ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは、顧客に対してブランディングやイメージ戦略を行うのではなく、広告やWebサイトで発信した情報の反応(問い合わせや資料請求)してくれたリード(見込み顧客)に対して、直接商品やサービスの販売を行うマーケティング手法です。
このダイレクトレスポンスマーケティングを行うことで、企業が効率よくマーケティング活動をできます。
ただ、ダイレクトレスポンスマーケティングを成功させるには、いくつかのポイントを押さえた企業活動を行う必要があります。
そこで今回は、ダイレクトレスポンスマーケティングのメリットだけでなく、やり方や成功事例などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは、自社が出した広告に対して、問い合わせなどの反応があった見込み顧客に、直接商品を販売する手法です。
一般的なマスマーケティングでは、テレビCMや新聞広告、雑誌広告などで商品の認知度を高めて店舗で販売するといったマーケティングが主流でした。
しかし、ダイレクトレスポンスマーケティングでは、自社の商品に興味を持ってくれた顧客にだけ営業をかけるため、非常に成約率が高いのが特徴です。
このダイレクトレスポンスマーケティングは、アメリカで100年以上も前から行われている営業手法と言われています。
なぜアメリカで発展したかといえば、広大な国土を持つアメリカで効率よく利益を上げるためには、顧客を絞り込んで営業を行うことが必要不可欠だったからです。
そしてこの発想を1998年頃に日本に持ち込み、提唱したのが「日本一のマーケター」として知られている神田昌典氏です。
そしてその後、ダイレクトレスポンスマーケティングは、瞬く間に日本中のマーケターや企業経営者に浸透していきました。
ダイレクトレスポンスマーケティングには、大きく分けて次の2つのメリットがあります。
それぞれ解説します。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、自社の広告に対して反応があった見込み顧客だけにアプローチするため、最初から購入する見込みの高い顧客リストを作成できます。
そしてこれらの見込み顧客に対するマーケティング施策を実施しながらPDCAを回していくことで、さらに成約率が高く効率の良い営業活動を行えるでしょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、無理にテレビCMや新聞広告などを打つ必要がなく、インターネット広告やコンテンツマーケティングなど、自社の規模や予算に応じたマーケティングが可能です。
そのため、大きな費用を用意できない企業でも、無理なくできるのも大きなメリットとなります。
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一方、ダイレクトレスポンスマーケティングには、いくつかのデメリットもあるため、自社の商品やサービスをどのような市場で展開するかを考えた上で採用しましょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングのデメリットは、次の2つです。
それぞれ解説します。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、まず広告やコンテンツマーケティンングによって自社の商品やサービスに興味を持った見込み顧客のリストを集めるところから販売に向けた営業をスタートします。
そのため、顧客リストが集まるまでの間は、当然のことながら売上も収益も発生しません。
このようなことから、まず最初に企業がとるべき施策として、当面の運転資金を確保する必要があります。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、マス広告のように多額の資金を投じて商品やサービスの認知獲得を行いません。
そのため、売上げを確保できたとしても、企業や商品のブランディングには不向きなマーケティング手法と言えるでしょう。
もちろん、時間の経過とともにブランド力や認知度の向上には期待ができますが、そもそもブランディングや認知を目的としない手法であることを理解しておく必要があります。
ダイレクトレスポンスマーケティングのやり方には、テレビや新聞の折り込み広告、Webマーケティングなどがあります。
その中でも、最も取り組みやすいのがWebマーケティングやコンテンツマーケティンングです。
以下では、インターネットを活用したダイレクトレスポンスマーケティングを例としながら、効果的なやり方を解説します。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、大きく次の3つのフェーズに分けて行います。
それぞれ解説します。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、まず見込み顧客のリストを集めることから始めます。
見込み顧客のリストを集める手段としては、Web広告や自社コンテンツを使ってユーザーに役立つ情報を提供しながら資料請求してもらうリードマグネットを使う方法や、SNS、テレビCM、折り込み広告、雑誌広告などを使って直接問い合わせをしてもらうなどの方法があります。
そこで資料請求や問い合わせをもらうために、期間や人数を限定したり、割引や抽選といったキャンペーンを行うなど、ユーザーの心を惹きつける施策を行うことが大切です。
また、ダイレクトレスポンスマーケティングは、BtoB企業でも効果を発揮します。その際はキャンペーンよりも、顧客となる企業が抱える課題解決に向けた訴求を行いましょう。
Webマーケティングにおいては、最終的な資料請求や問い合わせを進めてCV(コンバージョン)を導くために、LP(ランディングページ)を設置するのも効果の出しやすい施策です。
LP(ランディングページ)に関する詳しい内容は「ランディングページ(LP)とは?制作目的やメリット、作り方を解説」をご参照ください。
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見込み顧客のリストが集まれば、すぐに購入を促す場合もあれば、じっくりと顧客に教育を行いながら優良顧客に育成(リードナーチャリング)する場合もあります。
特に単価が高く、何度もリピートしてもらえるような商品やサービスでは、リードナーチャリングが不可欠です。
このリードナーチャリングを通じて、見込み顧客との間に強い信頼関係を構築し、LTV(顧客生涯価値)を高めるのが狙いです。
化粧品や健康食品のサンプルを提供したり、さまざまなお役立ち情報をメルマガなどで配信するといった手法が多く取られています。
見込み客の育成(リードナーチャリング)については「リードナーチャリングの意味や施策の事例|見込み顧客育成の効率化に役立つツールを解説」をご参照ください。
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顧客リストが集まり、ナーチャリングも完了すれば、いよいよ商品やサービスを販売します。
ここでは、見込み顧客に最終的な決断を後押しするための施策を行います。
顧客を後押しする施策には、期間や人数を限定する。または、購入特典を付けるといった方法が効果的です。
また商品によっては、分割払いの金利ゼロキャンペーンや、返金保証といったサービスで付加価値を提供するのも良い方法です。
いずれの施策においても、顧客に対するお得感や安心感を与えることが、購入へ繋がる大事なポイントとなるでしょう。
以下では、ダイレクトレスポンスマーケティングの成功事例と、そのポイントを紹介します。
ダイレクトレスポンスマーケティングの本場であるアメリカの企業であるアマゾンは、ユーザーが検索した結果から商品の購入に直結させる手法で、瞬く間に国内の通信販売市場を席巻しました。
ただこれまでの通信販売とは異なり、さまざまなメーカーの商品を比較できたり、詳細な商品紹介資料を付けるなど、顧客目線でWebサイトを構築しているのがポイントです。
再春館製薬所については、これまでにドモホルンリンクルのテレビCMをご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。
再春館製薬所では、顧客との信頼関係を第一と考え、絶対に無料サンプルを試してからでないと商品の購入ができないという珍しい販売手法を取っています。まずはサンプルを提供し、顧客へのカウンセリングやアンケートを行うことでナーチャリングしていく手法で、多くのファンを獲得しています。
ある程度の認知度がついた今では、かつてほどのテレビCMを見なくなったことからも、LTVの高い顧客の獲得に成功した事例として参考になる企業の1つと言えるでしょう。
アスクルは、以前はカタログでの事務用品などをメインに通信販売していましたが、近年はECサイトへ大きく比重を転換しています。
さまざまな企業へ紙媒体のダイレクトメール(DM)を送付し、翌日に届くことをウリに、以前は事務用品やパッケージなどを販売していました。しかし、ECサイトで商品を頻繁に入れ替えることができるようになったことで、現在では日用品や食品まで広く展開しています。
ここでは、それぞれにジャンルの異なった3社を例にあげました。しかし実際には、これに類似する企業だけでなく、スポーツクラブや家電販売など、さまざまな企業がダイレクトレスポンスマーケティングの営業手法を取り入れ、成功しています。
このようにダイレクトレスポンスマーケティングは、BtoCはもちろん、BtoBの企業でも効果的なマーケティングを行える優れた手法です。
ダイレクトマーケティングを行う際は、多くの営業部隊を抱えることなく、優れたマーケティングチームがいるだけで資金も最小限でスタートできます。
もし広告資金がないだけで、優れた商品やサービスを世に出せていないとお考えの企業や経営者の方がいるときは、ぜひダイレクトレスポンスマーケティングを行ってみてはいかがでしょうか。
ダイレクトレスポンスマーケティングについてのご質問などがあれば、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。ダイレクトレスポンスマーケティングの第一人者である、神田昌典のマーケティングをいつでも学ぶことが可能です。
マーケターに関する詳しい記事は「マーケターは未経験でもなれる?仕事内容や必要な資格、年収を徹底解説」をご参照ください。