『秒速で人が動く数字活用術』の要約|書籍紹介
タイトル:世界のトップコンサルが使う 秒速で人が動く数字活用術
著者:小早川鳳明(こばやかわ・ほうめい)
▲引用:秒速で人が動く数字活用術
著者略歴
経営改革/企業再建プロフェッショナル。世界のMBA卒業生が就職したい会社トップ10に入る外資系コンサルティング会社を経て、現在は国内・海外企業の経営改革・再建や、企業買収業務に従事する企業価値向上の専門家。日本を代表するグローバルメーカー、全国小売チェーン、高級アパレルブランドなどの海外M&Aや事業戦略策定時のプロジェクトマネジメントに従事。従業員数万人規模の企業の再建や、海外企業の経営に携わっています。慶應義塾大学経済学部卒業、コロラド大学留学。慶應義塾大学経済学部では、学部生約1000人のうち、当時1%しか修了しないProfessional Career Programme(経済のプロフェッショナルとして世界的に活躍する人材を育成する特別プログラム)を修了。
ファシリテーターの感想・おすすめのポイント
上司、部下は「論理的な数字」で、初めて納得し、動き始める。
数々のM&Aを成功させた著者が、MECE、フェルミ推定、ロジカルシンギングを使ってビジネス数字の見せ方、使い方を伝授しています。
人間関係を重視し、直接会ってのネネゴシエーションができない時代。テレワークやWEB会議で、相手に納得して動いてもらうスキルが必須です!
目次
緊急提言
数字を使って自分の主張を語れないと、生き残れない時代が到来
新時代の到来で、旧来型の下手な人間関係に頼らずに部下や経営陣を動かすスキルが必須になった
オンライン会議では、関西ではなく論理と数字で人を動かしていくスキルが不可欠
「画面越しでも、相手の心に響く説得術」を習得しよう
まえがき
成功する経営者は、「人が動く数字活用術」を習得している
「正しく数字を理解できる」だけではビジネスパーソンとしては失格
会計・ファイナンスの知識は不要!受け手の心に響く数字をつくることができればいい
第1章 初級編
10秒で説得できる!数字の見せ方
Rules1
危機感を煽って人を動かす 基準値との”差分”を示して「悪い要素」を浮き彫りにしよう
Rules2「グルーピング」でデータの”傾向”を強調し、主張が正しいことをアピールする
Rules3「頑張らないとマズイ」と自覚させる
Rules4 余分な情報を与えず、 あなたの主張に注目させる
第2章 中級編
データに物語を加えて深い同意を引き出す
Rules5 データの背景にある情報もビジュアル化する
Rules6 ”容易に解決できない原因があるから、一緒に頑張って欲しい”と伝えよう
Rules7「頑張ればうまくいくかもしれない」という希望の光を示そう
Rules8 データをとことん要素分解して、どう動いて欲しいのかを具体的に示そう
Rules9 「自分がすでに取り組んでいること」も数字で示そう
第3章 心構え編
ビジュアル化の前にデータの選び方・つくり方を見直す
Rules10 相手の想像通りの数値を示して視聴の信頼感を演出しよう
Rules11 2人のキーパーソンを押さえよう
Rules12 結果だけ押しつけず、数字が導出された過程を示そう
第4章 上級編
相手に反論させない実践型ロジカル数字術
MECE、ロジックツリー、フェルミ推定は、つながりを理解しないと、実際のビジネスの現場では使いこなせない
Rules13 MECEは全体の輪郭をとらえるための道具として活用する
Exercise1 実践演習:MECEで全体像を把握する
Rules14 ロジックツリーを使って、一言では語れない事情の説得力を高めよう
Exercise2 実践演習:ロジックツリーで分析する
Rules15 確かなデータが存在しない場合にはフェルミ推定を使おう
Exercise3 実践演習:MECE→ロジックツリー→フェルミ推定
あとがき
本書の要点
働き方改革、そして新型コロナウィルス。リモートで上司、部下と相談し、直接面談せず得意先と折衝するための新時代のビジネススキルが求められている。そのキーとなるのは、「心に響く数字、データ」をいかに示すかだ。
本書では、企業再建のプロとして、日本にいながら世界中の企業のM&Aを成功させてきた著者が、数字の伝え方、グラフの見せ方ひとつで、相手が納得して瞬時に自らの意思で動き出す方法をまとめた。
内容例を挙げると
◎「正しく数字を理解できる」だけではビジネスパーソンとしては失格
◎グラフでは基準値との「差分」を示して、危機感を煽れ
◎「グルーピング」でデータの傾向を強調させなさい
◎データを要素分解して示し、相手が動く道筋を示せ
◎間違いだらけの「MECE」の使い方
◎「フェルミ推定」は、企業の入社試験のためにではなく、現場で使ってこそ効力がある等々。
会計、ファイナンスの知識は不要! 誰でもすぐに使いこなせるスキルを紹介!
世の中の多くの社会人が「数字で考える」「正しく数字を理解する」ことが大事だと教わってきました。これはもちろん、社会人として大事なことであり、否定されるものではありません。しかし、あなたがリーダーを目指すなら、または、すでにリーダーの立場にあるならば、「数字で考える」「正しく数字を理解する」よりももう一段階上のレベルを意識して、「人が動く数字活用術」の習得に力を注ぐべきです。
そのために学ぶべきは、数字を操って他人を説得し、他人を動かす技術です。リーダーの仕事は数字を分析するアナリストではありません。部下に対して業績報告数値を単調に伝えても、心には刺さらず部下のやる気を引き出したり部下を動かすことはできません。上司が唐突に目標数値を設定して部下に伝えても、部下はその目標数値が唐突すぎて納得できないでしょう。導かれた背景がわからない限りはその目標数値に対して全力で頑張るということはしないでしょう。このような数字の使い方では、リーダーとして部下を動かし、十分な役割を果たすことはできず、他人を動かす数字活用術を習得しているとは言えません。
人が動く数字活用術とは?
1.いかに他人を納得させ、他人に行動変容を促せるかに特化した数字の活用術。正しい分析や、会計・ファイナンスの数字ではない。
2.あなたの提案に反対する上層部や、あなたの指示に懐疑的な部下に対して利用する数字の活用術。相手に反論させないための術。
3.部署の年間計画承認・来期予算承認・新規プロジェクトの実施承認を経営陣から取得したいとき、今よりももっと精力的に部下に動いてもらいたいときに効果を発揮する術。
本書では、実際の企業の決算データを用いて、読者のみなさんがその企業の責任者として働いていた場合、どのような数字を示してその会社を改善していくかを実際のグラフで明らかにしています。
人が動く数字活用術を身につければ、上司、部下が瞬時に動いてくれるようになり、社員の生産性も飛躍的に高まるのです。
要約
「正しく数字を理解できる」だけではビジネスパーソンとしては失格
世の中の多くの社会人が「数字で考える」「正しく数字を理解する」ことが大事だと教わってきました。
これはもちろん、社会人として大事なことであり、否定されるものではありません。
しかし、 あなたがリーダーを目指すなら、または、すでにリーダーの立場にあるならば、「数字で考える」「正しく数字を理解する」よりももう一段階上のレベルを意識して、「人が動く数字活用術」の習得に力を注ぐべきです。
そのために学ぶべきは、数字を操って他人を説得し、他人を動かす技術です 。
リーダーが使いこなすべき数字とは、報告ツールとしての数字ではなく、自身の部下やチームにより効率的に動いてもらうためのツールとしての数字です。
会計・ファイナンスの知識は不要!受け手の心に響く数字をつくることができればいい
「人が動く数字活用術」を習得することは、会計的・ファイナンス的に正しい正確なデータ分析技術を習得することとはまったく異なるものです。
正しく自分自身が状況を理解することに主眼を置くのではなく、あくまで人に自らの意思で動いてもらうことに主眼を置いた、ビジネスの最前線の現場で使用されるべき技術です。最も人の心に刺さる数字の選び方と見せ方に注目した技術です。
なぜなら、ビジネスの生産性は、その仕事に関わる人たちのやる気に大きく影響されるからです。気持ち良くすぐに動いてくれる数字の見せ方、伝え方を本書で示しました。
「人を動かす数字」とは率先して「 人が動く数字」でもあるのです。
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