスは、基本的に「1人または少人数で始める小規模かつ小資本の事業」のことを指します。

このようなスモールビジネスを起業する際には、次のようなメリットが考えられます。

1.少ない資金で始められる

スモールビジネスは少ない資金で始められるため、事業が上手くいかなくても大きな損害を被らないというメリットがあります。

また、会社としての信用力があれば銀行から低金利で融資を受けることができるため、銀行との良好な関係性を築いていくことで将来困った時に備えることも可能です。

そのため、スモールビジネスを起業する際はできるだけ借入を少なくし、できれば預貯金でスタートできる規模にするのがおすすめです。

2.自分の得意分野を活かせる

スモールビジネスは自分の得意な分野を活かした業務を行うことができ、自分の好きなことや得意なことで新たにビジネスをスタートできます。ただし、顧客ニーズにマッチしなければ収益に結びつかないため、自分がやりたいことと市場のニーズを合わせたビジネスを始めることが重要です。

スモールビジネスを始める際は、どこにもない事業から始めるよりも、すでに成功している事例を参考にして、独自のアレンジを加えて市場に参戦するのがおすすめです。

3.ビジネスを検証しながら運営できる

スモールビジネスは、検証的に事業を進めることが可能です。

最小限の準備金だけで開始できるスモールビジネスでは、少額の投資でビジネスのアイデアを検証し、実際に収益が出るかどうかを確認できます。

ただし、事業を運営しながら検証するためには、起業する事業主にある程度の経理や会計に関する知識が必要です。いくら税理士やコンサルタントの専門家に相談できても、本人が会計の数字を理解できなければ成功は難しいでしょう。そこで起業する前に、簿記や計算実務などの知識を身につけておくことをおすすめします。

上記のほかにも「自由な働き方ができる」や「頑張った分だけ稼げる」「人間関係に悩まされない」といったメリットがあります。ただし、これはあくまでも「成功すること」が前提です。そこで、まずはしっかりと成功に向けたプランを構築するところから始めましょう。

スモールビジネスで起業するデメリット

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スモールビジネスには、以下のようなデメリットがあります。

1.売上や収益が不安定になりやすい

スモールビジネスのデメリットとしては、まず売上や収益が不安定になりやすいことが挙げられます。スモールビジネスの特性ゆえ、開業時に大々的な販促活動を行うことが難しいために、売上が思うように上がらないケースがあるでしょう。

また、基本的に1人ないし家族で経営することが多いために、体調不良などがあれば休業しなければならないリスクもあります。

また、売上が少ないことで労働時間が長くなったり、休暇が取れないといったケースもあります。

自分の好きなライフスタイルに合わせて運営できるのがスモールビジネスのメリットである一方で、十分な収益が確保できなかければ、生活のすべてが犠牲になるリスクがあることを理解しておきましょう。

またそのようにならないために、ご自身の主観で事業を始めるのではなく、信頼のできる専門家とともに事業の収益シミュレーションを十分にした上で事業を始めるようにしましょう。

2.すぐに結果が出にくい

スモールビジネスのデメリットとして、すぐに結果が出にくいことも考えられます。

前述したように、開業時に大規模な販促を行いにくいために、予測した通りに売上や収益が出ない可能性があります。また、開業の準備にも時間と費用がかかるため、十分な資金を準備しておくことが大切です。そこで半年〜1年間は収入がゼロでも今の生活を維持できる程度の資金を用意しておくことをおすすめします。

3.顧客の開拓が容易ではない

スモールビジネスでは、顧客の開拓も容易ではありません。そもそもスモールビジネスは、少人数で始められるのがメリットである一方で、営業活動や販促活動に充てられる時間や資金が限られています。

事業を進めていく上で新規顧客を開拓していくには、認知度だけではなく、信用を積み重ねていくことも重要です。そこで開業するまでに、現職で人脈を作ったり、信用度を高めることが大切です。そこで、スモールビジネスを開業する前に、応援してくれる人をどれだけ獲得できているかも成功のバロメーターとなるでしょう。

4.社会的な信用を得にくい

スモールビジネスを個人事業主として開業する場合は、社会的な信用を得るまでに相当な時間がかかると考えましょう。

事業を運営する上での社会的信用とは、金融機関からの融資や、顧客獲得のために重要となります。この社会的な信用を得るためには、毎年の決算で十分な収益を計上することや、顧客ロイヤリティの向上、社会的貢献度などが指標となるでしょう。

また、比較的早く社会的な信用を得たいと考える場合には、ある程度の資金を準備した上で株式会社を立ち上げるといった方法もあります。ご自分が開業する職種や業界を鑑みながら、どのような形で社会的な信用を構築していくかをシミュレーションしておくことが大切です。

スモールビジネスを個人事業主で始めるメリットとデメリット

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スモールビジネスを個人事業主として始めるメリットは、まず日頃の経理や会計処理がしやすいという点が挙げられます。個人事業主の場合は、白色申告と青色申告から帳簿の処理方法を選択できます。一般的には青色申告がおすすめですが、どちらも複式簿記の知識がなくても対応できますし、市販されている会計ソフトを活用することで税務対応可能です。

また、法人とは異なり、毎年赤字でも必要となる法人税がかからないのもメリットと言えるでしょう。

一方で、個人事業では社会的信用を得にくいことや、事業主が無限責任を負わなければならないのがデメリットです。もし事業に失敗したり事故などがあれば、事業主が全ての責任を負い、最悪自己破産するといったケースもあります。

そのため、事業内容によっては個人事業で対応すべきではない、またはできない業種もあるため、注意が必要です。

スモールビジネスを法人化してから始めるメリットとデメリット

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スモールビジネスを法人化してから始めるメリットは、比較的社会的信用を得やすいことや、有限責任で事業を行えることがあります。社会的信用を得やすいために、個人事業主よりも金融機関からの融資を受けやすくなったり、取引先を見つけやすくなったりする可能性があります。

また、原則として有限責任で事業をスタートするため、万一の際に出資金を放棄することで責任を免れる可能性があります。ただし、借入金などには個人の保証が必要となるため、基本的には無限責任と変わりないことを理解しておきましょう。

また、原則として、開業時や会社設立時は2年間、消費税の納税義務が免除されるメリットもあります。もし事業の立ち上げから大きな課税所得が見込まれる場合には、大きなメリットとなる可能性があるでしょう。

一方、法人化することで、帳簿や決算処理が複雑化するのはデメリットと言えます。また、赤字でも法人住民税がかかるのもデメリットです。

そこでスモールビジネスを開業する際は、必ず専門家(税理士やコンサルタントなど)に相談して、どのような事業体制で開業すべきかを精査することをおすすめします。

スモールビジネスの始め方

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スモールビジネスを始めるにあたっては、それぞれの業種によって大きく内容が異なります。そこで以下では、スモールビジネスを開業するために必要な「準備すべき最低限の手順」を紹介します。

1.ビジネスアイデアの検討

まず、自分が開業したいと思う分野や市場について研究し、ビジネスアイデアを検討します。自分のスキルや経験、趣味や興味関心に基づいたアイデアを見つけることが大切です。

2.ビジネスプランの策定

ビジネスプランは、事業の方向性、目標、マーケティング戦略、資金調達計画、事業計画などをまとめた資料です。事業を始める前に、細部にわたって計画を立てることが必要です。その上で、失敗リスクや成功に向けた具体的なプランに落とし込みましょう。

3.ビジネスの法的手続き

スモールビジネスを開業するには、必要な法的手続きを行う必要があります。会社設立登記、税金、保険などの手続きが含まれます。独学ではなく、専門家にしっかりと確認しましょう。

4.資金調達

開業には、資金が必要です。自己資金、銀行からの融資、投資家からの資金調達など、いくつかの方法があります。基本的には自己資金で対応できる範囲で事業プランを策定しましょう。

5.ビジネス場所の確保

事業を行うための場所を確保する必要があります。レンタルオフィス、共有オフィス、自宅など、さまざまなオプションがあります。スモールビジネスの成功のカギは、リスクを最小限に抑えることです。

6.スタッフの雇用

スタッフを雇用する必要がある場合は、採用プロセスを開始します。募集広告を出し、適格な候補者を見つけることが大切です。スタッフも最小限が基本です。

7.製品やサービスの提供

ビジネスが始まる前に、提供する商品やサービスを開発する必要があります。製品やサービスが提供できるようになるまで、時間がかかる場合があります。

8.マーケティング戦略の実行

開業後は、マーケティング戦略を実行する必要があります。これには、広告、プロモーション、イベント参加、ウェブサイトなどが含まれます。一般論や大手企業のマーケティングとは異なり、スモールビジネスに特化したマーケティング戦略を策定し、PDCAを回すことが大切です。

以上が、スモールビジネスを開業するための一般的な手順です。ただし、地域によって異なる法律や手続きが必要となる場合があるため、注意が必要です。

スモールビジネスで失敗しないための重要ポイント

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スモールビジネスで失敗しないための重要ポイントを解説します。上記の開業プロセスと合わせて、リスクを最小限に抑えることを念頭においてください。

1.自己資金でスタートする

スモールビジネスで最も重要なことは、リスクを最小限に抑えることです。事業を始めるには「融資を受けるのが当たり前」ではなく、自己資金で始められるビジネスプランを策定するのがおすすめです。

2.できるだけイニシャルコストをかけない

スモールビジネスを自己資金でスタートするためには、まず「イニシャルコスト」をかけないことが大切です。PC1台でできる仕事は今や多数ありますし、飲食店も居抜き物件やレンタルキッチン、中古什器で十分開業可能です。イニシャルコストをかけるなら、早く自己資金を増やせるように事業を回す方が大切と考えましょう。

3.ランニングコストの低い事業を選ぶ

イニシャルコストと同様に、ランニングコストを抑える運営も重要です。スモールビジネスは、事業を回しながら日々の収益を比較的簡単に算出できるため、人件費や仕入れなどの変動費を抑える努力を積み重ねましょう。

4.利益率の高い事業を選ぶ

スモールビジネスで重要なことは、売上額よりも利益額です。そこで高い収益性の事業を選ぶことも重要です。毎日の売上が大きな事業よりも、売上の大半が利益の方が儲かることもあります。

5.自分の得意な分野に絞り込んで事業を運営する

スモールビジネスでは、できるだけ職種や取り扱う商品やサービスを絞り込むことも成功への近道です。広く浅くよりも、狭く深くが基本です。

例えば飲食販売をするのであれば、ご自分が得意なハンバーグ弁当だけに絞り込むといった具合に、需要が多そうな商品に特化して絞り込むことも大切です。

6.開業してもインプットを続ける

これはスモールビジネスに限ったことではありませんが、開業してもインプット(勉強)し続けることが大切です。インプットとアウトプットを続けて、最適解を模索しましょう。

スモールビジネスのまとめ

このように、スモールビジネスを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。もっとも重要なことは、何度も繰り返しているように、リスクを最小限に抑えるミニマム経営です。

そこでもし、スモールビジネスで成功したいとお考えの方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。それぞれの事業に合わせた最適なソリューションをご提供いたします。

 

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