ビジネスの現場では、さまざまな人と協働してプロジェクトを進めたり、問題を解決したりすることが求められます。そのときに重要なのが、ファシリテーション能力です。
ファシリテーションとは、会議やワークショップなどの場で、参加者の意見を引き出したり、議論を促進したり、合意形成を支援したりすることです。
ファシリテーション能力を身につけることで、チームのコミュニケーションやパフォーマンスを向上させることができます。
そこで今回は、ファシリテーション能力の概要や、ビジネス力を高める4つのスキルを徹底解説します。ビジネスに活かせるマネジメント能力を高めたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ファシリテーションとは、会議や研修などの場で、参加者の発言を促したり、話をまとめたりすることで、話し合いをより良いゴールに導く手法・技法・行為の総称です。
ファシリテーションの目的は、ファシリテーターと呼ばれる進行役が、ファシリテーションスキルを活用して、話し合いの場がその目的に到達できるよう支援することです。
ファシリテーションには、以下のようなメリットと効果があります。
優秀なファシリテーター(ファシリテーションを行う人)になるためには、以下の4つのスキルが必要です。
それぞれのスキルについて、詳しく見ていきましょう。
理解力とは、参加者から出されるさまざまな意見の要点を素早く把握する能力のことです。
ファシリテーターは、議論の中で出されるさまざまな意見をまとめ、論理的に整理していくことが重要です。
そのためには、参加者の意見の背景や目的、関心事などを理解する必要があります。
理解力を鍛えるためには、視野を広げ、知識の絶対量を増やすことが効果的です。日頃から新聞やニュースなどさまざまな情報媒体に触れるようにするなど、意見のバックグラウンドとなる知識を広げるように心がけましょう。
論理的思考力とは、議論の流れを整理し、要点をまとめる能力のことです。
ファシリテーターは、議論の中で出されるさまざまな意見をまとめ、一定の結論を出すことが求められます。
そのためには、論理的に思考し、分析し、整理し、提示することが必要です。
論理的思考力を鍛えるためには、ロジカルシンキングの基本的な考え方や手法を学ぶことが効果的です。ロジカルシンキングとは、論理的に考えるための思考法のことで、問題の本質を見極めたり、仮説を立てたり、根拠を示したりすることができます。ロジカルシンキングに関する書籍や研修などを活用して、論理的思考力を高めましょう。
質問力・聴く力とは、参加者の発言を促し、傾聴する能力のことです。
ファシリテーターの重要な役割の一つは「Aさんはこの点についてどう考えていますか?」といったように、参加者に対して質問を投げかけることです。この際に、ずれた質問をしてしまったり、参加者が答えにくいような聞き方をしてしまったりすると、かえって議論が行き詰まってしまうことがあります。絶妙なタイミングで適切な質問を投げかける「質問力」も、ファシリテーターとしてぜひ身につけておきたい能力の一つです。
また、議論の場に出された意見に対してファシリテーターが積極的に傾聴する姿勢を見せれば、発言しやすい空気感を作ることもできます。議論を円滑に進行させるため、「聴く力」も合わせておさえておきましょう。
質問力・聴く力を鍛えるためには、コミュニケーションスキルの基本的な考え方や手法を学ぶことが効果的です。コミュニケーションスキルとは、相手の気持ちや考えを理解し、自分の気持ちや考えを伝えるためのスキルのことで、相手の話に耳を傾けたり、オープンエンドの質問をしたり、フィードバックをしたりすることができます。
コミュニケーションスキルに関する書籍や研修などを活用して、質問力・聴く力を高めましょう。
交渉力とは、参加者間の合意形成をサポートする能力のことです。
議論の終盤に差し掛かると、ファシリテーターは会議全体としての結論を出すようにサポートしていくことが求められます。しかし、議論が深まれば深まるほど意見が対立し、なかなか一定の結論を出せないことも少なくありません。
そこで役に立つのが、ファシリテーターが持っている交渉力です。
交渉力とは、お互いが納得できるように上手く働きかける能力を指します。議論の終盤でもなかなか意見が収束しない場合、ファシリテーターが交渉力を発揮しながら、なるべく全員が納得できるような結論を導くことが有効です。
そのため、ファシリテーターには高い交渉力が求められます。
交渉力を鍛えるためには、ネゴシエーションスキルの基本的な考え方や手法を学ぶことが効果的です。ネゴシエーションスキルとは、問題解決のための交渉スキルのことで、双方のメリットを考慮し、お互いにとっての最善を探ることができます。
ネゴシエーションスキルに関する書籍や研修などを活用して、交渉力を高めましょう。
ファシリテーションとは、会議やワークショップなどの場を円滑に進めるための取り組みです。ファシリテーターとは、その場の司会者や進行役として、参加者のコミュニケーションを促進し、目的や目標に沿った結果を導く人のことです。
ファシリテーターになるためには、以下の6つのステップを踏むことが必要です。
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
事前準備として、今回の会議はどこから始め(=出発点)、どこまで結論を出すことを目指すか(=到達点)をしっかりと決めておくことが重要です。
出発点と到達点は、合意形成までのプロセスを分解することでイメージしやすくなります。
例えば、以下のようなプロセスが考えられます。
出発点と到達点はその時の状況に応じて設定し、会議が始まった際には参加者にも共有することが大切です。
同じチームや部署のメンバーとのミーティングの場合は、意識せずとも、共通認識や共通言語ができています。
しかし、他部署のメンバーとの会議の場合は、保有情報に差があったり、そもそもの前提やミッションが異なっていることが多々あります。
そこで、会議をスムーズに進行するには、参加者のこのような情報について予測したり把握しておくことも重要です。
例えば、以下のような情報が考えられます。
参加者の発言を引き出していくためには、まずは参加者が発言しやすい話題や興味のある話題からスタートしてみるのも一つの手です。
発言がなかなか出ない原因としては、参加者が「本当は言いたいことがあるのに発言しない」というケースがあります。その要因として、参加者が「自分の発言は重要ではない」と思っていたり、発言に自信がないことがあげられます。
ファシリテーターは、そうした発言を躊躇する原因を取り除いていくために、参加者一人ひとりの発言を尊重しながら、個々人の発言には十分な意義があることを伝えていくことが重要です。
発言を引き出していくと同時に注意しなければならないのは「話の脱線」や「論点とのズレの発生」です。
会議などで、話の内容が本筋からずれてきた場合は、目的を皆で再確認したりなど、適宜、軌道修正をしていきましょう。
仮に「話が盛り上がってしまい、なかなか軌道修正できない」という場合でも、参加者の感情に配慮しながらも議論を止める勇気もファシリテーターには必要です。
ファシリテーターは、定めたゴールに到達するために、会議の時間管理もしていかなければなりません。
そこで、あらかじめ「会議の目的の共有に〇分」「□□の議論に〇分」「まとめに〇分」など、各ステップの所有時間を決めておき、実際の会議では進捗を確認しながら進めていきましょう。
最後に、今後のアクションに向けて、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を明確にし、参加者の意見や認識を一致させて、会議を締めくくります。
今後のアクションまで決まらなかった場合は、今回の議論で「決まったこと」「決まらなかったこと」を明確にし、次回の会議で話し合う論点として押さえておきましょう。
前述したように、ファシリテーターになるためには、理解力や論理的思考力、質問力・聴く力、交渉力などのスキルが必要です。
これらのスキルを磨く方法として、資格取得や研修受講があります。
ただし、ファシリテーターになるための国家資格や公的資格はありません。しかし、民間資格や養成講座を受けることで、ファシリテーションの技術を学ぶことが可能です。
おすすめのファシリテーターの民間資格には、以下のようなものがあります。
これらの資格は、ファシリテーターとしての役割やスキル、コミュニケーションや問題解決の方法などを学ぶことができます。また、資格取得のための勉強は、ファシリテーターとして役立つものになるでしょう。
また、資格取得が目的ではなく、ファシリテーションを学ぶことだけが目的であれば、書籍や読書会への参加、セミナーや研修を受講することもおすすめです。
「行動するための読書会(リードフォーアクション)」は、日本最大級の『行動するための読書会』です。
この会では、読書を「個人が知識を得るための経験」だけにとどめることなく、仲間と本を読んで感想を分かち合ったり、内容を深く理解したり、新しい自分に出会ったりすることができます。
リードフォーアクションが誕生したのは、2011年の9月にまで遡ります。
同年3月に発生した東日本大震災によって社会全体が揺らぐ中、誰もが「新しい時代を自分たちで作っていかなければならない」と感じたあの時。
その一歩を踏み出すために、人と人とをつなげ、知を共有するソーシャルリーディング・コミュニティとして誕生したのが、「リードフォーアクション」でした。
「読書会」と名前がつくイベントやセミナーは、日本中あらゆるところで開催されています。
しかし「リードフォーアクション」がそれらと一線を画すのは、読書の場を通じて、一人ひとりのストーリーが生まれる、行動するきっかけができるという点です。
リードフォーアクションの具体的な特徴には、以下の3つがあります。
それぞれ解説します。
「リードフォーアクション」では、読書会の進行を務めるリーディングファシリテーターによって、ビジネス・英語・キャリア・家族といったさまざまなジャンルの読書会が全国各地で開催されています。
短期間で本を読みこなし、参加者が気づきを得るためのプログラムが展開されているのが特徴です。
地域に密着して活動するリーディングファシリテーターはおよそ170名。
年間の読書会開催数は1,300回以上、年間の参加者は12,000人を超えるほど、評判の読書会となっています。
「リードフォーアクション」では、単に読書をするだけでなく実践するところまで綿密に設計されています。
たとえば、「マーケティングの本を読み、その手法を実在の会社で実践してみる」「プレゼンの本で学んだことを生かして自己紹介ビデオを撮影してみる」など、非常に具体的です。
各リーディングファシリテーターは、本を読んで学んだことやその場で得た気付き・アイデアを仲間と共有し、実生活に活かしていく方法や、読書会をきっかけに社会における新しい価値の創造を仲間と共に目指せる場づくりなど、趣向を凝らしたプログラムを用意しています。
このような仕組みによって、読書をしても1人ではなかなか行動や実践できなかった自分から、仲間となら楽しく挑戦できる自分へとマインドが変化していきます。
多くの読書会では、事前に本を読んでから参加するスタイルが主流です。
しかし、「リードフォーアクション」では事前に本を読んでおく必要はありません。
その場で本を読み、短時間でエッセンスを掴みながら内容の理解を進めていくスタイルなので、忙しいビジネスパーソンでも気軽に参加することができます。
そのため、気になる本や話題の本を短期間で読み切りたい、という方にもおすすめの読書会です。
リードフォーアクションの詳細については、こちらをご参照ください。
このように、ファシリテーション能力は、組織内の効果的なコラボレーションや問題解決、意思決定プロセスを支え、成果の向上に寄与する重要なプロセスです。さらに、人材育成の面でも大きなメリットを発揮します。
そこでもし、ファシリテーションについてもっと知りたいという方や、質問・疑問のある方は、いつでもアルマ・クリエイションにご相談ください。あなたに最適なソリューションを提供いたします。