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売れる提案書の構成サンプルとクライアントに響く文章の書き方を解説

作成者: 水落康稀|2023.2.3

会社で営業に携わる方の中には「提案書の書き方」でお困りの方も多いのではないでしょうか。

提案書は営業で非常に重要な書類ですが、原則として決まったフォーマットがありません。そのため、学校はもちろん、企業の社内研修などでも教わることのない重要書類の1つです。

提案するプロジェクトの規模や内容によっては、その提案を採用するかどうかによって、クライアントの業績を大きく左右します。

ただ、プロジェクト内容にそれほど大きな差が出にくい業種・業態の企業にとっては、提案書の内容によって仕事を取れるか、競合他社に取られるかが決まるケースも多くあります。

このようなケースでは、提案書の完成度によって、営業担当者の成約率と評価が180度変わることも少なくありません。

クライアントに採用される提案書を書くには、相手にとって最大の利益があるプロジェクトであることを、説得力のあるわかりやすい言葉で伝えることが重要です。

そこで今回は、提案書の具体的な構成サンプルと、相手に伝わりやすい書き方を解説します。

以下では、営業に使う際の提案書を中心に解説しますので、これから提案書を書く方はもちろん『売れる提案書の書き方』を学びたい方も、ぜひ参考にしてください。

 

提案書とは

提案書とは、営業先の企業が抱える課題に対する解決策をプロジェクトに落とし込み、提案する書類です。

提案書の目的

提案書の目的は、取引先が抱える課題に対する解決策として、自社が持つ製品やサービスを購入してもらうことにあります

そこでクライアント企業の決済者に対し、わかりやすく提案内容を説明するための書類が『提案書』です。

提案書に記載する内容や書き方1つで、成約率は大きく変わりますので、これから紹介する提案書のサンプルや書き方を、ぜひ参考にしてください。

提案書と企画書の違い

「提案書」と混同されやすい書類に「企画書」があります。しかし、厳密にはこの2つは異なります。

提案書は、クライアントの課題を解決するための改善案や対策案を伝える書類です。一方、企画書は新規のプロジェクトや新商品などを企画し、新たな市場を生み出すための企画をまとめた書類です。

つまり、クライアントの課題(マイナス要素)を解決に導くのが提案書で、ゼロから新しい事業やプロジェクトなどを企画してアピールするのが企画書とイメージすればわかりやすいのではないでしょうか。

 

提案書に記載すべきサンプル項目と書き方

提案書に記載すべき項目のサンプルと書き方として、以下を参考にしながら作成してみてください。

1.表紙・タイトル

  • ・画像(必要に応じてプロジェクトに合う画像を入れる)
  •  
  • ・タイトル
  •  
  • ・日付(プレゼン当日の日付)
  •  
  • ・会社名
  •  
  • ・住所

2.挨拶と導入文

  • ・挨拶では、プレゼン採用してくれたクライアントへの感謝を手短に伝える。
  •  
  • ・導入文では、コピーライティング技術の『PASONAの法則』を使い、わかりやすくクライアントが納得できるリード文になるようにする。

3.目次

  • ・目次に関しては、必要に応じて作成する。
  •  
  • ・プロジェクトが大きく数ページにわたる提案書の場合は必須。

4.採用データの整理

  • ・資料内で使うデータや自社で収集した情報の出どころや、データの対象となる時期、調査の対象などを明確にする。
  • ・情報の信用性と、調査の時期や対象の統一性をクライアントに示す。

5.課題の定義

  • ・クライアントが抱える課題や問題に対し、必要な解決ポイントをわかりやすく定義する。
  •  
  • ・そして定義した課題に対する解説策を端的に提案します。
  •  
  • ・パッと見て理解できるように、図などを用いるのもおすすめです。
  •  
  • ・さらに、自社の提案を採用した場合と、採用しなかった場合の売上や業績をシミュレーションして提示するのも良い方法です。
  •  
  • ・積極的にクライアントのメリットを見える化しましょう。

6.提案の内容

  • ・提案の内容では、定義づけした課題の解説方法について、具体的にわかりやすく説明します。
  •  
  • ・提案内容では、提案の内容を大まかに示し、全体像が分かることが重要です。
  •  
  • ・問題の提起から、解決に至る結論までを、スムーズに説明します。
  •  
  • ・クライアントが、提案の内容をさらに詳しく知りたくなるように導きましょう。

7.提案を採用した場合のメリット

  • ・自社の提案を採用することで得られるメリットや利益を明確に示します。
  •  
  • ・できるだけ数値で示し、数値化するのが難しい場合は、クライアントが「イメージしやすい言葉」で表現しましょう。

8.提案の詳細

  • ・ここで提案内容の詳細を説明します。
  •  
  • ・クライアントのベネフィット(メリットや利益)を交えて記載することが重要。
  •  
  • ・曖昧に表記せず、クライアントが納得できる内容にすること。

9.過去の成功事例

  • ・自社における過去のプロジェクトの成功事例を明示します。
  •  
  • ・特に今回の提案に関連性の高い内容のものは積極的に紹介しましょう。(ただし他社の守秘情報が漏れないように配慮が必要です)

10.リソースの体制

  • ・リソースの体制では、提案したプロジェクトを実行する際に必要な組織と役割、人員の配置を明示します。
  •  
  • ・クライアントのみの場合がほとんどですが、自社との共同プロジェクトの場合には、しっかりと役割分担しながら一方に偏った配置にならないようにしましょう。

11.費用(見積もり)

  • ・見積もり費用には、提案したプロジェクトを採択した場合の施策実施にかかる費用額を明記します。
  •  
  • ・見積もりには、総額だけでなく費用の内訳を税抜と税込金額に分けて詳細に記載しましょう。
  •  
  • ・見積もりに不備があった場合には、著しく自社の信用を落とす可能性があるため注意が必要です。

12.スケジュール

  • ・スケジュールでは、提案期間のスケジューリングだけではなく、提案する内容をいつ・どこで・誰が・何をすることで、どのような成功を得られるかを明確に記載することが重要です。
  •  
  • ・スケジュールを組む際は、クライアントのリソース体制とあわせながら、担当するタスクや期間を明記しましょう。

13.会社概要と実績

  • ・提案書の最後には、自社の実績や事業を紹介します。
  •  
  • ・提出した提案書がクライアントの稟議にかかるケースを想定し、社外向けの会社紹介をわかりやすく記載しておきましょう。

 

提案書の書き方とポイント

提案書を書くときは、相手にわかりやすく書くのがポイントです。そこで提案書を書く前に、まず次の7つのポイントを押さえておきましょう。

  • ・提案書の目的を明確にする
  • ・提案先の課題を把握する
  • ・提案採用後の施策の流れを明確にする
  • ・提案内容に対する裏付けをとり、信頼性の高い資料を作成する
  • ・提案を採用する側のメリットを明確にする
  • ・視認性の高い資料を作成する
  • ・コピーライティング技術を使い伝わりやすい文章を書く


それぞれ解説します。

提案書の目的を明確にする

提案書は、クライアントの課題を解決するための施策を説明する資料です。

そのため、提案書の最終目的は「クライアントに自分が提案する解決策を採用(自社製品を購入)してもらい、課題を解決する」ことにあります。 

ただ、提案を採用してもらうためには、クライアントにとって魅力的な内容であることが必要不可欠です。なぜなら、自分の提案書は、競合他社の提案書と比べられるからです。

そこで、自社が提案する解決策が、他社よりも最も優れていることをしっかりアピールしなければなりません。 

提案先の課題を把握する

クライアントの課題を解決するためには、クライアントのマーケット状況や課題についての調査をしっかりと行う必要があります

取引先の企業や担当部署が抱える課題は千差万別です。そこで自社の営業スタッフだけでなく、社内のマーケティングチームと連携した精度の高い調査を実施することが重要です

提案採用後の施策の流れを明確にする

提案書を書くときは、提案後のプロジェクトの流れも明確に示しましょう

提案した企画が通ってから施策の実行を開始するまでの期間や、最終的な目的達成のゴールがいつになるのかなど、スケジュール管理も詳細に記入します。

また予算計画も必要ですが、実際にかかる経費よりも安く書きすぎて後からトラブルにならないよう、しっかりと精査しましょう

提案内容に対する裏付けをとり、信頼性の高い資料を作成する

提案書に記載する内容は、信頼性の高い内容でなければなりません

具体的な数値を記す場合には、どの資料を参考にしたのか。またマーケットの調査をいつどこで行い、誰が発表したのかなどをわかりやすく記載しましょう。

提案を採用する側のメリットを明確にする

提案書を書く際は、まず自社の企画する提案を採用してもらうことが目的となりますが、クライアントが採用する決め手は「提案されたプロジェクトを実施することで得られるメリットの大きさ」です。

そこで、自社の提案するプロジェクトを採用することによって「どれほど大きなメリットがあるか」をできるだけ明確に、わかりやすく記載しましょう

視認性の高い資料を作成する

見やすい提案書を作るには、適度な改行や表、グラフを取り入れることが大切です。

ただ、専門用語やカタカナ表示が多いと見にくい資料となります。

そこで難しい専門用語は、わかりやすく解説しながら記載するのも、クライアントの信頼を得る意外な方法の1つとして有効です。

コピーライティング技術を使い伝わりやすい文章を書く

セールスレターを書く際の理想的な構造を示したのが、神田昌典が考案した「PASBECONA(パスビーコーナ)」です。

PASBECONAは、Problem(問題)・Affinity(親近感)・Solution(解決)『・Benefit(利得)・Evidence(証拠)・Contents(内容)』・Offer(提案)・Narrow(適合)・Action(行動)の9要素から成り立っています。

このPASBECONAを応用することで、LPに必要となる要素が、漏れなく、そして早く書けるようになるでしょう。

PASBECONAは、人を動かす原理原則であるため、セールスだけでなく、企画書や提案書、プレゼンにも活用可能です。

 

提案書の構成サンプルと書き方のまとめ

提案書の目的は、あくまで自分が書いた提案書を採用してもらうことです

ただし自分が提案したプロジェクトが、クライアントにどのようなメリットを生み出せるかが伝わらなければ意味がありません

採用される提案書を作成するには『具体的な成功をイメージできるプロジェクトの提案』をすることが重要です

売れる提案書を書くためには、信頼できるデータを活用しながら、コピーライティング技術を存分に活かしながら魅力のある書類を作るように心掛けましょう。

もし提案書に関して分からないことがあれば、ぜひアルマ・クリエイションにご相談ください。

 

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