リーディング・ファシリテーターの末松清一です。
アフターコロナ時代を見据えて、
新型コロナはどのように我が国の政治・経済に影響したのか、
日本経済がどのようにコロナショックを乗り越えていけるの、
コロナ禍を乗り越える処方箋はあるのか
などを理解することを目的に
「日本経済予言の書」を手に取りました。
この本は、経営戦略コンサルタントで、
未来予測の専門家である鈴木貴博氏が、
新型コロナによって我が国が受けた経済的被害を明示し、
具体的な損害がどこに出ているかを分析。
7つのショックとして整理している。
そのうえで、日本再生の処方箋を提示する。
アフターコロナ時代をどう生き抜いていくかを
考えるうえで必読の書である。
予言として、一番重要なことは
「もし冬に再流行あると、日本企業にとって
2020年のビジネスチャンスは
7月から10月までの正味4カ月しかない」
そして、その後の再流行が
11月から翌年5月までの最大7カ月起きると
著者は言う。
そのうえで、より詳しくは以下の内容を明らかにしている。
1.コロナショックが与えた社会的・経済的影響とは具体的にどのようなものか
筆者は、コロン禍が与える2020年代のショックを
7つに分類して予言している。
① アフターコロナショック
コロナは2020年夏から経済問題へと
性格を変えていく。
コロナによる不況は3段階で来る。
まず、自粛明けに個人消費の低迷が起こる。
次いで、夏になると耐久消費財の消費低迷が
明らかになる。
そして、9月頃、広い業種でコロナ倒産が相次ぐ。
② トヨタショック
トヨタはこれから10年間で衰退する。
国内産業への影響が甚大である。
③ 気候災害ショック
巨大台風、熱波、熱帯性伝染病など
新しいタイプの気候災害が日本を襲う。
④ アマゾンエフェクト
アメリカ同様にアマゾンの拡大により
大規模小売チェーンが次々と閉店する。
⑤ 人口ピラミッドの崩壊
「高齢者が働かなくてはならない社会」
「増加する移民」「人工知能」への不満が高まる。
⑥ ポピュリズムショック
縮小する経済の中で2020年代中盤に
政権交代の機運が高まる。
⑦ デジタルチャイナショック
中国が進めるITやAIを駆使した
新しい監視社会を世界の政治家が注目している。
2.我が国の社会や政治、産業構造はどのように変化すると予言しているのか
上記の結果として、以下のような変化が起きる。
・2020年代、日本は経済的な立ち直りは
先進国の中で立ち遅れる。
・日本を代表する企業の安定が大きく崩れる。
・多くの小売業が衰退する。
・非正規社員が多数派になり、
70代の高齢者は働かなければならなくなり、
外国人労働者が激増し、日本のGDPを縮小させる。
・大都市でも過疎化が進み、
日本社会が老いていく。
・これから10年は災害が増加する。
・ポピュリズムが台頭し、自民党が下野する。
3.我が国の社会・経済を再生する効果的な対策はどのようなものか
変えられない未来と変えられる未来に
分けて考えることが必要。
① 変えられない未来
少子高齢化、地球温暖化、リモートワーク、
非正規社員の増加、医療費や社会保障など
セーフティネットの崩壊、ポピュリズムの台頭、
これらは資本主義と民主主義の欠陥がもたらすものである。
② 変えられる未来
政治システム、ワークスタイルの変化による
ビジネス文化や温室効果ガスの削減、
高齢者の新しいライフスタイル誕生、
ベイシックインカム、トヨタ問題の回避、
中国に対抗し新興国のリーダーになる。
2020年代の経済的、
社会的激変を企業人として、
あるいは個人として、
どう理解すればいいのかを知りたい方々、
さらに、世界的な政治経済の変化を踏まえて
長期的な経営戦略、リスク対策を
構築しようとしている人たち、
このような人たちはぜひ本書を手に取って読んでほしいと考える。
著者が本書の後半で述べている、
変えられる未来、変えられない未来を
冷静に捉え、そこから自社、あるいは自分自身の未来を描く事が望まれる。
末松さんプロフィール
HP:https://www/skr-ins.com