会社で営業に携わる方の中には「提案書の書き方」でお困りの方も多いのではないでしょうか。
提案書は営業で非常に重要な書類ですが、原則として決まったフォーマットがありません。そのため、学校はもちろん、企業の社内研修などでも教わることのない重要書類の1つです。
提案するプロジェクトの規模や内容によっては、その提案を採用するかどうかによって、クライアントの業績を大きく左右します。
ただ、プロジェクト内容にそれほど大きな差が出にくい業種・業態の企業にとっては、提案書の内容によって仕事を取れるか、競合他社に取られるかが決まるケースも多くあります。
このようなケースでは、提案書の完成度によって、営業担当者の成約率と評価が180度変わることも少なくありません。
クライアントに採用される提案書を書くには、相手にとって最大の利益があるプロジェクトであることを、説得力のあるわかりやすい言葉で伝えることが重要です。
そこで今回は、提案書の具体的な構成サンプルと、相手に伝わりやすい書き方を解説します。
以下では、営業に使う際の提案書を中心に解説しますので、これから提案書を書く方はもちろん『売れる提案書の書き方』を学びたい方も、ぜひ参考にしてください。
提案書とは、営業先の企業が抱える課題に対する解決策をプロジェクトに落とし込み、提案する書類です。
提案書の目的は、取引先が抱える課題に対する解決策として、自社が持つ製品やサービスを購入してもらうことにあります。
そこでクライアント企業の決済者に対し、わかりやすく提案内容を説明するための書類が『提案書』です。
提案書に記載する内容や書き方1つで、成約率は大きく変わりますので、これから紹介する提案書のサンプルや書き方を、ぜひ参考にしてください。
「提案書」と混同されやすい書類に「企画書」があります。しかし、厳密にはこの2つは異なります。
提案書は、クライアントの課題を解決するための改善案や対策案を伝える書類です。一方、企画書は新規のプロジェクトや新商品などを企画し、新たな市場を生み出すための企画をまとめた書類です。
つまり、クライアントの課題(マイナス要素)を解決に導くのが提案書で、ゼロから新しい事業やプロジェクトなどを企画してアピールするのが企画書とイメージすればわかりやすいのではないでしょうか。
提案書に記載すべき項目のサンプルと書き方として、以下を参考にしながら作成してみてください。
1.表紙・タイトル
|
2.挨拶と導入文
|
3.目次
|
4.採用データの整理
|
5.課題の定義
|
6.提案の内容
|
7.提案を採用した場合のメリット
|
8.提案の詳細
|
9.過去の成功事例
|
10.リソースの体制
|
11.費用(見積もり)
|
12.スケジュール
|
13.会社概要と実績
|
提案書を書くときは、相手にわかりやすく書くのがポイントです。そこで提案書を書く前に、まず次の7つのポイントを押さえておきましょう。
それぞれ解説します。
提案書は、クライアントの課題を解決するための施策を説明する資料です。
そのため、提案書の最終目的は「クライアントに自分が提案する解決策を採用(自社製品を購入)してもらい、課題を解決する」ことにあります。
ただ、提案を採用してもらうためには、クライアントにとって魅力的な内容であることが必要不可欠です。なぜなら、自分の提案書は、競合他社の提案書と比べられるからです。
そこで、自社が提案する解決策が、他社よりも最も優れていることをしっかりアピールしなければなりません。
クライアントの課題を解決するためには、クライアントのマーケット状況や課題についての調査をしっかりと行う必要があります。
取引先の企業や担当部署が抱える課題は千差万別です。そこで自社の営業スタッフだけでなく、社内のマーケティングチームと連携した精度の高い調査を実施することが重要です。
提案書を書くときは、提案後のプロジェクトの流れも明確に示しましょう。
提案した企画が通ってから施策の実行を開始するまでの期間や、最終的な目的達成のゴールがいつになるのかなど、スケジュール管理も詳細に記入します。
また予算計画も必要ですが、実際にかかる経費よりも安く書きすぎて後からトラブルにならないよう、しっかりと精査しましょう。
提案書に記載する内容は、信頼性の高い内容でなければなりません。
具体的な数値を記す場合には、どの資料を参考にしたのか。またマーケットの調査をいつどこで行い、誰が発表したのかなどをわかりやすく記載しましょう。
提案書を書く際は、まず自社の企画する提案を採用してもらうことが目的となりますが、クライアントが採用する決め手は「提案されたプロジェクトを実施することで得られるメリットの大きさ」です。
そこで、自社の提案するプロジェクトを採用することによって「どれほど大きなメリットがあるか」をできるだけ明確に、わかりやすく記載しましょう。
見やすい提案書を作るには、適度な改行や表、グラフを取り入れることが大切です。
ただ、専門用語やカタカナ表示が多いと見にくい資料となります。
そこで難しい専門用語は、わかりやすく解説しながら記載するのも、クライアントの信頼を得る意外な方法の1つとして有効です。
セールスレターを書く際の理想的な構造を示したのが、神田昌典が考案した「PASBECONA(パスビーコーナ)」です。
PASBECONAは、Problem(問題)・Affinity(親近感)・Solution(解決)『・Benefit(利得)・Evidence(証拠)・Contents(内容)』・Offer(提案)・Narrow(適合)・Action(行動)の9要素から成り立っています。
このPASBECONAを応用することで、LPに必要となる要素が、漏れなく、そして早く書けるようになるでしょう。
PASBECONAは、人を動かす原理原則であるため、セールスだけでなく、企画書や提案書、プレゼンにも活用可能です。
提案書の目的は、あくまで自分が書いた提案書を採用してもらうことです。
ただし自分が提案したプロジェクトが、クライアントにどのようなメリットを生み出せるかが伝わらなければ意味がありません。
採用される提案書を作成するには『具体的な成功をイメージできるプロジェクトの提案』をすることが重要です。
売れる提案書を書くためには、信頼できるデータを活用しながら、コピーライティング技術を存分に活かしながら魅力のある書類を作るように心掛けましょう。
もし提案書に関して分からないことがあれば、ぜひアルマ・クリエイションにご相談ください。